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願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

LastACT:父にさよならを・・・・・・・・ 2004/08/29
ACT144:結末 2004/08/28
ACT143:相容れぬものたち 2004/08/28
ACT142:時を食らうもの 2004/08/27
ACT141:形勢逆転? 2004/08/27
ACT140:圧倒的物量 2004/08/26
ACT139:最終決戦 2004/08/26
ACT138:何故・・・・・・・ 2004/08/25
ACT137:決着、そして・・・・・・・・ 2004/08/25
ACT136:女神、降臨 2004/08/24


LastACT:父にさよならを・・・・・・・・
 それで終わり、カイと出会ってからの時間はそこで途切れた。そしてこれでお別れ、でもその前に、言わなければならないことがある。あの突然の別れで、言うことができなかった。さよならの言葉を・・・・・・・・・・・・・・・






ヒールLP1700手札2枚
場 運命の女神ノルン(攻撃表示)、永続罠:DNA移植手術
伏せ なし

カイLP2200手札6枚
場 時喰らいの魔獣ファトゥム(攻撃表示)、速攻魔法:収縮発動中
伏せ なし


運命の女神ノルン 神属性 ☆12 幻神獣族:融合:効果
ATK4000 DEF4000
このカードは自分のフィールドに存在する「過去の女神ウルド」、「現在の女神ヴェルダンディ」、「未来の女神スクルド」をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。(融合のカードは必要ない)このとき除外したカードはデュエル中使用出来ない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する
自分フィールド上のモンスターを好きなだけ生贄にささげる。生贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分、このカードの攻撃力が永続的にアップする。この効果は決闘中、1度しか使えない。
次のターンの自分のバトルフェイズをスキップすることで、このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
???
???

時喰らいの魔獣ファトゥム 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK??? DEF???
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する炎属性、水属性、風属性、地属性、光属性、闇属性のモンスターを1体ずつ除外してのみ特殊召喚できる。この時に除外したモンスターはデュエル中使用できない。また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードの持ち主はこのカード以外のモンスターを召喚することができない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードの攻撃力と守備力は、デュエル開始時からコントローラーが迎えたドローフェイズの数×1000ポイントとなる。
自分のターンのエンドフェイズ時、サイコロを振り出た目の数につき次の相手ターンをフェイズをひとつ、スキップする。
1:ドローフェイズ。2:スタンバイフェイズ。3:メインフェイズ1.4:バトルフェイズ。5:メインフェイズ2.6:エンドフェイズ。

運命の女神ノルン攻撃力12800→10800
時喰らいの魔獣ファトゥム攻撃力12000守備力12000



 黄金の一撃が、黒の極光の奔流に飲み込まれた。黒の光はそのまま黄金の一撃の放ち手であるノルンをも飲み込んでいった。
「勝負あったなヒール。切り札である神を失ったお前に、もう勝ち目はねぇよ」
 勝ち誇ったかのようなカイの言葉、俺はそれに、不敵な笑みと共に返答してやった。
「さぁ、そいつはどうかな?カイ」
「何?」
 案の定、怪訝な顔をするカイ、だから俺は言葉を続けた。
「俺の場をよく見てみな。何がいる?」
「なんだと・・・・・・・・これは!?」
 驚愕の声を上げるカイ、それも当然。なぜなら俺の場には、傷ひとつ負っていないノルンが、悠然と羽ばたいていたのだから。
「ちょっとまてよ、なんでそいつが顕在してるんだよ?」
 よく見ると、ノルンの前の空間には何か裂け目のようなものがある。そこからは紫の光があふれていた。
「これは・・・・・・・・・まさか!?」
「そうだ、これが、これこそがノルン最大の防御能力、時元の断層。お前の攻撃は時の流れない時と時の狭間の領域へと消えたぜ!」
「くそっ!そんな能力が!」

 この世界の時間には、似て非なる異なる世界が多数存在する。俗に平行世界と呼ばれるそれは、世界と世界が横に並ぶようにして存在している。だがそこで、並びあう世界と世界の狭間、そこは永遠に時の流れない不変の空間。それが時元の断層。そこに入り込んだものは誰であれ、たとえ神であっても抜け出せず、時間から取り残される。その先に待つのは死ではなく、消滅。時間軸から完全に消え去ってしまうのだ。ただひとり、この時を司る女神である、ノルンを除いては・・・・・・・・・

「これがノルンの第3の能力、デュエル中、1度だけこのカードに与えられる戦闘ダメージを時元の断層に放り込むことでゼロに出来る」
「ちっ、一回きりの絶対防御ってわけかよ」
「そう、そしてこの瞬間、この第3の能力の発動をトリガーとし、ノルンの持つ最強の能力、第4の能力が発動する!」
「な!?最強の能力だと!?」
「そうだ!ノルン!我が命の欠片を代価とし、その時の牢獄を開け!
「わかった!出でよ!クロノスプリズン!」
 ノルンの持つ聖剣グラムが光を発する。ただし、さっきまでのような神々しいまでの黄金の光ではなく。神秘的な紫の輝きを。
「はぁ!」
 一閃、二閃、三閃、四閃・・・・・・・・・・・瞬きの暇に放たれる無数の紫の閃光。それらが実態をなし、ファトゥムの周りを覆っていく。
 やがて完成したのは巨大な立方体。それがファトゥムの巨体を完全に囲っていた。面の部分も淡い紫に輝いている。まさに牢獄。その名の通り、あの立方体はファトゥムを時の牢獄に閉じ込めたのだ。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 咆哮と共に、その牢獄を打ち破ろうと暴れる黒い巨体。だが無駄だ。こちら側と向こう側では、絶望的な隔たりがある。いかに強力な力を持つ時食いといえども、これを打ち破ることは出来ない。
「な!?ファトゥム!」
「終わりだ。滅びるがいい!時喰らいの魔獣よ!」
 聖剣を振り上げるノルン。その刃が、紫の光を発して巨大な剣となる。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 それを一気に振り下ろす!
 紫の閃光が迸り、それが牢獄によって身動きが取れなくなっているファトゥムの巨体を両断した。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 断末魔の咆哮をあげながら消えていく黒い巨獣。ここに勝敗は決した。
「い、一体、何が起こった?」
「これがノルン最大の能力、第3の効果発動をトリガーとし、俺のライフ1500ポイントを引き換えとし、相手モンスター1体を除外する能力。それがこれだ」
「だが、ファトゥムはカードの効果ではフィールドを離れないはずだが?」
「まぁな、だがこの効果からは誰も逃れられない。この効果の対象となったモンスターの効果は無効化される。つまり、ファトゥムのカードの効果によってはフィールドを離れないという効果も無効となるってわけだ」
「なるほど、まさか、そんな隠し球をもってやがったとはな。俺の負けだ」


運命の女神ノルン 神属性 ☆12 幻神獣族:融合:効果
ATK4000 DEF4000
このカードは自分のフィールドに存在する「過去の女神ウルド」、「現在の女神ヴェルダンディ」、「未来の女神スクルド」をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。(融合のカードは必要ない)このとき除外したカードはデュエル中使用出来ない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する
自分フィールド上のモンスターを好きなだけ生贄にささげる。生贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分、このカードの攻撃力が永続的にアップする。この効果は決闘中、1度しか使えない。
次のターンの自分のバトルフェイズをスキップすることで、このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
このカードはデュエル中、1度だけこのカードに与えられる戦闘ダメージを無効化できる。この効果を使用したとき、1500ポイントのライフを払うことで相手モンスター1体をゲームから除外することができる。この効果の対象となったモンスターの効果は無効化される。

ヒールLP1700→200手札2枚
カイLP2200手札6枚

 ここに勝敗は決した。時食いが消えた今、カイを守るものはない。俺の勝利だ。あと一撃、それで全てが終わる。
「カイ」
 だが、その前に言わなければいけないことがある。
「ん?」
「あの時、あんたが俺を拾ってくれなかったら、俺は今頃死んでいた。あんたは俺に、道を示してくれた。感謝している」
「・・・・・・・ヒール、俺が言った言葉、覚えてるか?」
 忘れるはずがない。俺は、あの言葉を原点として、この旅を続けてきたのだから・・・・・・・・・・
「命の価値は、人それぞれ違う、大切なのは、何が自分にとって大切な命なのか、見極め、そしてその大切な命を守り抜くこと」
「そうだ、あのころのお前は、この言葉の意味が解ってなかったよなぁ。どうだ?今はわかるか?」
 俺は黙ってうなずく。頬を伝わる暖かい液体が、やたらと邪魔だった。
「ああ、けど、俺はその言葉を守ることが出来なかった・・・・・・・・」
 視界がぼやけてきた。鬱陶しい・・・・・・・・
「けど、それが、もう手を伸ばせば取り戻せるところまで来てるんだ。だから・・・・・・・・・・」
 そして言った。最後の言葉を
「だからそのためには、あんたにいられると、困るんだ」
「そうかぁ、お前は見つけたんだな。父親代わりとしては、ちょこっとさびしいけど、結構うれしいもんだな」
「ああ、だから・・・・・・・・・・・・」
 言った。あのときに言えなかった言葉を・・・・・・・・・・
「さよなら。カイ・・・・・・・・」
「ああ、お別れだ。ヒール」
 うなずく。そして・・・・・・・・・・・・・
「ノルン、タイムジャンプを使ってのダイレクトアタックだ」
「・・・・・・・・ああ」
 黄金の一撃が下り、カイの体を消滅させた。主を失ったからか、同時に、この空間が崩れ始めた。


















 あれから、2ヶ月がたった。あの戦いの後、皆は分かれ、それぞれの道を歩んだ。
 ノルンはまた三女神に戻してもらうために神界へと帰った。本来なら、ルシファーが時間軸から消えたことで俺の旅の目的はなくなり、俺たちは出会わなかったことになるわけだが、そこは流石神様。俺たちの記憶から本来なら消えるはずのこのたびの記憶を残しておいてくれた。感謝だな。
 ジンはリディアの村の復興に手を貸しているらしい。当然、リディアと一緒だ。まぁあのふたりのことだ、せいぜいうまくやっているのだろう。
 クロノはまた時の管理者に戻った。だが時食いが消えたことで問題がなくなったのか、しょっちゅうこっちの世界に来て話し込んでいる。それでいいのか?時の管理者・・・・・・・・
ケルヴィンは神官団本部へと戻った。だがたまに、いや、頻繁にウィンリィに会いに来て来る上にそのたびに勝負を挑まれる。始めのうちはモンスターを実体化させていたがウィンリィにうるさいと怒られてからは俺の部屋でひっそりとやっている。


 そして俺は・・・・・・・・・・・・
「ヒール、もうすぐご飯できるよ」
「ああ、すぐ行くよ。ミリア」
 取り戻した大切なものを、二度と手放さないように、しっかりとつかみとっていた。



友に感謝を・・・・・・・・
愛しき人に、挨拶を・・・・・・・・・・・・
そして、父にさよならを・・・・・・・・・・・





FIN
Date: 2004/08/29


ACT144:結末
 始めに飛び込んできたのは、赤い色。むせ返るような血のにおいと、地面に広がる赤い水溜りで、それが大量の血なのだと頭が判断した。人の形をした死体はひとつもなく、みんな、脳漿や内臓をぶちまけていた。だから、解らない。何人が死んで、何人が生き残ったのか。それが、皆と過ごした最後の記憶・・・・・・・・







 黄金に輝く聖剣を構え、黒き魔獣へと肉迫するノルン。今ここに、最後の決戦が始まる。


ヒールLP1700手札2枚
場 運命の女神ノルン(攻撃表示)、永続罠:DNA移植手術
伏せ なし

カイLP2200手札6枚
場 時喰らいの魔獣ファトゥム(攻撃表示)
伏せ 1枚


運命の女神ノルン 神属性 ☆12 幻神獣族:融合:効果
ATK4000 DEF4000
このカードは自分のフィールドに存在する「過去の女神ウルド」、「現在の女神ヴェルダンディ」、「未来の女神スクルド」をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。(融合のカードは必要ない)このとき除外したカードはデュエル中使用出来ない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する
自分フィールド上のモンスターを好きなだけ生贄にささげる。生贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分、このカードの攻撃力が永続的にアップする。この効果は決闘中、1度しか使えない。
次のターンの自分のバトルフェイズをスキップすることで、このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
???
???


