……………………………………ガチャッ!…パーパパッパパーパ〜♪
『おぅはよぉうございまぁすっ!FMGラジオニュースのお時間です〜。 なんと今日で晴天日が50日間連続と、ジオニドル国観測史上最長と なりました〜。前線の影響もあって、もうしばらく晴天が続くそうです。 これを期に家族でラオール山にピクニックに行くのもいいですねぇ〜^^ では、ニュースです〜♪…現在、ノルワール条約における“大木炭18”の 密輸問題の件で、ノルワール王国とジオニドル民主主義共和国の政府間交渉が 進展していない問題について、専門家の間では…………』
ジオニドル民主主義共和国内の西、三日月型の海岸沿いに位置する、貿易港クレセトス町。 白を基調とした美しい町並みが訪れる人々の心に深く印象を残し、通称”白の蜃気楼の町”と も呼ばれ、古くから観光スポットとして人気が高く、また各諸外国との貿易も盛んで、町は常 に活気に溢れていた。
その町の中心部にある住宅街の一角に、ひときわ目立つとんがり帽子の屋根をかぶった、少 々古びた診療所が真新しい新築の家に囲まれたたずんでいた。
…目覚ましのアラーム音変わりに設定されたラジオ番組が、軽快なBGMと共に診察部屋中 に響き渡っていた。半開きのカーテンの間からは、朝の会話を楽しむ小鳥たちの声と、放送さ れていたとおり雲一つ無い見事な晴天が、朝の太陽の光をよりいっそうまぶしく部屋に降り注 いでいる。さらにテーブルにはパンとコーヒーと目玉焼きが、おいしそうに湯気を揺らめかせ ている。 ……あぁ!なんて理想的な朝!!こんな朝なら毎朝心地よく目覚められるに違いない!!!
しかし、こんな爽やかな朝の診察部屋で、うつむきながら静かに泣いているエプロン姿の女 の子と、寝癖を直しながら、白衣姿で必死になだめている男がいた。
「…せっかく……はみるが…クロにぃのために…ごはんつくったのに……」
「だからあれは誤解ですよ〜…まさか私がハミルを睨むわけないじゃないですかぁ」
「…でも……ぐすっ………うえぇ〜〜…」
「あぁ〜〜よしよし、泣かないで下さい〜。私が悪かったですから」
…どうやらこの二人には、ラジオの音も爽やかな小鳥たちの声もまるで聞こえていないようだ。
男の名前はクロフ・ラルギードといい、町の人々からはクロ先生と呼ばれている。普段はこの診 療所で診察及び研究をしていて、どちらかというと博士に近い。部屋にいるときは常に白衣を着て おり、外にいるときは黒い魔術師風の格好をして街をまわっている。すらりと延びた背丈とミドル ショートの髪型で、遊び人のようにも見えるが、とても落ち着いていてのんびりとした性格らしく、 それは喋り方にもよく出ている。
一方、女の子の名前はハミル・ウェバー。1年ほど前、クロフと一緒にこの街に越してきて、主 にクロフの助手をしている。背は肩がクロフの腰の位置ほどで、金色の美しい髪をしており、長さ は背中まである。たいていはいつもクロフの後をついてまわっている。
今日はたまたま、昨日いつもの散策帰りにクロフが”理想の朝のあり方”について熱く語ってい たのをハミルが実践に移したものであった。クロフが寝ている間、朝早くに起きて一生懸命シチュ エーションしたのだろう。 それを、いくら悪夢でうなされてたからといって、思いっきり睨まれたのだから………ハミルは 絶望の海に身を投げ出される思いであった。
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Date: 2004/10/05
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