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願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

ACT135:復讐者アヴェンジャー 2004/08/23
ACT134:死者に2度目の安息を、生者に絶望を 2004/08/23
ACT133:闇を断ち切る心 2004/08/22
ACT132:死霊の軍団 2004/08/21
ACT131:砕ける幻想 2004/08/20
ACT130:幻想の女王 2004/08/20
ACT129:激突、ブルーアイズVSサクリファイス 2004/08/19
ACT128:光の至高龍、闇の幻魔王 2004/08/18
ACT127:幻想師 2004/08/17
ACT126:延長戦 2004/08/17


ACT135:復讐者アヴェンジャー
 深淵よりもさらに深い闇の中、そこは死と絶望の魔人、ルシファーの心。そこに一点の光なく、あるのはただ無限に広がる闇のみ。
 その闇の中心、そこにひとりの堕天使が無数の鎖で拘束されていた。
 彼の名はルシフェル、かつて神に弓引き滅ぼされた堕天使たちの長。そして、神父アクダムを、魔人ルシファーへと変動させた張本人だ。


 彼は以前思った。こんなはずではなかったと・・・・・・・
 彼の目的は神へ復讐するための肉体を得ること。そのために心に闇のある人間を求めた。そして見つけた。心に特大の闇を持つ人間、神父アクダムを。ルシフェルには未来を見つめる目があった。そこから見た未来の元、彼の妻がもうすぐ殺されることを知り、アクダムを自らの肉体と使用とたくらんだ。
 かくして彼の恋人であるセシルは死に、アクダムはルシフェルにその肉体を差し出した。彼は嬉々としてその肉体を取り込もうと、その身体に入り込んだ。


 そこから、彼の計算は狂い始めた。アクダムの意志は思いのほか強く、そしてその憎悪は近づくもの全てを焼き殺さんと黒い炎に燃え上がっていた。それはルシフェルとて例外ではなかった。こうしてルシフェルは肉体の支配権を剥奪され、アクダムの心の奥底に幽閉された。


 だがルシフェルはそれでもいいと思い始めた。なぜなら、彼の目的は神への復讐と。同じく、アクダムの目的も神への復讐。はじめのうちは神が作ったこの世界を闇に染め上げることが神への復讐だとルシフェルは感じていた。だが、アクダム、否、ルシファーの力ならば神そのものを殺せるほどだった。


 だから、ルシフェルにとってこれは失敗ではなく成功なのだ。肉体の支配権などどうでもいい。目的が同じならば、より強いほうがその肉体を支配すればいいのだと。
 そしてルシフェルは待っていた。ルシファーの切り札、ルシフェルの憎悪と力そのものともいえるカード、最強の復讐者アヴェンジャー、呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―が召喚されるのを・・・・・・・・

ヒールLP3500手札4枚
場 現在の女神ヴェルダンディ(攻撃表示)、裏守備表示2体、永続罠:スピリットバリア
伏せ 1枚

ルシファーLP4200手札4枚
場 呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―(攻撃表示)
伏せ なし

現在の女神ヴェルダンディ 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分のデッキの上から6枚をゲームから除外して特殊召喚する。
1ターンに1度、自分の墓地にある魔法カード2枚をゲームから除外して除外されている自分のカードを1枚、手札に加えることができる。この効果で除外した魔法カードは、デュエル中、使用できない。
1ターンに1度、自分の場に出ているモンスター1体を生贄に捧げることができる。
エンドフェイズまで、生贄に捧げたモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力がアップする。



 それは、なんなのだろうか・・・・・・・・・解らない。俺の知っている生物ではあれに似た形状を持つものなど思いつかない。無理やり解釈すればタコやイカの類に見えないこともないだろうがそんなかわいいものではなかった。故にあれはそんなものではない。
 さらに異常なのは、あれが召喚されたとき、確かに奴の場には羊トークンがいたのに、今はいない。あれに食われたのか?
「あ、ああ・・・・・・・・・」
 ヴェルダンディの口からあろうことか、怯えの声が漏れた。声には出さないが俺とて気持ちは同じだ。できれば今すぐにでも叫びだしたい。
 あれは、生物としての根本が違う。この世に生を受けているものなら、あれは絶対に出会ってはならないものだ。生物としての生存本能がさっきからそう警鐘を鳴らしていた。
 影、他に類似するような生物がないから、それはそう呼ぶしかない。黒い影、肌で感じる。あれは存在そのものが呪いだ。攻撃を喰らう必要はない。触れれば一瞬で呪いを受け、俺は骨も残さずに消える。抵抗力の弱いものならあれを前にしただけで死んでしまうかもしれない。


「な、んだ・・・・・・・・・・こいつは・・・・・・・・・・」
 決して声は出すまいと思っていたのに、無意識のうちに呟きが漏れた。膝が震えるのを必死で抑える。相手から見ればさぞ無様だろう。
「ふ、これこそが我が切り札。神を殺す神、それがこの呪い神だ」
 ルシファーの声もよく聞こえない。視線はあの影から離れない。耳だって、あの影が時々発する咆哮ともいえない禍々しい空気の震えを感知することにしか機能しない。
「そう怯えることはないぞヒールよ。こいつ自体の能力は攻守共にゼロ、どんなモンスターでも破壊可能だ」
「何?」
 あろうことか、ルシファーは自らのモンスターの攻守が低いことを自分から言い出しやがった。一体何を考えてやがる?


「どういう、つもりだ?そいつはお前の切り札じゃなかったのか?」
 くそっ、声が震えてやがる。言葉を発するだけでもきつい・・・・・・・・
「ふ、貴様では、アンラマンユに触れることすらできんからだ。アンラマンユの効果発動!出でよ呪いの化身たちよ!」

 影が震えながら音を発する。もはや声とすらいえない。だが、俺にはなぜかそれが、産声のように聞こえた。
「な!?」
 それは悪夢の光景だった。ルシファーのフィールドに、突如として4つの黒い影が盛り上がった。そしてそれらは人型をとり、否、人型の未完成型をとった。それはまさに黒い巨人。その数は4つ。
「これがアンラマンユ第1の能力だ。アンラマンユが召喚されたとき、我のフィールドのモンスター全てを墓地へと送り、我のフィールドの開いた場所に我のライフと等しい攻守を持つカーストークンを特殊召喚できる!」
「なんだ・・・・・・・そりゃ・・・・・・・・」
 思わず声が出た。当たり前だ。あんな奴らが4体、とてもじゃないがヴェルダンディひとりで太刀打ちできる相手じゃない。

呪いの化身×4攻撃力4200守備力4200

「さらに、アンラマンユの第2の効果を発動させよう」
 まだくるのか!?
 再び影の気配が変わる。すると・・・・・・・・・・・・・
「きゃぁ!」
「ヴェルダンディ!?」
 悲鳴に反応し、そちらに視線を向ける。そこには悪夢のような光景が広がっていた。



「な!?」
「くっ!」
 フィールド全体の地面を巨大な黒い影が這うようにして存在していた。そしてそこから上に存在するカードたちを捕縛するように黒い触手が殺到した。抵抗すらできずに俺の守備モンスター2体のデュナミスヴァルキュリアと霊獣ユニコーン、スピリットバリア、そして4体の黒い巨人がその影に取り込まれる。ヴェルダンディも抵抗していたがやがてその影に取り込まれていった。
「ヴェルダンディ!」
「マスター!」
 咄嗟に手を伸ばすが届かない。そのままヴェルダンディは影へと取り込まれてしまった。
「これがアンラマンユの第2の能力だ。1ターンに1度、フィールドに存在するこのカード以外のカードを墓地に送ることができる。さらに・・・・・・・」


呪い神アンラマンユ攻撃力0→6500守備力0→5050


「な!?」
 ばかな!?アンラマンユの攻撃力が爆発的に上がった!?
「この効果で墓地へと送られた相手のモンスターの中で3体まで選択し、それらのカードを除外することで除外したモンスターの攻撃力の合計がこいつの攻撃力に、守備力の合計が守備力に加算される」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 もはや声すら出ない。こんな化け物、どうやって倒せって言うんだよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「だがこの効果を使ったターンはバトルフェイズを行うことができない。命拾いしたなヒール。ターンエンドだ」
 そしてその瞬間、信じられない光景が起こった。確かにさっき影に取り込まれたはずの4体の黒い巨人が再び現われたのだ。
「な!?」
「呪いの化身はフィールドを離れたターンのエンドフェイズ、再び特殊召喚される。さらにこの呪いの化身を倒さない限りアンラマンユ本体に攻撃することはできん。さぁ、どうするヒール?」


霊獣ユニコーン 光属性 ☆4 獣族:効果
ATK1700  DEF1400
このカードが墓地以外から特殊召喚されたとき、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。
このカードがカードの効果で破壊されたとき、自分はカードを1枚ドローする。



呪い神アンラマンユ―この世全ての悪― 神属性 ☆12 幻神獣族:効果
ATK0 DEF0
このカードは特殊召喚できない。このカードを生贄召喚する際、生贄は3体のモンスターとする。
このカードは魔法、罠、モンスターの効果でフィールドを離れず、コントロールも変更できない。
このカードが魔法、罠、モンスターの効果を受けたとき、エンドフェイズにその効果を無効化する。
このカードが召喚されたとき、自分のフィールドのこのカード以外のモンスター全てを墓地に送る。
このカードが召喚されたとき、自分のモンスターゾーンの開いた所全てに自分のライフと同じ攻守を持つカーストークン(闇属性 悪魔族 ☆8 攻/守???/???)を特殊召喚する。また、カーストークンが場に存在する限り、相手はこのカードを攻撃できない。カーストークンがフィールドを離れたターンのエンドフェイズ、自分のモンスターゾーンのあいたところ全てにカーストークンを特殊召喚する。
1ターンに1度、フィールドに存在するこのカード以外のカード全てを墓地に送ることができる。この効果で墓地に送られた相手モンスターの中で3体まで選択し、それらのカードをゲームから除外できる。そうした場合、除外したモンスターの攻撃力の合計分このカードの攻撃力が、守備力の合計分このカードの守備力がそれぞれアップする。この効果で3体以上のモンスターを除外したとき、再びモンスターを3体まで選択し、それ以外のモンスターは全て相手の墓地に戻す。この効果を行った場合、このターンのバトルフェイズをスキップする。


 振り切ったはずの恐怖が再びまとわりついてきやがる・・・・・・・こんな化け物、適うはずがねぇ・・・・・・・・・



あとがき
はい、これで全部出し切りました。流石にもうこのネタのカードは出てこないでしょう。どうでもいいですね。
出てきましたルシファーの切り札。我ながらかなり壊れてますが皆さんどう思いますか?
Date: 2004/08/23


ACT134:死者に2度目の安息を、生者に絶望を
 手札は1枚、しかもその1枚は何の役にも立たない儀式モンスター、相手の場にはいまだに不死王が健在だ。このままでは俺のライフは次のターンあたりにはゼロになるだろう。
 絶体絶命、そんな言葉がお似合いの状況だ。だが俺は負けない。いや、負けない、ではなく、勝つ。この決闘だけは勝たなければならない。俺は、自らと、ミリアの命運をかけて、カードをドローした。


ヒールLP3500手札1枚
場 永続罠:スピリットバリアー
伏せ なし

ルシファーLP6400手札2枚
場 不死王リッチー(攻撃表示)
伏せ なし


「俺のターンだ!ドロー!」
 恐れは振り切った。俺のカードは、俺を裏切らない。来い!
 カードを引き抜き、そして・・・・・・・・・
「いくぞ、ルシファー。デッキの上から6枚のカードをゲームから除外し・・・・・・・」
 未来の力を依り代とし・・・・・・・・いでよ!
「現在の女神ヴェルダンディー召喚!」
 眩いばかりの光と共に、現在を司る時の女神、運命の三女神の次女、ヴェルダンディがその銀の髪を揺らしながら優雅に俺のフィールドに降り立った。


現在の女神ヴェルダンディ 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分のデッキの上から6枚をゲームから除外して特殊召喚する。
1ターンに1度、自分の墓地にある魔法カード2枚をゲームから除外して除外されている自分のカードを1枚、手札に加えることができる。この効果で除外した魔法カードは、デュエル中、使用できない。
1ターンに1度、自分の場に出ているモンスター1体を生贄に捧げることができる。
エンドフェイズまで、生贄に捧げたモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力がアップする。