時喰らいの魔獣ファトゥム 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK??? DEF???
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する炎属性、水属性、風属性、地属性、光属性、闇属性のモンスターを1体ずつ除外してのみ特殊召喚できる。この時に除外したモンスターはデュエル中使用できない。また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードの持ち主はこのカード以外のモンスターを召喚することができない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードの攻撃力と守備力は、デュエル開始時からコントローラーが迎えたドローフェイズの数×1000ポイントとなる。
自分のターンのエンドフェイズ時、サイコロを振り出た目の数につき次の相手ターンをフェイズをひとつ、スキップする。
1:ドローフェイズ。2:スタンバイフェイズ。3:メインフェイズ1.4:バトルフェイズ。5:メインフェイズ2.6:エンドフェイズ。


運命の女神ノルン攻撃力4000→12800
時喰らいの魔獣ファトゥム攻撃力12000守備力12000


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 ノルンの黄金の剣がその輝きを増す。大技で一気に勝負をかけるつもりか、その力に手加減は感じられない。
「ガアアアアアアアアアアアア!」
 だが魔獣のほうとて馬鹿ではない。自分を倒しうる一撃を前にして、ただ待っているだけだなんてことはありえない。その巨大な銀の翼を広げ、上空へと飛翔する。
「逃がさん!」
 それを追い、ノルンがその純白な翼を羽ばたかせる。だが、時食いはそれを、羽ばたくことで生じるその一瞬の停滞を、まさに狙っていたのだ。
「!ノルン!交わせ!」
 声の限り叫ぶ、その一瞬後、時食いが大きく広がった翼を羽ばたかせ、銀の羽根を弾丸のごとき勢いで撃ち放つ!
「くっ!」
 雨のように降り注ぐ銀の弾丸を、ノルンはその卓越した剣さばきと12枚の翼をフルに使った空中移動で交わし、叩き落していく。

「な・・・・・・・・・」
 なんという戦いだろう。パワーで上回っているノルンを相手にしつつも、その攻撃をかわす時食いもすごいがあの雨のごとくの勢いで放たれた銀の弾丸をことごとく交わすノルンの技量も常識の範疇の外だ。これが、神々の戦いなのか・・・・・・・・・



 仕切りなおしのためか、いったん距離をとる両者。その目に宿るのな両者共に相手を滅ぼそうとする敵意。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 先に仕掛けたのはファトゥム、その巨体をまったく感じさせないスピードでノルンに迫るその姿は、まさに黒い稲妻だ。
「やぁっ!」
 迎え撃つべく一気にトップスピードに入るノルン。仕掛ける一撃が雷光ならば、迎え撃つ一撃は暴風、どちらも、相手を滅ぼすことしか考えない一撃。
 激突する黒と白の極光。弾き飛ばされたのは黒い光、やはり単純な力比べでは攻撃力で勝っているノルンのほうが有利だ。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 黒い獣が方向をあげながら尾による打撃攻撃を繰り出す。そのスピードもとても人の目で追えるものじゃない。現に、俺の目にはあれは黒い閃光にしか見えない。
「ふっ!」
 しかしノルンにはその攻撃が見えているのか、閃光のごとき速さで迫る尾の一撃を黄金の聖剣の一振りで叩き落す。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 一気に間合いをつめるノルン、あの巨体だ、懐に入ればファトゥムはノルンの攻撃を交わすことは出来ない!
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 それを解っているのか。ファトゥムは懐にはいらせまいとその巨大な銀の翼を大きく振るい、逃げ道を上へと見出す。だが今度はノルンは追うことはしなかった。そのまま剣の切っ先をファトゥムへと向け・・・・・・・・・・・
「貫け、グラムよ!」
 剣の切っ先から光の線が放たれる。このタイミング、獲った!
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
「な!?」
 声は俺の喉から、ファトゥムはその巨体からは考えられないほどの反応速度で身をひねり、その光の一撃を紙一重で交わしたのだ。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 反撃の一撃は今まで出一番長く、巨大な咆哮。それが衝撃波となって空気を震わせ、ノルンへと襲い掛かる!
「くっ、この程度!」
 人間ならばかすめただけで粉々になる。その衝撃の中、ノルンは眉ひとつ動かさずに中空に浮いていた。
 だがそれだけだ。イカにノルンが強力な神といえど、相手もそれとほぼ同等の力を持つファトゥムの一撃の中突き進むことは出来ない。防護結界を張ることで吹き飛ばされないように耐えることで精一杯だ。
 咆哮が終わる。それを合図に、ノルンが疾走する。その速さは神速、いかなるものも寄せ付けないそのスピードに、唯一ついていっているのは黒い巨躯を持つ獣。横合いから2本の尾を使った連撃を放つ!
「はぁ!」
 突き進むスピードを微塵も緩めずに、左右から繰る黒い旋風を黄金の光を持って迎え撃つノルン。一閃、その一撃でファトゥムの2本の尾が切り裂かれ、宙を舞う。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 痛みのためか、咆哮をあげるファトゥム。だが違った。巨大な口を極限まで開いたのは痛みによる咆哮をあげるのではなく・・・・・・・・・・・
「ッ!デスペラードレイ!」
 戦慄を秘めた秘めたノルンの声が聞こえる。それで確信がついた。あの咆哮が、己が持つ最強の一撃を放つためだったのだと・・・・・・・・・・・
「間に合うか!?」
 自らの持つ最強の聖剣に力をためるノルン。そして、ファトゥムのほうも開け放たれた口内に黒い光を収縮させる。まるで太陽のフレアのようだ。
 両者の光が極限にまで高められる。そして・・・・・・・・・・・・
「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 放たれる黒いフレア、ファトゥム最大の必殺技、デスペラードレイ!
「マテリアルレイ!」
 迎え撃つために放たれるのは黄金の一撃、その一撃も太陽のフレアに匹敵する。


 激突するふたつのフレア、互いの力は互角、だが、攻撃力で上回るノルンの一撃が徐々に黒いフレアを押し始めた。いける!
 だがこの瞬間、カイのリバースカードが翻った。
「リバースカードオープン!収縮!」
「な!?」
「くっ!」

運命の女神ノルン攻撃力12800→10800

 突然衰退する黄金の極光。覆された力のバランス。押し流される黄金のフレア、そのまま黒の極光が、ノルンへと迫った。俺にそれからノルンを守る手段は、ない・・・・・・・・・・




あとがき
ふぅ、今回1ターンも終わらなかった・・・・・・・・・・・orz
Date: 2004/08/28


ACT143:相容れぬものたち
 その日初めて銃を撃った。始めは衝撃でまともにたつこともできなかったし、狙いだって、撃った弾はあさっての方向に飛んでった。
 それでも、手に握った銃だけは手放さなかった。てっきり怒られると思ったけど、よく銃を手放さなかったなと、褒められた。
 それがうれしくて、毎日銃の練習をした。毎日、腕がしびれて動かなくなるまで撃った。そのおかげで、今じゃかなり上達した。それは、遠い遠い、昔の記憶・・・・・・・・・





「さぁヒール、どうやってこいつを倒す?」
 ふざけろ、こんな化け物、今の手札で倒せるわけねぇだろ。時喰らいの魔獣ファトゥム、運命というその名の通り、こいつは時を喰らうことで、同時に、俺の運命も喰らっていく。こいつを倒せるとしたらノルンの力を借りるしかねぇわけだが、生憎と運命の三女神の残り二人が手札に来てねぇ。参ったぜ・・・・・・・・・・・


ヒールLP3700手札3枚
場 なし
伏せ なし

カイLP2200手札3枚
場 時喰らいの魔獣ファトゥム(攻撃表示)
伏せ なし

時喰らいの魔獣ファトゥム 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK??? DEF???
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する炎属性、水属性、風属性、地属性、光属性、闇属性のモンスターを1体ずつ除外してのみ特殊召喚できる。この時に除外したモンスターはデュエル中使用できない。また、このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードの持ち主はこのカード以外のモンスターを召喚することができない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードの攻撃力と守備力は、デュエル開始時からコントローラーが迎えたドローフェイズの数×1000ポイントとなる。
自分のターンのエンドフェイズ時、サイコロを振り出た目の数につき次の相手ターンをフェイズをひとつ、スキップする。
1:ドローフェイズ。2:スタンバイフェイズ。3:メインフェイズ1.4:バトルフェイズ。5:メインフェイズ2.6:エンドフェイズ。


「俺のターンだ、ドロー」
 とにかく、今は逆転の手を信じてカードをドローするしかない。
「よし・・・・・・・」
 引いたカードは過去の女神ウルド、これで後はヴェルダンディのみ。
「俺はカードを1枚セットして、モンスターをセットする。ターンエンドだ」
 セットしたモンスターはケルベク、まぁこの状況じゃ役に立たないただの壁、伏せたカードはスケープゴート、これで少しは時間が稼げるはずだ。時食いが場に出ている限り、カイは他にモンスターを召喚できないからな。
「俺のターンだな、ドロー。そしてこの瞬間、ファトゥムの攻撃力がアップする」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 世界の時そのものを震わせる方向を挙げる黒い魔獣。その力がさらに高められた。

時喰らいの魔獣ファトゥム攻撃力9000→10000守備力9000→10000

「くそっ」
 思わず悪態が漏れる。あの怪物はターンごとに攻撃力を増していく。だがら、ほうって置いたらそれこそ手がつけられなくなる。何とかしなければ・・・・・・・・・・・・ッ!
「じゃぁいくぜ、ファトゥム、あの守備モンスターを食え」
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 方向をあげ、神速の勢いで飛び掛る黒き魔獣。その牙が俺の守備モンスター、ケルベクを一瞬にして食いちぎる。当然、時食い自体は手札に戻らず場に残っている。
「で、ターン終了。さぁファトゥム、今度はどの時を食う?」
「くっ!」
 再び俺の体から出てくる球体。今度の色は赤だ。案の定、あの怪物は瞬時に喰らいついた。
「おー、今のは赤だったからバトルフェイズだな。次のお前のバトルフェイズはスキップされるぜ」
 バトルフェイズか、助かった。今の俺にとっては、ドローフェイズがスキップされることが一番つらい。

