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願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

ACT125:聖騎士VS黒騎士 2004/08/16
ACT124:聖騎士 2004/08/15
ACT123:狂戦士 2004/08/14
ACT122:進化 2004/08/13
ACT121:賭け勝負 2004/08/11
ACT120:ギャンブル 2004/08/11
ACT119:複製者 2004/08/10
ACT118:合身 2004/08/09
ACT117:障壁 2004/08/07
ACT116:その不死は偽り 2004/08/06


ACT125:聖騎士VS黒騎士
 黄金の一撃を受け、その身を朽ちさせていく黒い巨人。その狂気にとらわれ、喋ることも、考えることもできなくなったその英雄のいまわの際、その赤い瞳は確かにその美しい少女剣士を見つめ、確かにこう口にした。見事だ、と・・・・・・・・・



ジンLP4400→3400手札2枚
場 剣の英霊―セイバー―(選定の剣―カリバーン―装備、攻撃表示)
伏せ なし

ライトスLP5900→5600→5600手札3枚
場 疾風のサーベルタイガーLV5(攻撃表示)
伏せ なし

選定の剣―カリバーン―:装備魔法
戦士族モンスターのみ装備可能、装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。

剣の英霊―セイバー― 光属性 ☆8 戦士族:効果
ATK3000 DEF2800
このカードは通常召喚できない。自分の場にでている「選定の剣―カリバーン―」を装備した「剣の精霊―セイバー―」を生贄にささげることでのみ手札かデッキから特殊召喚できる。
このカードは相手からの魔法、モンスターの効果を受けない。
このカードが特殊召喚されたとき、自分のデッキ、手札、墓地にある「選定の剣―カリバーン―」を1枚、このカードに装備させる。このカードに装備された「選定の剣―カリバーン―」は破壊されない。
このカードが相手モンスターを破壊したとき、続けてもう1度攻撃できる。

疾風のサーベルタイガーLV5 地属性 ☆5 獣族:効果
ATK2400 DEF1600
このカードが「疾風のサーベルタイガーLV3」の効果で特殊召喚された場合、このカードが相手守備モンスターを攻撃したときこのカードの攻撃力が相手守備モンスターの守備力を上回っていればその数値分だけ相手プレイヤーにダメージを与える。

剣の英霊―セイバー―攻撃力3000→3500

 目の前に立つ聖騎士の体が強く輝いた瞬間、狂戦士を倒すために犠牲となったあの白銀の鎧が再び彼女に装着された。なかなか便利である。
「俺はこれでターンエンドだ」
 ターンがジンからライトスへと移る。だが彼の場に出ているカードではいまや英霊にまで昇格しているあの剣士は倒せない。だというのに、この男からはやはり焦りの色はなかった。理由は、わからない。
「俺のターンだ、ドロー」
 引いたカードを確認し、手札に加える。その作業も淡々としており、目の前に強敵を前にした男とは思えない。
「まさか、このカードを使うことになろうとはな・・・・・・」
 口から漏れた言葉には、紛れもなく賞賛の響きが混じっていた。同時に呆れの色も・・・・・・・・
「このカードは外法だ。できれば使わずに終わらせたかったが、仕方あるまい。俺は2000のライフと場の疾風のサーベルタイガーLV5を生贄に、手札から闇鏡の秘術を発動させる」

 ライトスの手札から1枚のカードが解き放たれた瞬間、そのカードから黒い闇の光が輝きだした。
 黒い極光はフィールド全体を照らし、やがてフィールドを覆いつくす。
 光が収縮する。そして、ライトスの場にひとつの人影が現われた。
「な!?」
「・・・・・・・ッ!」
 その人影を見た瞬間、ジンが驚愕の声を上げる。声にこそ出してはいないが傍らの少女剣士も同じように驚いているようだ。
「セイバーオルタナ、召喚」



それは、まさに鏡写し・・・・・・・・



ただし、とびっきりの悪意と憎悪を含んだ・・・・・・・・





「どういうことだよ、なんで、セイバーが?」
 そこに立っていたのは、紛れもなく剣の英霊―セイバー―だった。
 もっとも、それは完全なセイバーではない。その深緑の瞳は金色、透き通るような白い肌も、肌色ではなく完全な白となっている。その黄金に輝く髪は白に近い白銀、身に着けている服や鎧も黒だ。しかもその鎧には血管のような赤い筋がいくつかある。
 ジンの場に出ているセイバーが光だとしたら、このセイバーは闇だ。手にしている剣も、黄金ではなく漆黒に輝いている。
「これが、闇鏡の秘術の効果だ。このカードを使用したとき、相手の場に出ているカードを1枚コピーする。しかもそれだけではない。コピーしたモンスターが強化されれば、鏡写しであるこいつも強化される。この意味が解るか?」
「・・・・・つまり、そいつはセイバーでは倒せないと、そういいたいのか?」
 ジンの言葉にうなずくライトス、それは肯定の明かし、絶対に引き分けとなるモンスター、それが今ライトスの場に出ている黒いセイバー、セイバーオルタナだという。
 必ず引き分けにならなければならない。故に外法。はじめからモンスターを犠牲にすることしか考えていないカード。

闇鏡の秘術:通常魔法
ライフ2000ポイントを支払い自分のモンスターを全て生贄にささげて発動する。相手の場に出ているモンスター1体を指定する。自分の場に指定したモンスターと同じ攻撃力、守備力、レベル、種族、を持つオルタナトークン(??族、闇属性、レベル?、攻/守???)を1体、特殊召喚する。オルタナトークンは指定したモンスターの能力値強化に伴い攻撃力、守備力が強化される。

セイバーオルタナ攻撃力3000→3500守備力2800

「俺はカードを2枚セットし、ターンエンドだ」
 能力値がまったくの互角のこのモンスターを倒す術があるとすれば、魔法や罠で破壊するしかない。問題は、それらのカードの効果が通るかどうかだ。
「俺のターンだ、ドロー。手札から天よりの宝札を発動。互いの手札を6枚にし、カードを2枚セットしてターンエンド」
 互いの手札が潤い、セイバーを守るため、もしくはセイバーオルタナを破壊するためのカードがセットされる。
「俺のターン、ドロー」
 そしてターンが過ぎ去り、お互いの場には4枚のリバースカードがセットされた。




 対峙する白と黒の騎士、互いに構えを崩さない。そしてセットされた4枚のリバースカード、これでいかに相手の構えを崩せるかによって勝負は決まる。おそらく、あの黒騎士がライトスの最後の砦、あれを倒せば勝負は決まる。

「俺のターン、攻めさせてもらうぞ!」
 先に動いたのはライトス、彼のリバースが翻る。
「リバースカードオープン!重力解除!」
「!」
 翻ったリバースは唯一この剣の英霊の無効化対象外の罠カード、場の重力が消失し、二人の騎士の体が宙を舞う。再び重力力場が発生したとき、二人は防御の体制をとっていた。防御の体制を、とってしまったのだ・・・・・・・
「この瞬間、2枚目のリバースカード、断頭台の惨劇を発動させる!」
「な!?」
 翻るライトスの2枚目のリバース、それは守備モンスター破壊の罠カード、セイバーの両手足が鎖でつながれ、木の台に無理やり寝かされる。落されるギロチン、このままでは少女剣士は首をはねられる。
「させるか!リバースカードオープン!ものマネ幻想師の奥義!これでお前の重力解除をコピーする!」
 刹那、ジンの1枚目のリバースが翻る。突如、再び重力が消失し、ふたりの体が宙に浮き上がる。同時に、断頭台が消失する。断頭台は攻撃表示モンスターには効果がないのだ。

ものマネ幻想師の奥義:速攻魔法
1000ポイントのライフを支払って発動する。相手の墓地にある魔法、罠カードを1枚選択する。このカードは選択したカードとして扱う事ができる。

「くっ、ならば、和睦の使者を発動し、攻撃!」
 3枚目のリバースを翻し、セイバーへと疾走するセイバーオルタナ、これならば黒騎士は破壊されない。
「なら俺もリバースカードオープン!和睦の使者!」
 翻るジンの2枚目のリバースも同じく攻撃防御の罠カード。


 白と黒の騎士の剣が激突する。
 響き渡る金属音。両者の力は互角、力の拮抗は崩れず、そのまま同極の磁石のように互いに後ろに跳躍する。
 互いに決着がつかぬまま、攻防は終了した。

ジンLP3400→2400手札4枚
ライトスLP5600手札5枚

「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」
 新たに1枚のリバースをセットしたライトス。そしてターンは移る。
「俺のターンだ、ドロー。ターンエンドだ」
 何もせずにターンを終了するジン。そしてターンは流れる。
「俺のターン、ドロー。エンドだ」
 互いに攻撃を待つ二人、この拮抗はいつ崩れるのか。
「俺のターン!ドロー!いくぜ!セイバーの攻撃!」

 疾走を開始する白の騎士、黒の騎士は構えたままだ。そしてこの瞬間、ライトスのリバースが翻る。
「リバースカードオープン!闇の呪縛!これで貴様のセイバーを束縛する!」
 何もない空間から突如放たれた黒い鎖、それが英霊の動きを束縛し、彼女の動きを奪う。
「くっ!」
 きしむ体に痛みを感じ、顔を歪ませるセイバー、その瞬間を、黒騎士は見逃さない。黒く染まった聖剣を構え、切りかかる。
「はっ!」
 振り下ろされる一撃、だがその一瞬前、ジンのリバースが翻る、
「リバースカードオープン!サイクロン!」
 一陣の風の刃が、聖騎士を束縛している鎖を切り裂く。
 次の瞬間には白の騎士は大きく跳躍、その黄金の剣を構えた。
「ちっ!」
 黒騎士も負けてはいない。振り下ろした一撃を無理やり上空へと向け、上空から振り下ろされる白騎士の白刃を受け止める。
「ッ!」
 身を躍らせるように宙を舞う聖騎士、その姿を追って、黒岸が黒く染まった聖剣を突き出す。
「はっ!」

キィィィン!

 響き渡る金属音、黒い聖剣を黄金の聖剣が弾く。だが黒騎士は体勢を崩さない。
 お互いに距離をとるために後ろへと跳躍、そして足が地に着くと同時に前へと疾走する。
「はぁ!」
「やぁ!」

ガキィン、キィン!

 響き渡る剣戟、剣と剣が激突するたびに火花が飛び散る。そしてこの瞬間、ジンのリバースが翻る。
「リバースカードオープン!鎖付きブーメラン!」
 翻るジンの最後のリバースカード、同時に、聖騎士が天へと跳躍する。
 投じられる鎖鎌がついたブーメラン、だがその一撃を阻んだのはライトスの最後のリバースだった。
「カウンター罠発動!トラップ・ジャマー!」
「な!?」
 消滅するブーメラン、変わりに突き出される刺突の一撃も、黒の剣のよって下方へと弾かれる。
「喰らえ!」
 切り返しは黒の閃光、その一撃を、しかし少女剣士は体を前に投げ出すように転がりその一撃を交わす。
 ある程度の距離が開く、そこで気がつく、二人の持つ聖剣が、その光を強めていることに。





―――――――白の聖剣は、風を巻き込み黄金の光を放つ・・・・・・・




―――――――黒の聖剣も、同じく風を巻き込み黒の光を放つ・・・・・・・・




 互いに勝負を決める必殺の一撃、それが今、放たれた。
勝利すべきカリ・・・・・・・・・・』
 二人の声が重なる。そして・・・・・・・・
黄金の剣バーン!』
 互いの最強の一撃が放たれた。




 ぶつかり合い、せめぎあう白と黒の極光。その力は完全に拮抗していた。
 このまま、ふたりの体が崩壊してしまうのではないかという刹那、ジンが会心の笑みを浮かべる。
「手札より速攻魔法、収縮発動!」
「な!?」

セイバーオルタナ攻撃力3500→1750






 黒の極光がその威力を極端に弱める。そして、白の極光が黒の極光を食いつくし、黒の騎士の体を切り裂いた。
「ぐっ!」
 血しぶきを舞い散らせ、黒い聖騎士はその身を消滅させた。
「まだだ!いけ!セイバー!」
 追撃の一撃、その一撃が、ライトスをなぎ払った。
「がぁぁぁ!」
 吹き飛ばされるライトス、ここに、勝負は決まった。

ジンLP2400手札4枚
ライトスLP5600→3850→350手札5枚

「俺の勝ちだ!」
「ぐっ、そのようだな、俺の、敗北だ・・・・・・・」
 憤怒を背負う男が、立ち上がった。


あとがき
ツキ「これで、後ひとつですね・・・・・・」
ジン「おお、なんか疲れてるぞ、お前」
ツキ「流石に3話連続での派手な戦闘シーンは疲れました」
ジン「そうか、で、次はどうなるんだ?まだあいつのライフは残ってるが」
ツキ「だ、大丈夫、です・・・・・・・僕に考えがあります・・・・・・」
ジン「ほぉ、まぁ頑張れや」
Date: 2004/08/16


ACT124:聖騎士
 消滅する青の騎士、固まるジンの視線の先には2メートルを超える巨躯を持つ黒い巨人。その真紅に輝く目が、ジンを見つめていた。だがその目に理性の輝きはない。あるのはただの、そう、ただの破壊願望のみ。全ての終わりをもたらす破壊の権化、まさにそれは狂戦士バーサーカーと呼ぶに相応しかった。

ジンLP6000→5800手札2枚
場 なし
伏せ なし

ライトスLP5900手札4枚
場 狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV8(攻撃表示)

伏せ なし


狂戦士バーサーカー―狂気の英雄― 地属性 ☆8 戦士族:効果
ATK3200 DEF3000
このカードは狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV6の効果とこのカードの効果でのみ特殊召喚することができる。
このカードが破壊されたとき、1回だけこのカードを破壊されたときと同じ表示形式で特殊召喚することができる。
このカードは相手からの魔法、罠、モンスターの効果を受けず、相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

「さて、俺はこれでターンエンドだ。さぁ、カードを引け」
「ちっ、解ってるよ、俺のターンだ!ドロー!」
 気合と共にカードをドローするもジンの手札ではあの最凶のレベルモンスターを倒す手段はなかった。
「(くそっ、しかたねぇ)俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ!」
 たった1枚リバースカードを追加しただけでターンを明け渡すジン、これでは攻撃してくれといっているようなものだ。ましてや最終進化を遂げたこの黒い巨人には戦闘による物理攻撃以外は一切効かない。たった1枚のリバースで凌ぐことなどできないように思える。
「俺のターンだな、ドロー。いくぞ、疾風のサーベルタイガーLV3を召喚する」
 召喚に応じたのは強靭な足の筋肉をした1頭のサーベルタイガー。そのぎらぎらと輝く目がジンを睨んでいた。その攻撃力は1400。
「まずはバーサーカーの攻撃、いけ」