「神!ついに我が前に立ちはだかるか!」
 ?なんだ?ヴェルダンディを前にした途端、奴の顔から余裕が消えた。代わりに出てきたのは怒気、余裕が消えたのは解るが何故怒気が出る?
 考えていても仕方がない。今重要なのは奴が怒気によってその心を多少なりとも乱しているということ。ならば、その隙に付け込むまでだ!
「いくぞ!ヴェルダンディ、魔導練成だ!」
「解りましたマスター!」
 ヴェルダンディの特殊能力のひとつ、魔導練成、俺の墓地に眠る天使の施しとスケープゴートが力を代価と死、代わりに除外されていたカードのひとつ、天よりの宝札を手札に加えた。
「天よりの宝札発動!」
「くっ」
 発動された大量ドローカード、お互いの手札が6枚になるようドローされ、一気に手札が潤う。
「俺は寡黙な天空剣士を召喚し、ヴェルダンディのふたつ目の能力、グングニルの加護を発動する!場の寡黙な天空剣士を生贄にささげ、ヴェルダンディの攻撃力をアップさせる!」
 召喚された寡黙な天空剣士が小さな光の玉となり、それがヴェルダンディの持つ巨大な槍へと吸い込まれた。

寡黙な天空剣士 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1800 DEF1600
このカードは魔法の効果を受けない。

現在の女神ヴェルダンディ攻撃力3000→4800

「くっ」
「いくぞ!ヴェルダンディの攻撃!」
 ヴェルダンディがその純白の翼を広げ、天へと舞い上がる。一定の高さまで来ると飛翔をやめ、その手に握った美しい槍を回転させ、逆手に持ち、穂先を杖を構える不死の王へと向ける。
 不死王はせめてもの抵抗の証か、己が使役する死霊たちを弾丸のように飛ばしたがどれもヴェルダンディに届く前に消滅した。
「いきます。ストライクデヴァイス!」
 白い極光の光をはなちながら、ヴェルダンディは手にした槍を不死王へと投擲した。
 やりは寸分たがわず不死王の体を貫き、その光で彼の身体を焼いた。
 不死王は怨嗟の声を上げながら光に焼かれて消滅した。

ヒールLP3500手札5枚
ルシファーLP6400→4200手札6枚

「ぐっ・・・・・・・・ッ!」
 この決闘中初めて、ルシファーが苦悶の声を上げた。
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」
 このターンで、俺と奴とのライフ差が一気に縮まった。このまま一気に追い詰める!
「我のターンだ、ドロー。我はカードを2枚セットし、モンスターをセットする。ターンエンドだ」
 追加される正体不明の3枚のカード、状況的に奴の手札も潤ったからな、ちょっと攻撃しづらいが、どうする?
「俺のターンだな、ドロー」
 引いたカードは強欲な壷、奴の伏せたカードが魔法、罠妨害タイプのカードかどうかを確かめる意味も込め、発動してみる。発動はあっさりとスルー。ということはそういった類のカードではないということ。ほかに考えられるのは攻撃防御タイプかモンスター破壊タイプの罠、魔法カード。
 その中でも可能性の高いのはモンスター破壊タイプ、奴にとって、今俺の場に出ているヴェルダンディはかなり厄介な存在のはずだ。一刻も早く破壊したいだろう。今のヴェルダンディは魔法や罠に対するレジスト効果は持ってないからな。


 しかし問題もある。今奴の陣形は崩れている。ならば今のうちに攻め込まなくてはまた体勢を立て直されてしまう恐れがある。ヴェルダンディの効果は自分のターンでなければ使えない。相手ターンではただの攻撃力3000の通常モンスターとなんら変わらない。このまま攻撃せずにいて、奴に態勢を立て直された場合、ヴェルダンディだけで太刀打ちできるかどうか・・・・・・・
 悩んでいても仕方がない。どの道やられる可能性があるのなら俺は、俺の流儀を貫く!
「いくぞ!ヴェルダンディの攻撃!」
 再び天へと飛翔するヴェルダンディ、だがそこに思わぬ邪魔が入った。
「この瞬間、リバースカードオープン!死霊の領域!」
「な!?」
 奴のリバースが翻った途端、ヴェルダンディの身体を幾重もの死霊たちが鎖のように彼女の身体に絡みつき、雁字搦めにして地へと落した。
「くっ」
「ヴェルダンディ、大丈夫か?」
 苦悶の声を上げるヴェルダンディに声をかけてみるが彼女は痛みでそれどころではないようだ。
「死霊の領域が発動している限り、アンデット、悪魔族以外のモンスターは攻撃を行うことができん。貴様の天使デッキでは攻撃することすらできんということだ。もっとも、維持コストとして我は毎ターンモンスターを献上せねばならんがな」
くそやられた!これで俺のモンスターは攻撃することすらできねぇ。奴が体勢を立て直すのを指をくわえて待ってなきゃならねぇのかよ!
「俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
「ならば貴様のエンドフェイズにリバースカードオープン、スケープゴート、これで我の場のモンスターを増やすとしよう」
 現われた愛嬌のある羊、くそっ、野郎、あの羊を生贄にする気かよ!

死霊の領域:永続罠
全てのプレイヤーは、アンデット、悪魔族モンスター以外のモンスターでは攻撃することができない。自分のターンのスタンバイフェイズにモンスターを1体生贄にささげる。そうしなければこのカードを破壊する。

「我のターン、ドロー。スタンバイフェイズに羊を1体生贄に捧げ、死霊の領域を維持する。さらに守備モンスター、ファミリアゾンビを反転召喚する。このカードがリバースしたとき、デッキから同名カード1体を特殊召喚できる。これで我のターンは終了する」
 奴がリバースしたモンスターは腐り果てた肉体でなお生き続ける醜悪な存在ゾンビ、ずいぶんと小柄だからおそらく子供のゾンビだろう。そのゾンビは指笛を吹いた途端、まったく同じゾンビが奴の場に現われた。同胞を呼び込む効果か、厄介な・・・・・・・

ファミリアゾンビ 闇属性 ☆3 アンデット族:効果
ATK900 DEF1200
リバース:自分のデッキから同名モンスターを1体、表側守備表示で特殊召喚できる。

 結局俺は次のターンでもこの状況を打破するカードを引けずモンスターを1体セットしてターンを明け渡し、再び奴のターン、死霊の領域の維持コストを支払いファミリアゾンビを守備表示に変更してさらにモンスターをセットし、ターンを終了した。
 なんだ?なんか知らんが無茶苦茶に嫌な予感がする。
「俺のターンだ、ドロー!」
 気合と共にカードをドローするがいいカードは引けなかった。仕方なくそのままターンを明け渡す。そして奴のターン、そのとき、俺の背中に都合3度目の悪寒が走った。
「我のターンだ、ドロー。死霊の領域を破棄し、3体のモンスターを生贄にささげ・・・・・・・・」
 途端、周囲の空気が重くなる。見ると死霊の鎖から開放されたヴェルダンディもその優雅な顔を強張らせた。
「マスター、来ます」
「ああ、解ってる。なんか知らんがやばそうだ」
「くるがいい!復讐者よ!呪い神アンラマンユ―この世全ての悪―!」
 闇を更なる深淵が食い尽くしていった。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/08/23


ACT133:闇を断ち切る心
 くそ・・・・・・・・・・魔人ルシファー。奴のアンデットデッキの前に俺の守りはあっさりと崩され、一気に倍のライフ差がついちまった。こっちは満身創痍、向こうはまだまだ余裕。普通なら絶対にこんな戦いは挑まねぇんだが・・・・・・・・今回だけは例外だ。こいつを倒した先に、あいつが・・・・・・・・ミリアがいるから・・・・・・・・負けられない!

ヒールLP3500手札3枚
場 なし
伏せ なし

ルシファーLP7000手札3枚
場 不死王リッチー(攻撃表示)、死霊騎士アンデットカリバー(攻撃表示)
伏せ なし


 倒れていた身体を起こそうとして、身体の反応が鈍いことに気づく。くそっ、さっきの腐敗侵食のせいで身体が恐怖を感じやがったか・・・・・・・・・
 俺は身体の悲鳴を押さえつけ、震える膝を押さえつけて無理やり立ち上がり、そのままルシファーを視殺する勢いで睨みつけた。
「ほぅ、まだ立ち上がるか」
「ったりめぇだろ、こんな、ところで、寝てるわけには、いかねぇんだよ!」
 くそっ、息が続かない。まともに喋ることもできないくらい疲弊してたのか・・・・・・・・・・
「ふん、虚勢もそこまで張れれば本物だ。我はこれでターンエンドだ」
「はっ、俺の、ターンだ。ドロー!」
 引いたカードは天使の施し、よし、いいカードだ。早速使用してカードを3枚ドローする。
 引いたカードは鮮血のワルキューレ、和睦の使者、そして天空聖騎士レティス。いずれもこの状況を打破できるものじゃなかった。手札と見比べ、結局俺は鮮血のワルキューレと手札に会った力の天使ゼルエルを墓地へと捨てた。

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

鮮血のワルキューレ 闇属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードは悪魔族としても扱う。自分の墓地のカードを1枚除外しなければこのカードは攻撃できない。このカードが相手にダメージを与えたとき、相手に500ポイントのダメージを与える。

「俺は、モンスターをセットして、カードを1枚セットする。ターンエンド」
 とにかく、今は耐えることしかできない。何とか耐えて、奴の戦術の隙を見つけ出さなくては俺に勝機はない。


「我のターンだ、ドロー。アンデットカリバーを生贄にささげ龍骨鬼を召喚する」
 再び現われた龍の骨の集合体。その醜悪な面が俺を見つめていたので気分が悪くなる。しかも奴のことだ。これだけでは終わらないだろう。
「さらにリッチーを裏側守備表示に変更し、反転召喚、墓地のアンデットカリバーを復活させる」
 無制限に墓地から死者たちを呼び出すルシファー。奴のデッキには死者の安息などない。死してなお手駒として使われるのだ。
「では行こうか。アンデットカリバーで守備モンスターを攻撃する。切り裂け!」

 死霊の騎士の一刀が守備モンスターであるシャインエンジェルを切り裂く。
「シャインエンジェルの遺言効果を発動させ、デッキからマシュマロンを特殊召喚する!」
 光の天使の遺言によって導かれたのは餅のような外見をしたよくわからないモンスター。外見から判断するに、弾力性はありそうだ。だがその攻撃力はたった300。このままじゃやられるのは必至、だが俺はひとつの手を打ってある。さぁ、来るか?
「何を出すかと思えば、そのような脆弱なモンスターを攻撃表示だと?ヒール、勝負を捨てたか?龍骨鬼の攻撃!散るがいい!ヒール!」
 龍骨の亡霊がマシュマロンへと襲い掛かる。この瞬間、俺のリバースカードが翻った。
「リバースカードオープン!スピリットバリアー!」
 俺の前に透明な薄い壁が出現する。龍骨鬼の攻撃はその壁に阻まれてこちらまでダメージが届かない。しかもマシュマロンの弾力性に富んだ身体のおかげで戦闘によっては破壊されない。これでしばらくの壁は大丈夫なはずだ・・・・・・・

「ならば我はカードを2枚セットし、ターンエンドだ」
 追加された2枚のリバースカード、罠か、それともただのハッタリか・・・・・・・・?
「俺のターンだ!ドロー!」
 マシュマロンが攻撃を止めてくれたおかげで俺へのダメージはない。おまけにマシュマロンも破壊されずに場に残っている。ならばこのカードの出番だ!
「いくぞ!俺はマシュマロンを生贄にささげ、魔眼の処刑天使サリエルを召喚する!」
「む!」
 俺の場に、紫の冷徹な輝きを放つ瞳をした処刑天使が舞い降りた。だがそれだけで終わらせるほど俺は甘くない!
「サリエルが生贄召喚されたとき、墓地に眠る力の天使ゼルエル、シャインエンジェル、鮮血のワルキューレをゲームから除外して、サリエルに特殊能力を付加させる!」
 これがサリエルの能力、生贄召喚時に墓地のカードを除外することで除外したカードの属性に合わせて能力を得ることができる!