「俺のターンだ!ドロー!」
 気合と共にカードをドローする。ドローカードは、よし、強欲な壷だ。迷わず使用して、手札を増やす。
「カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
「んじゃ俺のターンだな、ドロー」
 そしてこの瞬間、さらに時食いはその力を増した。

時喰らいの魔獣ファトゥム攻撃力10000→11000守備力10000→11000

「で、プレイヤーにダイレクトアタック」
 飛び掛る黒の獣、だが!
「させるか!リバースカードオープン、スケープゴート!」
 リバースカードが翻ると共に俺の場に4体の眠れる羊が現われる。獣の攻撃はそのうちの1体が盾となり俺には届かない。
「で、ターンエンド、さぁファトゥム、時を喰らえ」
 今度からだから出たのは白い球今度はどのフェイズだ?
「あー、残念。白い球はドローフェイズだ。これで次のお前のドローフェイズはスキップされるぜ」
「な!?」
 ドローフェイズスキップだと!?
「くっ、俺のターン、・・・・・・・・終了」
 ドローが出来なくては今の俺では何も出来ない。くそっ。
 そして次のカイのターン、案の定、羊が1体破壊されて、その後にカードを1枚セットした。エンドフェイズに出てきたのは青い球、スタンバイフェイズがスキップされた。

時喰らいの魔獣ファトゥム攻撃力11000→12000守備力11000→12000

「俺のターンだ、ドロー!」
 頼む!この状況を打開できるカードよ!来てくれ!
「!俺は魔法カード、魔法石発掘を発動し、手札のカード2枚を捨て、墓地にある天よりの宝札を手札に加える。そして発動!」
「ちっ、こんな土壇場でそんなカードを引くかよ!?」
 一気に潤う手札。そして、引き当てたぜ、現在の女神ヴェルダンディを!
「いくぞカイ!リバースカードオープン、DNA移植手術!俺はこれで羊トークンを光属性に変更させる!」
「光属性・・・・・・・・そうかウルドか!?」
「その通り!2体の羊トークンを生贄にささげ、来い!過去の女神ウルド!」
 眩い光と共に舞い降りたのは過去を司る厳格な女神、ウルド。こいつには、いろいろと世話になったな・・・・・・・・・・
「ヒール、いよいよ時食いとの対決だな」
「ああ、気合入れていくぜ!」
「うむ!」
「さらに!デッキのカード6枚をゲームから除外して、来い!現在の女神ヴェルダンディ!」
 次に現われたのは、現在を司る礼節な女神、ヴェルダンディ。こいつのおかげで、あの偽者野郎を倒すことが出来たんだっけな・・・・・・・・
「マスター、この勝負、必ず勝たねばなりませんよ?」
「ああ、解ってるぜ、いくぜヴェルダンディ!」
「はい!」
「そして、手札から魔法カード、死者蘇生発動!蘇れ、未来の女神スクルド!」
 最後に現われたのは、未来を司る気楽な女神、スクルド。ああ、こいつには散々引っ張りまわされたことがあったけな・・・・・・・・・
「ヒールさん、必ず勝って、ミリアさんのところに帰りましょうね!」
「当然だ!一気に決めるぜスクルド!」
「任せてください!」
「ウルド、ヴェルダンディ、スクルド!その真の姿を解き放て!」
 極大の光がこの世界を包む。そして・・・・・・・・・・・
「降臨!運命の女神ノルン!」
 この世界の時そのものを包み込む、運命の女神が降臨した。

運命の女神ノルン 神属性 ☆12 幻神獣族:融合:効果
ATK4000 DEF4000
このカードは自分のフィールドに存在する「過去の女神ウルド」、「現在の女神ヴェルダンディ」、「未来の女神スクルド」をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。(融合のカードは必要ない)このとき除外したカードはデュエル中使用出来ない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する
自分フィールド上のモンスターを好きなだけ生贄にささげる。生贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分、このカードの攻撃力が永続的にアップする。この効果は決闘中、1度しか使えない。
次のターンの自分のバトルフェイズをスキップすることで、このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
???
???


「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 宿敵の登場に反応してか、黒い魔獣が女神に向かって咆哮をあげる。ノルンはそれを静かに見ていた。
「ほぉ、それがお前の切り札か。だが惜しいな。たかだか攻撃力4000程度じゃ、俺のファトゥムは倒せないぜ?」
「ああ、解ってるさ。だから、足りない部分は他から補うのさ」
「なに?」
「いくぜ!魔法カード、次元融合!」
「何!?」
 2000ポイントのライフと引き換えに、ゲームから脱落してしまったカードたちが再びフィールドに舞い戻る。ただし、ウルドたちや時食い召喚の際に除外されたモンスターたちは舞い戻ることが出来なかった。
 光が降り注ぎ、俺の場にヴェルダンディの効果で除外されていた力の天使ゼルエル、魔眼の処刑天使サリエル、ヴァルキリーの騎馬兵が舞い戻り、さらにスクルド召喚の際に除外されたパーシアスが舞い戻った。

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

魔眼の処刑天使サリエル 闇属性 ☆6 天使族:効果
ATK2400 DEF2000
このカードが生贄召喚されたとき、墓地のモンスターをX枚ゲームから除外する。(最大6枚まで)除外したモンスターの属性に応じて、以下の効果を得る。
地属性:このカードが戦闘で破壊したモンスターのリバース効果は無効化される。
風属性:このカードの攻撃力を400ポイントダウンさせた状態で相手守備モンスターを攻撃したとき、守備モンスターの守備力をこのカードの攻撃力が上回っていた場合、その数値分相手プレイヤーにダメージを与える。
炎属性:自分のバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。
水属性:自分のスタンバイフェイズ時、自分は800ポイントのライフを得る。
光属性:このカードは罠カードの効果を受けない。
闇属性:このカードが生贄召喚されたとき、相手モンスター1体をゲームから除外する。

ヴァルキリーの騎馬兵 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1600
自分の場に表側表示で存在するこのカード以外のカード名にヴァルキリー、ヴァルキュリアとついたカード1枚につき、このカードの攻撃力は100ポイントアップする。

ヒールLP3700→1700手札2枚
カイLP2200手札6枚

 一気に展開されるモンスターたち、これで準備は整った。
「ノルン!聖剣グラムを解き放て!」
「おう!」
 光り輝く黄金の聖剣、同時に、俺の場に出ていたノルン以外のモンスターが光の球となりその剣に吸い込まれた。

運命の女神ノルン攻撃力4000→12800

「な!?ファトゥムの攻撃力を、上回った!?」
「ノルン!攻撃だ!お前の使命を果たして来い!」
「任せろ!行くぞ時食い!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 光の女神と闇の魔獣が今、その力を最大限に発揮して激突した。



今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/08/28


ACT142:時を食らうもの
 ある日カイは
「さて問題です」
 なんて軽い口調で、
「狂ってしまった大切な人と死にかけている大切な人、どちらかひとりしか助けることが出来ない。さぁ、お前ならどちらを選ぶ?」
 なんて重い話題を俺に振ってきた。
「そんなの、決められるはずない」
 そう言ってふてくされた俺に、カイは笑って頭に手を置いた。
「そうだ、今はそれでいい。だがなヒール、もしかしたらいつか本当に、どちらかを選ばなければならない時が来るかもしれないぜ?その時お前は、どうするんだろうな?」
 その時は、なら大切なものなんか作らなければいいと思った。まぁ結局、そんなわけにはいかなかったけど。
 今になって思えば、カイはこうなることを予測してたんだろうか?まさかな、いくらなんでもそれはないか・・・・・・・・・・・・・







 それはなんなのだろうか、あえて例えるのなら、それは黒獅子に似ていた。でも獅子は6本も足は持ってないし、あんな馬鹿でかい銀色の翼も持ってない。尾だって2本もない。目はつぶっているから解らないけど多分まともなものじゃないだろう。つまり該当生物なし。
 だが、そこに在るだけで強烈な存在感を発するそれが、間違いなくウルドたち運命の3女神の宿敵、そして、永遠の時を食らうもの。時食いだということはわかった。
「時食い!」
 ほら、スクルドだってこう言ってる。
「まずいですヒールさん!時食いが動いたら、このままじゃあっという間にやられちゃいます!」
 そんなことは解ってる、だがどうしょうもないのもまた事実だ。今はカイのターン、なら、俺に出来ることはないのだから。
「さぁ起きろ」
 慌てふためくスクルドを尻目にカイは・・・・・・・・・・・
「時喰らいの魔獣ファトゥム!」
 この怪物の真名を紡いだ。
 瞬間、怪物がその真紅の瞳を開き、
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 天へと向かって咆哮をあげた。


ヒールLP3700手札3枚
場 未来の女神スクルド(攻撃表示)
伏せ 1枚

カイLP2200手札3枚
場 時喰らいの魔獣ファトゥム(攻撃表示)
伏せ なし

未来の女神スクルド 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にある光属性モンスター5枚をゲームから除外して特殊召喚する。
相手がモンスターを特殊召喚したとき、そのモンスターを次の相手のスタンバイフェイズまでゲームから除外してもよい。
このカードは次の自分のバトルフェイズをスキップすることでバトルフェイズ中に2回攻撃できる。


「さて、こうしてめでたく時食いを召喚したわけだし、こいつの能力を見せてやるか。さぁファトゥム!その力を解き放て!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 再び魔獣が天へと咆哮をあげる。

時喰らいの魔獣ファトゥム攻撃力9000守備力9000

「な!?」
 攻撃力、9000だとぉ!?
「ッ!」
 隣のスクルドが息を飲むのが伝わる。くそっ、まずい・・・・・・・・
「ファトゥムはな、デュエル開始からいままで、コントローラーが迎えたドローフェイズの数×1000ポイントがこいつの攻撃力と守備力になる。さて、いくぜ?時喰らいの魔獣ファトゥムの攻撃!さぁファトゥム!餌はあの女神だ!喰らい尽くせ!」


 その巨大は銀の翼を広げ、飛翔する時食い。迎え撃つつもりか、スクルドもその翼を広げ、弓を構える。
 だがそれは無駄なこと、攻撃力9000のあの怪物に、攻撃力3000のスクルドが適う道理はない。
「はぁ!」
 神速の勢いで13もの光の矢を放つスクルド、そのどれもが必殺の一撃、だが時食いはその攻撃を前足2本と翼、そして2本の尾を使ってへし折り、叩き落し、掴み取った。
「くっ!」
 襲い繰る即死の一撃、その一撃を、スクルドは己の身体能力全てを使い回避する。6枚の翼を羽ばたかせ旋回する。正面が駄目なら、旋回し、後ろから矢を射るつもりなのだろう。だがそんなことをしても無駄なこと、もとより、その程度で倒れてくれるほどあの怪物はやわじゃない。否、それ以前に後ろを取らせてもらうことすら出来ないだろう。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「!スクルド!下だ!」
 咄嗟の叫び、だがそれが届いたとしても無駄だろう。あの黒い怪物の尾の一撃は、それこそ光の域に達していたのだから。スクルドの体ほどの大きさと太さのある尾の一撃を、スクルドはその身にまともに受けた。
「あう!」
 その悲鳴すらも流れていく。そのまま床に叩きつけられる。詰みだ。これでスクルドは動けない。
「ハアアアアアアアア」
 動けないスクルドの体に、怪物の尾が巻きつき、顔の位置まで持ち上げる。
「あくっ!」
 苦鳴は一瞬。なぜなら、スクルドの体はその直後、時食いによって貪られてしまったのだから・・・・・・・・・・・
「くそっ、リバースカードオープン!死者の加護!」
「あ?なんだそれ?」
「こいつが発動したターン、墓地に眠るモンスター1体をゲームから除外することで俺は戦闘ダメージを受けない!俺はこれで墓地のマシュマロンを除外させてもらうぜ」
「ちっ、そんなカード伏せてたのかよ」
 危なかった。念のためこのカードを伏せてなかったらやられていた。だが、この状況がまずいことに代わりはない。