「オオオオオオオオオオオオオオオ!」
 狂ったような方向をあげ、その腕に握った巨大は黒い大剣を体の一部のように振り回す黒い巨人。その暴力の旋風をその身に受ければ、人間など一瞬で粉々だろう。その狂気の一撃が、ジンへと迫る。
「そう簡単にはいかねぇぜ!リバースカードオープン!スケープゴート!」
 翻るリバース、同時にジンの場に4体の羊が現われた。
「これなら!」
「甘い!蹴散らせ!バーサーカー!」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 咆哮と共に旋風が羊たちを蹂躙する。4体の羊は一瞬にして暴力の竜巻にのまれ、粉々に砕かれてしまった。
「な!?」
「今のバーサーカーには全体攻撃のスキルを持っている!その程度の防御、防御とすら呼べんぞ!」
「くっ!」
 必死の防御もあっさりと砕かれる。防ぐことで精一杯どころか防ぐことすらできない。
「さらに疾風のサーベルタイガーLV3の追撃!」
 駆ける巨体、その鋭い牙の一撃がジンの腕を捕らえる。
「ぐっ!」
 焼け付くような痛みに、歯を食いしばって耐えるジン。
「ターンエンドだ」

疾風のサーベルタイガーLV3 地属性 ☆3 獣族:効果
ATK1400 DEF800
自分のターンのスタンバイフェイズにこのカードを生贄にささげることで手札かデッキから「疾風のサーベルタイガーLV5」1体を特殊召喚する。

ジンLP5800→4400手札2枚
ライトスLP5900手札4枚

 何も伏せなかったのはおそらく攻撃を誘っているのだろう。たとえジンがサーベルタイガーを破壊したとしてもバーサーカーの格好の餌食とすることができるからだ。そしてこのまま攻撃をしなければサーベルタイガーは進化し強力な戦力となる。どちらにしろジンが追い詰められていることには変わりなかった。

「俺のターン、ドロー」
 静かにカードをドローするジン、あの圧倒的なカードの前には防御など容易くねじ伏せられてしまう。ならば倒すしかないのだ。
「手札から戦士部隊の餞別を発動する。こいつはこのターンのバトルフェイズをスキップする代わりにカードを2枚ドローし、さらに場に出ている戦士族モンスターの数だけカードをドローできる。今フィールドに出ている戦士族モンスターはお前のその化け物だけだから俺はカードを3枚ドローするぜ」

戦士部隊の餞別:通常魔法
このターンのバトルフェイズをスキップするかわりに自分はカードを2枚ドローし、さらにフィールドに存在する戦士族モンスターの数だけカードをドローできる。

 戦士族デッキ専用のドロー強化カードにより、手札の増強に成功するジン。求めるのはあの黒い巨人を打倒できるだけの力を持つカード。
「(絶対に成功するわけじゃねぇが、このカードなら成功率は高いよな。よし)カードを2枚セットし、さらに剣の精霊―セイバー―を特殊召喚するぜ!」
「なに!?」
 光が迸り、そして一人の少女剣士が降り立った。その凛とした瞳が彼女の印象をその名の通り抜き身の剣のような美しさを与えた。

剣の精霊―セイバー― 光属性 ☆6 戦士族:効果
ATK2400 DEF2000
自分の場にモンスターが1体もおらず、なおかつ、相手の場にモンスターがいた場合、このカードを特殊召喚することができる。
このカードの攻撃力と守備力は低下しない。

「俺はこれでターンエンドだ」
 戦士部隊の餞別に効果でバトルフェイズを行えないため、ジンは攻撃できずにターンを明け渡した。
「俺のターン、ドロー。そしてこの瞬間、疾風のサーベルタイガーが進化する!いでよ!疾風のサーベルタイガーLV5!」
 サーベルタイガーの体が巨大化し、その牙がさらに長く、鋭くなる。その爪も発達し、もはやそれは獲物の動きを抑えるものではなく、完全に獲物を狩るためのものだった。その攻撃力は2400、ジンの場に出ている美しい少女剣士と同じだ。
「いけ、バーサーカー、剣の精霊を滅ぼせ」
「させねぇ!リバースカードオープン!攻撃の無力化!」
 黒い巨人の滅びの一撃は突如発生した時空の渦のかなたへと吸い込まれていった。
「ちっ、俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」

疾風のサーベルタイガーLV5 地属性 ☆5 獣族:効果
ATK2400 DEF1600
このカードが「疾風のサーベルタイガーLV3」の効果で特殊召喚された場合、このカードが相手守備モンスターを攻撃したときこのカードの攻撃力が相手守備モンスターの守備力を上回っていればその数値分だけ相手プレイヤーにダメージを与える。

 新たにリバースカードを追加したライトス、罠か、それともハッタリか・・・・・・・
「俺のターンだ!」
 目を閉じ、デッキへと手を伸ばすジン。ドローカード次第で彼の運命は大きく変わる。




 起死回生か、敗北か・・・・・・・・まさに運命の分かれ道だ。





「ドロー!」




 カードをドローする。そして・・・・・・・




「おっしゃぁ!引いたぜ!選定の剣―カリバーン―!」
 自らの運命を掴み取ったジン、そして、黄金の剣が少女剣士へと投じられる。
 だが・・・・・・・・
「そうはさせん!リバースカードオープン!マジック・ジャマー!これでカリバーンの発動を無効化する!」
 翻るリバース、同時に魔法の発動を無効化する呪印が現われる。
「甘いぜ!カウンター罠発動!盗賊の七つ道具!」
「な!?」
 盗賊たち秘蔵の七つ道具により解除される呪印、そして、黄金の剣が青い少女剣士の手へと収まる。
「ッ!しまった!」
 黄金の剣を手にすると同時に、輝きだす剣の精霊の少女。そして・・・・・・
「降臨せよ!剣の英霊―セイバー―!」
 真の力を引き出した、青の少女剣士が降り立った。

選定の剣―カリバーン―:装備魔法
戦士族モンスターのみ装備可能、装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。

剣の英霊―セイバー― 光属性 ☆8 戦士族:効果
ATK3000 DEF2800
このカードは通常召喚できない。自分の場にでている「選定の剣―カリバーン―」を装備した「剣の精霊―セイバー―」を生贄にささげることでのみ手札かデッキから特殊召喚できる。
このカードは相手からの魔法、モンスターの効果を受けない。
このカードが特殊召喚されたとき、自分のデッキ、手札、墓地にある「選定の剣―カリバーン―」を1枚、このカードに装備させる。このカードに装備された「選定の剣―カリバーン―」は破壊されない。
このカードが相手モンスターを破壊したとき、続けてもう1度攻撃できる。

剣の英霊―セイバー―攻撃力3000→3500

「さぁて、お前の仲間のロアも、こいつでやられたぜ、お前も後を追いな!セイバー、バーサーカーに攻撃!」
「解りました。マスター」
「くっ、迎え撃て、バーサーカー!」


 疾走する少女、その神速に迫るスピードにしかし黒い巨人は反応している。先程の槍の騎士のときのように、軽々と黒い大剣を振り回し、剣の英霊を近づけさせない。
「くっ」
 たまらず後退する少女剣士、その瞬間を、黒い巨人は狙っていた。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!」
 咆哮と共に突進する黒い巨人。その超破壊力の一撃が少女剣士を襲う!
「なんの!」

ガキィィィン!

 なんと、少女剣士はその小柄な体格とは裏腹に、狂える巨人の一撃を受け流していた。いかに直接受け止めているわけではないとはいえ、一撃一撃が強力な攻撃をその小柄な体で受け流せるとは到底思えなかった。

ギィン、ガキィィン!

 交わる剣戟、二人の剣など見えてはいない。それほどの速さで二人は剣を振るっているのだ。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
「やぁっ!」
 嵐のように振るわれるバーサーカーの攻撃に隙間を見出し、剣の英霊は前へと進む。その間も剣を振り、死の一撃からその身を守ることも忘れない。
「グ、オオオオオオオオオオオオ!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 少しずつ、だが確実に黒い巨人はその身を後退していく。
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!」
 狂っているとはいえ、英雄としての誇りはあるのか、バーサーカーは力任せに剣を振るい、僅かだが持ち直してきた。
「くっ!」
 予想外の反撃に、顔を歪ませる少女剣士、そして・・・・・・
「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 咆哮と共に嵐のごとく連撃を浴びせる黒の巨人。だが少女もその勢いに劣ってはいない。その美しさすら漂う剣技で力任せの一撃を振り払う。

ガァン、ガキィ、ギィン!

 打ち合う鉄の音がさらに速くなってくる。だがついにその拮抗が崩れた。狂戦士の嵐のような攻撃に耐え切れず、ついに少女がバランスを崩した。
「!」
「オオオオオオオオオオオ!」
 咆哮と共に繰り出される刺突、その一撃が少女を貫く。ただし、少女が身に着けていた白銀の鎧だけを。
「!?」
 とっさに上空を仰ぐ狂戦士、その目に映ったのは黄金に光り輝く剣を構えた聖騎士の姿だった。
「終わりだ、バーサーカー」
 風を巻き込み、黄金の剣がさらに輝きを増す。
勝利すべき黄金の剣カリバーン!」
 放たれた最強の一撃、その一撃が黒い巨人の体を滅ぼした。
「まだだ!セイバー、その狂戦士を完全に滅ぼせ!」
 再生を始める黒い巨人、だが黄金の剣を手にした聖女は、再びその剣を一閃させ、今度こそ完全に黒い巨人の体を滅ぼした。


あとがき
モンスター同士の戦いを派手にすると確かに見ていて面白いかもしれないが決闘事態は大して進まないことにいまさら気づく駄目作者がここにいました・・・・・・・・orz
Date: 2004/08/15


ACT123:狂戦士
 最終戦第3戦、ジンVSライトス、序盤からライトスのレベルデッキの猛威にさらされ、窮地に立たされるジン、だがジンは見事な奇策でライトスの場に出ていたホルスの黒炎竜の撃破に成功、さらに強力モンスターである槍の英雄―クーフーリン―を召喚し、優位に立つことに成功する。

ジンLP6000手札2枚
場 槍の英雄―クーフーリン―(魔槍ゲイボルグ装備、攻撃表示)
伏せ なし

ライトスLP7000→5900手札4枚
場 なし
伏せ なし

槍の英雄―クーフーリン― 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1500 DEF1300
このカードの召喚に成功したとき、デッキか墓地にある「魔槍ゲイボルグ」1枚を手札に加える。このカードは「魔槍ゲイボルグ」を装備でき、「魔槍ゲイボルグ」の効果によっては破壊されない。(直接攻撃はできない)このカードが「魔槍ゲイボルグ」を装備した状態で攻撃をしたとき、その攻撃は必ず成功する。(カードの効果や戦闘で破壊される場合、先に戦闘を行いダメージステップ終了後に破壊される)

魔槍ゲイボルグ:装備魔法
レベル7以上の戦士族モンスターのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力は倍になり直接攻撃が可能となる。装備モンスターが攻撃したターンのエンドフェイズに装備モンスターを破壊する。

槍の英雄―クーフーリン―攻撃力1500→3000


 ライフは互角、手札ではライトスが有利、だがフィールドを支配しているのはジンだ。流れは完全にジンへと傾いていた。
「俺はこれでターンエンドだ」
 何も伏せなかったのは今は伏せるときではないと考えたのか、それともセットできるカードがなかったからなのか・・・・・・・・
「俺のターンだ、ドロー」
 意外にもライトスは特に焦った様子も見せず、淡々と引いたカードを手札に加えた。
 だがその顔にはかすかだが笑みが刻まれた。
「さて、お前のクーフーリンは確かに強力だ。これでは俺のカードでも太刀打ちできるモンスターは少ないだろう。俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
 ライトスが取った戦術は特に特筆したものではなく、何も伏せずただモンスターをセットしただけだった。

「俺のターンだ、ドロー!いけ!クーフーリン!」
 疾走する青き騎士、その真紅の槍がライトスの守備モンスターを貫く。
 だが驚いたことに、ライトスの守備モンスターはいまだにライトスのフィールドに存在していた。
「なに?俺のゲイボルグを喰らってまだ存在しているだと?」
 ライトスの守備モンスターはまさに黒い巨人だった。2メートルを裕に超す巨体、その赤い瞳は炯炯と輝いておりそこに理性の輝きは感じられなかった。
「なんだ?こいつは?」
狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV4。これは、俺のレベルデッキの中でも最高の性能を誇るレベルモンスターだ。こいつは神にかけられた呪いにより、全てのレベルを合わせて11個の命のストックを持っている。たかがか1回死んだだけではこいつは滅びない」
「なんだそりゃ、反則じゃねぇか・・・・・・・・・」

狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV4 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードが破壊されたとき、5回までならこのカードを破壊されたときと同じ表示形式で特殊召喚することができる。このカードは墓地から特殊召喚することができない。
自分のターンのスタンバイフェイズ時、このカードを生贄にささげることで手札かデッキから「狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV6」を1体、特殊召喚することができる。

 回数制限があるとはいえ、再生能力を持ったモンスター、 まださしたる脅威はないがこのままではジンのモンスターたちが駆逐されてしまうかもしれない。
「くそっ、モンスターをセットして、カードを1枚セットする。ターンエンドだ」
 壁を張るつもりなのだろうか、ジンは新たなモンスターとカードをセットしてターンを明け渡した。
「俺のターンだ、ドロー。さぁ進化しろ、バーサーカー!」
 ライトスの言葉の直後、黒い巨人の赤い目がさらに輝き、その口から咆哮をあげる。
「オオオオオオオオオオオオオ!」
 その方向は空気を震わせ、聞くものの恐怖を増大させるには充分すぎた。もっとも、ジンにとってはこの程度の咆哮で恐怖を掻き立てられるわけがないのだが・・・・・・・
 狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV6、その攻撃力は2500だ、まだクーフーリンのほうが能力は上だ。だがこれ以上レベルが上がればそうはいかないだろう。それはジンもわかっているのか、ジンの頬に汗が伝った。

「攻撃」
 短い命令を待つことなく、黒い巨人はその手に握った黒金に輝く大剣を片手で軽々と振り回した。
「掛かったな!リバースカードオープン!魔法に筒マジックシリンダー!こいつでその攻撃を跳ね返すぜ!」
「無駄だ!バーサーカーよ、そんな筒など破壊しろ!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 次の瞬間、黒い巨人がその太い腕を一閃させた。とても視認できる速さではない。そして何かが砕かれる音が響き、黒い巨人の前に現われた巨大な筒が破壊された。
「な!?」
「バーサーカーに罠などきかん!砕け散れ!」
 巨大な大剣がジンの守備モンスター、戦士ダイ・グレファーへと振り下ろされた。ダイ・グレファーは瞬時に切り倒された。

狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV6 地属性 ☆6 戦士族:効果
ATK2500 DEF2000
このカードが破壊されたとき、3回までならこのカードを破壊されたときと同じ表示形式で特殊召喚することができる。このカードは相手からの罠の効果を受けない。
このカードが相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ、このカードを生贄にささげることで手札かデッキから「狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV8」1体を特殊召喚することができる。

狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV8 地属性 ☆8 戦士族:効果
ATK3200 DEF3000
このカードは狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV6の効果とこのカードの効果でのみ特殊召喚することができる。
このカードが破壊されたとき、1回だけこのカードを破壊されたときと同じ表示形式で特殊召喚することができる。
このカードは相手からの魔法、罠、モンスターの効果を受けず、相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。

「くそっ、まずいぜ、こりゃぁ・・・・・・」
 このままエンドフェイズを迎えれば、黒い巨人は最終進化体、LV8となってしまう。このままではジンへと傾いた流れ場再びライトスへと流れてしまうかもしれない。
「俺はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」
 ライトスのエンド宣言、そして、黒い巨人が天を仰ぎ、咆哮をあげる。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
 すさまじい咆哮、思わずジンも2歩ほど後ずさりした。クーフーリンの顔にも汗が浮かんでいる。
「な、なんだよ、こりゃぁ・・・・・・・・・」
 見るとそこに立っていたのはやはり黒い巨人、だがその体が内包する力と魔力のすさまじさは一目瞭然だ。並の人間ではそこにいるだけで気を失ってしまうだろう。抵抗力の弱い人間ならば死んでしまうかもしれない。
「さぁ見るがいい。これが俺の切り札、狂戦士バーサーカー―狂気の英雄―LV8だ。どうだ?感想は?」
「はっ、でか物がちょっと吼えただけじゃねぇか、大したことないな」
 黒い巨人を鼻で笑うジン、その背中が冷や汗でびっしょりになっているのは内緒だ。
(しゃれになんねぇぜ、こんな奴、勝てる気がしねぇ・・・・・・)
「ほぉ、こいつを前にして、そこまで虚勢をはれるのならば上出来だ。貴様は充分にこいつと対峙する資格がある」
 どうやらばれていたらしい。

「くそ!俺のターンだ!ドロー!」
 自らの心に生まれた恐怖を打ち消すかのように、ジンはカードをドローした。
 引いたカードは強欲な壷、有名なドロー強化カードだ。早速使用し、命綱である手札を増やす。最終進化を遂げた黒い巨人の攻撃力は3200、クーフーリンでは歯が立たない。
「(突進、か・・・・・・・これならいけるか?)俺はカードを1枚セットして、ターンエンドだ」
 セットカードは勿論突進だ。だがこんなカードひとつであの怪物を倒せるかどうかは疑問だ。
「俺のターン、ドロー。攻撃だ。バーサーカー」
 ついに下された攻撃命令、そして黒い巨人が動き出す。


 始まりは青い騎士の疾走、先手必勝とばかりに突進し、その呪われし赤き槍を黒い巨人の心臓へと突き立てる。
 だが黒い巨人はその動きに完全に反応していた。その太い腕が操る大剣が槍の一撃を下方へと弾く。
「ぐっ、くそ!」
 僅かに体勢を崩す青の騎士、その隙を見逃すほどこの狂戦士は甘くはなかった。がら空きの脳天へと振り下ろされる大剣の一撃、この一撃を受ければいかに英雄といえども消滅は免れない。
「させるか!リバースカードオープン!突進!」
 ここぞというタイミングで翻ったジンのリバースカード、その瞬間、槍の騎士の動きが加速する。崩した体勢から無理やり体を前へと回転させ、破滅の一撃から逃れた。
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!」
 追撃の一撃を振るう巨人、その一撃を、青の騎士は紙一重で交わしていく。
「へっ、見えるぜ!お前の動き!喰らいやがれ!」

シュンシュンシュン!!

 風切音と共に連続で突き出される刺突の連撃、だが黒い巨人は壊れた削岩機のように大剣を古い、槍の連撃を近づけさせまいとする。

シュンシュンシュンシュンシュン!!

 さらに加速する連撃、果敢に攻め立てる青の騎士に対し、黒の巨人は防戦一方だった。やがて騎士の攻撃が巨人の防御を突き崩す。ついに槍の一撃が巨人の二の腕へと届いたのだ。
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
「いまだ!いけ!クーフーリン!」
「おうよ!見せてやるぜ!とっておきをな!」
 タンッと、大きく後方に跳躍する槍の騎士、そして再び跳躍。今度は上空。そして繰り出す、己が持つ最強の一撃を。
突き穿つゲイ・・・・・・・」
 彼の腕に力がこもる。
死翔の槍ボルグ!」
 放たれる魔槍、その閃光の一撃が黒の巨人を捕らえる。

ガキィィィィ!

 響き渡るのは金属同士の衝突音、放たれた赤き槍を、巨人は大剣の腹で受け止めていた。だがぶは悪そうだ。じりじり通されている。
 そしてこの瞬間、ライトスの足元に伏せられていたリバースが翻った。
「リバースカードオープン、突進!」
「な!?」
 もはや人のものとも思えないほどの咆哮を上げる巨人、その大剣が大きく横へとなぎ払われる。
 続いて響く音は引くを切り裂く音と血が地面へと降り注ぐ音、青の騎士の放った最強の一撃は確かに黒の巨人へと届いていた。ただし、心臓ではなく左腕の肩にだったが・・・・・・・
「な、なんだと!?」
 驚愕の青の騎士、次の瞬間、黒の巨人はその巨体からは想像もできないほどのスピードで騎士の落下地点へと迫っていた。
「オオオオオオオオオオオオオオオ!」
 咆哮と共に振るわれる腕、その一撃が、無防備な槍の騎士の横腹へと吸い込まれた。

血飛沫と共に宙を舞う青の騎士、その体が足元からだんだんと消えていく。
「すまねぇ、ドジっちまった」
 その無念そうな声を残し、槍の英雄―クーフーリン―は消滅した。


あとがき
ツキ「ふぅ、これで残りは2つか、何とかなりそうですね」
クロノ「そうですか、それにしても今回の二人の戦いはやけに派手でしたね?」
ツキ「ええ、ちなみに次回も長い戦闘とかありそうです。僕としてはこういったものもたまには書きたいのですが、どうでしょうね?」
クロノ「さぁ、でも、感想の書き込みなどにこういった戦闘をどう思うのか書いていただけるとうれしいですね」
Date: 2004/08/14


ACT122:進化
 対峙する二人の男、一人は左右の目の色が異なる男、7つの罪のひとつ、憤怒ラースを背負う男、ライトス、その顔には獲物を見つけた獣の笑みが張り付いていた。
 もうひとりの男は黒髪黒瞳、ジンだ。その顔にはライトスと同じ獰猛な獣の笑みが浮かんでいる。

「さぁ、はじめるぞ」
 顔を満面の笑みで浮かべながら口を開くライトス、同じくジンの口も笑みに歪む。
「はっ、もう我慢できないってか。いいぜ、やろうか」
 一瞬の沈黙、そして・・・・・・
決闘デュエル!」
 殺気と闘気の渦が巻き起こった。

ジンLP8000手札5枚
ライトスLP8000手札5枚

「俺の先行だ!ドロー!カードを1枚セットし、鉄の騎士ギアフリード召喚!ターンエンドだ」
 現われたのは全身を黒金の鎧で包んだ鋼鉄の騎士、その鋼の手刀を構え、ギアフリードは参上した。
「俺のターン、ドロー。カードを1枚セットし、アームドドラゴンLV3を召喚する。ターンエンドだ」
 現われたのは小さな幼竜、これでは力は弱そうだ。
「アームドドラゴン、レベルモンスターか!」
 瞬時にモンスターの特性を見抜くジン。


レベルモンスター、ターンがたつかモンスターを破壊することで進化するモンスターのことを俗にこう呼んでいる。レベルモンスターは幼少のときはまだ力も弱く、さしたる脅威にはなりえないが、成長すれば非常に強力なモンスターとなる。故にレベルモンスターを倒すのならばまだ弱いうちに倒すのがベストなのだが・・・・・・・


 幼竜が威嚇体制をとりながらジンを睨みつける。もっとも、この程度のことで怯むジンではないが。
「(レベルモンスターとは、厄介なデッキだぜ)俺のターンだ、ドロー」
 引いたカードを確認し、小さく舌打ちをするジン。だがしばらく考え行動に移す。
「(うだうだ考えるのは面倒だ。ここは踏み込んでみるぜ!)ギアフリードでアームドドラゴンLV3を攻撃!」

 一直線で幼竜へと肉迫するギアフリード、その鋼鉄の手刀が幼竜の首を断ち切る寸前、ライトスのリバースの1枚が翻った。
「リバースカードオープン!和睦の使者!」
「な!?くそっ!」
 幼竜の眼前、鋼鉄の手刀は何か見えない障壁に阻まれて止まっていた。これ以上突き入れることができない。
「ちっ、モンスターをセットしてターンエンドだ」
 攻撃をしても効果がないのならばこのターンにすることはもうない。ジンは壁モンスターを1体増やしてターンを明け渡した。

「俺のターン、ドロー。そしてこの瞬間、アームドドラゴンは進化する!」
 びくりと大きく体を痙攣させる幼竜、次の瞬間、幼竜の体は急激に成長し、その体はもはや幼竜ではなく立派な巨竜となった。
「アームドドラゴンLV5!」
「くそっ、進化させちまったか!」
「アームドドラゴンLV5の効果発動、手札のホルスの黒炎竜LV6を捨て、お前のその鋼の騎士を破壊する!」

 巨竜の大きな口が開かれ、そこから高熱の火球が放たれる。その先に存在するのはジンの鋼の騎士。
 だが火球がギアフリードを直撃する瞬間、ジンのリバースが翻った。
「残念!アームドドラゴンの効果にチェーンしてリバースカードオープン!鎖つき爆弾!」
「な!?」

 ギアフリードへと投じられる爆弾付の鎖、だが鋼の騎士はその手刀で投じられた爆弾を弾く、弾かれた爆弾は放物線を描きながらアームドドラゴンLV5の口の中へと入り込んだ。
 次の瞬間、口の中で爆弾が爆発する。当然アームドドラゴンも無事のはずがない。頭を吹き飛ばされてその巨体を地面に横たえた。

「どうよ!」
「くっ、だが甘いな、手札より速攻魔法、爆炎の再構成を発動する。我が命の欠片を使い蘇れ、ホルスの黒炎竜!」
 ライトスのもう1枚のリバースが翻り、そして彼の場にいくつ物炎の欠片が集まる。やがてそれが形をなし、鳥のような形となる。
 それが身震いすると同時に炎が霧散する。そして現われたのは白銀の体を持つ鳥のような外見をしたドラゴン、ホルスの黒炎竜LV6だ。その攻撃力は2300、ジンのモンスターたちよりも上だ。
「な!?」
「俺が発動した爆炎の再構成、これは1000のライフを支払うことで、墓地に眠る炎属性モンスターを1体特殊召喚できるものだ。さぁいけ、ホルスよ!」
「マジかよ!?」
 うそ〜と呟くジンを無視し、白銀のドラゴンのアギトが開きそこから名前の由来ともなった黒い炎が放たれる。
 黒の奔流は同じく黒金の騎士の体を文字通り消し炭へと変えた。

ジンLP8000→7500手札4枚
ライトスLP8000→7000手札3枚

爆炎の再構成:速攻魔法
1000ポイントのライフを払い発動。自分の墓地にある炎属性モンスターを1体、表側攻撃表示で特殊召喚する。

「ターンエンド、そしてこの瞬間、ホルスは進化する」
 ライトスのエンド宣言と共に白銀のドラゴンの体に変調が現われた。天高く舞い上がるホルスの黒炎竜、やがてその体が輝きだし、一際強く輝く。
 輝きが収まったとき、そこに存在したのは神々しい輝きを放つ白銀のドラゴン、もうその体は鳥に近いというよりも完全な龍となっていた。ホルスの黒炎竜LV8、これがホルスの黒炎竜の最終進化体だった。
「また、とんでもねぇ化け物を出してきたもんだな」
 口ではやや疲れた風に言ってはいるがジンの目はむしろ楽しげにその巨竜を見つめていた。
「さて、俺のターンだな。ドロー」
 引いたカードは天使の施し、手札入れ替えカードの定番カードだ。
「(手札入れ替えか、まぁ今の手札じゃあの化け物は倒せねぇし、やってみるか)手札から天使の施しを発動するぜ」
「無駄だ、ホルスよ、その魔力を喰らい尽くせ」

 次の瞬間、ジンが使うはずだった天使の施しから魔力が吸い取られた。
「な、なに?」
 抽出された魔力はそのまま空中を漂いながら白銀のドラゴンの所まで行き、そのまま食われてしまった。
「なんだ、何が起こった?」
「ホルスの黒炎竜LV8は魔法カードの発動と効果を無効化できる。お前の魔法は全て無効化されると考えたほうがいいぞ」
「マジかよ、そんな厄介すぎる効果をもってやがったのか」
 眉を寄せ、しかめっ面を作るジン、魔法カードが使えないような状況に追い込まれては誰だってこんな顔をするだろう。
「くそぅ、なら守備モンスターの戦士の補給部隊を反転召喚して効果を発動させるぜ」

戦士の補給部隊 地属性 ☆3 戦士族:効果
ATK1000 DEF500
このカードは1ターンに1度裏側守備表示にすることができる。このカードが反転召喚に成功したとき、このカードのコントローラーはカードを2枚ドローする。このカードの効果でドローしたターン、このカードは攻撃できない。

 戦士隊から送られた補給物質により、手札を蓄えるジン、だが魔法カードが使えないこの状況では手札があっても戦術が無い。結局この状況を打破することはできず、戦士の補給部隊を再び守備表示に変更し、新たにモンスターを増やすだけに留めた。というより、それ以外の取るべき手がないのだろう。
「俺のターンだ、ドロー。モンスターをセットし、ホルスで裏側守備になっている戦士の補給部隊を攻撃する」
 放たれた漆黒の本流が矮小な戦士部隊を殲滅する。後には骨すら残らなかった。
「カードを1枚セットしてターンエンドだ」
 ターンが移り、ジンのターンが回ってくる。

「俺のターンだ、ドロー」
 カードを引くものの引いたカードはコマンドナイト、彼が求めたカードではなかった。彼が求めたのはならず者傭兵隊、あのカードの効果でホルスを倒そうと考えているのだ。
「(まぁ、このままでも一応あれを倒す手段はあるんだけどな。できればライフは温存したかったがしかたねぇ)俺は守備モンスターの異次元の女戦士を反転召喚するぜ!」
「む!」
 反転召喚され、その姿をあらわにしたのは敵を自らの故郷である異次元へと引きずりこむ能力を持った戦士、確かにこれならホルスの黒炎竜も無効化できるだろう。
「いくぜ、異次元の女戦士でホルスの黒炎竜に攻撃!」