魔眼の処刑天使サリエル 闇属性 ☆6 天使族:効果
ATK2400 DEF2000
このカードが生贄召喚されたとき、墓地のモンスターをX枚ゲームから除外する。(最大6枚まで)除外したモンスターの属性に応じて、以下の効果を得る。
地属性:このカードが戦闘で破壊したモンスターのリバース効果は無効化される。
風属性:このカードの攻撃力を400ポイントダウンさせた状態で相手守備モンスターを攻撃したとき、守備モンスターの守備力をこのカードの攻撃力が上回っていた場合、その数値分相手プレイヤーにダメージを与える。
炎属性:自分のバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。
水属性:自分のスタンバイフェイズ時、自分は800ポイントのライフを得る。
光属性:このカードは罠カードの効果を受けない。
闇属性:このカードが生贄召喚されたとき、相手モンスター1体をゲームから除外する。


 今回除外した3体のモンスターの属性はそれぞれ炎、光、闇。よって3つの能力を得た。
「サリエルが闇属性モンスターを除外したことにより、サリエルの効果発動!お前の不死王リッチーを除外する!」
 俺の宣言と共に、サリエルがその魔眼を発動させ、不死王に直死の力を叩きつける!
「ふん、甘いわ!リバースカードオープン!忠義の徒!発動!」
「何!?」
 翻った奴の1枚目のリバースカード、同時に、リッチーを狙ったはずの直死の力は軌道を変え、アンデットカリバーへと突き進んだ。
「これは!?」
「忠義の徒はな、モンスターがカードの効果の対象となったとき、その対象をそのモンスターのレベル未満のモンスターに移し変えることができるのだ。これで我はサリエルの効果の対象をアンデットカリバーへと移した。貴様が除外したのは取るに足らぬ低級モンスターというわけだ!」
 直死の一撃は死霊の騎士を直撃し、死した騎士の体を完全に殺す。あれではいかに不死王の能力でも蘇生することは不可能だ。

忠義の徒:通常罠
自分のモンスターがカードの対象になったときに発動。対象を自分の場に出ている対象となったモンスターのレベル未満のレベルを持つ表側表示モンスターに移し変える。その後、自分はカードを1枚ドローする。

 効果発動後のドロー効果で奴の手札は2枚、くそっ、せっかく1枚になったと思ったのに・・・・・・・・
「バトルフェイズ!サリエルでリッチーに攻撃!」
「馬鹿めが!攻撃力で劣るサリエルでリッチーの攻撃をするなど、愚か以外の何者でもないぞ!」
 確かに、普通ならそうだろうよ。だがな!

魔眼の処刑天使サリエル攻撃力2400→3000

「何!?」
「サリエルはな、炎属性モンスターを除外したとき、自分のバトルフェイズならばその攻撃力は600ポイントアップさせるんだよ!いけ!サリエル!」
 両手に握った短剣を操り、美しき死神が空を舞う。狙う先は不死者をすべる不死王ノスフェラトゥ
「させんぞ!リバースカードオープン!」
 翻るルシファーの2枚目のリバースカード。
「甘いぜ!サリエルは光属性モンスターを除外したとき、相手からの罠カードの効果は受け付けない!」
「甘いのは貴様だヒール!誰がサリエルに対して罠を発動させると言った?」
「なんだと!?」
 見ると、サリエルの攻撃対象が不死王から龍骨鬼へと変化していた。まさかこれは・・・・・・・・
「シフトチェンジ!?」
「その通りだ!このカードの効果で攻撃の対象をリッチーから龍骨鬼へと変えさせてもらったぞ!」

 サリエルが強制的に変更された処刑対象、龍骨鬼へとその双剣を振るった。
「獄彩と散れ!」
 瞬時に閃光が迸る。短剣が止まったとき、龍骨の亡霊は17個に分割されて朽ち果てていった。
 だがこのターンの攻防は俺の負けだ。俺の目的は奴の攻撃、モンスター蘇生の要である不死王リッチーを倒すこと。だがそれも奴のリバースカードによって阻まれてしまった。ここまでやられては今の俺に手はない。
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ」
 仕方がない。何とか持たせなければ俺がやられる。

ヒールLP3500手札1枚
ルシファーLP7000→6400手札2枚

「我のターンだ。ドロー。さて、リッチーを裏守備表示に変更し、反転召喚して墓地に眠る龍骨鬼を蘇生させよう。リッチーでサリエルを攻撃!」
 打ち出される死霊たちの弾丸。これを喰らったら、たとえサリエルでもやられる。ならば!
「リバースカードオープン!和睦の使者!」
 このカードで守る!
「だから甘いと言っているのだヒール!手札から速攻魔法、消失魔術発動!」
「な!?」
 俺が発動した和睦が、みるみるうちにその力を失っていき、消えてしまった。
「ば、馬鹿な!?」
「このカードは、発動時にモンスター1体を生贄とするが相手が発動したカードの効果を1度だけ無効化する速攻魔法!さらにこのカードは速攻魔法でありながらスペルスピード3という特殊なカードだ!これで我は龍骨鬼を生贄にささげ、和睦の使者を無効化する!」
 打ち消され、無効化された和睦の使者。守るものがなくなったサリエルへと死霊の弾丸が次々に打ち込まれた。スピリットバリアのおかげでダメージはないがサリエルが破壊されてしまったことは大きい。

消失魔術:速攻魔法
このカードはスペルスピード3として扱う。
自分の場に出ているモンスター1体を生贄にささげ、相手の発動したカードの効果を1度だけ無効化し、そのカードを破壊する。

「我はこれでターンエンドだ」
 奴の場に残っているのは攻撃表示の不死王リッチーのみ、だが俺の場には発動中の永続罠、スピリットバリアーがあるだけで何もない。頼みの綱である手札も1枚。しかもその1枚は天空聖騎士レティスと決まっている。このままでは、俺の敗北は濃厚だ・・・・・・・・
「俺の、ターンだ」


 声が震える・・・・・・・・
 負ける
 カードを引く手が震える・・・・・・・・
 負ける
 心が折れそうになる・・・・・・・・・
 負ける
 望みが、希望が消えていく・・・・・・・
 負ける
 うるさい黙れ・・・・・・・・
 負ける
 負けない・・・・・・
 負ける
 負けられない・・・・・・・・
 負ける
 負けるわけにはいかない・・・・・・・・・・
 負ける
 負ける、負ける負ける負ける負ける負ける負ける負ける・・・・・・・・


「ッ、舐めんじゃねぇぞこんちくしょうーーーーーーーーッ!」
 自分が出しえるありったけの声で心にできた闇を振り払い、そして・・・・・・・・
「俺のターンだ!ドロー!」
 剣を抜き放つかのようにカードをドローした。



あとがき
ふむ、この決闘、下手したら今迄で一番長くなるかもしれません。参りましたねぇ・・・・・・・・
Date: 2004/08/22


ACT132:死霊の軍団
 ついにやってきた。魔人ルシファー。俺はこいつの存在を消して、ミリアを救い出す!


ヒールLP8000手札5枚
ルシファーLP8000手札5枚


「我の先行だ。ドロー。モンスターをセットしてカードを1枚セット、ターンエンドだ」
 初手にやつが敷いた布陣は決闘で最もよく用いられる手だ。故に奴のデッキがどのようなコンセプトのもとに構成されているのかが読み取れない。野郎、情報は徹底的に漏洩させない気か・・・・・・・・
「俺のターンだ、ドロー!」
 引いたカードを手札に加え、すぐさま行動に移った。
「いくぞ!カードを1枚セットし、ヴァルキリーの騎馬兵を召喚するぜ!」
 光と共に現われたのは白銀の鎧をまとった白馬にまたがる戦乙女の騎士。その凛とした瞳が闇の魔人であるルシファーを睨むように見つめていた。

ヴァルキリーの騎馬兵(テキスト改正) 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1600
自分の場に表側表示で存在するこのカード以外のカード名にヴァルキリー、ヴァルキュリアとついたカード1枚につき、このカードの攻撃力は100ポイントアップする。

「攻撃だ!」
 白馬を駆り、疾走する戦乙女の騎士、彼女が繰り出す白銀の一撃が、奴の守備モンスターを一刀で切り捨てた。
「ふっ、この瞬間、リバースカードオープン、魂の綱」
「なに?」
 翻った奴のリバースは遺言効果を持つ罠カード、光り輝く綱が奴のデッキへと浸透し、そこからモンスターを1体連れ出した。
「このカードの効果でデッキから死霊騎士アンデットカリバーを特殊召喚する」
 現われたのは腐敗した体を酷使する人馬の騎士、まさに死霊だ。特に特殊な効果は持ってはいないはずだが攻撃力1900はなかなかに強力だな・・・・・・・
 だが奴の動きはそれだけでは終わらなかった。
「さらに、貴様が破壊した我の守備モンスターはピラミッドタートル、このカードが戦闘で破壊されたため、我はデッキから守備力2000以下のモンスターを特殊召喚する。いでよ!龍骨鬼!」

「な!?」
 現われたのは朽ち果てた龍の骨が怨念によって結合されてできた歪んだ生命体。元が龍の骨なため、戦士や魔法使いモンスターでは太刀打ちできない。
「アンデットデッキ・・・・・・・・ッ!」
 俺の声は、多少の戦慄が混ざっていた。
「その通りだ。我の死霊たちを相手に、貴様がどこまで足掻けるか、見せてもらおう」
 思わず舌打ちが漏れた。アンデットデッキは戦士デッキと並んでその展開力に定評がある。しかも低レベルモンスターをどんどん並べる戦士デッキと違い、アンデットデッキは上級モンスターを一気に展開することができるデッキだ。一瞬でも気を抜けば次のターンには俺は屍となって転がっていることだろう・・・・・・・・

ヒールLP8000手札4枚
ルシファーLP8000→7000手札4枚

 手札を眺めても手はひとつしかない。仕方ない、もっと温存しておきたかったが・・・・・・・・アンデットデッキに出し惜しみをしていてはこっちがやられかねないからな。
「俺はさらにカードを1枚セットしてターンエンドだ」
 さぁ、どうでる?
「我のターンだ、ドロー」
 奴がドローカードを確認したのを見たとき、間違いなく俺の背中を悪寒が走った。
「さぁいくぞ。何ターン耐えれるかな?手札から魔法カード、不死王の棺を発動する!」
「!」

 奴がカードを発動した時、やつの場に大きな金色の棺、黄金櫃が現われた。これは一体・・・・・・・・・?
 俺が疑問に思ったのもつかの間、奴の場にいた2体のアンデットモンスターはその体を維持できなくなり、黒い気体となって棺の中へと吸い込まれた。
「不死王の棺はな、場に出ているアンデットモンスター2体を生贄とし、手札かデッキから不死王を呼び出すことができるのだ。いでよ!不死王ノスフェラトゥリッチー!」
 黒い気体を吸い込んだ棺が開かれる。そこから現われ、地に降り立ったのは伝説にも度々登場する死者を操る最凶のアンデット、不死王リッチー・・・・・・・・
 最悪だ、いきなりこんなモンスターが登場するとは・・・・・・・・ってなに弱気になってるんだ俺!大丈夫だ。このリバースならば不死王など恐れるに足りないはずだ・・・・・・・・・
「さぁ覚悟はいいか?リッチーの攻撃!」

 リッチーがその手に握った杖を振るい、自らが使役する死霊たちを弾丸のように打ち出してきた。それに触れれば瞬時に体が崩れ落ち、死の運命からは逃れない。だが俺は余裕を持ってその攻撃を向かえた。
「リバースカードオープン!聖なるバリア―ミラーフォース―!」
 俺の前に、光の壁が立ちはだかる。いかなる攻撃でも、この鉄壁の防壁は防げない!
「ふっ、チェーン、手札より速攻魔法、月の書を発動しよう」
「な!?」
 しまった、そんな手が!?
 ミラーフォースが攻撃を跳ね返し、破壊できるのは攻撃表示のモンスターのみ、月の書の効果により裏守備となった不死王の傍ら、そこを死霊の弾丸がすり抜け、あさっての方向へと飛んでいってしまった。
「ヒール、その程度の浅知恵で、我の死霊たちを攻略できると思ったか。たわけが」
 奴の言葉が矢となって俺の心に突き刺さる。

不死王の棺:通常魔法
自分の場に出ているアンデットモンスター2体を生贄にささげ、デッキ、手札から不死王ノスフェラトゥリッチー1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。このカードを使用したターン、自分はモンスターを通常召喚できない。

