トップ > 遊戯王小説 > 皆様の小説 > 小説

願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

ACT115:不死の蟲使い 2004/08/05
ACT114:滅びない、暗殺者 2004/08/04
ACT113:無音を切り裂け! 2004/08/04
ACT112:闇の中から伸びる腕 2004/08/03
ACT111:暗殺者 2004/08/03
ACT110:役者は揃った 2004/08/02
ACT109:ある男の話 2004/08/01
ACT108:処刑天使 2004/08/01
ACT107:虐殺者 2004/07/29
ACT106:激突、天使VS堕天使 2004/07/27


ACT115:不死の蟲使い
 幻影の英霊剣士により、セスの切り札、無音の死神―サイレント・アサシン―は倒されたかに見えた。だがセスはリバースカードの肉体形成を発動させ、サイレント・アサシンを復活させ、即死の毒手によって攻撃力を3400までに昇華させた。今、闇の中から髑髏の死神が美麗の剣士に襲い掛かる。

リディアLP2300手札1枚
場 幻影の英霊剣士(団結の力装備、攻撃表示)
伏せ 1枚

セスLP2100手札3枚
場 無音の死神―サイレント・アサシン―(即死の毒手装備、攻撃表示)、永続魔法:暗殺の報酬、フィールドカード:闇
伏せ なし

幻影の英霊剣士 闇属性 ☆6 戦士族:効果
ATK2400 DEF1900
このカードは自分の場にこのカードしか存在しない場合でしか召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
自分の場にカードが存在せず、相手の場にモンスターが3体以上存在する場合、このカードは生贄なしで通常召喚することができる。
このカードは攻撃対象にならない、攻撃することができないモンスターにも攻撃することができる。
このカードは相手からの魔法カードの対象にならない。

無音の死神―サイレント・アサシン― 闇属性 ☆7 戦士族:効果
ATK2400 DEF2300
このカードはフィールドが闇のとき、相手からの魔法、罠、モンスターの効果、攻撃の対象にならない。また魔法使い、悪魔、天使、機械族モンスター以外の表側表示モンスターへの攻撃は必ず成功する。(攻撃中に対象を指定しない罠や魔法によって破壊される場合、先に戦闘を行い、ダメージステップ終了後に破壊される)

暗殺の報酬:永続魔法
自分のフィールドに存在する暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、自分はカードを1枚ドローする。

肉体形成:通常罠
自分のフィールド上に存在するモンスターが破壊されたときに発動。自分のフィールドのすべてのモンスターをゲームから除外し、破壊されたモンスターを攻撃力を600ポイントアップさせた状態で特殊召喚する。自分のフィールドに、破壊されたモンスター以外のモンスターが存在しない場合、このカードは発動できない。

即死の毒手:装備魔法
カード名に暗殺者、またはアサシンとついたモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は400ポイントアップし、装備モンスターと戦闘を行った天使、悪魔、機械、アンデット族モンスター以外のモンスターは、ダメージステップ終了時に破壊される。

無音の死神―サイレント・アサシン―攻撃力2400→3000→3400

「これで終わりだ!サイレント・アサシン、幻影の英霊剣士に攻撃!」
 闇の中から美麗の剣士に襲い掛かる髑髏の暗殺者、だがこの瞬間、リディアのリバースカードが翻った。
「リバースカードオープン!士気上昇!」
「!?」
 翻ったリバース、同時に、美麗の剣士の戦闘に対する士気がわずかながら奮い立つ。
「士気上昇は、エンドフェイズまで私の場に出ているモンスターは私の場に出ているモンスター1体につき、攻撃力が200ポイントアップする!これで幻影の英霊剣士の攻撃力は3400ポイント!あなたの暗殺者と互角よ!」

士気上昇:速攻魔法
自分の場に出ているすべてのモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまで自分の場に出ているモンスターの数×200ポイントアップする。

幻影の英霊剣士攻撃力3200→3400

「!?しまっ!」
 あわてて制止の声をかけるがもう遅い、髑髏の暗殺者はもう攻撃態勢に入ってる。
 闇の中から投擲される短剣を、剣士は持ち前の剣捌きですべて叩き落す。だが投擲された短剣は囮、本命は闇の中から身をかがめて遅い来る髑髏の暗殺者本人。下方から迫り来る暗殺者に、美麗の剣士は気づかない。髑髏が笑う。そして、拘束されていたその呪いの左腕を解き放つ。
 続いて響いたのは、肉を引き裂く音と骨を砕く音。髑髏の暗殺者の左腕は、間違いなく美麗の剣士の心臓を貫き、彼の陣羽織を朱に染める。
「ぐ・・・・・・・・ッ!」
 苦しげな息を漏らす剣士、その様を見て、髑髏の暗殺者はさらに笑う。
 だが、笑みを浮かべていたのは何も暗殺者だけではない。今しがた、心臓を貫かれた剣士もまた、苦しげならも確かに笑っていた。そして暗殺者ははじめて気づく、剣士の手に、まだ刀が握られていることに。
「!?」
 あわててそこから離脱しようとする髑髏の暗殺者、だが動けない。剣士が自らの体を貫いた腕をつかんでいたのだ。
「古典的なやり方だが、肉を切らせて骨を絶つ。散るがいい、暗殺者!」
 刹那、電光石火の勢いで放たれた刺突が、髑髏の暗殺者の顔面を両断した。
「ガッ!」
 短めな断末魔を残して消えていく暗殺者、だが美麗の剣士も致命傷だ。これでは消滅は免れない。
 その様子を、リディアが痛ましげな瞳で見つめる。
「ごめんなさい。私は、こうなることが解っていてこのカードを伏せた」
「いやなに、気にすることはないぞ我が主よ。そなたの為にならば、敵と共に朽ちるもまた本望。さらばだ」
 うつむく少女にそう告げて、美麗の剣士は消滅した。
「・・・・・・・・・・・カードを1枚セットして、ターンエンド」
 今度こそ、切り札を失い、意気消沈するセス。リディアも多少なりともショックを受けたようだ。
 だがまだ戦いは続いている。リディアは自らを奮い立たせるように前を向き、デッキに手をかける。
「私のターン!ドロー!天よりの宝札発動!」
 はたして、引き当てたカードは最強のドロー効果を持つ手札増強魔法、これにより、お互いの手札が一気に潤う。一気に増えた手札を見渡し、リディアが1枚のカードを抜き放つ。
「死者蘇生!対象は私の墓地にある深緑の賢龍―エルヴンドラゴネス―!」
「な!?そうか、天使の施し!そのときに捨てていたのか!」
 死者を蘇らせる奇跡が発動し、光と共にリディアの場に森の守り神でもある賢龍が現われた。深緑のうろこに知性をたたえた黒い瞳、まさに賢者。そんな龍が降臨した。