死者の加護:速攻魔法
墓地にあるモンスターカードを1枚ゲームから除外する。このターン、発動プレイヤーは戦闘ダメージを受けない。


「さて、俺はこれでターンエンドだが、実はなヒール、この瞬間、ファトゥムのもうひとつの能力が発動するんだ」
「何!?」
 エンドフェイズに発動する効果だと!?
「さぁ時を喰らえ、ファトゥム」
「!?」
 突然、俺の体の中から紫色の球体が飛び出る。痛みはないし、体に異常もない。
 球体はそのままふわりふわりと中空を多大ながら時食いの元へと飛んで行き。一口で時食いに食べられた。
「な!?」
 てゆーかちょっとまて、今の球あれ俺の体から出てきたぞ!?大丈夫なのか俺の体!?
「あー、心配すんな、あの球、お前の体から出てきたがお前の体自体には何の害もないから。むしろ害があるとしたら、お前の時だな」
「?どういうことだ?」
「ああ、これがファトゥムの第2の能力、エンドフェイズにな、相手の時をひとつ食うんだよ。ドローフェイズ、スタンバイフェイズ、メインフェイズ1、バトルフェイズ、メインフェイズ2、エンドフェイズのうちのどれかをな。ちなみに、今食われたのは紫だからメインフェイズ2だな。まぁまだマシなほうじゃねぇの?ああそれから心配すんな。食われるって言っても時は再生するからな。消えるわけじゃねぇ。いうなればスキップされるってことだ」
「な!?」
 まずい、これは非常にまずいぞ!これだと6分の1の確立でバトルフェイズが、下手をしたらドローフェイズがスキップされちまう。



時喰らいの魔獣ファトゥム 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK??? DEF???
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に存在する炎属性、水属性、風属性、地属性、光属性、闇属性のモンスターを1体ずつ除外してのみ特殊召喚できる。この時に除外したモンスターはデュエル中使用できない。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードの攻撃力と守備力は、デュエル開始時からコントローラーが迎えたドローフェイズの数×1000ポイントとなる。
自分のターンのエンドフェイズ時、サイコロを振り出た目の数につき次の相手ターンをフェイズをひとつ、スキップする。
1:ドローフェイズ。2:スタンバイフェイズ。3:メインフェイズ1.4:バトルフェイズ。5:メインフェイズ2.6:エンドフェイズ。



「さぁヒール、どうやってこいつを倒す?」
 カイの言葉に俺は、答えることが出来なかった。


あとがき
時食い登場、あ〜また結構壊れてるよ・・・・・・・・・批判が怖い・・・・・・・・
Date: 2004/08/27


ACT141:形勢逆転?
「ヒール、お前、皆のこと、好きか?」
 ある日、月見をしていた俺に、カイが話しかけてきた。そのときの俺は、丁度皆に心を開きかけていたころだった。だから、こう答えた。嫌いじゃない。と・・・・・・・・・
「そうか、そいつはいいことだな」
 そう笑って、カイは乱暴に俺の頭をなでた。そのときの俺は、カイに頭をなでてもらうのが好きで、喜んでいた記憶がある。
 まぁ今思えばそれは、どうしょうもない甘ったれだったわけだけど・・・・・・・・・・・・・






ヒールLP3700手札4枚
場 なし
伏せ なし

カイLP5200手札5枚
場 人造人間サイコショッカー(攻撃表示)
伏せ なし


 さて、どうするか・・・・・・・・・・引いたカードはマシュマロン、これならサイコショッカーを倒すことは出来なくても時間を稼ぐくらいは出来そうだ。まぁ、守るのはあまり気が進まないが、ここは耐えるしかないな。それに、カイのデッキには時食いがいると見て間違いないだろう。なら、これ以上ライフが削られるのは避けないとな。
「俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
「それじゃぁ俺のターンだな、ドロー。よっしゃ、切り込み隊長召喚!さらに効果で、レアメタル・ドラゴンを特殊召喚するぜ!」
「ッ!」
 ちっ、一気にモンスターを召喚して畳み掛けるつもりかよ。カイの場に二刀流使いの渋めのおっさんと全身を黒金の金属で包み込んだドラゴンが現われる。攻撃力は1200と2400、切り込み隊長はともかく、レアメタル・ドラゴンは厄介だ。通常召喚できないとはいえ、これでレベル4だなんて反則だ。
「いけ、レアメタル・ドラゴン!攻撃!」

 飛翔し、体を旋回させてその鋭いつめを突き立ててくる黒金の竜、だがその攻撃はマシュマロンの柔軟な体によって弾かれる。
「ああ!?マシュマロンかよ。くそぉ〜」
 誰の目から見ても解るほどに悔しがるカイ、ま、奴にしてみたら攻撃を防がれた上に1000ポイントのダメージを食らったのだから踏んだり蹴ったりなのかも知れないが・・・・・・・・
「俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターンだ、ドロー!」
 気合と共にカードを引く、
「よし・・・・・・」
 思わず声が出た。このカードなら確かにサイコショッカーを倒せる。だが問題も勿論ある。奴のリバースカード、あれが俺の予想通りならまず問題ないのだが、ま、多分あれだろう。
「俺はカードを1枚セットして、ものマネ幻想師召喚!」
「あっ!?」
 俺の場に、サイコショッカーそっくりのモンスターが現われる。勿論、そっくりなのは姿形とステータスだけ、効果まで同じじゃない。だがそれで充分。
「いけ!サイコショッカーに攻撃!」
「ちっ、迎え撃て!サイコショッカー!」
 互いのサイコショッカーが同時に動き、そして
『サイコエナジーショック!』
 同時にまったく同じ攻撃を繰り出す。当然相打ちだ。
「くそっ!サイコショッカーが」
「よし、俺はこれでターンエンドだ!」


 よし、このターンでサイコショッカーの撃破に成功した。さぁどうでる?カイ
「俺のターンだ。ドロー!まずはシールドクラッシュでマシュマロンを破壊して、リフレクトバウンダー召喚!」
 カイが召喚してきたのは、全身に鏡をつけた機械族モンスター、確かあれは、相手の攻撃を跳ね返す効果を持っていたはずだ。あっての攻撃抑制には最適のカードだな。
「いくぜヒール!俺のモンスターの総攻撃!」
 一気に襲い掛かるカイのモンスターたち、確かに、この攻撃を喰らったら俺の負けだな。喰らえばな。
「リバースカードオープン!聖なるバリア―ミラーフォース―!」
 発動したのは鏡の力を持つ最強の盾、このカードの前には、全てのモンスターは自らの攻撃をその身に浴びて破壊される。だが・・・・・・・・
「甘いんだよヒール!チェーン!リバースカードオープン!リビングデットの呼び声!これでサイコショッカーを蘇生させる!」
 翻ったカイのリバースカード、同時に、闇がカイのフィールドに収縮する。その闇が晴れたとき、そこには罠無効化の効果を持つ機械族モンスターが現われているだろう。だがな!
「甘いのはお前だカイ!チェーン!リバースカードオープン!サイクロン!」
「な!?」
 初めて、カイの顔に完全な動揺の色が生まれる。闇を風の刃が切り裂き、カイのモンスターたちは自らが放った攻撃をその身に受け、消滅していった。

「俺のリバースカードを、読んでたのか?」
「ああ」
 参ったな・・・・・・・と、頭をかくカイ、そして
「なんでわかったんだぁ?」
「簡単なことだ。サイコショッカーの唯一の欠点は自分も罠を使えないこと、なら自分が罠をセットする意味はない。速攻魔法とも考えたが、あの状況じゃセットカードに該当するカードがない。スケープゴートかとも考えたが、自分が攻めてるときにそんなカードは伏せないだろうしな。とすれば何を伏せたか。さっき罠を伏せる意味はないといったが、たった一種類だけ例外がある。それは蘇生系の罠カード、すなわちリビングデットの呼び声だ。こう見えて結構死線をくぐってるからな。この程度の読みができなくちゃ、今頃俺は死んでいる」
「なるほどな。やられたぜ、ターンエンドだ」
 何もセットせず、モンスターすら召喚せずにターンを明け渡した?何を考えてやがる・・・・・・・・・

「俺のターンだ!ドロー!」
 よし、あいつが何を考えているのか知らないが、隙が出来なのならばそこに徹底的に攻め込むだけだ!
「いくぞカイ!墓地に眠るデュナミスヴァルキュリア、パーシアス、異次元の女戦士、シャインエンジェル、ものマネ幻想師を除外し、出でよ!未来の女神スクルド!」
 閃光が走り、深緑の鎧に身を包んだお気楽女神が軽やかな動きで降臨した。
「げ、神様かよ・・・・・・・」
 悔やんでももう遅い!一気に決めさせてもらう!
「いくぞスクルド!攻撃だ!」
「はい!いっけー!マテリアルレイン!」
 軽やかな声から、手にした黄金の弓と矢を引き絞り、天空へと放つ。天空へと放たれた巨大な光の矢は空中で幾重もの矢に分かれ、カイへと雨のように降り注ぐ。
「ぐっ、がっ、さすがに、神の一撃はきついぜくそったれ!」
 悪態をつくカイ、悪いな、これで終わりだよ!
「さらに!スクルドの効果発動!デュアルアタック!」
「はい!いきますよー!はぁ!」
 再び放たれる矢の雨。だが
「流石に2発目はきついからな、手札からクリボーを捨ててダメージをゼロにするぜ」
 ちっ、そのカードがあったから何も伏せなかったのか。
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」

未来の女神スクルド 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にある光属性モンスター5枚をゲームから除外して特殊召喚する。
相手がモンスターを特殊召喚したとき、そのモンスターを次の相手のスタンバイフェイズまでゲームから除外してもよい。
このカードは次の自分のバトルフェイズをスキップすることでバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

ヒールLP3700手札3枚
カイLP5200→2200手札3枚

「俺のターンだな、ドロー。ヒール」
 突然、カイが声をかけてきた。
「なんだよ」
「悪い、俺の勝ちだわ」
「なんだと!?」
 ほとんど脊髄反射で反応した。当たり前だ。自分の敗北を宣言されて、認める馬鹿はいない。
「墓地にあるリフレクトバウンダー、レアメタル・ドラゴン、切り込み隊長、ガイヤ・ソウル、氷河の魔竜、スピアドラゴンをゲームから除外し・・・・・・・・・」

ドクン・・・・・・・・・・・・・

「な!?」
 なんだ?空気が、急に、重く・・・・・・・・・・
「こい、時食い」
 世界の時が、震えた・・・・・・・・・・・・



あとがき
やっと時食い登場しました。といってもまだ正式な名前も出てませんが・・・・・・・・・何とかこの物語8月中に終わりにして2作目に取り掛かりたいですね。では・・・・・・・・・
Date: 2004/08/27


