――ザアアアア――
雨が降り注ぐ街の中。その街中を照らす住宅街に灯る光。現在14日の午後9時38分。
【キイイイイイ…】
途端に扉がゆっくりと開く音が聞こえる。外見からしてその街に1つだけ建っている大きな城。恐らくこの音は、城門が開く音だろうか? この城には、特別な仕掛けが数多く施させており、今の城門のように、大きな音を発することを押さえることも容易い。 その城門から出てきた一人の少女。少女は辺りをキョロキョロと見渡し、誰もいないのを確認すると、そのまま街から離れたある場所へと向かっていった。これを切っ掛けに、一人の少女と二人の兄弟の物語が始まる。
【ゴトンゴトン!】
翌朝。昨日の雨もすっかりと止み、いい日本晴れである。太陽の眩しい光がこの地に照らされ、絶好の天気となった。特に此処の所雨ばかり続いていたお陰で、湿気やムシムシした湿度が堪らなかった。4日にも渡って降り続いた雨は、ようやく終わってこれからは少しまともな旅ができるだろう。 「しっかし…列車の中って暇だねぇ…」 「兄さん、またそんなこと言ってる…。目的地までもう少しなんだから大人しくできないの?」 「バ―カ。久しぶりにいい天気になったんだ。俺は早く目的地に着いて、のんびりしたいんだよ」 「いつものことじゃなくて?」 「何だと―?」 列車の窓から外の景色を見渡す二人の兄弟。兄の名は「ギルティネス=アシュフォード」。若干15歳で、決闘者なら手に入れたい「世界最強決闘者」の称号を得た天才。 「でも、こんなにいい天気は久しぶりだね」 「何だ「クロ」も結局遊びたいんじゃないか?」 「もう…兄さんたら本当に子供なんだから…」 ギルから「クロ」と呼ばれた少年の名は「クロイム=アシュフォード」。しっかり者で、いつも兄の面倒を見ている。
「あ、兄さん。そろそろ着くよ」 クロに促され、ギルは目的地を窓から覗いた。 「お―」 列車は駅で停車し、乗客はゾロゾロと降りていった。 「クロ、早く行くぞ」 「あっ、待ってよ兄さん」 二人は列車を降りて駅の改札口を出た。此処が物語の出発地点になるとは、誰も思っていなかった。二人の兄弟、そして…一人の少女も……。
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Date: 2004/09/09
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