 自爆特攻を仕掛ける女戦士、だがライトスはあわてない。ただ自分の足元に伏せられているリバースカードを翻しただけだ。
「リバースカードオープン、封呪の刻印、これで女戦士の効果を無効化する」
「げ・・・・・・・」
 どこからともなく女戦士に謎の刻印が打ち込まれた。そして女戦士はその能力を刻印に封じられ、ただの無力な通常モンスターへと成り下がってしまった。
 だがそれでも剣で切りかかる女戦士、だがそんな攻撃でホルスの黒炎竜の体を傷つけられるわけがない。反撃に放たれた漆黒の炎を浴び、女戦士の体は消し炭となった。
「ぐ・・・・・・・ッ!ミスったぜ」
 超過ダメージに歯を食いしばって耐えるジン、そしてその目は再び前を向く。

封呪の刻印:速攻魔法
フィールド上の表側表示モンスター1体は発動ターンのみ効果を発動できない。


ジンLP7500→6000手札6枚
ライトスLP7000手札3枚

「ちくしょう、モンスターをセットして、カードを1枚セット、ターンエンドだ」
 異次元の女戦士による自爆特攻も通用せず、守り手と攻め手を失ったジン、このままではすぐに追い込まれてしまう。
「俺のターンだ、ドロー。守備モンスターを反転召喚する。その姿を現せ、ミスティックソードマンLV4」
 表になり、その姿をあらわにしたのは若く逞しい青年剣士、手にした剣をジンへと向けている。
「このカードは反転召喚でしか通常召喚できなくてな、速攻性に賭けるのだがそれを補うほどの力を持っている。いけ、ミスティックソードマン」
 疾走する白い剣士、その白刃が煌き、ジンの守備モンスター、コマンドナイトを一刀両断にする。ミスティックソードマンは相手裏側守備モンスターをそのままの状態で一刀両断する能力を持つ。いかに防御能力が高くとも、表になることができなければそのまま破壊されてしまう運命は免れない。
 その姿すら明かすことができずに、ジンの守備モンスター、黒き森のウィッチが破壊された。
「さらにホルスの黒炎竜でダイレクトアタックだ」

 主の命を受け、天高く羽ばたく巨大な白銀のドラゴン、そのアギトが開かれ、黒の奔流が放たれる。これを受けてしまったらいかにジンといえど無事ではすまない。
「ちっ、リバースカードオープン!再現される記憶!」
「なに!?」
 翻るリバース、と同時に先程破壊されたはずの三つ目の魔女が守備表示で再び場に現われる。
「これは・・・・・・」
「こいつが再現される記憶の効果だ、自分のモンスターが戦闘で破壊されたとき、その破壊されたモンスターを破壊されたときと同じ表示形式で再び場に出して戦闘を行わせることができる!こいつでホルスの攻撃をガードする!」
 三つ目の魔女が自らのマスターを守るように両手を開き、黒の奔流をその身に受け止める。
 そしてジンは2回のウィッチの効果でデッキから処刑人マキュラともう1枚、あるモンスターを手札に加えた。このカードは後々登場するのでここでの紹介は控えることにする。
「むぅ、ターンエンドだ」

再現される記憶:通常罠
自分のモンスターが戦闘で破壊され、他の相手モンスターが攻撃を宣言したときに発動。前の戦闘で破壊されたモンスターを破壊されたときと同じ表示形式で特殊召喚し、そのモンスターと戦闘させる。このカードはデュエル中、1度しか使用できずデッキ、サイドデッキに1枚しか投入できない。

 攻撃を防がれ、ターンを明け渡すライトス、すかさずジンはドロー体勢に入った。
「俺のターンだ!ドロー!」
 ドローカードを確認、そしてジンの目つきが鋭くなる。
「引いたぜ、このカードでお前のその布陣を潰してやるぜ!」
 自信満々に宣言するジン、対し、ライトスの顔に特に同様な色は見られなかった。自分の布陣が相簡単には崩されないと信じているのだろう。
「面白い、やれるものならやってみろ」
「ああ、やってやるぜ、見てな」
 そう言って手札から1枚のカードを抜き出すジン。

「まずは下準備、手札から魔法カード、死者への手向けを発動するぜ。対象は勿論、ホルスの黒炎竜だ」
 ジンが使ったカードは手札1枚をコストとし、モンスター1体を破壊するカードだ。あまり性能がいいとは言えず、あまり使われることのないカードだが・・・・・・・
「そんなものを許すと思ったか。ホルスの効果を発動しその魔法を無効化する」
 案の定、無効化される死者への手向け。だがジンの笑みは崩れない。
「まさかそんなもので、この俺の布陣を崩すなどとのまったわけではあるまいな?」
「下準備っていったろ?本番はこれからだぜ。いくぜ・・・・・・」
 召喚体制にはいるジン、次の瞬間、フィールドをまばゆい光が包んだ。
「来な!槍の英雄―クーフーリン―!」

 光が収まったとき、そこに立っていたのは黒き森のウィッチの効果で手札へと導いたモンスター。その姿は青の鎧に短く刈り揃えた青の髪、その瞳まで青とまさに青の騎士という言葉が相応しい英雄が立っていた。その攻撃力は1500、このままではたいした能力は持っていないように見える。
「何かと思えば、その程度の能力値では俺のモンスターたちを倒すことなどできないぞ」
「まぁ慌てんなよ。お楽しみはこれからだ。なぁ、クーフーリン?」
「ああ、ジンよぉ、俺の敵はあのでか物か?」
 ややめんどくさげにホルスの黒炎竜を見上げる青の騎士、その姿にジンは思わず苦笑する。
「安心しろよ、さっさと終わらせるようにするからよ」
「ああ、そうしてくれジン、さっさと槍をよこせ」
「ああ、ここでクーフーリンの効果を発動するぜ。クーフーリンが召喚されたとき、デッキから魔槍ゲイボルグを手札に加える。そして、魔槍ゲイボルグ発動!」

 青の騎士の手に赤い呪いの槍が手渡せれようと投げられる。だが・・・・・・・・・
「させるか!ホルスの効果発動!魔槍ゲイボルグの発動を無効化する!」
 装備カードといえ所詮は魔法カード、ホルスの効果から逃れることはできない。だがこの瞬間、ジンは会心の笑みを浮かべた。
「掛かったな!手札から罠カード、天罰発動!」
「な、なんだと!?」
 まさかの手札からの罠カード、白銀のドラゴンの頭上に雷が降り落ちる。雷の直撃を受け、白銀のドラゴンはその巨体を横転させた。
「・・・・・・・・まさか!死者への手向けか!?」
 思いついた可能性、手札から罠カードの発動を可能にするとしたらあのカードしかない。
「正解だ!死者への手向けで手札にあった処刑人マキュラを墓地に送らせてもらったぜ!」

 ホルスが消え去り、クーフーリンの手にその赤き槍が握られる。
「はっ、やっぱりこいつじゃないとなぁ!」
 嬉々とした声を上げるクーフーリン、神話いわく、この呪われた赤い槍、魔槍ゲイボルグの持ち主であるこの青の騎士はこの槍を自在に操る。

槍の英雄―クーフーリン― 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1500 DEF1300
このカードの召喚に成功したとき、デッキか墓地にある「魔槍ゲイボルグ」1枚を手札に加える。このカードは「魔槍ゲイボルグ」を装備でき、「魔槍ゲイボルグ」の効果によっては破壊されない。(直接攻撃はできない)このカードが「魔槍ゲイボルグ」を装備した状態で攻撃をしたとき、その攻撃は必ず成功する。(カードの効果や戦闘で破壊される場合、先に戦闘を行いダメージステップ終了後に破壊される)

魔槍ゲイボルグ:装備魔法
レベル7以上の戦士族モンスターのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力は倍になり直接攻撃が可能となる。装備モンスターが攻撃したターンのエンドフェイズに装備モンスターを破壊する。

槍の英雄―クーフーリン―攻撃力1500→3000

「攻撃だ!クーフーリン!」
 ジンの攻撃命令と同時、クーフーリンがゲイボルグを構える。
刺し穿つゲイ・・・・・・・・・・」
 周りの空気が急速に低下する。そして・・・・・・
死棘の槍ボルグ!」
 放たれた一撃必殺の槍が、白い剣士の心臓を貫いた。


あとがき
ヒール「おい!」
ツキ「はい?」
ヒール「いいのかよ!真名出しちゃって!」
ツキ「ああ、いいんじゃないですか?どーせあれ、始まってから一番最初に出てくる名前ですし、ネタバレには含まれませんよ」
ヒール「けどなぁ・・・・・・・・」
ツキ「細かいことを気にしてはいけません。ハゲますよ?」
ヒール「ぐっ、そ、それは嫌だなぁ・・・・・・・」
ツキ「ならばいちいち考えるのはやめなさいな」
ヒール「しかし、いいのかなぁ・・・・・・・」
Date: 2004/08/13


ACT121:賭け勝負
 ガイのアーマーモンスターを打ち崩したクロノ、だがここに来てガイは自らのデッキのもうひとつの顔、ギャンブルデッキの面を見せた。ガイの持つ強運により、圧倒的な力を発揮するギャンブルカード。そしてついに彼のギャンブルデッキの切り札、闇の支配者―ゾークを降臨させた。ゾークの効果によるモンスター全体破壊攻撃が、クロノの魔術師たちに降り注いだ。

クロノLP3700手札3枚
場 複製者フェイカー―投影魔術師―(攻撃表示)、ブラックマジシャン(攻撃表示)、裏守備モンスター1体
伏せ 1枚

ガイLP1900手札4枚
場 闇の支配者―ゾーク(攻撃表示)
伏せ 1枚

複製者フェイカー―投影魔術師― 光属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードは自分の場にモンスターがいる場合、召喚、特殊召喚できない。このカードが召喚、特殊召喚されたとき、次のうちどちらかひとつを選ぶ。
●相手の場か墓地にあるモンスターのその時点の攻撃力と守備力、レベル、属性、種族を持つトレーストークン(?族、レベル?、?属性、ATK???/DEF???)を1体特殊召喚する。
●相手の墓地にある魔法、罠カードを1枚手札に加える。

 黒い雷、それが全てをなぎ払う剣のように天高く振り下ろされた。刹那、黒い閃光が迸り、ふたりの目から一時的に光を奪う。
 視力が戻り、ふたりの目が開かれる。するとそこにはクロノの魔術師たちが無傷で存在していた。
「な、なんだと?ば、馬鹿な・・・・・・・」
 驚愕のガイ、一撃必殺と思った攻撃は、実は成功していなかったのだからそれも当然。そしてクロノは、やはり悠然と立っていた。
「いや〜ゾークの効果には焦りましたねぇ。場にこのカードを伏せていなければやられてましたよ」
 そう言って墓地の1番上のカードを手に取るクロノ、そのカードは我が身を盾に。モンスターを破壊するカードの効果を無効化するカードだ。しかもそのカードの破壊効果まで備わっている。もっとも、代償として払うライフは大きいが。
「我が身を盾に。そんなカードを、セットしていたのか。ならば手札にある速攻魔法、マジック・ブロウクン・アーマーを発動し、ゾークを守る」
 今にも崩れ落ちそうなゾークの体はゾークに装備された鎧によって再びもとの姿に戻った。
「これは!?」
「マジック・ブロウクン・アーマーは、魔法カードの効果で、モンスターが破壊されるとき、その破壊効果を無効化し、カードを1枚ドローできる、カードだ。そして、ゾークの、攻撃、ゾーク・カタストロフィ!」
 ゾークの眼前に極大の炎の球が出現する。ゾークはそれを手につかみ、最上級魔術師へと投擲した。ブラックマジシャンも自らの魔術で対抗しようとしたが僅差でかなわず、その闇の炎にその身を焼かれてしまった。
「くっ!」
「ターンエンド、だ」

マジック・ブロウクン・アーマー:速攻魔法
自分のモンスターが魔法カードの効果で破壊されるとき、その効果を無効化する。そのご、自分はカードを1枚ドローする。

クロノLP3700→2200→2000手札3枚
ガイLP1900手札4枚

 何とか全滅を免れたクロノ、だが彼は攻撃の要、ブラックマジシャンが破壊されてしまい状況は芳しくない。だがクロノの瞳に動揺もなければ敗北の色もない。その目はただただ、己の勝利のみを信じている者の目だ。まだ勝負は終わってはいないと、その目が口よりも雄弁と語っていた。
「僕のターンですね。ドローします。あなたも切り札を出したことですし、僕も切り札を出しましょうか」
 そう宣言して、クロノは戦術を展開させた。
「守備モンスター、墓守の偵察者を反転召喚し、リバース効果を発動させます。僕はこの効果でデッキから墓守の長槍兵を特殊召喚し、いきますよ」
 場に出揃った3体の魔法使いモンスター、その全てが光の粒子と化していく。
「3体の魔法使い族モンスターを生贄にささげ、いでよ!時の大賢者―クロノス・マジシャン―!」
 一際強く光が迸り、クロノの場にひとりの大賢者が降臨した。

時の大賢者―クロノス・マジシャン― 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードは3体の魔法使い族モンスターを生贄にして生贄召喚された場合、このカードのコントローラーは次のうちどれかひとつを選ぶ。
●自分の墓地にあるカードを1枚手札に戻す。
●1000ポイントのライフを支払いデッキからカードを5枚ドローし、そのうち3枚を手札に加える。残りはデッキに戻してシャッフルする。
●2000ポイントのライフを支払い自分か相手の墓地にあるカードの中で5枚までカードを選び手札に加える。