ACT140:圧倒的物量
「いいかヒール、命の価値は、人それぞれ違う、大切なのは、何が自分にとって大切な命なのか、見極め、そしてその大切な命を守り抜くことだ」
 言われたとき、その言葉の意味がよくわからなかった。その時一番大事なのは自分の命で、でもその命も、さして大切だとは思ってはいなかった。
 その言葉の意味が解ったのはもっと後、でも、俺はその言葉を守ることが出来なかった。だから、だから今度こそ、その言葉を、守り通そうと誓った。
 なのに、何故、そう言ったあんた自身が最後に立ちはだかるんだよ・・・・・・・・・・







ヒールLP6100手札1枚
場 なし
伏せ なし

カイLP6200手札0枚
場 なし
伏せ 2枚


「俺のターンだ、ドロー」
 さてどうするか、リバースカードは2枚、手札のカードだけだと攻めるのは難しいな・・・・・・・・・仕方がない。
「俺はモンスターをセットして、カードを1枚セット、ターンエンドだ」
 消極的な手だが仕方がない。他に手もないしな・・・・・・・
「俺のターンだな、ドロー。おっ、強欲な壷を引いたぜ!」
「な!?」
 この状況でそいつを引き当てただと?なんて強運だ・・・・・・・
「カードを1枚セットする。ルール上、通常魔法カードならセットしたターンも使うことが出来る。よって今セットしたカードを表にする!穢れた蘇生術―ネクロマンシー―!」
「何?」
 ネクロマンシー、聞いたことのないカードだ。だが名称から推測するに・・・・・・・
「蘇生カードか!?」
「そうだ、このカードは手札が1枚以下の時にしか発動できねぇ。だがその代わり、お互いのプレイヤーは自分のモンスターゾーンの開いた部分に可能な数だけモンスターを特殊召喚できる!もっとも、俺は代償として1000ポイントのライフを支払う必要があるけどな!」
「くっ!」
 大量蘇生カード、厄介な・・・・・・・

穢れた蘇生術―ネクロマンシー―:通常魔法
このカードは手札が1枚以下の時にしか発動できない。1000ポイントのライフを支払い、全てのプレイヤーは自分のモンスターゾーンの開いた部分に可能な数だけ墓地に存在するモンスターカードを特殊召喚することができる。

ヒールLP6100手札0枚
カイLP6200→5200手札1枚

「いくぜヒール!俺は墓地に眠る爆炎集合体 ガイヤ・ソウル、スピアドラゴン、ゴブリン突撃部隊、氷河の魔竜、そして天使の施しの効果で墓地に送ったD.Dアサイライトを蘇生召喚するぜ!ああ当然、氷河の魔竜は守備表示だ」
「なら俺はパーシアス、ヴァルキュリア、シャインエンジェル、異次元の女戦士を蘇生召喚!」
 勿論質量じゃかなわない。全員守備表示だ。
「なるほど、壁を作ったか。だが甘いぜヒール!リバースカードオープン!風林火山!」
「な!?」
 しまった!?炎、水、風、地!くそっ、最初からこれが狙いか!カイは1つ目の効果を選択し、荒れ狂う炎の嵐が俺の守備モンスターたちをことごとく破壊していった。
「終わりだな!全部のモンスターで攻撃!」
 迫り来るモンスター、だが!
「リバースカードオープン!和睦の使者!」
 翻ったリバースカード、同時に、俺とモンスターたちの間に不可視の壁が立ちはだかる。不可視の壁に阻まれ、カイのモンスターたちの攻撃は俺には届かない。
「あ〜あ、防がれちまったか。俺はこれでターンエンドだ」
 カイのエンド宣言と同時に、ガイヤ・ソウルは自爆し、さらに最初に攻撃を仕掛けてきたゴブリンたちは疲れて眠り、守備表示になった。

氷河の魔竜 水属性 ☆1 ドラゴン族:効果
ATK100 DEF200
このカードを手札から捨てることで、相手モンスター1体は永続的に攻撃と表示形式の変更が出来なくなる。

 さて、どうする・・・・・・・・・手札は0、おまけに場には何もない。つーかカイってこんなに強かったのかよ。予想外にもほどがある。だが・・・・・・・・
「俺のターンだ」
 引き運になら俺も自信がある!
「ドロー!」
 引いたカードを確認する。それは・・・・・・・・・・・
「よっしゃぁ!引いたぜ!天よりの宝札!」
「おいおいマジかよ。このタイミングでそんなカード引いちまうのかよ!?」
 どうだ!引き運はお前の専売特許じゃねぇんだよ!
 一気に潤う手札、よし、これならいける!
「いくぜ!手札から魔法カード、サイクロン!これでセットカードを破壊する!」
「うお!?」
 吹き荒む一陣の竜巻、それが刃となってカイのリバースカード、聖なるバリア―ミラーフォース―を切り裂いた。
「これでお前にリバースカードはない、阿修羅召喚!攻撃!」
 6つの腕を持つ東洋の天使が特異の多彩攻撃で守備表示のゴブリン、氷河の魔竜を倒し、最後にD.Dアサイライトと壮絶な相打ちをして墓地へと消えていった。一応、アサイライトを破壊したことになるから阿修羅は除外された。これであいつの場に残ったのはスピアドラゴンのみだ。
「俺はカードを1枚セットしてターンエンド!」
 セットカードはミラーフォースだ、これで守りも万全だろう。多分だが・・・・・・・・・・

「俺のターンだな、ドロー」
 だがそれでも、カイは冷静にカードを引いただけだった。最強のドロー強化カード、天よりの宝札。だがその唯一のデメリットは相手の手札も増やしてしまうこと。だからこのカードを使うときは必殺を心掛けなければならない。だが俺はそれをなすことが出来なかった。つまり、今奴の手札も充実しているということだ。
「さていくぞヒール、スピアドラゴンを生贄にささげ、人造人間サイコショッカー召喚!」
「なに!?」
 登場したのは罠カードを完全に無効化する機械族トップクラスのモンスター。何もここで出さずともいいものを!
「いっくぜー!サイコショッカーのダイレクトアタック!サイコエナジーショック!」
 放たれる雷撃の球体。咄嗟に身を翻して交わすが余波までは交わしきれない。
「ぐっ!」
 痛みが体を駆け巡る。だがこの程度でねをあげるわけにはいかない。サイコショッカーを妥当する手段を瞬時に考えなくては・・・・・・ッ!
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ」


ヒールLP6100→3700手札4枚
カイLP5100手札6枚


「俺のターンだ、ドロー」
 カードを引く。さてどうするか・・・・・・・・カイのデッキはスタンダートデッキの中でもパワータイプの部類に入るだろう。しかもそれだけじゃない。圧倒的物量で相手を潰しにかかるから少しでも防御を怠れば一気に叩き潰される。
 サイコショッカーの弱点、強いてあげればそれは、罠封じの能力が敵味方を問わないこと、サイコショッカーがフィールドに存在する限り自分も罠を使えないって所か。なら、付け入る隙があるとしたらそこだな。なんとかしないと・・・・・・・・・




今回あとがきお休みです。
Date: 2004/08/26


ACT139:最終決戦
・・・・・・・・・・その光景を覚えてる。目の前に転がるのは、見知らぬ人の死体。俺はそこでただ黙って座っていた。このままでは死ぬのだと、子供心にそう思った。そんなときだった。俺の前に、そいつが現われたのは・・・・・・・・・・
「よぉ、お前、このままここで死ぬのと、知らないお兄さんに連れて行かれるのと、どっちがいい?」
 そいつは、あっていきなりの子供に、生きるか死ぬかの選択を迫ってきた。俺は、生きることを選んだ。それが、生まれて初めて選んだ、選択肢・・・・・・・・・






ヒールLP8000手札5枚
カイLP8000手札5枚

「俺の先行だ!ドロー!」
 先行を勝ち取り、ドローカードを手札に加える。カイのデッキが解らない以上、下手に動くのは危険だろうな。ここは少し慎重に行くか。
「俺はモンスターとカードを1枚ずつセットして、ターンエンドだ」
 まずは様子見、情報は一切漏らしていない。さぁ、どうする?
「俺のターンだな、ドロー。いくぜヒール!俺は爆炎集合体 ガイヤ・ソウルを召喚するぜ!」
 現われたのは炎と煙を粘土見たくこねて真ん中に目玉をくっつけたような不恰好なモンスター。その体は今にも爆発しそうだ。
「攻撃!」

 カイの攻撃命令、それと同時にガイヤ・ソウルは突進攻撃を仕掛けてきた。目標は俺の守備モンスター、異次元の女戦士。女戦士は突進攻撃をもろに受けて火達磨となって焼け落ちていった。ちなみに、除外効果は発動していない。どうせガイヤ・ソウルは召喚ターンのエンドフェイズに自爆するからだ。だがそのとき、俺のみに火の粉が降り注いだ。腕で払ったので体に傷はないがライフは削られた。貫通能力、厄介だな・・・・・・・・
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンド」
 カイのエンド宣言、それと同時に、ガイヤ・ソウルは限界を向かえて爆発した。

ヒールLP8000→7600手札4枚
カイLP8000手札4枚

「俺のターンだ、ドロー」
 今のターンの攻防でカイのデッキを推測する。可能性は3つ、炎属性主体のデッキか、パワー型のスタンダートデッキか、ただのスタンダートデッキか・・・・・・・・・今のターンだけではこの3つから絞ることは出来ない。ならば、さらに手の内を出させるだけだ。
「俺はデュナミスヴァルキュリアを召喚するぜ!」
 現われたのは凛とした強さを秘めた戦乙女、だがこの瞬間、カイのリバースが翻った。
「この瞬間、罠カード、激流葬発動!」
 全てを押し流す激流が、俺の戦乙女を襲う。だがなカイ、その程度の罠、見切れない俺じゃない!
「甘い!カウンター罠カード、盗賊の七つ道具!」
「お?」
 俺のリバースの発動と同時に、巨大な壁が立ちはだかり激流の流れを堰き止めた。当然、俺のヴァルキュリアは無傷だ。そして、今カイの場にはリバースもモンスターもない、今が攻めるとき!
「いくぞ!デュナミスヴァルキュリアのダイレクトアタック!」
 天高く飛翔する戦乙女、そして、その手に握った白銀の槍をカイへ向けて投擲した。そのまま槍はカイの左肩の付け根に突き刺さった。

「な!?」
 柄にもなく、驚愕の声を上げてしまった。なぜならカイは、そこから微動だにしなかったからだ。それどころか、槍が肩に刺さっているというのに、今まさに平然と立っていやがったのだ。
「なんで・・・・・・」
「なんで交わさないのか、か?まぁ見てな」
 そう言って、カイは肩に突き刺さった槍を引き抜いた。その際、失禁しかねないほどの激痛が走るはずなのに、やつは顔色ひとつ変えずに平然と立ってやがった。そして、異様な点はもうひとつあった。
「え・・・・・・・?」
 そう、カイの肩から血が一滴も流れていないのだ。槍が突き刺さった部分からは、何か黒いもやのようなものがあふれ、すぐに傷口へと戻っていった。そして・・・・・・・・
「傷が、再生してる?」
 驚くべきことに、確かに今しがた貫かれた肩口の傷はまるで幻のように消えていた。
「というわけだ。ヒール、俺はもう、人間やめてんだわ」
「な!?」
 そんなこと、いともあっさり言うなよ・・・・・・・・・