 やばいな・・・・・・・こんな序盤にせっかくの強力な罠であるミラーフォースを使っちまった。何とかしないと本当に後数ターンもしないうちにやられちまう・・・・・・・・・
「我はこれでターンエンドだ」
「くっ、俺のターン!ドロー!」
 心にわきあがった不安を打ち消すようにカードをドローする。
 奴のアンデットデッキに対抗するにはこちらもそれに負けないようにモンスターを展開するしかない。だが俺のデッキにはそこまで展開力に優れたカードは少ない。ならば、魔法や罠でサポートしつつ攻撃を受け流し、隙をついて突き崩すしかない。そのためには墓地から際限なくアンデットモンスターを呼び出すあの不死王リッチーを何とかするしかない。
「俺はモンスターをセットし、ヴァルキリーの切り込み隊長を守備表示に、ターンエンドだ」

「我のターンだ、ドロー。ここでリッチーを反転召喚し、効果発動!墓地の龍骨鬼を復活させ、さらに手札から闇より出でし恐怖を召喚する」
 不死王の魔術により墓地に行ったはずの龍骨鬼が再び生を受け、さらに影が悪魔のような形をとったようなモンスターが現われる。くそっ、もう3体もモンスターが並ぶとは!
「さぁ喰らうがいい!死霊共!」
 瞬時に襲い掛かる3体のアンデットたち、悪魔の影が戦乙女の騎士を葬り、龍骨鬼が守備モンスターのケルベクを打ち砕く。ケルベクの効果が発動し、龍骨鬼がルシファーの手札へと帰還したが奴にはそんなことはどうでもいいのだろう。不死王の死霊の弾丸が俺へと突き進む。その瞬間、俺はリバースカードを表にした。
「リバースカードオープン!スケープゴート!」
 瞬時に場に4体の眠れる羊が現われる。そのうち1体が不死王の攻撃を受けてその身を崩れ落ちさせたが俺へのダメージはない。おまけに壁ならあと3体残っている。大丈夫だ、奴は俺にダメージを与えられてない。この猛攻に、俺は耐えられる!

 だが奴はそんな俺を見て、満足そうに笑い
「そうだ、この程度の攻勢、耐えてもらわねば困る。もっと、もっと貴様には絶望してもらわねば、そうでなくては味わいがいがない」
 などとのたまいやがった。
「我はこれでターンエンドだ」
 満足そうに笑いながらターンを明け渡すルシファー。野郎、心底俺を舐めやがって!
「俺のターン!ドロー!」
 怒りに任せてカードをドローする。引いたカードは異次元の女戦士、相手を異次元へと連れ去り、ゲームから除外させる力を持っているがこの状況でうまく使いこなせるかどうか解らない。どうすればいい・・・・・・・・


「くそっ」
 思わず声が漏れる。いつもなら手札を眺め、状況を整理していけばいけるかもしれない戦術のひとつやふたつは思い浮かぶもんだが、今回ばかりはひとつも思い浮かびやしねぇ。仕方なく、引いた異次元の女戦士をセットしてターンを終了した。
「我のターンだな、ドロー」
 カードを引き、そして笑みを浮かべるルシファー。それはさっきリッチーを召喚したときに見せた、あの壮絶な笑みだった。
「我はリッチーを裏守備表示に変更し、闇より出てし恐怖を生贄にささげ、砂塵の悪霊を召喚する」
「な!?」
 砂塵の、悪霊だと!?しまった、そのカードがあったのか!
 現われたのは砂漠に現われるといわれている悪霊。その姿を見たものは、瞬く間にその心臓の活動を停止させられてしまうのだという。
 砂塵の悪霊が召喚されたことにより、フィールド全体を雷を帯びた砂嵐が襲う。その砂嵐を受け、俺を守ってくれていた羊たちが瞬時に切り刻まれ、消えていく。これで残ったのはセットされた異次元の女戦士のみ。
「さらにリッチーを反転召喚し、効果で墓地へと落ちた死霊騎士アンデットカリバーを蘇生させる。砂塵の悪霊よ、ヒールの守備モンスターを抹殺しろ!」


 砂塵の悪霊がその腕を振るい、女戦士を殴り殺す。だが女戦士は事切れる寸前に悪霊を異次元の狭間へと引きずり込む。
 だがそれでは終わらなかった。続けて死霊の騎士が朽ち果てた馬を駆り、俺の体を切りつけてくる。咄嗟に身をひねって斬撃をかわすが返す一撃によって胸板を浅く切り裂かれる。
「ぐっ」
「この程度で苦悶の声を上げるか、では、この一撃には発狂の叫びで答えてもらおうか。リッチーの攻撃!」
 放たれた死霊の弾丸、それもひとつではない、複数同時に放たれた攻撃。単純な魔法攻撃ならば大丈夫だがこの一撃は魔法というよりも呪いに近い。こんなもの喰らったらたとえライフが残っていても命が危ないぞくそったれ!
「ぐ、このぉぉぉぉぉぉ!」
 全力の魔力を前方に展開し、魔力による障壁を作る。
 次の瞬間、衝撃が襲う。しかもひとつじゃない。複数のをほぼ同時にだ。
「は、―――――――ず、――――――――ッ!」
 襲い来る衝撃と激痛に意識が飛びそうになるのを振り絞った気力で繋ぎ止める。一瞬でも気を緩めれば障壁は崩壊し、俺の身体はあの呪いに侵食される。そうなれば終わりだ。おそらく生きちゃいられない。


 衝撃が終わる。思わず膝をつき、そして―――――――
「うああああああああああああああああ?」
 その腐敗しかけている左腕を見て、無様にも悲鳴を上げた。脳を掻き乱すような痛みが俺の思考を侵食する。
 痛い、痛い痛い痛い痛い痛い――――――――ッ!
「ぐっ、くそったれっ!」
 痛みに悲鳴を上げる脳を無視して、腐敗しかけた左腕をつかみ、そこからありったけの魔力を流し込む。あの一撃は呪いの一撃、だがその原理は自分の魔力を相手の身体に流し、相手の身体を内側から腐敗させ、破壊するもの。解呪の魔法なんか俺は知らない。だがこれが魔力を流すことで発生する呪いならば、それより強い魔力を流し込んで呪いの魔力を身体から押し出せればこの腐敗も治るはず――――――――――ッ!


 腐敗の進行が止まり、同時に腕がもとに戻っていく。どうやら呪いを追い出すことに成功したようだ。

ヒールLP8000→6100→3500手札3枚
ルシファーLP7000手札3枚

「ほう、呪いを自力で追い出したか。そのくらいはできなければつまらん」
 野郎が何か戯言を言ってやがったが聞こえない。くそったれ!こっちはもう満身創痍だというのに奴はまだ悠然と立ってやがる。そう簡単には勝てねぇだろうと思ってたが、ここまで差がありやがるとは・・・・・・・・・・・ッ!



あとがき
ツキ「さて、いよいよ始まりましたヒールVSルシファー。これが終わったら後は時食いのマスターだけ。もう少しでこの物語も終幕を迎えますね」
ジン「そうだな、いろいろあったよな」
ツキ「ええ、これが僕の処女作ですからね。書いていて楽しかったです」
ジン「でよぉ、時食いのマスターって誰なんだよ?ここまで来て新たなキャラってのは正直あまりなぁ・・・・・・・・」
ツキ「今はまだ秘密です。どうせこの戦いが終わったら解るんですからいいじゃないですか」
ジン「けちくせぇなぁ」
ツキ「ほっといてください」
Date: 2004/08/21


ACT131:砕ける幻想
 最凶の幻魔、サクリファイスを下し、一気に勢いに乗るケルヴィン。
 だがシェリルは自らの不利な状況にもかかわらず幻想カードのトリッキーな戦術でケルヴィンの猛攻を抑え、第2の切り札、幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト―を召喚する。クイーン・オブ・イリュージョニストの攻撃により、ケルヴィンのブルーアイズは倒され、さらにケルヴィン自体も大ダメージを追ってしまった。決闘はクライマックスへと向かっている。


ケルヴィンLP2200手札4枚
場 裏守備モンスター1体
伏せ 2枚

シェリルLP1700手札2枚(幻想世界の効果により1ドロー)
場 幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト―(攻撃表示)、フィールドカード:幻想世界イリュージョンワールド
伏せ 2枚


幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト 光属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK2800 DEF2000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にある魔法使い族モンスター5体をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。
このカードが表側表示で存在する限り、相手プレイヤーはバトルフェイズ中にセットしてある魔法、罠カードを発動できない。
フィールドが「幻想世界イリュージョンワールド」のとき、自分のターンのこのカードの戦闘時に手札のカードを2枚捨てることでダメージステップ終了時まで、戦闘を行うモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力がアップする。

幻想世界イリュージョンワールド:フィールドカード
このカードは自分の場に出ているモンスターを1体生贄に捧げなければ発動できない。
このカードの効果はこのカードの発動プレイヤーのみ使用できる。自分の場に出ているカード名に幻想師、イリュージョニストとついたモンスターは相手からの罠の効果を受けず、相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分はカードを1枚ドローする。


 手札は少ないものの、フィールドの主導権を握っているのは明らかにシェリルだった。このままではケルヴィンの敗北は時間の問題だが・・・・・・・?
「私はこれでターンエンド、さぁ、あなたのターンよ」
 からかうような響きはこもったシェリルの声、ケルヴィンはただ黙ってカードをドローした。その目はまだ諦めてはいない。
「(今はまだ耐えるのだ。とにかく、機会を見て反撃に出るしかない・・・・・)俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
 新たに壁を増やすケルヴィン、だがどんな壁を作ろうが、シェリルの幻想の女王に倒されるのは時間の問題だろう。

「私のターンね、ドロー。リバースカードオープン、リビングデットの呼び声」
「何!?」
 翻るリバース、同時に、シェリルの場に闇が収束し始める。
「させん!リバースカードオープン!サイクロン!」
 闇が全て収束しきる直前、どこからともなく飛来した竜巻が刃となってその闇を切り裂いた。
「あら、そんなカードを伏せていたのね」
 言葉とは裏腹に、シェリルの声に驚いた様子は微塵もない。おそらく解っていたのだろう。
「仕方ないわね、クイーン・オブ・イリュージョニストで守備モンスターを攻撃するわ」

 先程ブルーアイズを葬った隕石の豪雨が飛来する。それらがケルヴィンの場に守備表示で存在していたモンスターのうちの1体を完膚なきまでに破壊する。
「ふっ、残念だったな、貴様が破壊したのはシャドウドラゴンだ。効果を発動し、デッキからシャドウドラゴン1体を守備表示で特殊召喚する」
 隕石豪雨が押しつぶしたのは死に際に同胞を呼び込む影の竜。ケルヴィンの場に再び黒い体をした小型竜が召喚される。

シャドウドラゴン 闇属性 ☆4 ドラゴン族:効果
ATK1000 DEF2000
このカードが破壊されたとき、デッキから同名カードを1枚特殊召喚することができる。

(やはり、思ったとおりモンスターを通常召喚してこなかったか・・・・・・・・)
 一見すると無敵に見えなくもない幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト―。だが弱点はある。ふたつ目の効果発動コストとして、手札を2枚浪費しなくてはならない。つまり手札を必要以上に使ってしまってはいざというときにその効果を発動できなくなってしまうのだ。
 だがそれも時間の問題、シェリルの手札が充分にたまったら彼女は迷わず攻勢に出るだろう。そうなったら今のケルヴィンの陣営では防ぎきれない。

「私はこれでターンエンドよ」
「俺のターンだ!ドロー!」
 間髪入れずにカードをドローするケルヴィン。そして行動に出る。
「手札から死者転生を発動させ、カードを1枚捨て、墓地にあるブルーアイズを手札に戻す!そして場の2体のモンスターを生贄にささげ、いでよ!ブルーアイズ!」
 2体のモンスターが光の粒子となって消え、代わりに現われたのは巨大は白銀の体を持つ光の竜王。その青き目が幻想世界に身をおく女王を見つめる。
「いけ!ブルーアイズよ!滅びのバーストストリーム!」
 至高龍のアギトから放たれた極光の奔流。その一撃を喰らえばいかに幻想の女王といえども無事ではすまない。
「攻撃が単調になっているわよ。リバースカードオープン、攻撃の無力化を発動するわ」
 ブルーアイズの渾身の一撃は突如出現した亜空間の渦へと吸い込まれ、幻想の女王には届かなかった。
「くっ、カードを2枚セットしてターンエンドだ!」