「僕はひとつ目の効果を発動し、墓地にあるリビングデットの呼び声を手札に戻します」
 クロノの墓地に光がともり、一握りの光の球が宙を舞い、クロノの手札へと舞い降りた。
「いきますよ、クロノス・マジシャンの攻撃!クロノ・イレイザー!」
 時空の果てから呼び出され、荒れ狂う炎や雷、それらが荒らし隣ゾークへと迫る。
「そうは、させん。リバースカードオープン、和睦の使者」
 翻ったリバースカード、直後、荒れ狂う暴力の嵐がぴたりと止まり、存在自体が嘘のように消え去った。
「・・・・・・ッ!」
「そう簡単に、やられは、せん」
「・・・・・カードを1枚セットし、ターンエンドです」
 クロノス・マジシャンによる必勝の一撃を防がれたクロノ、仕方なくおそらくは防御手段であろうカードを1枚セットしてターンを明け渡した。
「己のターン、ドロー。いく、ぞ。ゾークの効果を、発動する」
 投じられるサイコロ、地面を転がりその目を変えていく。このなんともいえない緊張感を求め、ギャンブラーはギャンブルに手を染めるのだろう。
 サイの目が止まる。出た目は3、モンスターを1体破壊する効果だ。
「効果、発動」
 ゾークの右腕から黒い炎が出現する。そのまま放たれる業火、それがクロノス・マジシャンの体を焼き尽くす。これでクロノの身を守るモンスターは存在しなくなった。
「ゾークの、攻撃」
 再び放たれる獄炎、それが今度はクロノ自身を狙って放たれた。
「まだやられるわけにはいきません!リバースカードオープン!リビングデットの呼び声!」
 獄炎がクロノの身を焼く一瞬前、クロノのリバースが翻りクロノの場に再び時魔法を極めた賢者が現われた。
「くっ、攻撃を、中断する」
 獄炎は空中で霧散し、クロノ本人やクロノス・マジシャンの体には傷ひとつつけていない。
「カードを1枚セットし、ターンエンド」
「僕のターンです。ドローします」
 カードを引き、思考の海へと沈むクロノ。相互の手札、ライフ、フィールドの状況を確認し、現在自分がとるべき最良の手段を導き出す。
「クロノス・マジシャン、攻撃です。クロノ・イレイザー!」
 このままにしておいたら再び次のターンでゾークの効果の脅威にさらされてしまう。ならば多少危険でもここで勝負を仕掛けるしかクロノに手はなかった。
「やはり、そうきたか。リバースカードオープン、突進」
「な!?」
 まさかの攻撃力強化魔法、瞬間、ゾークの魔力が増強し、放つ獄炎がさらに巨大となる。
 巨大化した獄炎が暴力の嵐を飲み込み、さらに肥大化する。そのままクロノス・マジシャンは獄炎に飲み込まれてしまった。
「かはっ」
 残りライフも少ないこの状況、クロノはたまらず膝をつく。
「ぐ・・・・・・・」
 肉体的、精神的なダメージを受け、すぐには立てないクロノ。そのクロノに、ガイは言い放った。
「これで、お前の、切り札は、消えた。己の、勝利、だ」
 勝利宣言、その言葉に対し、クロノは顔を上げた。
「まだ、負けたわけではありませんよ」
 立ち上がり、前を見据える。
「僕はカードを1枚セットして、ターンエンドです」

クロノLP2000→1600手札3枚
ガイLP1900手札4枚

 だがクロノの口の端からは血がたれ流れ、その膝は震えている。彼の体は時が流れないから魔力面では問題はないだろうが肉体的ダメージは相当なものだろう。いくらなんでもダメージを受けすぎた。
「己のターン。ドロー。ゾークの、攻撃」
 これで何度目だろうか、さらに放たれる獄炎の一撃。だがクロノは諦めない。ただ黙ってリバースカードを翻す。
「リバースカードオープン、和睦の使者、これでこのターン、僕はダメージを受けません」
「ターンエンド」
 何もセットせずにターンを明け渡すガイ、そしてターンは再びクロノへと移る。その震える指がカードをドローする。
「(これは、ここはこれに賭けるしかなさそうですね)手札から魔法カード、強欲な壷を発動します」
 発動したのはもはや定番のドロー強化カード、だが今回クロノが使ったのはそれだけではなかった。
「さらに手札から速攻魔法、連続魔法を発動します」
「む、まだ、勝負を捨てないのか」
 連続魔法により、手札を代償に計4枚のカードをドローするクロノ。そしてその顔に笑みがともる。
「(まぁ、この勝負の最後を飾るには相応しいかもしれませんね)いきますよ。僕は時の魔術師を召喚します!」
「な!?」
 ポンという軽快な音と共に現われたのはユニークな外見をした魔法使い。攻撃力も守備力も低いがこのカードの効果次第では決闘の流れを変えるほどの力を持つ。
「お前、も、ギャンブルカードを、デッキに入れて、いたのか」
「ええ、まさかこのカードを使うことになるとは思いませんでしたよ。時の魔術師!タイムマジックです!」
 時の魔術師の時計型の杖のルーレットが起動する。タイムマジックが成功する確率は2分の1、この結果によってクロノの運命が決まる。運命の瞬間だ。
 針が止まる。
 当たり、外れ、当たり、外れ・・・・・・・・・・当たり!
「な!?」
「この勝負、僕の勝ちです!タイムマジック、発動!」
 幾千もの時が流れ、ガイの場のゾークの体が崩れていく。闇の支配者も、時には勝てなかったようだ。
「こ、この己が、ギャンブル勝負で負けるとは・・・・・・」
「終わりです!サクリファイス・マジック発動!時の魔術師を生贄にささげ、カオス・マジシャンを召喚します!攻撃です!」
 この決闘の終末を告げる混沌魔法の一撃、その一撃が、ガイの体を飲み込んだ。
「がっ!」
 吹き飛び、宙を舞うガイの体。その体が地面にたたきつけられたとき、ガイはすでに事切れていた。

サクリファイスマジック:速攻魔法
バトルフェイズ中にこのカードを発動させる場合、1000ライフポイントを支払う。自分のフィールド上モンスター1体を生贄にし、手札からレベル6以下のモンスター1体を特殊召喚できる。

クロノLP1600
ガイLP1900→0

「僕の、勝ちですね」
 賭け勝負、そして決闘を制したクロノが、堂々と宣言した。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/08/11


ACT120:ギャンブル
 ガイのアーマーモンスターの猛攻により、劣勢に立たされたクロノ。だが彼は不適に笑い、この状況を覆すカード、複製者フェイカー―投影魔術師―を召喚。ガイの切り札、グラビテーション・アーマーズ、ボルケーノ・ディストラクション・アーマーの破壊に成功する。崩れ落ちるアーマーモンスター。ガイの砦は崩れた。


クロノLP3700手札4枚
場 複製者フェイカー―投影魔術師―(攻撃表示)
伏せ 1枚

ガイLP6300→4400手札1枚
場 なし
伏せ なし

複製者フェイカー―投影魔術師― 光属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードは自分の場にモンスターがいる場合、召喚、特殊召喚できない。このカードが召喚、特殊召喚されたとき、次のうちどちらかひとつを選ぶ。
●相手の場か墓地にあるモンスターのその時点の攻撃力と守備力、レベル、属性、種族を持つトレーストークン(?族、レベル?、?属性、ATK???/DEF???)を1体特殊召喚する。
●相手の墓地にある魔法、罠カードを1枚手札に加える。

グラビテーション・アーマーズ 光属性 ☆8 機械族:アーマー
ATK??? DEF???
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードは通常召喚できない。自分の場に出ている、アーマーモンスターを好きなだけ除外してのみ、特殊召喚できる。このカードの攻撃力と守備力は、このカードの特殊召喚時に除外したアーマーモンスターの数×500ポイントとなる。
バトルフェイズに相手が発動した魔法、罠カードの効果を手札からカードを1枚捨てることで無効化できる。

ボルケーノ・ディストラクション・アーマー 炎属性 ☆7 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードは特殊召喚できない。手札のカードを2枚捨てることで、相手フィールド上の表側表示モンスター全てを破壊する。

 崩れ落ちるガイの右腕のボルケーノ・ディストラクション・アーマー、そして、彼を守るものがなくなった。
「まだです!リバースカードオープン!リビングデットの呼び声!これで墓地に眠るブラックマジシャンを蘇生させます!」
 翻ったのは亡者を呼び起こす蘇生罠カード、クロノのフィールドに闇が収束し、その闇の中から黒衣の最上級魔術師が降臨した。
「ブラックマジシャン、攻撃です!ブラックマジック!」
 ブラックマジシャンの杖の先端から、無数の黒い稲妻が放たれる。稲妻は正確にガイの体を貫いた。
「ぐっ!ぬぅぅぅぅ」
 かすかなうめきが喉から漏れる。だがガイはそれだけで膝をつくことも、倒れ伏すこともなくその場にとどまった。
「・・・・・カードを1枚セットし、ターンエンドです」

クロノLP3700手札3枚
ガイLP4400→1900手札1枚

「己のターン、ドロー」
 ライフも手札も、フィールドさえもアドバンテージを取られたガイ、このまま彼は敗北するのだろうか?
「・・・・・・カードを1枚セットし、モンスターをセット、ターンエンド」
 ガイのとった方法は典型的な防御方法、そしてガイはこの決闘、初めてモンスターを守備表示で出した。それほどまでに追い詰められているのだろう。だがクロノは更なる追い討ちをかけた。
「あなたのエンドフェイズにリバースカードをオープンします!サイクロン!」
「ッ!」
 翻ったリバース、それとほぼ同時、ガイのリバースカード、聖なるバリア―ミラーフォース―が一陣の竜巻によって破壊された。
「ミラーフォースでしたか、危なかったですね。僕のターンです。ドロー」
 引いたカードを確認後、すぐさま行動に移るクロノ、一気に勝負を決めるつもりなのだろう。
「フェイカーで守備モンスターを攻撃します!」
 再び走り抜ける赤い外套の騎士、その手には白と黒の夫婦剣が握られている。
「ふっ!」
 一瞬の気合、次の瞬間、無数の剣戟が守備モンスターを襲う。だが・・・・・
「守備モンスターは、施しの聖者、だ。このカードが、戦闘で破壊されたとき、己はカードを1枚ドローし、お前は、バトルフェイズを終了する」
 守備型のモンスターカード、そして、ガイが見せたアーマーモンスター以外のカード。これも初めてだ。
「てっきり、あなたのデッキはアーマーデッキだと思いましたが、違ったのですか?」
「いや、己のデッキは、アーマーデッキだ。だが、アーマーデッキが、己の全てでは、ない。アーマーは、敗れた。次は、己のデッキの、もうひとつの顔、ギャンブルデッキの、番だ」
 ギャンブルデッキ、通常、ギャンブルデッキは敬遠される場合が多い、あまりにも運の要素が強すぎるのだ。だがクロノの目の前の男はそのギャンブルデッキを持ち出してきた。よほど自分の運に自信があるのか・・・・・・・

施しの聖者 光属性 ☆3 天使族:効果
ATK800 DEF900
このカードが戦闘で破壊されたとき、自分のライフによって以下の効果が発動する。
ライフ4000以下:自分はカードを1枚ドローする。
ライフ2000以下:相手のバトルフェイズを終了させる。

「僕はカードを1枚セットして、ターンエンドです」
 仕方なく、ターンを明け渡すクロノ。ギャンブルデッキは不確定要素があまりにも多い、できればこのままの流れのまま勝負をつけたいのだろう。
「己のターンだ、ドロー。カードを1枚、セットし、平和主義なギャンブラーを、召喚する」
 ガイの場に現われたのは白のシャツに黒のズボンという、どんな街中にもいるような若者だった。とくに強力は効果を持っているとは思えない。
「ターンエンド」
 だがガイはそのモンスターを攻撃表示にし、ターンを明け渡した。ならば何らかの効果を持っているものと思ったほうがいいだろう。
「僕のターンですね、ドローします」
 カードをドローし、スタンバイフェイズへと移行するクロノ、だがそこでガイが待ったをかけた。
「お前の、スタンバイフェイズ、に、平和主義なギャンブラーの、効果を、発動する」
「!」
 相手のスタンバイフェイズに発動する効果、一体どんな効果なのだろうか・・・・・・
「平和主義なギャンブラーは、場に自分しかいないとき、相手のスタンバイフェイズ、に、コインの表裏を、当てる。当たった場合、相手の、バトルフェイズを、スキップする。己は、表を宣言する」
「なっ!?」
 確立2分の1で相手のバトルフェイズをスキップするカード、下手をすれば毎ターンバトルフェイズをスキップされてしまう可能性がある。
 コインが投じられる。回転しながら落ちてくるコインを、ガイが受け止める。出た面は表、クロノのバトルフェイズはスキップされた。
「くっ、ターンエンドです」

平和主義なギャンブラー 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1300 DEF900
自分の場にこのカードしか存在しない場合、相手のスタンバイフェイズにコインの表裏を宣言する。当たった場合、相手のバトルフェイズをスキップする。

 バトルフェイズをスキップされては何もできない。仕方なく、クロノはターンを明け渡した。だがこの瞬間、ガイのリバースが翻った。
「お前の、エンドフェイズに、リバースカードオープン、第6感、宣言するのは5と6だ」
「ッ!厄介なカードを!」
 ガイが使った罠カードは確立3分の1で、大量ドローを可能とするカード、また、デッキ構成いかんによっては外れた場合ですらもメリットと変えてしまう可能性を持ったカードだ。このカード発動のセオリー通り、ガイが選択した目は5と6、サイコロの回転が止まり、目の正体がわかる。
 出た目は5、よってガイはカードを5枚ドローした。手札0からのアドバンテージを、ガイは自らの運で覆した。
「己のターン、ドロー。平和主義のギャンブラーを生贄にささげ、マキシマム・シックスを召喚する」
 生贄召喚に応じたのはまたしてもギャンブルモンスター、その6つの腕が、クロノに向けられる。
「マキシマム・シックスが、生贄召喚された、よってサイコロを振る、ぞ」
 再び投じられるサイコロ、ころころと地面を転がり、やがて止まる。では目は4、よってマキシマム・シックスの攻撃力が800ポイントアップする。

マキシマム・シックス攻撃力1900→2700

「ブラックマジシャンに、攻撃」
 フェイカーの効果は特殊召喚の際にも使用できる、そのことを恐れてか、ガイが攻撃対象としたのはブラックマジシャン。6個の太い腕が、ブラックマジシャンのスラリとした体に襲い掛かる。
「させません!リバースカードオープン!月の書!」
 翻ったリバース、夜の象徴、月を記した書物が開き、そこからやるの闇があふれ出す。闇はやがて6腕の巨躯の体を包み、その身を闇に隠す。
「・・・・・カードを1枚、セットし、ターンエンド」
 セットされたカード、おそらく自らの身を守るものだろう。もしくはモンスター破壊能力を持つ罠カードかギャンブルカード。
「僕のターンですね。ドローします。モンスターをセットし、カードを1枚セットしてターンエンドです」
 特に攻めずにターンを終えるクロノ、やはりうかつには攻めれないのだろう。
「己のターンだ、ドロー。マキシマム・シックスを、反転召喚し、マンジュ・ゴットを、召喚する。さらに効果で、デッキから、闇の支配者との契約を手札に加え、場の2体の、モンスターを生贄にし、己は闇の支配者―ゾークを召喚する」
「な!?」
 ガイの場の2体のモンスターがやみにその身を食われ、魔界へのゲートが開く。その中から降臨したのは全ての闇を支配する魔王、ゾーク。その目がクロノと、彼のモンスターたちを見下ろしていた。
「これが、己の、ギャンブルカードの、切り札だ。そして、効果を発動させる」
「ッ!」
 天高く投じられるサイコロ、そして地面に落ち転がり、やがてその回転が止まる。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
 緊張の一瞬、出た目によって二人の運命が決まる。
 サイが止まる。出た目は、1。
「な!?」
「ふっ、ゾークの、効果、発動」
 ゾークが両腕で天を仰ぎ、そして、天からクロノのモンスターたちに向かって、黒い雷が落ちた。