ヒールLP7600→6600手札4枚
カイLP8000→6200手札4枚

「・・・・・・・・俺は、カードを1枚セットしてターンエンドだ」
 落ち着け、いくら痛みを感じず、傷が瞬時に再生するといっても、ライフがゼロになれば死ぬはず、倒せないはずがない。通常の決闘と同じだ。大丈夫、大丈夫だ・・・・・・・・・
「俺のターンだな、ドロー。おっ、天使の施しを発動するぜ」
 自然と、舌打ちがこぼれる。そうしているうちに、奴は手札の交換を果たした。そのとき、
「な!?」
 俺のセットしておいたリバースカードが、突如現われた黒い刃によって破壊された。
「何故?」
「ああ、天使の施しの効果で、こいつを捨てたのさ」
 そう言ってカイは、墓地にあるカードを1枚俺に見せた。
「こいつは影渡りの死神っていってな。こいつが手札から墓地に送られたとき、相手フィールド上にある魔法、罠カードを1枚、破壊できるんだ。こいつでお前のリバースカードを破壊させてもらったぜ」
 くそっ、せっかくのマジックシリンダーが・・・・・・・
「さて、これで怖いリバースもなくなったことだし、攻めますか。俺はゴブリン突撃部隊を召喚して、攻撃!」


 一斉にヴァルキュリアへと飛び掛るゴブリンたち、ヴァルキュリアも最初のうちは槍を振って抵抗していたが多勢に無勢、ついに力尽きてゴブリンたちの暴力の波に飲まれていった。流石レベル4にして攻撃力2300なんていう破格外な攻撃力を持つだけのことはあるな。もっとも、攻撃直後に守備表示になるから次のターンで瞬殺可能だけどな。
「俺はこれでターンエンド」
 攻撃直後に守備表示になるということはモンスターによる戦闘ダメージを受ける可能性が少ないということにつながる。か・・・・・・くそっ、カイのやろう、いい加減に見えてしっかり考えてやがる・・・・・・・

ヒールLP6600→6100手札3枚
カイLP6200手札4枚

影渡りの死神 闇属性 ☆2 悪魔族:効果
ATK300 DEF800
このカードが手札から墓地に送られたとき、相手フィールド上に存在する魔法、罠カードを1枚破壊する。

「俺のターンだ!ドロー!」
 今までのことから判断するに、おそらくカイのデッキはパワー型のデッキ、もしくはスタンダートデッキ、どちらにしろ安定性に定評のあるデッキだな。こういうのは突き崩すのが難しくて厄介だ。結局このターン、俺はシャインエンジェルでゴブリンたちを撃破してターンを終了した。くそっ、このままじゃジリ貧だ。いつかは数で押し切られる。

「俺のターンだな、ドロー!カードを1枚セットして、モンスターをセット!ターンエンドだぜ!」
「むぅ・・・・・・・・」
 てっきり攻撃だけかとも思ったが、そうでもないようだな・・・・・・・ってことはやっぱりスタンダートか?
「俺のターンだ、ドロー」
 とにかく、シャインエンジェルは攻撃力が低い。このまま攻撃するのは厳しいな・・・・・・
「俺はシャインエンジェルを守備表示に変更して・・・・・・」
「おっとこの瞬間!リバースカードオープン!断頭台の惨劇!」
「な!?」
 予期せぬ罠カード、まずい、これは予想していなかった。手足をつながれた光の天使に、容赦のないギロチンの一撃が下った。首をはねられ、破壊されたシャインエンジェル。野郎、俺がモンスターを守備表示に変更すること読んでやがったな・・・・・・・だが!
「なら俺は、手札から魔法カード、遺言状を発動するぜ!」
「あ?」
 発動したのはモンスターを呼び出す遺言効果を持った魔法カード。
「来い!祝福の天使レミエル!」
 遺言状によって呼び出されたのは、希望を運ぶ少女天使。そして俺は更なる戦術を繰り出す!
「さらに!手札から速攻魔法、異次元放逐発動!」
「お?」
 瞬間、レミエルとカイの守備モンスターが異次元へと放り出された。これでお互いのフィールドにモンスターは存在しない。だが!
「この瞬間、レミエルの効果発動!レミエルがゲームから除外されたとき、手札から天使族モンスターを1体、特殊召喚できる!いでよ!天空騎士エンジェルナイトパーシアス!」
 少女天使が運んだ希望、それは人馬一体の天使。貫通効果にドロー効果は強力だ。
「いくぞ!パーシアスでダイレクトアタック!」
 奴の場にカードはない、獲った!
「残念、惜しかったな」
 カイの言葉の直後、俺のパーシアスが凍りついた。
「な!?これは!?」
「手札から氷河の魔竜を捨てた。こいつを手札から捨てたとき、相手モンスター1体は永続的に攻撃と表示形式の変更が出来なくなる。惜しかったな」
「・・・・・・・俺はこれでターンエンドだ」
 くそっ、結局このターンもダメージを与えることが出来なかった・・・・・・・

祝福の天使レミエル 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1300 DEF1000
このカードがフィールドか墓地からゲームから除外されたとき手札から天使族モンスター1体を特殊召喚することができる。

異次元放逐:速攻魔法
発動プレイヤーは自分の場のモンスターと相手の場のモンスターを1体ずつ選択する。選択されたモンスターをゲームから除外する。

氷河の魔竜 水属性 ☆1 ドラゴン族:効果
ATK100 DEF200
このカードを手札から捨てることで、相手モンスター1体は永続的に攻撃と表示形式の変更が出来なくなる。

「そんじゃ、俺のターンだな、ドロー。スピアドラゴンを召喚して、攻撃!」
 繰り出される突撃竜の一撃、その一撃を受け、パーシアスの体は粉々に砕け散った。だがスピアドラゴンのほうもただではすまない。砕かれた氷の破片が、刃となって槍の翼竜の体を貫いた。相打ちだ。
「で、俺はカードを2枚セットして、ターンエンドだ」
 くそっ、カイの野郎、いい加減そうに見えて隙がでてこねぇぜ・・・・・・・・



あとがき
というわけでラスボスのカイのデッキはスタンダートデッキにしてみましたが、いかがでしょうか?
Date: 2004/08/26


ACT138:何故・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・ル!

ん・・・・・・・・誰だ?この声・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・ール!


ああくそっ、頭の中がはっきりしねぇ・・・・・・・・眠い・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・ヒール!


うるせぇなぁ・・・・・・・・・眠いんだよ・・・・・・・・・



(いい加減起きぬか!このたわけ!)
「はっ!?」

 ガバッっという擬音が相応しいほどの勢いで跳ね起き、周りを見渡した・・・・・・・・・・・・・・って、ん?
「どこだ?ここ・・・・・・・・・・」
 見渡した世界は見たことのないものだった。以前クロノに連れて行ってもらった時の最果てに似ている。周りは黒い闇、中空に浮かんでいるのはなぜか巨大は船や豪奢な建造物。
 うん、だんだん思い出してきた。確かあの時俺は、ルシファーを倒して、皆で帰ろうとしたとき、時食いに襲われたんだ。
「ってことは、ここに時食いのマスターがいるのか?」
 っと、近くにいるはずのノルンへと振り向く。だが
「ノルン?」
 すぐ近くにいるはずのノルンの姿はない。一体どこに?
(我ならここだ、ヒール)
 頭に直接響く声、ってことは・・・・・・・
「デッキか?」
(そうだ、それと我はノルンではない、ウルドだ)
「何?お前ら自分たちで自由に合体したり分離したり出来るのか?」
(たわけ、ロボットじゃあるまいに、そんな器用な真似が出来るか。本来もとの姿に戻った我らが再び三姉妹になるには最高神オーディン様の力が必要だ)
「じゃぁなんでまた3人になってるんだよ?」
(それが解らんのだ。まぁ、おそらくは時食いの影響だろうな。それよりさっさと皆を起こせ、いつ時食いの攻撃を受けてもおかしくないのだぞ?)
 っと、そうだった。言われたとおり皆を起こして回る。と、ますでそのタイミングを待っていたかのように
「お?起きたのか?」
 頭上からその声が響いてきた。
 途端、みんなの空気に緊張が走る。だがさっきの声、あれはまさか・・・・・・・・


カツーン、カツーン、カツーン


 階上から足音が響いてくる。そして・・・・・・
「あ?大きな力の衝突があったから来てみれば、ヒール、久しぶりじゃねぇか」
 そこに、ここにいるはずのない声が聞こえてきた。
「嘘、だろ・・・・・・・・?なんであんたが、ここにいるんだよ・・・・・・・・?」
 階上の人間は答えない。だが、あの金の髪、大海を思い出させるその青い瞳。そしてこの声、間違いない。こいつは・・・・・・・・・
「答えろ!カイ!」
 14のあの日、死んだはずの男だった。




「なんで?おかしなことを聞くな?ヒール」
 俺の糾弾の声にも顔色ひとつ変えず、男、カイは言った。
「何でも何も、俺がここにいるってことは、答えはひとつだろ?」
 あのころと同じ顔で、同じ声で・・・・・・・・
「俺が、時食いのマスターってことだよ」
 一番言ってほしくないことを、あっさりと口にした。



「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
 我ながら子供じみていると思う。ただ目の前の事実を受け入れたくないがために吐く否定の言葉。そうだ、ありえるはずがない。カイはあの日、あの最低な町で、クレイジーフレアの皆と一緒に、死んだはずなのだから・・・・・・・・・
「あんたは死んだはずだ!あの地獄の中、生きていられるはずがない!」
 必死に吐く否定の言葉、だがそれは、ある一つの可能性を認めたくないがために吐く、子供のこねる駄々のようなものだった。
「死んだはず、か・・・・・・・ヒール、おまえ自身も気づいているだろ?その可能性に」
 肯定の言葉、間違いない、こいつは・・・・・・・・・
「なんで、皆を殺した?仲間なんじゃなかったのか?」
 あの地獄のような光景の中、生きて出られる唯一の可能性、簡単なことだ。あの地獄を作り出した本人ならば、生き残ることは容易だ。


「ヒール、俺は多分、狂ってるんだよ」
 荒ぶる俺の声とは別に、カイの言葉はひどく静かだった。
「物心ついたときからうすうす感じていた。俺は、人間としてひどく欠落していると。俺の心はどこか、狂っていると」
 カイは、ぽつりぽつりと語り始めた。己がここのうちを
「それが狂気だと気づいたときは、俺は親を、兄弟を殺したときだったよ。血まみれになっていく親父や弟を見て、俺は確かに笑っていた。最初はそれが怖くてな。必死に抑えようとしたよ。同時に万が一狂気に捕らわれたとき、俺を殺してくれる奴がほしかった。それがクレイジーフレアの皆だ。だが俺は変わった。こいつと出会ってな。こいつと出会って、俺は俺の狂気を受け入れた。その後は本当に楽しかった。殺して殺して、殺しつくした。今までも、そしてこれからもだ。ヒール、お前はそんな俺を止めるためにここにいるのか?」
 カイのその言葉に、俺はかなり苦労して、やっとのことで首を縦に振った。
「そうか、だけどなヒール、俺も、まだまだ殺したいんだよ。それこそ、この世界に生きているもの全てをな。だから・・・・・・・・」
 だから、お前を殺すと、カイははっきりと言い放った。