「私のターンね、ドロー。さぁ、これでフィナーレよ。いきなさい、クイーン・オブ・イリュージョニスト!」
 放たれる隕石の豪雨、今のシェリルの手札は4枚、これだけあればあの幻想の女王の第2の効果も使える。故に、この攻撃を通してはケルヴィンの敗北だ。
 だが本来ブルーアイズの身を守るはずのリバースカードは幻想の女王の第1の効果によって封じられている。つまり、ケルヴィンに打つ手はない。
 シェリルの手札が2枚、墓地へと消える。この瞬間、幻想の女王の攻撃力が大幅にアップした。

幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト―攻撃力2800→5800

 その体を打ち砕かれるブルーアイズ、そして、超過ダメージがケルヴィンへを襲った。否、襲ったはずだった。

ケルヴィンLP2200

「な、何故ライフがゼロにならないの!?」
 流石にこれにはシェリルも驚愕を禁じえない。本来ならば確実にライフがゼロになるはずなのだから。
「簡単なことだ。ただ手札にあったクリボーを捨て、ダメージをゼロにしただけだ。何をそんなに驚いている?」
 やや挑発気味なケルヴィンの声、結局このターン、シェリルは決着をつけることができなかった。その事実が彼女の精神に負担をかけているのだ。おそらく、これこそがケルヴィンの狙い。
「わ、私はこれでターンエンド」
「そうか、なら俺は貴様のエンドフェイズに伏せてあった蘇りし魂を発動しよう」
「な!?」
 翻ったリバースは通常モンスターを守備表示で蘇生させる罠カード、蘇生ターンは攻撃表示にできないがそれは相手ターンのエンドフェイズに発動すればいいだけの話しだ。


 再び蘇るブルーアイズ。不思議なことに、フィールドを完全に支配していたはずのシェリルが精神的に追い込まれ、実質追い込まれているはずのケルヴィンが悠然としておりシェリルを言葉で追い詰めている。ヒールとの旅を共にしたことで、こういった駆け引きにより一層の磨きが掛かったようだ。
「さて、俺のターンだ。ドロー。もう1枚のリバースカード、死者蘇生を発動しよう。さぁ蘇れ、2体目のブルーアイズよ!」
 死者を蘇らせる奇跡のカードが光を放ち、すでに死んだはずの白銀の至高龍を蘇生させる。
「なっ!?馬鹿な!何故そのカードが!?」
「簡単だ、神々の祝福のリスクで墓地へと送ったにすぎん。さぁ、覚悟はいいか?いけ!ブルーアイズ!」
 放たれた最強の一撃、幻想の女王も隕石郡を出し対抗しようとするがそれらのことごとくが極光の閃光に砕かれていき、やがてその光は矢のようなスピードをもって幻想の女王の身を飲み込んだ。
「止めだ!ブルーアイズよ!攻撃!滅びのバーストストリーム!」
 再び放たれた極光の一撃、その一片の慈悲もない攻撃がシェリルの体を飲み込み、消滅させた。

ケルヴィンLP2200
シェリルLP1700→1500→0

 これで全ての罪が消えた。残ったのはその罪たちの大本、魔人ルシファーのみ・・・・・・・・・・





 暗い闇の中、そこだけは確かな階段を俺は危なげなく上っていった。この先に、奴はいる・・・・・・・・・
 階段を上りきった。そして、そこに奴はいた。


「待っていたぞ、ヒール」
 魔人ルシファー、今回の旅の目的、そして、殺すべき、敵・・・・・・・・・
「ああ、来たぜ。お前を殺しにな・・・・・・・・・」
 殺気などもう隠す必要などない。俺は体の中にあるありったけの殺気を目の前の男へと叩きつけた。
「ふん、殺されるのは貴様だぞヒール。貴様と、貴様の神を殺し、我のこの心の渇きを癒す。そして、貴様と、貴様の神の死を!憎悪を!絶望を喰ろうてくれる!」
 野郎、俺の殺気を、それ以上の殺気で跳ね返しやがった。
 俺は大きく息を吐く、オーケイ、大丈夫だ。心は落ち着いている。これなら大丈夫だ。決闘中、憎悪で冷静な判断ができなくなるってのは避けられる。
「ルシファー、貴様は、貴様の存在だけは許すわけにはいかない。ここで消えろ、過去からも、未来からもな!」
 互いのデッキが構えられる。そして―――――――
決闘デュエル!」
 ふたりの声が木霊した


あとがき
いよいよヒールVSルシファーです。ここまでくればこの物語の終わりも目と鼻の先です。どうか皆さん、最後までお付き合いください。
Date: 2004/08/20


ACT130:幻想の女王
 崩れ落ちる巨大な幻魔、それは自らの体が崩れ落ちることも厭わず、怨嗟の声を上げ続けていた。自らが完全に消滅するその時まで。


ケルヴィンLP5000手札4枚
場 青眼の白竜ブルーアイズ・ホワイトドラゴン(攻撃表示)
伏せ なし

シェリルLP4700→1700手札2枚
場 なし
伏せ なし



「わ、私の・・・・・サクリファイスが・・・・・・・」
 呆然とするシェリル。それはそうだろう、絶対の勝利を信じてはなった一撃が、逆に敗北を招いてしまったのだから・・・・・・
「さぁ、まだ貴様のターンだぞ。さっさとことを進めろ」
 そんなシェリルに、ケルヴィンは容赦しない。切りつけるような言葉を投げかける。
「くっ、私はカードを1枚セットして、ターンエンドよ」
 追加された1枚のリバースカード、苦し紛れに伏せたのか、それとも別に理由があるのか。今のシェリルの表情からは読み取れない。
「俺のターンだな、ドロー」
 直前に発動しておいた悪夢の蜃気楼は邪神の大災害の効果により破壊されている。よってケルヴィンはノーリスクで手札を潤すことに成功したのだ。
「バトルフェイズ!ブルーアイズの攻撃!滅びのバーストストリーム!」

 放たれる極光の奔流。その一撃がシェリルの体に届く直前、彼女のリバースが翻った。
「やはり1体だけで攻撃してきたわね、リバースカードオープン!強欲な幻影!」
「ちっ、ドロー強化の速攻魔法か!」

強欲な幻影:速攻魔法
相手モンスター1体の攻撃を1度だけ無効化する。その後、あなたはカードを1枚ドローする。

 放たれた一撃が貫いたのは幻影。本体は無傷だ。それどころかちゃっかりと手札を増やしている。
「ちっ、俺はカードとモンスターを1枚ずつセットしてターンエンドだ」
 ライフ、手札、フィールドと、その全てがケルヴィンの圧倒的有利のはずだ。だというのに決定打には到らない。シェリルがトリッキーなカードで攻撃をことごとくかわしていき、いつしかフィールドの状況は以下の通りとなった。

ケルヴィンLP5000手札4枚
場 青眼の白竜ブルーアイズ・ホワイトドラゴン(攻撃表示)、裏守備モンスター1体
伏せ 2枚

シェリルLP1700手札4枚
場 裏守備モンスター1体
伏せ 2枚

 そしてターンは現在シェリル、彼女の指がデッキからカードを抜き取る。
「私はモンスターをセットしてターンエンドよ」
 さらに正体不明のカードを増やすシェリル。そしてケルヴィンも攻めきれないでいる。下手に攻撃を仕掛け、強力な罠だった場合、彼は重要な攻めの要を失うことになる。故に一斉攻撃をすることができないでいるのだ。
「俺のターンだ!ドロー!」
 引いたカードを見て、ケルヴィンの表情が変わる。そして迷わずそのカードを抜きはなた。
「ブルーアイズよ!その最強の一撃を放て!」
 ケルヴィンがカードを掲げた瞬間、ブルーアイズのアギトに巨大なエネルギーが収束する。
「いけ!ブルーアイズ!」
 放たれた一撃がシェリルのモンスターたちをなぎ払う。だがその瞬間、確かにシェリルは笑みを作った。
「モンスターをカードの効果で破壊してくれてありがとう。守備モンスターのうちの1体はネコマネキングよ。これであなたのターンは強制終了」
「なんだと!?」

 ネコマネキング、攻撃力も守備力も最弱だが、カードの効果で墓地に送られたとき、送ったプレイヤーのターンを強制的に終了させるというトリッキーな効果を持ったカードだ。使いどころが難しいカードだが、うまく使えば決闘そのものの流れを変える力を持つだろう。

「私のターンね、ドロー。さぁ、戻ってらっしゃい、ファントム・オブ・イリュージョニスト」
「なに?そうか、もう1体の守備モンスターはそいつか」
 現われたのは黒コートにピエロの仮面の幻想師。どうやらシェリルはあの一撃が来ることを読んでいたらしい。

ファントム・オブ・イリュージョニスト 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1600 DEF1000
このカードがカードの効果で破壊されたターンの次の自分のスタンバイフェイズ時、このカードを特殊召喚することができる。

「さらに天使の施しを発動して、カードを3枚ドローして2枚捨てるわ」
 手札交換のカードを使い終わったとき、シェリルの顔に笑みが浮かんだ。
「これで準備は整ったわ、墓地にある5体の魔法使いモンスターを除外して、幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト―を特殊召喚するわ!」
 光があふれ、その中から銀色に輝く美しい装飾や宝石がちりばめられた衣装を身にまといった女性が、その白銀の髪を揺らしながら現われた。外見、そしてその身から漂う気品ある雰囲気は間違いなく女王と呼ぶに相応しかった。
「これは・・・・」
「これが私のもうひとつの切り札、でもまだ足りない。彼女一人ではその力を生かしきれない。だからファントム・オブ・イリュージョニストを生贄にささげ、手札から2枚目の幻想世界イリュージョンワールドを発動するわ」

 再び世界は変わり、ピンクや紫の光を放つ光沢の世界へと変わる。

幻想世界イリュージョンワールド:フィールドカード
このカードは自分の場に出ているモンスターを1体生贄に捧げなければ発動できない。
このカードの効果はこのカードの発動プレイヤーのみ使用できる。自分の場に出ているカード名に幻想師、イリュージョニストとついたモンスターは相手からの罠の効果を受けず、相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分はカードを1枚ドローする。

「さぁいきなさい、クイーン・オブ・イリュージョニスト」
 主の命令を聞き、片手を伸ばす幻想の女王、その指が光を発した瞬間、白銀の至高龍の周りに大量の隕石が雨のように降り注いだ。
「させん!リバースカードオープン!」
「無駄よ!」
 その言葉通り、確かに表にしたはずのリバースカードはその実、ピクリとも動かずに沈黙した。
「な!?」
「クイーン・オブ・イリュージョニストが存在する限り、あなたはバトルフェイズ中にセットした魔法、罠カードを表にすることはできない!さぁ、その白銀のドラゴンを潰しなさい!」
 雨のごとく降り注ぐ隕石の前に、回避手段や防御手段などあるはずがない。白銀の至高龍は隕石の豪雨を受け、その身を砕かれてしまった。


「ぐっ・・・・・・・・・・・・・ッ!ば、馬鹿な!俺のブルーアイズが、こんなにも簡単に!?」
 しかもそれだけではない、モンスターを破壊されたはずなのに受けたダメージはダイレクトアタックにも等しかった。
「痛いでしょう?これがこのカードの第2の能力、幻想世界が発動しているとき、戦闘時に手札からカードを2枚捨て、戦闘したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力をアップさせる。つまり、実質ダイレクトアタックを受けたのと変わらないのよ」
「ぐ・・・・・・・・・」

幻想の女王―クイーン・オブ・イリュージョニスト 光属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK2800 DEF2000
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にある魔法使い族モンスター5体をゲームから除外することでのみ特殊召喚できる。
このカードが表側表示で存在する限り、相手プレイヤーはバトルフェイズ中にセットしてある魔法、罠カードを発動できない。
フィールドが「幻想世界イリュージョンワールド」のとき、自分のターンのこのカードの戦闘時に手札のカードを2枚捨てることでダメージステップ終了時まで、戦闘を行うモンスターの攻撃力分このカードの攻撃力がアップする。