あとがき
あ〜、まだまだ続きそうですこの決闘。アーマーデッキじゃやっぱりもう限界でしたよ。orz
次回に終わらせられるようにがんばります。
Date: 2004/08/11


ACT119:複製者
 ガイのアーマーデッキにやや押されぎみのクロノ、そしてついに戦況はガイに大きく傾く。彼がアーマーモンスターを合体させ、攻撃力3500のグラビテーション・アーマーズを召喚したのだ。
 このモンスターのパワーの前に、クロノは徐々に追いつめられていた。

クロノLP4500手札6枚
場 なし
伏せ なし

ガイLP6300手札4枚
場 グラビテーション・アーマーズ(攻撃表示)、永続魔法:機械改造工場、フィールドカード:弱者の聖域

グラビテーション・アーマーズ 光属性 ☆8 機械族:アーマー
ATK??? DEF???
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードは通常召喚できない。自分の場に出ている、アーマーモンスターを好きなだけ除外してのみ、特殊召喚できる。このカードの攻撃力と守備力は、このカードの特殊召喚時に除外したアーマーモンスターの数×500ポイントとなる。
バトルフェイズに相手が発動した魔法、罠カードの効果を手札からカードを1枚捨てることで無効化できる。

機械改造工場:永続魔法
自分のフィールド上に表側表示で存在しているもともとの攻撃力が500以下の機械族モンスターの攻撃力と守備力は1000ポイントアップする。

弱者の聖域:フィールドカード
全てのプレイヤーはもともとの攻撃力が500以下のモンスターを魔法、罠ゾーンにも特殊召喚することができる。魔法、罠ゾーンに召喚されたモンスターは裏側表示にできず、攻撃力と守備力をアップさせることができない。

「僕のターンですね、ドローします」
 静かに、穏やかにカードをドローするクロノ、そして再び思考の中にもぐる。今の手札で取れる最も効率のいい戦術を、今頭の中で導き出しているのだ。
「(ここは、何とかして凌ぐしかありませんね)僕はカードを2枚セットし、モンスターをセットしてターンエンドです。」
 守備の形態をとり、耐え忍ぶことを選んだクロノ、この状況ではそれが最良の選択だろう。
「己のターン、ドロー」
 穏やかにカードを引くクロノに対し、ガイは静かながらも重々しくカードをドローする。
「・・・・・・ボーガニックショット・アーマーを、召喚する」
 現われたアーマーモンスターはガントレットタイプ、そしてそれにはボーガンが装着されていた。
「ボーガニックショット・アーマーは、エンドフェイズに、相手に400ポイントのダメージを、与えることができる。そして、グラビテーション・アーマーズで、攻撃」
 再び飛び掛ってくる鋼の巨人、その巨大な右腕が、クロノの守備モンスター、見習い魔術師を粉砕する。
「見習い魔術師の効果を発動し、デッキから2枚目の見習い魔術師をセットします」
 見習い魔術師は場もちがいいモンスタートして用いられることがある。特にクロノのような魔法使いデッキならばその使用用途も広がるだろう。もっとも、今現在のこの状況では壁以外の何者でもないのだが・・・・・・・
「カードを1枚セットし、ターンエンド」
 ガイのエンド宣言、と同時に、ガイの右腕に装着されたボーガニックショット・アーマーから苦痛の矢が放たれた。
「くっ!」
 かろうじて腕でガードするが矢は明らかにクロノの心臓を狙っていた。

ボーガニックショット・アーマー 風属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。自分のターンのエンドフェイズ時、相手プレイヤーに400ポイントのダメージを与える。

ボーガニックショット・アーマー攻撃力0→1000刺微力0→1000

クロノLP4500→4100手札4枚
ガイLP6300手札3枚

「僕のターンですね、ドローします」
 引いたカードを確認したクロノの目が、少しだけ見開かれる。
「魔導戦士 ブレイカーを召喚し、起動効果を発動します。対象は機械改造工場で」
 魔力破壊の戦士の剣から、光の弾丸が放たれる。弾丸は見事にガイの永続魔法、機械改造工場を破壊した。

ボーガニックショット・アーマー攻撃力1000→0守備力1000→0

「さらに見習い魔術師を反転召喚し、ブレイカーに魔力カウンターをのせます」
 表になった見習い魔術師の体から光の弾が浮き出し、それが魔力破壊の戦士の剣へと宿る。
「もう1度ブレイカーの起動効果を発動し、弱者の聖域を破壊します」
 再び放たれた光の弾丸、それが今度は弱者たちが隠れ住む集落を打ち抜いていく。
「手札から魔法カード、ディメンションマジックを発動します!」
 そして手札から抜き放たれたのはクロノの魔法使いの速攻召喚を可能にする魔法カード、そしてクロノの得意戦術でもある。だが・・・・・・・・
「そうは、させん。リバースカードオープン、マジック・ジャマー」
「ッ!」
 クロノの顔が歪む、現われた人型の箱は、その真下から現われた魔法呪印によって消滅してしまった。
「その程度の、戦術では、己の、アーマーデッキは、攻略できない」
「・・・・・・・・ターンエンドです」
「己のターン、ドロー。グラビテーション・アーマーズで、攻撃」
 みたび襲うかかる鎧の巨人、だが今回は対象が攻撃表示の見習い魔術師、この攻撃を許してしまえば、クロノに勝ち目はない。
「させませんよ!リバースカードオープン!和睦の使者!これで戦闘ダメージを0にします!」
 使者による協定が結ばれ、このターンの戦闘は血を流すことなく終了した。
「メインフェイズ2で、サーチ・ヘッド・アーマーを召喚する」
 さらにガイの頭に装着されたのは白いヘルメット上のアーマーモンスター、そしてガイの目にゴーグルのようなものが装着された。
「ガ・・・・・ガガー、ピピッ!サーチ完了、リバースカード、リビングデットの呼び声」
「な!?」
 突如聞こえてきた機械音声、そしてクロノが驚愕の声を上げる。それもそのはず、なぜなら、彼が伏せていたカードは本当にリビングデットの呼び声だったのだ。
「サーチ・ヘッド・アーマーは、1ターンに1度、相手がセットしたカードを、表にすることが、できる。己はこれで、ターンエンド」
 そして再びエンド宣言と共に苦痛の矢が放たれる。無論、これもクロノは腕でガードしたが。

サーチ・ヘッド・アーマー 地属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。1ターンに1度、相手がセットしたカードを1枚めくり、確認することができる。その後、めくったカードをもとに戻す。

クロノLP4100→3700手札3枚
ガイLP6300手札2枚

「僕のターンですね、ドローします。強欲な壷を発動し、カードを2枚ドローします。全てのモンスターを守備表示にし、ターンエンドです」
 打つ手がないクロノは耐え忍ぶことしかできない。だがガイの場に出ているボーガニックショット・アーマーのおかげで沿ういつまでも耐えることができない。
「己のターン、ドロー。ボーガニックショット・アーマーと、サーチ・ヘッド・アーマーを、生贄にささげ、ボルケーノ・ディストラクション・アーマーを、召喚する」
 2体のアーマーモンスターを生贄にささげて現われたアーマーは、なんとも巨大はガントレット、否、腕の部分は指ではなく、巨大は砲身となっていることからそれはガントレットではなく、アームストロングキャノンといったほうが正しいだろう。それが、ガイの右腕に装着された。
「これは、己の、アーマーモンスターの中でも、最高の、能力を持つものの、ひとつだ。これは、手札を2枚捨てることで、相手表側表示モンスターを全て、破壊できるカードだ。これで己は、2枚捨て、お前のモンスターを、破壊する」
 手札のカードを砲身にセットするガイ、その2枚のカードを動力源とし、アームストロングキャノンが起動する。次の瞬間、放たれた閃光が、クロノのモンスターたちを焼き払った。
「グラビテーション・アーマーズで攻撃」
 鋼の巨人の豪腕が、クロノの体を貫く瞬間、横合いから割り込んだ何かが、クロノを守り、爆発した。
「これは?」
「手札からクリボーを捨てました。これでそのダメージは無効です」
「なるほど、ターンエンド」

ボルケーノ・ディストラクション・アーマー 炎属性 ☆7 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードは特殊召喚できない。手札のカードを2枚捨てることで、相手フィールド上の表側表示モンスター全てを破壊する。

 ついに自らを守るものがなくなったクロノ、だが彼の瞳に諦めや、怯えの色はない。普段どおりに悠然とし、その顔にはやはり笑みが浮かんでいた。
「ほう、まだ、諦めないか」
「諦める?馬鹿言わないでください。この程度、300年前に時食いを封じたときには窮地とすら呼べませんでしたよ。あまり僕をなめないでください」
 そう言って不敵な笑みを浮かべるクロノ、その手がカードを引くためにデッキへと伸びる。
「僕のターンでしたね、ドローします」
 悠然とカードを引き、そして笑みを強める。
「引きましたよ。このカードで、あなたのその切り札を2枚とも、破壊しましょう」
 言い放ったクロノ、その目には絶対の自信が浮かんでいる。
「・・・・・・・・・・・」
 その言葉に対し、沈黙で答えるガイ、その言葉が真実だと思っているのか、それともただのハッタリと歯牙にもかけていないのか。おそらくは前者だろう。
「いきますよ。僕はこのカードを召喚します!」
 かざされた1枚のカード、閃光が走る。光が収まったとき、そこに立っていたのはひとりの男、赤い外套を身にまとい、白い髪を短く切りそろえ、その瞳はつぶっていて見えない。だが身にまとった魔力は、とても低レベルモンスターとは思えない。内包する魔力の量はレベル8クラスのモンスター並みだ。
「来なさい!複製者フェイカー―投影魔術師―!」
 自らの名を呼ばれたと同時に、その赤い外套の騎士は、その灰色の目を開いた。
「むぅ・・・・・・」
「いきますよ!複製者フェイカーの特殊能力発動!投影トレースです!」
 手をかざす紅の魔術師、次の瞬間、閃光が稲妻のように迸る。そして閃光が一際強く輝く!
 閃光が収まったとき、紅の魔術師の前にはなんと、ガイのグラビテーション・アーマーズそっくりのモンスターが存在していた。
「な!?こ、これは・・・・・・」
 驚愕のガイ、それはそうだろう。いきなり自分の切り札そっくりのモンスターが開いての場に現われたのだ。驚かないほうがおかしい。
「これがこのカードの能力です。このカードは召喚、特殊召喚時に相手の場か墓地にあるモンスターと同じ能力を持つトレーストークンを1体、特殊召喚するか相手の墓地にある魔法、罠カードを1枚手札に加えることができるのです。今回はあなたのグラビテーション・アーマーズを投影させていただきましたよ」

複製者フェイカー―投影魔術師― 光属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードは自分の場にモンスターがいる場合、召喚、特殊召喚できない。このカードが召喚、特殊召喚されたとき、次のうちどちらかひとつを選ぶ。
●相手の場か墓地にあるモンスターのその時点の攻撃力と守備力、レベル、属性、種族を持つトレーストークン(?族、レベル?、?属性、ATK???/DEF???)を1体特殊召喚する。
●相手の墓地にある魔法、罠カードを1枚手札に加える。

トレーストークン攻撃力3500守備力3500

「いきます!トレーストークンでグラビテーション・アーマーズに攻撃です!」
 飛び掛るクロノの鋼の巨人、それに呼応するように迎撃に出るのはガイの鋼の巨人、互いの拳が同時に打ち出され、お互いの体を貫く。
「これで、あなたの切り札は消滅しましたよ。一気に決めますよ!投影魔術師でボルケーノ・ディストラクション・アーマーを攻撃します!」
 両手に閃光が迸る。ひときわ強く輝いた後、紅の魔術師の両手には白と黒の夫婦剣が握られていた。
「いくぞ、ついてこれるか?」
 紅の騎士がそう呟いたとき、もうその姿は消え、ガイの右腕のアームストロングキャノンの近くへと移動していた。
「な!?」
 白と黒の無数の閃光が走り、ガイのアームストロングキャノンが轟音と共に崩れ落ちた。



あとがき
ヒール「なぁ、あれ、ちょっと強すぎないか?いくら召喚、特殊召喚時にしか使えないといっても、コストがないんじゃ・・・・・・・・」
ツキ「いや、あのキャラ好きなんですよ。ふぁてのなかで一番好きですね。それでつい、強くなってしまいました。これで残りは3つですね」
ヒール「なんつーか、もう何も言えなくなった自分が情けないよ・・・・・・・・」
Date: 2004/08/10


ACT118:合身
 最終戦第2戦、クロノVSガイ、ガイのアーマーデッキの前に苦戦を強いられるクロノ、現状打破を狙ったブラックマジシャンと拡散する波動のコンボも攻撃の無力化によって防がれてしまう。クロノはこの嫌な流れを断ち切ることができるのか・・・・・・・

クロノLP5500手札2枚
場 ブラックマジシャン(攻撃表示)
伏せ 1枚

ガイLP7000手札2枚
場 エナジー・ヘッド・アーマー(攻撃表示)、スパイクナックル・アーマー(攻撃表示)、ガンズシュート・アーマー(攻撃表示)、フェニックス・ウイング・アーマー(攻撃表示)、永続魔法:機械改造工場
伏せ 1枚

エナジー・ヘッド・アーマー 闇属性 ☆4 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の場に表側表示で存在するこのカード以外のアーマーモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
自分のターンのスタンバイフェイズに500ポイントのライフを支払う。支払わなければこのカードを墓地に送る。
このカードは場に1枚までしか存在できない。

スパイクナックル・アーマー 地属性 ☆4 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードが相手の守備モンスターに攻撃したとき、このカードの攻撃力がその守備モンスターの守備力を上回っていた場合、その数値分だけ相手にダメージを与える。

ガンズシュート・アーマー 炎属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。手札のカードを1枚捨てることで相手モンスターに700ポイントのダメージを与えることができる。このカードの攻撃力と守備力は変化しない。

フェニックス・ウイング・アーマー 光属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードが墓地に送られたターンのエンドフェイズ、このカードを表側攻撃表示で特殊召喚できる。次のターン、このカードは表示形式を変更することができない。このカードは魔法カードの効果によっては攻撃力、守備力が変化しない。

機械改造工場:永続魔法
自分のフィールド上に表側表示で存在しているもともとの攻撃力が500以下の機械族モンスターの攻撃力と守備力は1000ポイントアップする。

エナジー・ヘッド・アーマー攻撃力1000守備力1000
スパイクナックル・アーマー攻撃力2000守備力1000
フェニックス・ウイング・アーマー攻撃力1000

「己のターンだ、ドロー。まずは、エナジー・ヘッド・アーマーのライフコストを支払う」
 寡黙な巨漢はやはり静かにカードをドローする。
「強欲な壷を発動し、カードを2枚、ドローする」
 ここに来てのドロー強化カード、クロノはわずかに顔をしかめる。もっとも、表面上には代わりなどないように見えるが。
 さらにガイの指がカードを紡いでいく。
「フィールドカード、弱者の聖域を、発動する。このカードは、基本攻撃力500以下のモンスターを魔法、罠ゾーンにも召喚することが、できる、カードだ。もっとも、魔法、罠ゾーンに召喚されたモンスターは、強化することが、できないがな」
 フィールドが移り変わる。闇の中から小さな家が敷き詰められた町の情景へと。