「ヒールさん、ここは僕が、時食いに止めをさせなかったのは僕ですから、ここで決着を」
 俺を気遣ってか、クロノが一歩前に出た。だが俺は手でそれを制した。
「いや、ここは俺にやらせてくれ」
「しかし・・・・・・・」
「大丈夫だよ、やれるさ」
「・・・・・・・・・・・」
 押し黙るクロノ、俺は前に出た。残っている魔力はあと僅か、こんな状況で神を召喚したら、下手をすれば死ぬ。よくても廃人だろう。だがやるしかない。この戦いは、他の誰にも、譲る気はない。
「はじめようぜ、カイ」
「ああ、いいねぇ」
 共にデッキを構える。だがその前に
「それとよヒール、魔力のことなら心配いらねぇぞ。ここは時の最果てと同じ、時間が流れねぇ空間だ。だからどんなに魔力を使っても魔力はへらねぇ。はじめっから全開でいけるぜ」
「そうかい、なら、遠慮はいらねぇな」
 たがいに距離をとる。そして・・・・・・・・・・
『決闘!』
 最後の戦いが、幕をあげた。




あとがき
いよいよラストです。この決闘が終わればこの物語も終了です。
それから、カイって誰さ?って人のためにカイについて説明を。
カイは子供だったヒールを拾って、育てた人です。過去偏にちょこっと出てます。今のヒールの生き方の元を作った人です。ヒールが14歳のころに他のチームの襲撃を受けて死んだものと思われていました。もうそのころには時食いのマスターになっていたみたいですね。以上です。
Date: 2004/08/25


ACT137:決着、そして・・・・・・・・
 眩いばかりの光がフィールドを席巻する。何も見えない。だというのに、その黄金の光は、ひどくやさしくて、暖かかった。
 光が収まる。そして、ひとりの女神が舞い降りた。
 その外見は、あの三姉妹から見ればウルドに一番近い。羽ばたく純白の翼は12枚、その流れる黒髪は、神秘的な美しさをかもし出していた。その瞳は黄金、身に纏った白銀の鎧とマッチしていた。その手に握られているのは瞳と同じく黄金に輝く剣。柄の部分には豪奢な宝石がこれでもかというほどに散りばめられていた。
 そして俺は紡いだ。
「運命の女神ノルン!」
 その女神の、真名を・・・・・・・・・・・


ヒールLP3500→1500手札2枚
場 運命の女神ノルン(攻撃表示)、力の天使ゼルエル(攻撃表示)、鮮血のワルキューレ(攻撃表示)
伏せ なし

ルシファーLP4200手札6枚
場 呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―(攻撃表示)
伏せ なし

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

鮮血のワルキューレ 闇属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードは悪魔族としても扱う。自分の墓地のカードを1枚除外しなければこのカードは攻撃できない。このカードが相手にダメージを与えたとき、相手に500ポイントのダメージを与える。

呪い神アンラマンユ―この世全ての悪― 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK0 DEF0
このカードは特殊召喚できない。このカードを生贄召喚する際、生贄は3体のモンスターとする。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードが召喚されたとき、自分のフィールドのこのカード以外のモンスター全てを墓地に送る。
このカードが召喚されたとき、自分のモンスターゾーンの開いた所全てに自分のライフと同じ攻守を持つカーストークン(闇属性 悪魔族 ☆8 攻/守???/???)を特殊召喚する。また、カーストークンが場に存在する限り、相手はこのカードを攻撃できない。カーストークンがフィールドを離れたターンのエンドフェイズ、自分のモンスターゾーンのあいたところ全てにカーストークンを特殊召喚する。
1ターンに1度、フィールドに存在するこのカード以外のカード全てを墓地に送ることができる。この効果で墓地に送られた相手モンスターの中で3体まで選択し、それらのカードをゲームから除外できる。そうした場合、除外したモンスターの攻撃力の合計分このカードの攻撃力が、守備力の合計分このカードの守備力がそれぞれアップする。この効果で3体以上のモンスターを除外したとき、再びモンスターを3体まで選択し、それ以外のモンスターは全て相手の墓地に戻す。この効果を行った場合、このターンのバトルフェイズをスキップする。

呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―攻撃力6500守備力5050


 静かにたたずむノルン、その身体から感じられる想像をはるかに超える力は、もしかしたら最高神オーディンにも匹敵するかもしれない。その攻撃力は4000
「ふく、フハハハハハハハハ!」
 突然笑い出すルシファー、そして
「ヒール!それが貴様の切り札か!確かに強力な力を感じる。それは認めよう!だが!所詮貴様の神ではそこどまりだ!我が呪い神には遠く及ばぬわ!」
 確かに、スペシャルハリケーンによって呪いの化身を吹き飛ばすことには成功したが、大本の呪い神アンラマンユの攻撃力はいまだ6500、俺のノルンでは勝てない。今はな・・・・・・・・・
「確かに、ノルンの攻撃力は4000、お前のアンラマンユには勝てない。なら話は簡単だ。単純に攻撃力が足りないのならあげればいいだけだ。ノルン!その剣の力を解き放て!」
「任せろ!はぁ!」
 新しい発見、言葉使いウルドのままだ。どうやらノルンの元の性格はウルドが原型らしいな。


 運命の女神が手にした剣を掲げる。その黄金の剣がさらに輝きを増し、そして・・・・・・・・・・
「聖剣グラムよ!その力を解き放て!」
 俺の場にいた鮮血のワルキューレとゼルエルが光の玉となり、ノルンの剣へと吸い込まれた。

運命の女神ノルン攻撃力4000→8700

「な!?なんだと!?」
「これがノルンの能力だ!自分の場に出ているモンスターを生贄にささげることでそのモンスターの元々の攻撃力分ノルンの攻撃力もアップする!」
 これはヴェルダンディのグングニルの加護の原型、だがその力の度合いは桁違いだ。いかに最高神オーディンの持つ神槍グングニルの加護を受けているとしてもそのやりは所詮無名の槍、だがこの剣は違う。この剣、聖剣グラムは間違いなく本物の神具だ。だから仮初の力の何倍もの力を得ることができる。
 そして今、奴の場に存在するのは呪い神アンラマンユのみ、奴の生み出した呪いの化身は存在しない。一見無敵に見えるアンラマンユの針の先よりも細い突破口。それがこれ、呪いの化身はフィールドから離れたとき、復活するのはエンドフェイズ、ならば、その間はフィールドに存在するのはアンラマンユのみ!
「ノルン!攻撃だ!」
「おう!」


 その12枚の純白の翼を羽ばたかせ、運命を司る女神は天高く飛翔した。狙いはこの世全ての悪アンラマンユ
「―――――――――――――――ッ!」
 咆哮をあげながら自らの触手で応戦する影。だが無駄だ。そんな攻撃、攻撃力を爆発的に高めたこの女神の前では無力!
 案の定、その触手のことごとくは、女神の身体に届く前に切り裂かれ、焼かれ、溶かされていった。
「――――――――――――――――――ッ!!!」
 痛みに震える呪い神。それを隙ととったのか、ノルンが一気に間合いをつめる。
「消えるがいい!忌々しい呪い神よ!」
 剣を構える。そして・・・・・・・・・・
「マテリアル・レイ!」
 世界そのものを焼くかのような、黄金の一閃が呪われし影の身体を切り裂き、その身体を完全に消滅させた。
 だがまだ終わりじゃない。奴のライフはまだ残ってる!
「ノルン!」
「わかっておる!タイムジャンプであろう!」
 その言葉が終わった直後、ノルンの姿が一瞬消え、次に現われたのはルシファーの目の前だった。
「な!?」
「この時から消えるがいい!闇の魔人よ!」
 黄金の一閃が、ルシファーの身体を切り裂いた。

ヒールLP1500
ルシファーLP4200→2000→0

運命の女神ノルン 神属性 ☆12 幻神獣族:融合:効果
ATK4000 DEF4000
このカードは自分のフィールドに存在する「過去の女神ウルド」、「現在の女神ヴェルダンディ」、「未来の女神スクルド」をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。(融合のカードは必要ない)
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する
自分フィールド上のモンスターを好きなだけ生贄にささげる。生贄に捧げたモンスターの元々の攻撃力分、このカードの攻撃力が永続的にアップする。この効果は決闘中、1度しか使えない。
次のターンの自分のバトルフェイズをスキップすることで、このカードは1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
???
???



「ぐっ、づっ、はっ・・・・・・・・・・ッ!」
 ダンダンダンと、身体を切り裂かれ、その衝撃で床に叩きつけられたルシファー、本来なら即死、さらに奴は時の女神の一撃を喰らった。本来なら瞬時に時を消滅させられ、この世界の時間軸から完全に消えるはずだ。だというのに、奴はいまだに現界し続けていた。
「なんという執念だ。あれを受けて、まだ現界していられるとは」
「ぐっ・・・・・・・・・・・ま、まだだ・・・・・・・・我はまだ、消えん!消えるわけにはいかんのだ!」
 それは所詮、消え行くろうそくの炎の最後の燃焼に過ぎない。だというのに、奴の目はまだ死んでいなかった。
「神!貴様を、貴様らを、完全に滅するまで、我は、消えるわけには、いかん!」
 怨嗟の声を吐き続けるルシファー、だがその目にはもう光は宿ってない。その足取りもおぼつかない。
「神よ!何故だ!何故、彼女を・・・・・・・・・セシルを私から奪った!」
 セシル・・・・・・・・誰のことかはわからない。だが、それが魔人ルシファー誕生の原型だということくらいはわかる。つまり、奴は・・・・・・・・・
「神!貴様は、私の最愛の人を奪った!呪ってやる、復讐してやる!」
 俺と同じ、たったひとりのために生きてきただけなのだ。だが・・・・・・・・・・
「ルシファー、お前の目的は知らない。たとえお前の目的が、正当性のある復讐でも」
 お前は、そのために・・・・・・・・・・・
「お前はミリアを俺から奪った。だから・・・・・・・・・」
 絶対にしちゃならねぇことをした・・・・・・・・・・
「だから、俺はお前を殺す。お前を殺して、ミリアを取り戻す」
 銃を構える。残った弾は1発、充分だ。引き金に指をかける。
「終わりだ。消えろ、ルシファー」
 引き金を引いた。弾丸はまっすぐに飛び、ルシファーの眉間を打ち抜いた。
 同時に、かろうじて留まっていた奴の体が消滅した。
「終わったな・・・・・・・・・」
「ああ」
「おーい、ヒールー」
 そのとき、残った罪達を倒した4人がやってきた。