ケルヴィンLP5000→2200手札4枚
シェリルLP1700手札1枚

「さぁ、彼女が見せる幻影に抱かれて死になさい」
 シェリルが冷徹な声で言い放った。



あとがき
ツキ「ふぅ、この決闘も次で決着ですね」
ケルヴィン「どうでもいいがな、最後に出てきたカードは壊れカードだろう。そんなにほいほい出していいのか?あとで後悔しても知らんぞ」
ツキ「大丈夫ですよ、今回は」
ケルヴィン「どうだか、しかも俺のデッキはメインキャラの中で一番現実的だったはずだが?」
ツキ「はい、あなたのデッキは青眼型のドラゴンデッキです。故に切り札はブルーアイズなのでそれを超えるカードもやっぱりブルーアイズ系統ですアルティメットとか、ドラゴンナイトとか」
ケルヴィン「それらのカードであれを倒せるのか?」
ツキ「倒せますよ、基本攻撃力が違いすぎるんですから」
ケルヴィン「そうか、問題はそれを揃えられるかだなできるのか?」
ツキ「え?」
ケルヴィン「え?じゃない。この小説の世界観にはデビルフランケンなどはないのだろう?ならば普通に融合召喚するしかない。だがそう簡単に融合素材が揃うとは思えないのだが、そこまで自信があるということはちゃんと考えてあるのだな?」
ツキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダイジョウブデスヨ」
ケルヴィン「おい、言葉が片言になってるぞ」
ツキ「アアモウコンナ時間デスネ、閉メマショウ」
ケルヴィン「おい逃げるな」
Date: 2004/08/20


ACT129:激突、ブルーアイズVSサクリファイス
 降臨したシェリルの切り札、それは最凶の幻魔、サクリファイス。生贄の名を冠するこのモンスターは、ほっとけば際限なく強くなってしまう。
 そのサクリファイスに対し、ブルーアイズで挑むケルヴィン、この戦いの結末はまだ、闇の中に眠っている・・・・・・・

ケルヴィンLP5000手札1枚
場 永続魔法:軽量化、冥界の宝札
伏せ なし

シェリルLP7000手札3枚
場 サクリファイス(攻撃表示)、フィールドカード:幻想世界イリュージョンワールド
伏せ なし

幻想世界イリュージョンワールド:フィールドカード
このカードは自分の場に出ているモンスターを1体生贄に捧げなければ発動できない。
このカードの効果はこのカードの発動プレイヤーのみ使用できる。自分の場に出ているカード名に幻想師、イリュージョニストとついたモンスターは相手からの罠の効果を受けず、相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分はカードを1枚ドローする。


 ピンクや紫の光を放つ奇妙な世界の中、その幻魔は悠然と存在していた。まるでそこが、自分の世界だとでも言うように・・・・・・
「私はかわし身の幻想師を召喚して、ターンエンドよ」
 攻撃をせず、モンスターを召喚するだけにとどめたシェリル。現われた幻想モンスターは白いローブに包まれた人物。フードを目深くかぶっているため顔はわからないがうなじや手足の細さから見ておそらく女性だろう。そして彼女のエンド宣言と同時に、ケルヴィンの場に青き目を持つ至高龍が舞い戻る。

「俺のターンか、ドロー」
 引いたカードは強欲な壷、最もデッキへの購入頻度が高いカードのひとつだろう。早速使用し、残り少ない手札を潤す。
「(今、奴の場にはリバースカードがない、ならば!)バトルフェイズ!ブルーアイズの攻撃!あの幻魔を蹴散らせ!」
「オオ!」
 マスターの声に対し、雄雄しいまでの咆哮を上げて答える至高龍。そのアギトから、幻魔を粉砕するべく極光の奔流が放たれる!
「甘いわね、この瞬間、かわし身の幻想師の効果発動!」
「何!?」

 放たれた極光の奔流の前に立ちはだかる白の幻想師、そのローブが急に厚みを失い、そこから白い靄のようなものが現われる。
 靄はそのまま幻魔の前に盾となるように立ちはだかり、至高龍の必殺の一撃を受け止めた。
「なんだと!?」
「かわし身の幻想師はね、相手モンスターの攻撃時に生贄に捧げることでそのターン、あらゆる戦闘ダメージから私と私のモンスターを守ってくれる。それがたとえ、単体最強といわれているブルーアイズの攻撃であろうとね」
「くっ・・・・・・ッ!」
 これはかなりまずい状況だ、このターンの攻撃を防がれたことにより、次のシェリルのターンでブルーアイズが吸収されてしまう恐れがある。
「俺は軽量化の効果で手札にある2枚目のブルーアイズをデッキに加え、シャッフルする」
 手札交換の永続魔法を使い、手札を交換するケルヴィン、その後彼はカードを1枚セットしてターンを終了した。

かわし身の幻想師 光属性 ☆3 魔法使い族:効果
ATK1000 DEF800
相手モンスターの攻撃宣言時、このカードを生贄にすることでそのターンの相手バトルフェイズをスキップする。

「私のターンね、ドロー。さぁサクリファイス、あの極上の獲物を吸収なさい」
 開かれる闇の穴ダークホール、最凶の幻魔が、最強の至高龍を吸収せんと迫る。
「そうはさせんぞ!リバースカードオープン!賢龍の宝石!」
「な!?」
 なんと、サクリファイスの全てを吸収するダークホールを受け、ブルーアイズは平然と立っていた。まるで吸収される気配がない。
「な、何故吸収されないの!?」
 狼狽の色を見せるシェリル。その様を見て、ケルヴィンは不敵な笑みを浮かべながら答える。
「賢龍の宝石、このカードは自分の場に出ているドラゴン族モンスター1体を相手のカードの効果から完全に守るカード。このカードの前にはダークホールそんなものなどきかん」
「やってくれるわね、なら私はカードを1枚セットしてターンエンドよ」

賢龍の宝石:永続罠
発動時に自分のフィールドに存在しているドラゴン族モンスター1体を指定する。指定したモンスターは相手からのカードの効果を受けない。指定されたモンスターは生贄にできず、表示形式を変更できない。指定したモンスターが破壊された時、このカードも破壊する。

 互いの場に存在するモンスターは1体のみ、だがケルヴィンはほかにモンスターは出すまい。もし出したモンスターを吸収した場合、サクリファイスに攻撃しても破壊されるのはサクリファイスに吸収されたモンスターのみ、さらにこちらもダメージを負ってしまうからだ。
「俺のターンだ、ドロー!ブルーアイズよ、あの忌々しい幻魔を破砕しろ!」
「イクゾ!幻魔ヨ!」
 言葉と共に飛翔するブルーアイズ、今のサクリファイスは無力だ。今ならば倒すことも容易!
「喰ラエ!」
 放たれた極光の一撃、だがその一撃に割って入ったものがある。それは闇が具現化したかのような黒い壁、それが盾となって幻魔を守ったのだ。
「これは・・・・・・」
「伏せておいた幻影の盾を発動したのよ。このカードは自分フィールド上の闇属性モンスター1体を指定し、指定したモンスターへの戦闘ダメージをすべてゼロにするカード。これでサクリファイスを破壊することは難しくなったわね。もっとも、維持コストとしてエンドフェイズに800ポイントのライフを払わなければならないのだけど」
「ソノ通リダ、人間ヨ。貴様ニ私ヲ破壊スルコトナドデキン」
「何!?」
「ムゥ・・・・・・」
 驚いたことに、サクリファイスが口を利いたのだ。どこに口があるのかという疑問はこの際無視することにする。
「ブルーアイズ、単体最強トマデ言ワレタドラゴンカ、吸収デキヌノハ残念ダガマァイイ、カツテ倒サレタ同胞ノ仇ヲ取ルトシヨウ」

幻影の盾:永続罠
発動時に自分フィールド上の闇属性モンスター1体を指定する。指定したモンスターへの戦闘ダメージは全て0になる。自分のターンのエンドフェイズ時に800ポイントのライフを支払う。支払わねばこのカードを除外する。指定したモンスターがフィールドを離れたとき、このカードを破壊する。

「くっ、俺はこれでターンエンドだ」
 仕方なくターンを明け渡すケルヴィン、そして次のターン、悪夢が襲い掛かる。
「私のターンね、ドロー。まずは強欲な壷、このカードでカードを2枚ドローするわ」
 手札補充カードで手札を補充するシェリル。そして、カードを繰り出す。
「覚悟するのね、手札から永続魔法、肥大化を発動するわ」
 シェリルがカードを発動した瞬間、サクリファイスの体がどんどん巨大化していった。
「な!?」
「オオ!力ガ漲ル!コレナラバブルーアイズニモヒケヲトラン!」
 サクリファイスの巨大化は、やがてブルーアイズと同等の大きさとなったところで止まった。
「肥大化はね、サクリファイス専用のカード、このカードが場に出ている限り、サクリファイスは相手モンスターを好きなだけ吸収できるのよ。もっとも、モンスターを吸収したターンは攻撃できなくなるのだけれどもね。さらに私はトークン生成技術を発動、あなたの場に植物トークンを3体、特殊召喚するわ」
 ケルヴィンの場に植物のような形状の奇妙な物体が3体、現われる。ソノ攻撃力はどれも1000。3体あわせれば丁度3000だ。そして・・・・・・
「さぁサクリファイス、植物トークンを吸収なさい。メガダークホール」
「オオオオオオオオ!」
 サクリファイスの闇の穴ダークホールがさらに巨大化し、ケルヴィンの場に現われたブルーアイズ以外のモンスターを全て吸収した。
「くっ、しまった!」
 これで攻撃力は同じ3000、ブルーアイズと互角だ。
 だが、シェリルの場に幻影の盾がある限り、ケルヴィンのほうが不利だ。
「私はこれでターンエンドよ」
 エンド宣言と共に幻影の盾がシェリルから生命力の一部を奪う。

肥大化:永続魔法
自分のフィールド上に存在する「サクリファイス」、「サウザンドアイズサクリファイス」は1ターンに好きなだけ相手モンスターを装備できる。その場合、「サクリファイス」、「サイザンドアイズサクリファイス」はこのターン、攻撃できない。
このカードがフィールドを離れたとき、このカードの発動以降に「サクリファイス」、「サウザンドアイズサクリファイス」に装備された相手モンスターをすべて破壊する。

トークン生成技術:通常魔法
500ライフポイントを払うごとにフィールド上の開いたモンスターゾーンに植物トークン(☆3 植物族、地属性、攻/守1000/1000)1体を表側守備表示で特殊召喚できる。(最大3体まで)植物トークンは攻撃できず生贄召喚のための生贄にはできない。

サクリファイス攻撃力0→3000守備力0→3000

ケルヴィンLP5000手札手札3枚
シェリルLP7000→5500→4700手札2枚

「俺のターンだ、ドロー!」
 渾身の力と気合を込めてカードをドローするケルヴィン、攻撃力は互角、だが幻影の盾のおかげでサクリファイスは戦闘で破壊されず、ブルーアイズのみが倒される。そうなれば終わりだ。ケルヴィンに勝ち目はない。故に、ここで起死回生のカードを引かなければ彼の負けだ!
「(まだ解らんか!)手札から神々の祝福を発動する!」
「なんですって!?」

神々の祝福:通常魔法
カードを5枚ドローする。このカードを使用したターンのエンドフェイズにあなたは手札をすべて捨てる。

 繰り出したカードは一気にカードを5枚もドローできるという最高の壊れカード、使用ターンのエンドフェイズに手札を全て捨てるというリスクはあるがそれでも5枚ドローは強力だ。
「!俺はカードを1枚セットし、悪夢の蜃気楼を発動してターンエンドだ!」
 セットされた1枚のリバースカードと悪夢の蜃気楼。これが今のケルヴィンがとりえる最良の選択なのだろう・・・・・

「私のターンね、ドロー」
 この瞬間、悪夢の蜃気楼の効果でケルヴィンの手札が潤う。
「罠を伏せようと無駄よ!私は罠回避の幻想師を召喚、このカードは、自身を生贄にささげて私のモンスターをこのターン、罠から守ってくれるモンスター!これで私のモンスターは罠では破壊されない!いきなさい!サクリファイス!」

罠回避の幻想師 光属性 ☆2 魔法使い族:効果
このカードを生贄に捧げる。このターン、自分のモンスターは罠の効果によっては破壊されない。




 動き出す巨大な幻魔、そこには同胞の敵を討てるという歓喜の響きがあった。
「覚悟スルガイイ!ブルーアイズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
 サクリファイスがその邪眼から、極太のビームを打ち出す。当たれば消滅は免れまい。
「ヌ!」
 その破滅の一撃を、ブルーアイズは飛翔することでやり過ごす。そして・・・・・・・・
「貴様モ滅ビルガイイ!幻魔!バーストストリーム!」
 そのアギトから極光の一撃が放たれる。だがその一撃は突如として現われた黒い影が盾となることで防がれる。
「無駄ダ!今ノ貴様デハこの盾ヲ突キ破ルコトナドデキン!滅ビルノハ貴様ノホウダ!ブルーアイズ!イービル・レイ!」
 邪眼から放たれた滅びの一撃、ブルーアイズは攻撃直後の硬直で動けない。