弱者の聖域:フィールドカード
全てのプレイヤーはもともとの攻撃力が500以下のモンスターを魔法、罠ゾーンにも特殊召喚することができる。魔法、罠ゾーンに召喚されたモンスターは裏側表示にできず、攻撃力と守備力をアップさせることができない。

 弱者の聖域、このカードはアーマーカードとの相性が実にいいカードだ。これでまたクロノは不利になってしまった。さらにガイの戦術は止まらない。
「手札から、ミラー・シールド・アーマーを魔法、罠ゾーンに召喚する。ターンエンドだ」
 魔法、罠ゾーンの現われたのは鏡のように透き通った光を放つ水色の鎧。それがガイの体へと装着されていく。
「ミラー・シールド・アーマーは、ダメージ転換能力を持つ。うかつに攻撃を、すれば、ダメージを受けるのは、お前だ」
「・・・・・・・・厄介なカードを」
 ダメージ反射能力、まさにその名に相応しい鏡のような鎧だった。

ミラー・シールド・アーマー 水属性 ☆4 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードが戦闘を行うことによって受けるコントローラーへの戦闘ダメージは相手が受ける。このカードは攻撃することができない。

「ターンエンド」
「僕のターンですね、ドローします」
 カードを手札に加え、しばらく考えるクロノ。だがいい手が浮かばなかったらしく、そのまま何もせずにターンを明け渡した。

クロノLP5500手札3枚
ガイLP7000→6500手札2枚

「己のターン、ドロー。エナジー・ヘッド・アーマーの、ライフコストを払う」
 頭に装着しているヘルメットから生気を吸収されるガイ、だがその顔は鋼のように動かない。
「いくぞ、手札から魔法カード、グラビテーションスフィアを発動する」
 ガイが魔法カードを発動したとき、ガイのフィールドに黒い球体が現われた。
「これは!?」
「グラビテーションスフィアは、発動ターンのみ、手札のアーマーモンスターを、好きなだけ通常召喚することが、できるカードだ。このカードを使ったターンに、通常召喚した、アーマーモンスターの数だけ、お前はカードをドローできる。己は、手札からバースト・アーマーと、ヒーリング・アーマーを通常召喚する」
 ガイの手札を全て使い切って召喚されたアーマーモンスターは、黒い具足と白い具足、それぞれがガイの右足、左足へと装備された。これでガイの体は完全武装され、人間というよりもロボットのような外見となった。
 同時に、クロノは2枚のドローチャンスを得、手札を潤した。
「ターンエンド」

クロノLP5500手札5枚
ガイLP6500→6000手札0枚

バースト・アーマー 炎属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードが相手プレイヤーにダメージを与えたとき、さらに500ポイントのダメージを与える。

ヒーリング・アーマー 光属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。自分のターンのスタンバイフェイズに、800ライフポイントを得る。

バースト・アーマー攻撃力0→1000→2000守備力0→2000

「僕のターンです!ドロー!」
 気合と共にカードをドローするクロノ、だが先程のドローと同じく、現状打破のカードを引くことはできなかった。仕方なく、何もせずにターンを明け渡した。
「己のターン、ドロー。エナジー・ヘッド・アーマーの、ライフコストを支払うが、ヒーリング・アーマーの、効果で、ライフを回復する」
 厄介なことに、ヒーリング・アーマーの回復効果のおかげでエナジー・ヘッド・アーマーのライフコストが事実上消失、おまけに毎ターン、300ポイントのライフ回復を許してしまった。
 そしてこのときクロノは気づいた。引いたカードを確認したガイの目が、一瞬細くなったことに。
「手札から魔法カード、天よりの宝札を発動する」
「な!?」
 手札が0枚の状態からの大量ドローカード、なんという強運だろう。さらにまずいことに、クロノの手札は現在6枚、つまりガイのみが一方的にカードをドローできるのだ。一気に手札を潤したガイが、更なるカードを繰り出す。
「覚悟は、いいか?場に出ている、全てのアーマーモンスターを、除外し、グラビテーション・アーマーズを召喚する」
 突如、ガイが装着していたアーマーモンスターたちが着脱され、中空をまるで生あるもののごとく飛び回り、次々と合体していった。バースト・アーマーとヒーリング・アーマーが足となり、ミラー・シールド・アーマーが胴体、スパイクナックル・アーマーとガンズシュート・アーマーが両腕、ミラー・シールド・アーマーの背にはフェニックス・ウイング・アーマーが装着され、最後にエナジー・ヘッド・アーマーが頭となった。
「これは!?合体したのですか!?」
「その通り、だ。グラビテーション・アーマーズの、攻撃力は、合体の、パーツとなった、アーマーモンスター1体につき、500ポイントとなる。つまり、今のグラビテーション・アーマーズの、攻撃力は、3500、だ」
「・・・・・・・・・・・」
 攻撃力3500の怪物を前にし、クロノはただ黙って沈黙しているだけだ。
「攻撃」
 主の命令を受け、動き出す鎧の巨人、体をかがめ、一気にこちらへと向かってくる鎧の巨人、その巨大化こぶしが、クロノの最上級魔術師を狙っていた。
「させません!リバースカードオープン!マジカルシルクハット!」
 翻ったリバース、同時にブラックマジシャンの体を3つのシルクハットが覆い隠す。
「甘い」
 それはどういうトリックなのか、次の瞬間、ブラックマジシャンのみを守るはずだった3つのシルクハットが残らず消滅した。
「な!?そんな馬鹿な!?」
「グラビテーション・アーマーズは、バトルフェイズ中に限り、手札からカードを1枚、捨てることで、相手の発動した。魔法、罠の効果を、無効化できる」
「・・・・・・・ッ!」
 効果無効化能力、コストがあり、バトルフェイズに限るとはいえ、この効果はかなり厄介だ。グラビテーション・アーマーズの拳がブラックマジシャンの体を貫いた。
「ぐぅ・・・・・・・・ッ!」
 超過ダメージが、クロノを襲う。さらにクロノは今現在の彼の攻撃の要を失ってしまった。これにより、戦力が相当開いてしまった。
「ターンエンド」

グラビテーション・アーマーズ 光属性 ☆8 機械族:アーマー
ATK??? DEF???
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードは通常召喚できない。自分の場に出ている、アーマーモンスターを好きなだけ除外してのみ、特殊召喚できる。このカードの攻撃力と守備力は、このカードの特殊召喚時に除外したアーマーモンスターの数×500ポイントとなる。
バトルフェイズに相手が発動した魔法、罠カードの効果を手札からカードを1枚捨てることで無効化できる。

クロノLP5500→4500手札6枚
ガイLP6000→6300手札4枚

 この強大な敵を前に、クロノはどう対処するのか・・・・・・


あとがき
なんか今回クロノいいところない。しかもこの話ターン数ちっとも進んでないし。また長くなりそう・・・・・・すみません。m(_ _)m
Date: 2004/08/09


ACT117:障壁
 闇の中で対峙する人影は二つ、ひとつは黒い服に身を包んだ漆黒の魔術師使い、時の管理者黒の。もうひとりは、灰色の髪を持つ巨漢、7つの罪のひとつ、怠惰スロウスを背負う男、ガイ。互いの闘志は充分、後は戦いの開始を待つのみ。
「いくぞ」
「ええ、望むところですよ」
 必要以上を語らないガイに対し、あくまでクロノは笑顔で答える。
決闘デュエル!』
 ふたりの声が、木霊する。

クロノLP8000手札5枚
ガイLP8000手札5枚

「己の先行、ドロー。カードを2枚セットし、エナジー・ヘッド・アーマー召喚。ターンエンド」
 現われたのはヘルメットのような形状をした奇妙なモンスター。モンスターというよりも鎧の兜といったほうがいいかもしれない。それがガイの頭へと装着された。
「アーマーモンスター、初めて見ました」
 やや目を見開くクロノ、それもそのはず、アーマーモンスターはプレイヤー自身がモンスターを装備し戦うという特異なモンスターだ。さらにアーマーモンスターは1ターンに1体までしか攻撃することができず、使い勝手がいいとはいえないモンスター。だがこのアーマーモンスターを完璧に扱うことができれば、そのデッキは非常に強力なデッキとなるだろう。
「エナジー・ヘッド・アーマーは、自分のフィールドに存在する、アーマーモンスターの攻撃力を、1000ポイントアップさせる、効果を持つ」
「強化モンスターですか、厄介な・・・・・・・」

エナジー・ヘッド・アーマー 闇属性 ☆4 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分の場に表側表示で存在するこのカード以外のアーマーモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
自分のターンのスタンバイフェイズに500ポイントのライフを支払う。支払わなければこのカードを墓地に送る。
このカードは場に1枚までしか存在できない。

「僕のターンですね、ドローします。カードを1枚セットし、偏屈な預言者を召喚します!」
 召喚されたのは分厚い本を手に持った老魔術師、その目は外見のやりにやけに澄んでいた。
「偏屈な預言者は1ターンに1度、デッキのカードを3枚めくり、そのカードを自由に組み替えることができますここでその効果を発動させます」
 デッキのカードを3枚めくるクロノ、しばらく考えた後、カードを並び替えデッキに戻す。
「偏屈な預言者で攻撃です!」
 本を開き、その中に隠されていたナイフを投擲する老魔術師、投擲されたナイフがガイの頭に装着されているエナジー・ヘッド・アーマーへと投じられる。
「そうは、させない。リバースカードオープン、マグネットシールド、これでその攻撃を回避する」
 翻ったリバース、同時に、ガイの前に黒い粒のようなものが壁となって立ちはだかる。否、それは粒ではなく、砂鉄。砂鉄の壁だった。
「マグネットシールドは、機械族モンスターが攻撃対象になったとき、その攻撃を無効化する効果を持っている。さらに追加の効果でカードを1枚ドローする」
 預言者の投擲したナイフは砂鉄の壁に阻まれ、ガイのアーマーまで届かなかった。さらにガイの手札まで潤ってしまった。
「・・・・・・・ターンエンドです」
 短めの沈黙の後にターンを明け渡すクロノ。彼にしてみればこのターンの攻撃が通らないのは当然としても、手札を増やされたことは計算外だったのだろう。

偏屈な預言者 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1500 DEF1300
1ターンに1度、自分のデッキの上から3枚をめくり、そのカードを好きな順番で並べ替えることができる。その際、相手はめくったカードを確認できない。

マグネットシールド:通常罠
相手モンスターが機械族モンスターに攻撃したときに発動。その攻撃を無効化し、カードを1枚ドローする。

「己のターン、ドロー。エナジー・ヘッド・アーマーの存在コスト500ポイントを支払い、スパイクナックル・アーマーを召喚する」
 次の召喚されたアーマーモンスターは腕に装着するガントレットタイプ、ガイの右腕に装着された赤いガントレットは、こぶしの先端に棘がついており、強力そうだ。さらに厄介なことに、このカードもエナジー・ヘッド・アーマーの効果でパワーアップしている。
「さらに手札から永続魔法、機械改造工場を発動する。このカードは、基本攻撃力500ポイント以下の機械族モンスターの、攻撃力と、守備力を、1000ポイントアップさせるカード、だ」
「・・・・・・・・・・」
 発動された永続魔法にも、クロノはただ黙って沈黙を選んだ。

スパイクナックル・アーマー攻撃力0→1000→2000守備力0→1000
エナジー・ヘッド・アーマー攻撃力0→1000守備力0→1000

「スパイクナックル・アーマーで攻撃」
 外の右腕のガントレットがロケットパンチのごとく飛び、偏屈な預言者の体を貫く。
「ぐっ、ですがこの瞬間、リバースカードオープン!魂の綱!このカードでデッキから熟練の黒魔術師を特殊召喚します!」
 意思をつなぐ綱によって導かれたのは、大いなる可能性を秘めた黒魔術師、その杖がガイのアーマーモンスターへと向けられている。

スパイクナックル・アーマー 地属性 ☆4 機械族:アーマー
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードが相手の守備モンスターに攻撃したとき、このカードの攻撃力がその守備モンスターの守備力を上回っていた場合、その数値分だけ相手にダメージを与える。

機械改造工場:永続魔法
自分のフィールド上に表側表示で存在しているもともとの攻撃力が500以下の機械族モンスターの攻撃力と守備力は1000ポイントアップする。

クロノLP8000→7500→6500手札4枚
ガイLP8000→7500手札4枚

「ターンエンド」
 アーマーモンスターは1ターンに1体までしか攻撃できない。故にこれ以上の追撃を受けることがないのが唯一の救いだ。
「僕のターンです、ドロー」
 引いたカードを手札に加え、しばらく考え込むクロノ。
「(確かアーマーモンスターは互いを庇いあう効果を持っていたはず、ならばまずはあのスパイクナックル・アーマーを破壊する必要がありますね)熟練の黒魔術師に魔術の奥義書を装備させます!」
 黒魔術師に手渡されたのは魔術の奥義を記した著書、本より知識を吸収し、黒魔術師の攻撃力がアップする。

魔術の奥義書:装備魔法
魔法使い族にのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。このカードがフィールドから墓地に送られたとき、自分のデッキからレベル4以下の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚できる。

熟練の黒魔術師攻撃力1900→2400

「スパイクナックル・アーマーに攻撃です!」
 放たれる黒い矢、それが我先にとガイのガントレットへ殺到する。
「甘い、リバースカードオープン、月の書」
「しまった!そんなカードが!?」
 翻ったカードは夜をもたらす魔法の書物、月を描いた本が開かれ、そこから闇があふれ出る。闇に覆われた黒魔術師は裏側守備表示となる。
「・・・・・魔術の奥義書の効果を発動し、デッキから障壁の魔術師を守備表示で特殊召喚します」
 意思を伝える奥義書が選び出し、クロノのフィールドに現われたモンスターは、白いローブに身を包んだ女性の魔術師だった。その守備力は2000、そう簡単には崩せない。
「ターンエンドです」
 攻撃を防がれてしまっては打つ手はない。クロノは目を伏せターンを明け渡した。
「己のターン、ドロー。エナジー・ヘッド・アーマーのライフコストを、支払う」
 外が頭に装着したヘルメットから管が伸び、ガイの首筋へとつながれる。首筋から光が発せられ、ガイの生気の一部を抜き取る。
「ガンズシュート・アーマーを、召喚する」
 表れたのは黒光する新たなガントレット、それには小型の銃器のようなものが装備されていた。これはガイの左腕に装着された。
「このカードは手札を1枚捨てることで、相手プレイヤーに700ポイントのダメージを与える、カードだ。いけ、ガンズシュート・アーマー」
 外の左腕のガントレットに装備された銃口が火を噴く。吐き出された弾丸がクロノ自身へと飛来する。
 だがその弾丸は突然現われた不可視の障壁によってはじかれた。
「む?」
「残念でしたね、これは障壁の魔術師の効果です。このカードが表側表示で存在する限り、僕に戦闘ダメージ以外のダメージを与えることはできません」
「・・・・・ならば、スパイクナックル・アーマーで攻撃」
 再び放たれるロケットパンチ、それが裏側守備表示となった熟練の黒魔術師の体を貫く。
「ぐっ!?」
 予期せぬダメージに、クロノの顔に少量の驚愕の色が浮かぶ。
「スパイクナックル・アーマーは貫通能力を、持っている。無闇に、守備モンスターを、出せば、苦しむだけだ」
「くっ」
 これでクロノはうかつに守備力の低いカードを守備表示で場に出すことができなくなった。それはクロノがさらに追い詰められていることをさした。
「カードを1枚セットして、ターンエンド」
 ガイがエンドフェイズを宣言した瞬間、ガイの場に1対の白銀の翼が現われた。
「これは?」
「ガンズシュート・アーマーの効果で、手札を1枚捨てたとき、このフェニックス・ウイング・アーマーを捨てた。このカードは、墓地に送られたターンのエンドフェイズ、自分の場に、表側攻撃表示で特殊召喚できる」
「そんなカードが手札にあったのですか」

障壁の魔術師 光属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK600 DEF2000
このカードが場に表側表示で場に出ている限り、このカードのコントローラーはカードの効果ではダメージを受けない。

ガンズシュート・アーマー 炎属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。手札のカードを1枚捨てることで相手モンスターに700ポイントのダメージを与えることができる。このカードの攻撃力と守備力は変化しない。

フェニックス・ウイング・アーマー 光属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF0
自分がコントロールするアーマーモンスターは自分のターンに1体のみ攻撃宣言を行うことができる。自分の場に出ているアーマーモンスターが相手モンスターの攻撃対象になったとき、攻撃対象を自分の場に表側表示で存在する別のアーマーモンスターに移すことができる。このカードが墓地に送られたターンのエンドフェイズ、このカードを表側攻撃表示で特殊召喚できる。次のターン、このカードは表示形式を変更することができない。このカードは魔法カードの効果によっては攻撃力、守備力が変化しない。

フェニックス・ウイング・アーマー攻撃力0→1000

クロノLP6500手札4枚
ガイLP7500→7000手札2枚

「僕のターンです!ドロー!」
 引いたカードを確認した瞬間、クロノの目の色が変わる。
「(これなら!)手札から風変わりな賢者を特殊召喚します!」
 クロノの場に現われたのは、明るい服に身を包んだ白いひげを生やした老魔術師、その視線は眼前の敵ではなく、彼の隣で守備体制をとり魔術を行使している障壁の魔術師へと注がれている。その顔つきや雰囲気から感じるものは厳格さではなく、ひょうきんさだ。だがこれでも一応賢者らしい。
「このカードは場に女性型のモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚することができるのです。まぁ、要するにただの女好きのご老体なのですが・・・・・・・」
 やや申し訳なさそうなクロノ、だが気を取り直して次の手段へと移る。
「さらにこの2体のモンスターを生贄にささげ、ブラックマジシャンを召喚します!」
 クロノの場に降臨したのは最上級魔術師の称号を持つ黒魔術師、その厳しい眼差しが、眼前のアーマーモンスターたちへと注がれていた。そしてクロノの戦術はさらに加速する。
「手札から魔法カード、拡散する波動を発動させます!」
 手札から解き放たれた魔法カードは高位の魔法使いの力をさらに高める魔法カード、これにより、ブラックマジシャンは一時的に全体攻撃のスキルを得た。
「いきます!ブラックマジシャンでダイレクトアタック!ブラックマジック!」
 放たれる黒い稲妻、それがガイが装着しているアーマーモンスターへと迫る。だが・・・・・・
「甘い、よ。リバースカードオープン、攻撃の無力化」
「な!?」
 翻ったリバースカード、次の瞬間、放たれた黒い稲妻は空間の渦へと巻き込まれて消滅した。
「そう簡単に、己のモンスターは、破壊させない」

風変わりな賢者 光属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1600 DEF1300
このカードはフィールド上にカードの絵柄が女性のモンスターが存在するとき、このカードの召喚を特殊召喚にできる。

クロノLP6500→5500手札2枚
ガイLP7000手札2枚

「・・・・・・カードを1枚セットして、ターンエンドです」
 戦況は、クロノに厳しかった。


あとがき
アンケートのなかで一番面白そうだったアーマーデッキを使ったんですが、考えるのがなかなか大変ですねぇ・・・・・・・・・orz
Date: 2004/08/07


ACT116:その不死は偽り
 リディアの切り札、深緑の賢龍―エルヴンドラゴネス―の一撃により、セスのライフは0になりリディアの勝利かと思われた。
 だが、セスはまだ切り札を隠し持っていた。彼は最後にリバースカード、擬態開放を発動させ、自らを不死の蟲使いというモンスターにしたのだ。
 他者の命を喰ら永遠に生き続けるこのモンスターを相手に、リディアはどう立ち向かうのか。

リディアLP2300手札4枚
場 フィールドカード:森
伏せ 1枚

セス(不死の蟲使い)LP0手札6枚
場 不死の蟲使い(攻撃表示)、羊トークン(守備表示)×2、永続魔法:暗殺の報酬
伏せ なし

不死の蟲使い 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK2300 DEF2600
このカードは擬態開放の効果でのみ特殊召喚することができる。
このカードが表側表示で存在する限り自分はライフが0になってもデュエルに敗北しない。
このカードがフィールド上で表側表示で存在する限り、このカードのコントローラーのライフは回復しない。
このカードはコントロールを変更できない。
このカードが破壊されたとき、自分のフィールドのモンスターを1体除外することでこのカードの破壊を無効化できる。
自分のフィールドに存在するモンスターをX体生贄にささげる。生贄にささげたモンスターの合計レベル以下のレベルを持つ相手フィールド上の表側表示モンスターをすべて破壊する。この効果を使ったターン、自分はバトルフェイズをスキップする。
このカードが場から離れたとき、このカードのコントローラーの敗北が決定する。

暗殺の報酬:永続魔法
自分のフィールドに存在する暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、自分はカードを1枚ドローする。

擬態開放:速攻魔法
自分のライフが0になったときに発動。自分の手札、デッキ、墓地から不死の蟲使いを1体、特殊召喚できる。

 いまや醜い老人と化したセス、その瞳がリディアを見て笑っていた。はっきりいって気味が悪い。リディアも怯えたような目をしている。
「私のターン!ドロー!」
 怯えを断ち切るかのようにカードを引くリディア。だが彼女の今の手札ではあの不死のモンスターを倒すことは難しい。さらに彼女の切り札、深緑の賢龍―エルヴンドラゴネス―は不死の蟲使いによって破壊され、ジンから譲り受けた幻影の英霊剣士もセスの切り札のひとつ、無音の死神―サイレント・アサシン―との相打ちで墓地にある。つまり、今の彼女には切り札級のモンスターが存在していないのだ。一応、かつて月鬼衆の幹部のひとり、戒淵との決闘を制したカード、エルフの聖女―ラピス―があるが以下の彼女の能力でもこの状況であの蟲使いを倒すことはできない。
「モンスターをセットして、ターンエンド!」
 結果、リディアはモンスターで壁を作り、耐えるしか手はなかった。
「僕のターンだ。ドロー」
 引いたカードを見て笑みを作るセス、実に醜悪な笑みだ。
「手札から抹殺の使徒を発動する。これで君のその守備モンスターは除外される」
「な!?」
 まさに最悪の一手、白銀の鎧に身を包んだ騎士の一閃が、リディアの守備モンスター、巨大ネズミの体を両断する。そしてこれでリディアを守るモンスターは0となった。
「さて、これで終わりかな?僕自身で、君に攻撃!」
 攻撃宣言の一瞬後、セスの体が崩れ、彼の体を構成している無数の蟲へと姿を変える。その異形の蟲たちが一斉にリディアへと襲い掛かる。だがリディアの前に張られた淡いブルーの障壁が、蟲たちの進行を抑えていた。
「これは?」
「リバースカードオープン!ホーリーライフバリアー!これでこのターン、私にダメージは届かない!」
 防御系罠カードの最上級カード、リディアが伏せていたカードはまさにそれだった。
「ふーん、まだ諦めないのか。ターンエンド」
 余裕の表れなのか、セスはカードも伏せずにカードを明け渡しだ。だがそれはリディアにとっては好都合だ。もしも彼女が攻勢に転じられたとき、彼が伏せたカードによって阻まれるのだけは避けたい。もっとも、現時点では攻勢に転じることなどできないのだが・・・・・・
「私のターン!ドロー!」
 引いたカードは魔法石発掘、手札2枚と引き換えにすでに使った魔法カードを再利用できるカード。迷わず使用し、墓地にある天よりの宝札を手札に加えた。天よりの宝札を加えた直後、当然使用。一気に手札を潤す。
「(まだだめ、このカードじゃない)私はカードを1枚セットしてターンエンド!」
 攻め手が思い浮かばないのか、リディアはカードを1枚セットしただけでターンを明け渡した。
「僕のターンだね、ドロー」
 ドローしたカードを手札に加え、スタンバイフェイズへと移行するセス、そしてこの瞬間、リディアのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!覇者の一括!これでこのターン、バトルフェイズはスキップされる!」
 翻ったリバース、覇者から放たれた一括により恐れをなしたモンスターたちはこのターン、あらゆる戦闘行動を行うことができなくなった。
「・・・・・カードを1枚セットしてターンエンド」
 仕方なく、カードを1枚セットするだけでターンを明け渡すセス。そしてターンは再びリディアへとめぐってくる。
「妖精の施し発動!このカードは手札から魔法カードを1枚捨てることでカードを2枚引くことのできるカード!私は手札から勇気の旗印を捨て、カードを3枚ドローする!」
 1枚の魔法カードと共にカードをドローするリディア、ここで起死回生、もしくは延命策になるカードを引かなければ十中八九リディアの負けだ。このドローカードで、彼女の運命が分かれる。

妖精の施し:通常魔法
手札の魔法カードを1枚捨てる。自分はカードを3枚ドローする。

1枚、2枚、3枚、カードを引き手札に加える。だが彼女の顔は浮かないままだ。どうやら目当てのカードは引けなかったらしい。
「(大丈夫、まだチャンスはある)カードを1枚セットして、速攻魔法、リロード発動!」
 次に彼女が発動したカードは手札総入れ替えの魔法カード、完全に運頼みになってしまうがここでなんとしても状況を変えることのできるカードを引くしかない。
 デッキのシャッフルが終わり、リディアの手に次々とカードが握られていく。その数は5枚、果たして彼女はここで自らの運命を勝ち取ることができるのか・・・・・・・・
 手札が5枚揃う。そして・・・・・・・
「手札から速攻魔法、月の書発動」
「!?」
 発動したカードはモンスター1体を裏側守備表示へと変化させるカード。対象は勿論、不死の蟲使い。そしてこのカードは、この蟲使いにとって天敵だった。ここでこのモンスターが守備表示となってしまったとき、その瞬間にセスの敗北は決定する。
「させないよ!リバースカードオープン!マジック・ジャマー!」
「ッ!」
 翻ったのは魔法無効の効果を持つカウンター罠カード、呪印からでは妨害魔力が、リディアが発動した月の書を無効化する。
「残念だったね。しかも今捨てたカードは3枚目の深淵の暗殺者ナイト・アサシン、これで僕の手札は減らない!」
 つまり、リディアが放った魔法は完全に無効化されてしまったのだ。
 にもかかわらず、このハーフエルフの少女の顔には笑みが浮かんでいた。
「掛かったわね、月の書は囮よ」
「囮、だと・・・・・・?」
 なんと、リディアは蟲使いの天敵カードを囮として使用したというのだ。
「あなたを倒す本当のカードはこれよ!出てきて!エルフの聖女―ラピス―!」
 輝く光と共に現われたのは、金のローブに身を包んだ金の髪と瞳をしたエルフの少女、否、その身にまとった雰囲気は少女というより聖女のものだ。その瞳が他者を踏みにじる不死者を見つめていた。
「なるほど、確かにそのカードは強力だね。僕なんかじゃ一瞬で滅ぼされるだろう。でも僕には不死の能力がある。いくら強力な攻撃でも、それがただの攻撃じゃ僕は倒せないよ」
 そう、この蟲使いの老人は他者がいる限り何度でもその身を再構成し、蘇るのだ。だがリディアの顔に刻まれた笑みは崩れない。
「そうね、でも、そんなのは不死でも何でもない。他者に依存しなければならない不死なんて偽りよ!私がそれを証明してあげる!」
 高々に宣言するリディア、それに対し、セスは冷笑を浮かべたままだった。
「そう、じゃぁやって見せてごらんよ、このターンの中で!でないと、君が僕を殺すよ!」
「ならやってあげるわ!あなたの不死がいかに脆いか、このカードで証明する!」
 そしてリディアのリバースが翻る。
「魔法カード、フェザーレイン!」
 解き放たれた魔法カード、そして、エルフの聖女の体が更なる光を放つ。
「これは!?」
「フェザーレインは発動ターン、私の場に出ている光属性モンスターを生贄にささげて、そのモンスターの攻撃力以下の相手モンスターをすべて破壊するカード!これならあなたも復活できないでしょう?」
「ッ!そんなカードが!」
 驚愕のセス、そして聖女の背中に羽根が生まれる。やがて聖女の全身から強烈な光が放たれ、聖女の体が光と共に弾けた。弾けた光の破片が弾丸となり、セスの場に降り注ぐ。
 弾丸が羊トークンを、そしてセス自身である不死の蟲使いの体を貫く。
「ば、馬鹿な。僕が、ここで消える?そんな、そんな!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 絶叫、その声を断末魔として、罪のひとつ、傲慢プライドはこの世から消滅した。

エルフの聖女ラピス 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK??? DEF???
このカードが墓地から特殊召喚できない。
このカードの攻撃力と守備力はすべてのプレイヤーの手札とフィールドに存在するカード、モンスターの数×300ポイントとなる。

フェザーレイン:通常魔法
1500ポイントのライフを支払い自分の場に表側表示で存在する光属性モンスターを1体生贄に捧げる。
生贄にささげたモンスターの攻撃力以下の相手の場に出ている表側表示モンスターをすべて破壊する。

エルフの聖女―ラピス―攻撃力4500守備力4500

リディアLP2300→800
セスLP0、不死の蟲使い消滅。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/08/06


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