「ルシファーは?」
「消えた。終わったよ」
「そうか。で?これからどうする?」
 ジンの質問、決まってる。時食いを探す。だが、まずは・・・・・・・
「帰るか。もうくたくただ・・・・・・・・・」
 皆で帰ろうと、その空間を後にしようとしたとき、突然、空間が大きく揺れた。
「な、何!?」
「解りません、でも皆さん、気をつけてください!この揺れは普通じゃない!」
「くっ、だがこれでは立つこともままならんぞ!」
「くそが!一体、どうなってやがるんだ!」
「ま、まさか・・・・・・・」
 戦慄の声を上げるノルン
「知ってるのか?ノルン?」
「最悪だ。これは、時食い」
『な!?』
 5人の声が見事にハモる。
「間違いない、時食いめ、もうマスターを見つけおったか!何も今来ずともよいものを・・・・・・・・ッ!」
 そして、世界が崩れた。


あとがき
さて、これにてルシファー偏終了です。残った敵は時食いのみ、いよいよ終わりが近づいてきましたね。時食いのマスターの正体は次回で・・・・・・・・・
Date: 2004/08/25


ACT136:女神、降臨
 呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―、ああ確かに、こいつは根本的に生物とは違う。そこに在るだけで全ての生物に死を確信させる存在。死ぬかも、ではない。確実に死ぬ。その証拠に、振り払ったはずの恐怖が蛇のように俺の身体に巻きついて、心臓に牙を突き立てて離れない。いや、恐怖で人は死なない。だからこれは恐怖じゃない。もっと根本的な、そう、死ぬという決定事項。それが俺から全ての行動を奪っていった。




ピシ・・・・・・・・・・・・・・

「あ――――――――――」

 今、心にひびが入った・・・・・・・・・・・・・そこから意思が漏れていく。


ピシピシ・・・・・・・・・・・・

「あ、あ―――――――――――」

 また、ひびが入った。心が砕けるのは時間の問題。ひびが入った隙間から、生きようとする意志が、敵を倒そうとする意思がどんどん漏れていく。消しゴムをかけるように、俺を白く、白く変えていく・・・・・・・・・・


パリン・・・・・・・・・・・・


「あ――――――――――――」

 割れた。心の一部が割れた。思い出せない。何のために戦っていたのか、何のためにここにいるのか。思い出せない・・・・・・・・・何か、大切なもののために、ここいいるはずなのに・・・・・・・・・思い出せない・・・・・・・・・


 なくなっていく。俺を構成するすべてが、白く、白くなって、なくなっていく・・・・・・・・


アア、モウ、ドウデモイイ・・・・・・・・・・・・








(何をしておる!ヒール!)

「―――――――――え?」

 声が聞こえる。なんだろう、どこかで、聞いたことのある声・・・・・・・・
(ヒール!こんなところで何をしている!お前は今まで何のために戦ってきた!お前が失った大切なものを取り戻すためであろうが!こんなところで呆けている場合か!このたわけ!)


ザザーーーーーーーーーーー


 ノイズが走った。その瞬間、頭にひとりの少女の姿が写った。黄金に輝く髪、澄んだ翡翠の瞳・・・・・・・・・・・・・それは・・・・・・・・・・
「ミリア・・・・・・・・・?」
 彼女の名を口にした途端


サァァァァァァァァァァァァ


 風が吹いた、気がした。同時に割れていった心が再び構成され、修復されていく・・・・・・・・・・・・・・
「ああ、くそっ」
 自然と、悪態が口から漏れた。
「まったく、だらしねぇなぁ、俺は」
 ポリポリと頭をかく、まったく、情けない。自分ひとりじゃ、割れた心すら戻せねぇなんて。そしてそれ以前に
「あんな影にビビってるなんてよぉ」
 そんな余裕なんざ、あるわけねぇのにな。俺はまっすぐと、呪い神とかのたまっている影と、そのマスターであるルシファーを睨みつけた。

ヒールLP3500手札4枚
場 なし
伏せ なし

ルシファーLP4200手札4枚
場 呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―(攻撃表示)、呪いの化身×4

呪い神アンラマンユ―この世全ての悪― 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK0 DEF0
このカードは特殊召喚できない。このカードを生贄召喚する際、生贄は3体のモンスターとする。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードが召喚されたとき、自分のフィールドのこのカード以外のモンスター全てを墓地に送る。
このカードが召喚されたとき、自分のモンスターゾーンの開いた所全てに自分のライフと同じ攻守を持つカーストークン(闇属性 悪魔族 ☆8 攻/守???/???)を特殊召喚する。また、カーストークンが場に存在する限り、相手はこのカードを攻撃できない。カーストークンがフィールドを離れたターンのエンドフェイズ、自分のモンスターゾーンのあいたところ全てにカーストークンを特殊召喚する。
1ターンに1度、フィールドに存在するこのカード以外のカード全てを墓地に送ることができる。この効果で墓地に送られた相手モンスターの中で3体まで選択し、それらのカードをゲームから除外できる。そうした場合、除外したモンスターの攻撃力の合計分このカードの攻撃力が、守備力の合計分このカードの守備力がそれぞれアップする。この効果で3体以上のモンスターを除外したとき、再びモンスターを3体まで選択し、それ以外のモンスターは全て相手の墓地に戻す。この効果を行った場合、このターンのバトルフェイズをスキップする。

呪いの化身攻撃力4200守備力4200

呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―攻撃力6500守備力5050


「さて、またせたな。俺のターンだ、ドロー」
 カードを引く、引いたカードは光の護封剣、それを手札に加え、思考する。あの影と黒い巨人は正直厄介だ。今の俺の手札じゃどうにもならねぇ。唯一、あれに対抗できそうなものといったら三女神の真の姿だが、今は召喚することができねぇ。召喚のためのキーカードが足りねぇ。だから今は耐えるしかない。そのためには・・・・・・・
「手札から光の護封剣を発動させる」
 天から降り注ぐ光の剣、それがルシファーの呪い神と4体の黒い巨人の動きを封じた。だがそれも無意味。黒い巨人ならともかく、あの影はこんな剣じゃ拘束できない。このターンのエンドフェイズには拘束から逃れ、俺に攻撃を仕掛けるだろう。だから、こいつだけじゃ足りない。
「さらにモンスターをセットしてターンエンドだ」
「我のターンだ、ドロー。いけアンラマンユよ。その守備モンスターに攻撃」

 影が震える。同時に影の足元にやはり影が出現する。そこにアンラマンユが触手を入れる。
 次の瞬間、俺の守備モンスターの足元にも影が出現し、そこから無数の触手が現われ、守備モンスターのヴァルキリーの援護兵を拘束し、そのまま握りつぶす。
「ターンエンドだ」
「俺のターンだ!ドロー!」
 カードを引く、引いたカードは聖なる魔術師セイントマジシャン。そのまま守備表示で場に出してターンを終了した。
 そして奴のターン、同じように少女魔術師は影の触手によって握りつぶされた。かなり凄惨な光景だ。セイントマジシャンの効果で俺は墓地に落ちた強欲な壷を手札に加えた。

「俺のターンだ。ドロー!」
 カードを引くも意味のないカードだった。強欲な壷を使い手札を増やし、仕方なしに壁を作り、再び破壊された。そして奴のエンドフェイズ、今まで俺を守ってくれていた光の剣が消滅した。
「俺のターンだ」
 これがラストチャンス、キーカード以外のカードは全て揃っている。このワンドローであのカードを引き当てることができるか否か。全てはそれに掛かっている。光をつかむか、絶望に染まるか。勝負!
「ドロー!」




カードを引く・・・・・・・・・・・




心臓の鼓動がやけに強く感じられた。そして・・・・・・・・・







 次元融合、引き当てたカードの名前、そして、求めていた勝利への最後のワンピース。
「まずは下調べ、手札のカードを1枚捨て、スペシャルハリケーン発動!」
「む!?」
 フィールド全体を駆け巡る稲妻を帯びた竜巻、それが4体の黒い巨人たちを残らず吹き飛ばした。これで準備は整った。
「いくぞ!魔法カード、次元融合発動!」
「む!?」
 発動させる魔法カード、同時に、異次元とこの空間をつなぐゲートが現われ、俺のフィールドにモンスターたちが展開された。
「いでよ!力の天使ゼルエル、鮮血のワルキューレ、霊獣ユニコーン、デュナミスヴァルキュリア、そして、現在の女神ヴェルダンディ!」

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

鮮血のワルキューレ 闇属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードは悪魔族としても扱う。自分の墓地のカードを1枚除外しなければこのカードは攻撃できない。このカードが相手にダメージを与えたとき、相手に500ポイントのダメージを与える。

霊獣ユニコーン 光属性 ☆4 獣族:効果
ATK1700  DEF1400
このカードが墓地以外から特殊召喚されたとき、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。
このカードがカードの効果で破壊されたとき、自分はカードを1枚ドローする。

現在の女神ヴェルダンディ 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分のデッキの上から6枚をゲームから除外して特殊召喚する。
1ターンに1度、自分の墓地にある魔法カード2枚をゲームから除外して除外されている自分のカードを1枚、手札に加えることができる。この効果で除外した魔法カードは、デュエル中、使用できない。
1ターンに1度、自分の場に出ているモンスター1体を生贄に捧げることができる。
エンドフェイズまで、生贄に捧げたモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力がアップする。

 一気に展開された5体のモンスター、だがそのどれもがアンラマンユを倒すことはできない。だが俺の戦術はここで終わりじゃない!
「まだいくぜ!霊獣ユニコーンとデュナミスヴァルキュリアを生贄にささげ・・・・・・・・」
 現在の力を依り代とし、来い!
「過去の女神ウルド!」
 閃光と共に降臨する厳格な女神、まだ終わりじゃない!
「さらにヴェルダンディの魔導練成を行い、墓地の強欲な壷と天よりの宝札を除外し、ヴェルダンディ召喚の際に除外されていた未来の女神スクルドを手札に加える。墓地に眠るセイントマジシャン、ヴァルキリーの騎馬兵、デュナミスヴァルキュリア、霊獣ユニコーン、ヴァルキリーの援護兵を除外し・・・・・・・」
 過去の力を依り代とし、来い!
「未来の女神スクルド!」
 神々しい光と共に降り立つお気楽女神。そして、ここに今、運命に三女神が揃った。

過去の女神ウルド 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の場の光属性モンスター2体を生贄に捧げて特殊召喚する。
このカードが戦闘によって受けるコントローラーへの戦闘ダメージはすべて0になる。このカードが破壊されたとき、このカードは自分のフィールド上に一度だけ特殊召喚できる。この効果で特殊召喚した場合、相手のフィールドのモンスターをすべてデッキに戻す。その後相手はデッキをシャッフルする。この効果はデュエル中一度しか使用できない。

未来の女神スクルド 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にある光属性モンスター5枚をゲームから除外して特殊召喚する。
相手がモンスターを特殊召喚したとき、そのモンスターを次の相手のスタンバイフェイズまでゲームから除外してもよい。
このカードは次の自分のバトルフェイズをスキップすることでバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

ヴァルキリーの騎馬兵 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1600
自分の場に表側表示で存在するこのカード以外のカード名にヴァルキリー、ヴァルキュリアとついたカード1枚につき、このカードの攻撃力は100ポイントアップする。

「ここに今、運命の三女神が揃った。ウルド、ヴェルダンディ、スクルド、お前たちの力を解き放て!」
「うむ!」
「解りました!」
「はい!」
 三者三様の返事の後、フィールド全体が神々しい黄金の輝きに包まれた。



あとがき
やっとここまでこぎつけました。次回でこの決闘も終結です。
Date: 2004/08/24


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