勝った・・・・・・・・・・・・・幻魔はその瞬間、確かにそう思った。



だが彼は忘れていた、自分と同じように、ブルーアイズにも、マスターがいることを・・・・・・・・・・



「リバースカードオープン!邪神の大災害!」
「なん―――――」
「ダトォォォォォォ!?」
 驚きは幻魔と、彼のマスターの口から、次の瞬間、黒い嵐が吹き荒み、ピンクと紫の幻想世界を、サクリファイスが吸収したモンスターたちを、ケルヴィンの悪夢の蜃気楼を、そして、サクリファイスを守る幻影の盾を吹き飛ばした。
「シ、シマッタァァァァァァ!」
 必殺の一撃となるはずだった攻撃は、その実、この白銀の至高龍の体に毛ほどの傷をつけることもできなかった。
「貴様ノ負ケダ!オトナシク滅ビルガイイ!バーストストリーム!」
「オ、オノレブルーアイズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
 反撃に放たれた極光の奔流、全てを破壊しつくす一撃を受け、サクリファイスの体は崩壊していった・・・・・・・・・・・


あとがき
やばい、戦闘派手にするの癖になってる・・・・・・・せっかくまともな決闘になると思ったのに・・・・・・・・・・orz
Date: 2004/08/19


ACT128:光の至高龍、闇の幻魔王
 最終戦第4戦、ケルヴィンVSシェリル、シェリルは己のデッキ、幻想デッキから繰り出す幻想師モンスターでケルヴィンを翻弄する。だがケルヴィンは動じない。己のデッキを、強さを信じているから・・・・・・

ケルヴィンLP6000手札4枚
場 なし
伏せ なし

シェリルLP7000手札5枚
場 ナイトメア・オブ・イリュージョニスト(攻撃表示)、フィールドカード:幻想世界イリュージョンワールド
伏せ なし

ナイトメア・オブ・イリュージョニスト 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1700 DEF1400
このカードが相手にダメージを与えたとき、さらに効果で300ポイントのダメージを与える。

幻想世界イリュージョンワールド:フィールドカード
このカードは自分の場に出ているモンスターを1体生贄に捧げなければ発動できない。
このカードの効果はこのカードの発動プレイヤーのみ使用できる。自分の場に出ているカード名に幻想師、イリュージョニストとついたモンスターは相手からの罠の効果を受けず、相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分はカードを1枚ドローする。

「私はカードを1枚セットして、ターンエンドよ」

 1枚の正体不明のカードを追加してターンを明け渡すシェリル。幻想デッキはトリッキーなカードで相手を翻弄するデッキだ。相手の術中に掛かってしまっては勝機はない。つまるところ、この勝負はいかに強い心を保てるかで決まる。

「俺のターンだな、ドロー」
 今のところは大丈夫そうなケルヴィン、あくまで落ち着いてカードをドローする。
「俺はカードを1枚セットし、さらにモンスターをセットしてターンエンドだ」
「あら、威勢がいい割に攻めてこないのね」
 あらかさま過ぎる挑発、ケルヴィンは沈黙を選んだ。
「私のターンね、ドロー。あなたが攻めてこないのなら、私から行くわ」
 そして召喚体勢に入るシェリル。
「さぁ出てきなさい、ファントム・オブ・イリュージョニスト!」
 現われたのは黒いコートに身を包んだ怪しげな男、その顔に装着されている仮面はピエロ。こちらも不気味な笑顔を作っている。攻撃力は1600
「行きなさい、ふたりとも」

 主の命令に従い、幻影の幻想師は前を閉じていたコートを開く、そこにあるべき体はない。あるのはただの闇、そこから無数の刃物が弾丸のごとき勢いで飛び出した。
 刃は何の抵抗もなくケルヴィンの守備モンスター、ドルドラを切り裂いた。
「ふっ、この瞬間、リバースカードオープン、魂の綱!来い!スピアドラゴン!」
 翻ったケルヴィンのリバースは遺言能力を持った罠カード、思いを伝える綱に導かれ、ケルヴィンの場に槍のように尖った鼻(?)をもった翼竜が現れる。
「ッ!遺言罠、そんなカードをセットしていたのね・・・・・・」
 忌々しげな顔をし、攻撃を中止するシェリル。いかに特殊な効果を持つ幻想師でも、流石にドラゴンの圧倒的なパワーにはかなわない。そのままシェリルはターンを明け渡した。その時、倒されたはずの2頭の竜が1頭の竜となって復活した。ドルドラの蘇生能力だ。

ケルヴィンLP6000→5000手札3枚
シェリルLP7000手札4枚

「俺のターン、ドロー」
 引いたカードを確認し、そしてカードを手に取る。
「俺は手札から永続魔法、軽量化を発動させる」
 発動したのは手札の上級モンスターをデッキに戻し、改めてカードを引けるというまさに手札の軽量化を目指すカード。ブルーアイズを3枚積んでいる彼のデッキには相性がいいカードだ。
「俺はこのカードの効果で手札にある可変機獣 ガンナードラゴンをデッキに戻し、シャッフルする」
 ケルヴィンが戻したカードはレベル7だというのに生贄なしで通常召喚できる少し特殊な機械族モンスター、機械なのに彼のデッキに入っているのは名前がドラゴンだからなのだろう。
「(来なかったか、まぁいい)俺はさらに永続魔法、冥界の宝札を発動し、2体のモンスターを生贄にささげ・・・・・・」
 2体のドラゴンが光の粒子と化し、そして降臨する。光の龍族の王である、白銀の体を持つ至高龍が・・・・・・・・
「いでよ!ブルーアイズ・ホワイトドラゴン!」


 咆哮をあげる至高龍、その姿は、相手に畏怖しか与えない。
「ブルーアイズ!まさか、こんなに早く・・・・・・ッ!」
 流石にこの至高龍を前にして余裕は保てなかったらしい。シェリルの顔に、焦りの色が浮かんだ。
「さらに冥界の宝札の効果でカードを2枚ドローする!」
 あらかじめ発動しておいた永続魔法の効果で少なくなった手札を蓄えるケルヴィン、その顔にはかすかに笑みが浮かんだ。
「(きたか)いくぞ!ブルーアイズの攻撃!滅びのバーストストリーム!」
 白き至高龍のアギトから放たれた極光の奔流。その一撃がシェリルの幻影の幻想師へと迫る。
「くっ!リバースカードオープン!攻撃の無力化!」
 中空から現われた時空の渦が、極光の奔流の飲み込み、幻想師たちの身を守った。
「ちっ、ならば!」
 そして1枚のカードを掲げるケルヴィン、その瞬間、ブルーアイズのアギトが再び開かれ、光のエネルギーをため始めた。
「な!?もう一度攻撃ですって!?」
 驚愕のシェリル、そして放たれた極光の本流が、シェリルのモンスターたちを飲み込んだ。
「我ら神官を舐めるな。モンスターの能力を高める特殊カードくらい、我らの魔導科学をもってすれば作れないこともない。もっとも、このカードでは貴様にダメージを与えることはできんがな。俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」

「私のターンね、ドロー」
 次の瞬間、シェリルの場に中身のない黒いコートが現われる。それはやがて膨らんでいき、笑うピエロの仮面をつけた顔がひょっこりと現われる。
「な!?」
「これがファントム・オブ・イリュージョニストの効果よ、このカードはカードの効果で破壊されたとき、次の自分のスタンバイフェイズに特殊召喚できるのよ」
 完全ではないがサイ性能りょきを持ったカードということになる。なかなかに厄介だ。

ファントム・オブ・イリュージョニスト 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1600 DEF1000
このカードがカードの効果で破壊されたターンの次の自分のスタンバイフェイズ時、このカードを特殊召喚することができる。

さらにシェリルの形のよい指がカードを操る。
「あなたも切り札を出してくれたことだし、私も切り札を出しましょうか。手札から儀式カード、イリュージョンの儀式を発動するわ」
「何!?」
 驚愕のケルヴィン、だがそんなものは無視し、ファントム・オブ・イリュージョニストが闇に呑まれる。そして、闇から現われたのは生贄の名を冠する最凶の幻魔、サクリファイス。自身の力は最弱だがその身に宿した特殊能力は危険極まりない。他者を吸収し、際限なく強くなってしまうのだ。
「いくわよ、サクリファイスの特殊能力発動!ダークホール!」
 サクリファイスの中心から穴が開かれる。それは全てを吸収するブラックホール、それが白銀の至高龍を吸収せんと迫る。
「くっ、リバースカードオープン!亜空間物質転送装置!」
 吸収される寸前、ケルヴィンのリバースが翻りブルーアイズを亜空間の中へと避難させる。
「無駄よ。そんなもの、一時の逃げ道にしかならない」
 確かに彼女の言うとおりだ。亜空間物質転送装置は1ターンしか持たない。次のターンには吸収されてしまうのだ。




 幻魔サクリファイス、そのモンスターにはこんな逸話がある。

 人間や動物、野生のモンスターまでも吸収していくサクリファイスに対し、大国は軍を用いて殲滅しようと試みた。
 だが結果は無残なものだった。投入した軍の召喚師、および彼らが召喚したモンスターはことごとく吸収され、軍は全滅した。
 その進行を止めたのが、自らが治める光龍族の龍たちの敵討ちに現われたブルーアイズ・ホワイトドラゴンだった。
 3日3晩の激しい戦いの末、ついに青き目の至高龍はこの最凶の幻魔を打ち倒すことに成功した。



 つまりこの戦いは、その際の戦いの再現といってもいいかもしれない・・・・・・・


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/08/18


ACT127:幻想師
 闇の中、対峙するふたつの人影。
 ひとりは大きく胸の開いた黒いドレスを身にまとい、金の瞳と黒の髪を持つ美女、7つの罪のひとつ、色欲ラストを背負うシェリル。
 対峙するのは金の髪、青の瞳を持つ美丈夫、神官NO2、ケルヴィン。
「さぁ、そろそろ始めましょ」
「いいだろう、貴様のような女の相手は、さっさと済ませたいからな」
 お互いにデッキを構える。一息の後・・・・・
決闘デュエル!』
 ふたりの声が、木霊した。

ケルヴィンLP8000手札5枚
シェリルLP8000手札5枚

「俺の先行だ!ドロー!」
 ドローカードを手札に加え、すぐさま行動に移すケルヴィン。
「いくぞ!カードを1枚セットし、サファイアドラゴン召喚!ターンエンドだ」
 召喚に応じ、馳せ参じたのは蒼く輝く体を持つ美しいドラゴン、その瞳が、静かにシェリルを見下ろしていた。
「私のターンね、ドロー」
 静かにドローカードを手札に加え、そしてカードを抜き放つ。
「私もカードを1枚セットして、モンスターをセット、ターンエンド」
 特に動きを見せずにターンを明け渡すシェリル。そのため彼女のデッキがどのようなものなのか図り知ることができなかった。
「俺のターン!ドロー!」
 カードを引き、思案の海へと潜るケルヴィン。やがて意を決し、行動に移る。
「モンスターをセットし、サファイアドラゴンで攻撃!」

 主の命令を聞き、その身を天高く舞い上がらせる青き竜。そのアギトから放たれるブレス攻撃が、シェリルの守備モンスターを襲う!
「モンスターを破壊してくれてありがとう」
 放たれた青い炎により守備モンスターが焼き尽くされる様を見ながら、シェリルの口が言葉を漏らした。
「何?」
「見なさい、あなたのフィールドを」
「何だと?これは!?」
 驚愕のケルヴィン、見ると彼のフィールドに存在しているサファイアドラゴンが、あろうことか相手のフィールドに存在していたのだ。
「ば、馬鹿な!?」
 ケルヴィンの同様を嘲笑うかのように笑みを漏らすシェリル。
「あなたが破壊したモンスター、幻惑の幻想師、このカードがリバースしたとき、1000ライフポイントを支払うことで相手モンスターのコントロールを得ることができるのよ。これであなたのこの綺麗なドラゴンをいただいたわ。さらにリバースカード、道ずれを発動させるわ。対象は当然、その守備モンスターよ」
「な!?」
 シェリルのリバースが翻った瞬間、地中から現われた白い腕がケルヴィンの守備モンスター、仮面竜マスクド・ドラゴンを連れて行く。これでケルヴィンの場にモンスターはゼロとなった。
「おのれぇ・・・・・」
 怒りに身を振るわせるケルヴィン。仕方なくターンが明け渡される。

幻惑の幻想師 光属性 ☆2 魔法使い族:効果
ATK400 DEF700
リバース:1000ライフポイントを支払うことで相手フィールド上に存在するモンスター1体のコントロールを得る。

ケルヴィンLP8000手札4枚
シェリルLP8000→7000手札4枚

「私のターン、ドロー。サファイアドラゴンを生贄にささげてフィールドカード、幻想世界イリュージョンワールドを発動するわ」
「これは・・・・」
 フィールドが一転する。何もない暗闇の空間からピンクや紫の光を放つ光沢の世界に。
「このフィールドカードは特殊なのよ。発動にモンスター1体の生贄を必要とする以外にも、このカードの発動者のみが効果を使えるのよ」
「なに?」
 通常、フィールド魔法は全てのプレイヤーに効果を及ぼす。だがこのカードはその数少ない例外、発動プレイヤーにのみ恩恵を与えるフィールドカード。なかなかに厄介なカードだ。
「そして私はナイトメア・オブ・イリュージョニストを召喚するわ」
 召喚されたのはピエロのような奇抜な衣装に身を包み、その手にはマリオネットが握られている。顔にはやはりピエロの仮面。だがそのメイクは非常に不気味で、道化師というよりは死神といったほうが正しい。まさに悪夢のような外見を持ったモンスターだ。その攻撃力は1700
「攻撃よ、いきなさい」

 糸を操り、自らが所有していた人形を動かすピエロ。そしてその人形が包丁を振り上げ、奇声を発しながらケルヴィンへと肉迫する。
「ふん、リバースカードオープン!魔法の筒マジックシリンダー!」
 ケルヴィンのリバースが翻り、人形の目前に奇妙な模様が描かれた巨大な筒が現われる。その筒に吸い込まれた人形は方向を180度変え、自らの主へとその包丁を突き立てるだろう。
 だがあろうことか、人形はその筒を飛び越え、ケルヴィンへと肉迫した。
「な!?」
 とっさに身を翻し包丁を交わすがライフは削られる。
「無駄よ。幻想世界イリュージョンワールドが発動している限り、幻想師、イリュージョニストと名のついたモンスターは全て相手からの罠の効果を受けない。さらにそれらのモンスターが戦闘ダメージを与えたとき、私はカードを1枚ドローする」
「くっ、罠無効化とドロー効果だと?厄介な・・・・・・」
 苦々しげに吐き捨てるケルヴィン。その彼に更なる追い討ちがかけられる。
「さらに、ナイトメア・オブ・イリュージョニストが相手にダメージを与えたとき、さらに300ポイントのダメージを与える。いきなさい」
 人形の口から白いなその物体が吐き出される。その物体がケルヴィンへと直撃する。
「ぐっ、ふざけおって!」

幻想世界イリュージョンワールド:フィールドカード
このカードは自分の場に出ているモンスターを1体生贄に捧げなければ発動できない。
このカードの効果はこのカードの発動プレイヤーのみ使用できる。自分の場に出ているカード名に幻想師、イリュージョニストとついたモンスターは相手からの罠の効果を受けず、相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分はカードを1枚ドローする。

ナイトメア・オブ・イリュージョニスト 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1700 DEF1400
このカードが相手にダメージを与えたとき、さらに効果で300ポイントのダメージを与える。

ケルヴィンLP8000→6000手札4枚
シェリルLP7000手札5枚

「私のデッキは幻想デッキ、私の幻想に抱かれて、逝きなさい」
 冷たく言い放つシェリル、だがケルヴィンは不敵な笑みを浮かべた。
「幻想に抱かれて、だと?舐めるなよ。そんなもの、俺のドラゴンたちで粉々に粉砕してくれるわ」
 そう、確かな自信を込めて言い放った。


あとがき
というわけでケルヴィンの決闘です。もっとも、今回はさわりだけなので短いですが・・・・・・・それにしても最近感想少ない。そろそろ限界か・・・・・・・orz
Date: 2004/08/17


ACT126:延長戦
 崩れ落ちるように消えていく黒騎士、ここに勝敗は決した。
 この黒騎士はライトスの最後の砦、これを倒されては、もはやライトスに手は残ってない。

ジンLP2400手札4枚
場 剣の英霊―セイバー―(選定の剣―カリバーン―装備、攻撃表示)
伏せ なし

ライトスLP5600→3850→350手札5枚
場 なし
伏せ なし

選定の剣―カリバーン―:装備魔法
戦士族モンスターのみ装備可能、装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。

剣の英霊―セイバー― 光属性 ☆8 戦士族:効果
ATK3000 DEF2800
このカードは通常召喚できない。自分の場にでている「選定の剣―カリバーン―」を装備した「剣の精霊―セイバー―」を生贄にささげることでのみ手札かデッキから特殊召喚できる。
このカードは相手からの魔法、モンスターの効果を受けない。
このカードが特殊召喚されたとき、自分のデッキ、手札、墓地にある「選定の剣―カリバーン―」を1枚、このカードに装備させる。このカードに装備された「選定の剣―カリバーン―」は破壊されない。
このカードが相手モンスターを破壊したとき、続けてもう1度攻撃できる。


「さて、俺はこれでターンエンドだが、お前の最後の砦も壊された。まだ続けるかい?」
 ジンの言葉、その言葉にライトスは口を開いた。
「・・・・・そうだな、これ以上やっても俺に勝ち目はないだろう。決闘ではな」
 そしてデッキの上に手を置く、サレンダーだ。
 だが、ライトスの瞳にはまだ闘志、否、殺気が宿っていた。当然、ジンもそのことには気づいていた。
「へぇ、負けを認めたわりにはその目はまだまだ殺し合う気満々って感じだぜ?」
「当然だ。確かに俺は決闘では負けた。だが俺はまだ死んではいない。この戦いは、どちらかの死をもってでしか、終わることはない」

 そう言って腰の剣を引き抜くライトス。
「はっ、面白いじゃん。続けようぜ、殺し合いをよ?」
 その顔に笑みを浮かべ、ジンもまた、剣を抜く。
「言っておくが、俺は決闘よりも剣術こっちのほうが得意だぞ?」
 ライトスが挑発的な笑みを浮かべる。それに答えるように、ジンも笑みを刻む。獣のような、獰猛な笑みを・・・・・・・
「奇遇だな、俺もだ」

 始まりは突然、ふたりの姿が霞む。それはふたりが疾走を開始したのだと理解した瞬間、ふたりの距離はゼロになった。

キリキリキリキリ・・・・・・・

 激しい鍔迫り合い。互いに一歩も譲らない。
「ぐ・・・・・・」
「ぬぅ・・・・・・ッ!」
 次の瞬間、ライトスの左腕が翻る。その手には腰に下げたもうひとつの剣が握られていた。
「ちっ!」
 それに気づいた瞬間、舌打ちと共に後ろへと跳躍するジン、それを追うライトス。
「ふっ!」
 着地と同時に疾走するジン。その行動に、多少なりとも驚愕を感じるライトスは、一瞬だけだが行動が停止した。一瞬で充分。
 その一瞬で間合いをつめ、ライトスへと肉迫するジン。
「はっ!」
「フゥン!」
 振り下ろされる一撃を、ライトスは2本の剣をクロスし、受け止める。
 だが拮抗は一瞬、ライトスが左腕の剣を手放し、拮抗のバランスを自ら崩す。
「!?」
 突然消失した力に、たたらを踏むジン、そしてその瞬間にはもうジンの背後へと回ったライトスは、回転の遠心力を使った横殴りの一撃を放つ!


 咲いた血の華は1輪、だが舌打ちはライトスの口から聞こえた。横殴りの一撃によって首が切り落とされる寸前、ジンは前に転がるようにその一撃を回避、その際、お返しとばかりにライトスの右腕を切りつけたのだ。
 とっさに腕を引いたため、腕を切り落とされるのだけは防いだが・・・・・・

 いったん距離を開けるふたり。その額には、汗がたまっていた。
「・・・・・猿か、貴様は・・・・・・」
 足元に落ちた剣を蹴り上げ、手におさめたライトスが呟く。
「はっ、こんなに立派はホモサピエンス人間がいるかよ」
 中指を突き立てながら答えるジン。
「ふん、吠えるな!」
 再び疾走。今度はライトスが攻め立てた。
 縦、横、前、後ろ、上、下。あらゆる角度から剣がきりつかられる。
「ちぃっ!」
 驚嘆すべきは、それを全て受けきっているジンの技量だろう。見えているわけではない。彼の今まで培ってきた勘だけが頼りだ。
 だが次第に追い詰められる。このままでは切り刻まれるのは時間の問題。そう思われた刹那、ジンは思いもとらぬ行動に出た。


「何!?」
 突然、その剣戟の嵐の中へと自ら飛び込んだのだ。僅かに体をずらし、致命傷を避けてはいるが、その体は瞬く間に朱に染まる。
「き、貴様正気か!?」
「おおおおおおおおおお!」
 驚愕のライトスに向かって放たれる刺突の一撃。とっさに首をかしげて串刺しは避けたがその一撃が首を切り裂く。
「ぐっ!」
 たまらず後退するライトス、だがジンも傷のせいか追うことはなかった。

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・」
 荒い息を上げるジン。ジンにとって、今の一撃でしとめることができなかったのは致命的といえる。一撃も致命傷にはなっていないとはいえ、この傷ではまともに動くこともできないだろう。
 だがそれはライトスも同じだった。首の動脈を切り裂かれ、血はまだ止まってない。このまま戦い続けては命にかかわる。
故に、次の攻防が最後となる・・・・・・・・

「おおおおおおおおおおおお!」
 先に動いたのはライトス、右手に握った剣による電光石火の刺突、狙いはジンの心臓、ここを貫けば勝負は決まる。
「ああああああああああああ!」
 ジンは交わさない、その刺突に対し、ジンは自らの左腕を開き、突き出す。
「な!?」
 吹き上がる血しぶき、ジンは自らの左掌を差し出し、心臓を貫かれることを避けたのだ。そのまま左腕をひねり、事実上、つかんだ剣をへし折る。それで終わりだ、左腕は使い物にならなくなった。
 そのまま一歩を踏み出すジン、一気に勝負をかける気だ。
「くっ!」
 後退し、離れようとするライトス、だがそれより速く、ジンの頭突きがライトスの顔面を捉えた。
「な!?頭突きだと!?」
 よろめくライトス、その瞬間を見逃すほど、ジンは未熟でも、甘くもない。
「おおおおおおおおおお!」
 いつの間にか刀を逆手に握っていたジンが殴りつけるように刀を振り下ろす!
「ま、まだだぁ!」
 その一撃をとめるべく、ライトスが剣を掲げる。
 その瞬間、ライトスの顎に衝撃が走る。
「!?」
 ジンが使い物にならなくなった左腕を無理やり振るい、ライトスの無防備な顎に渾身の一撃を与えたのだ。
 ライトスの体がよろけ、掲げた剣がずれる。
 次の瞬間、ジンの刀がライトスの体を切り裂き、そのまま中へと進入、彼の心臓を断ち切った。


「き、貴様、自らの腕を、犠牲にするだと・・・・!?」
「へっ、生憎とな、俺はこんなところで死ぬわけにはいかねぇんだよ」
 倒れ伏すライトスに向けて言い放つジン、その脳裏に、一人のハーフエルフの少女を思い浮かべながら、言った。
「俺が死ぬと、ピーピー泣く奴がいるからな。それがまたいい女なんだ・・・・・・・・だから、なんとしてでも生きなきゃならんのよ」
「ぐ・・・・・・無念・・・・・・・」
 そして事切れたライトス、これでまたひとつ、罪がへった。


あとがき
結局戦闘で終わらせてしまった・・・・・・・・今回決闘よりも戦闘がメインだったような気がする、いや、絶対そうだ・・・・・・・orz
Date: 2004/08/17


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