深緑の賢龍―エルヴンドラゴネス― 地属性 ☆8 ドラゴン族:効果
ATK2200 DEF2600
自分の場と墓地にある、エルフ、またはエルヴンと名のつくモンスター1体につき、このカードの攻撃力は200ポイントアップする。また、フィールドが森の場合、自分の場に出ている、エルフ、またはエルヴンと名のつくカードはすべて、相手プレイヤーの罠の効果を受けない。

「エルヴンドラゴネスは墓地と場にあるエルフ、エルヴンと名のつくモンスター1体につき、その攻撃力を200ポイントアップさせる!今、私の墓地と場にあるこの効果に該当するモンスターは10体!よって攻撃力2000ポイントアップ!」
 咆哮をあげる賢龍、その体に、エルフたちの力が注がれる。

深緑の賢龍―エルヴンドラゴネス―攻撃力2200→4200

 爆発的に攻撃力を上げた賢龍、この攻撃が通ればセスのライフは0になるだろう。もっとも、そうやすやすとセスが攻撃を通すとは思えないが。
 リディアの指が更なるカードを抜き放つ。
「さらに!フィールドカード、森を発動!」
 フィールドが一気に移り変わる。すべてを覆いつくす闇から、生命を育む森へと。
「これで終わりよ!エルヴンドラゴネスの攻撃!スパイラルディダスター!」
 賢龍の、その巨大な翼が風を巻き起こし、風はやがて渦へと、渦はやがて竜巻へと変化し、竜巻は刃となってセスへと襲い掛かる!
「くっ、リバースカードオープン!」
 翻るセスのリバース、だが竜巻の刃はまったく衰えない。
「無駄よ!エルヴンドラゴネスの第2の効果、フィールドが森の場合、エルフたちは罠カードの効果を受けない!いっけぇー!」
 リバースもむなしく、竜巻の刃がセスの体をなぎ払った。

リディアLP2300手札4枚
セスLP2100→0手札6枚

「これで、私の勝ちよ!」
 吹き飛ばされ、倒れ伏すセス。その様は確かに死んでいるようだ。
 だが状況は突然変化した。突如、セスの体が崩れ始めたのだ。否、よく見れば崩れた破片はすべて小さな蟲だった。
「な!?」
 その様に、驚愕の声を上げ後ずさりするリディア。無理もない。いきなり人が蟲になったのだから。やがて蟲たちは一箇所に集まりだし、その体を重ね、融合させ、ついには人型となった。
 それはひとりの老人だった。杖をつき、和服に身を包んでいるがその肌の色は普通の人間とは違いやや灰色が掛かっていた。そしてそのくぼみのような目から白い光が炯炯と輝いていた。
「やれやれ、出来ればこの姿はさらしたくなかったんだけどな」
 驚くべきことに、その老人は紛れもなくセスの声で喋ったのだ。セスの声は若い少年のものだ。とても老人の声帯で出るようなものではない。
「な!?どうして?」
「驚くことはない。これが僕の本当の姿。普段はこのカードで僕とこの体を切り離しているんだよ」
 そう言って老人、セスは墓地の1番上のカードを手に取った。
「擬態開放、このカードの名前さ。このカードで切り離した僕とこの体がひとつになる条件は、僕のライフが0になること。この瞬間、この戦いの君の勝利条件が変化したんだ。君の勝利条件は僕を倒すこと。僕のライフを0にすることではなくてね。そして僕はセスというプレイヤーではなく不死の蟲使いというモンスターとなる」
「どういう、こと・・・・・?」
「つまり、今の僕はモンスターなんだよ。で、君は僕を破壊すれば勝利を得られる。わかったかい?」
「・・・・・・つまり、まだ勝負は終わってない」
「そういうこと、さぁ、続きをやろう。まだ君のターンだよ」
「・・・・・・カードを1枚セットして、ターンエンド」
「僕のターン、ドロー」
 相手のライフじゃ0になっているにもかかわらず続いている決闘、この異様な事態に、リディアはどう対処するのだろうか。
「スケープゴート発動。ターンエンド」
 以外にも、セスはただトークンを生み出すカードを使っただけでターンを明け渡した。
「私のターン、ドロー!」
 戸惑いを断ち切るようにカードをドローするリディア、そして手札を見渡す。復活したセスは、モンスターとして考えるとその攻撃力は2300、今、彼女の場に出ている賢龍の敵ではない。火かもフィールドは森だ。これで彼女のモンスターは罠もきかない。だというのにセスは悠然としていた。もっとも、姿は老人なのでよくわからないが。
「(決めた。攻めてみよう)エルヴンドラゴネスで攻撃!スパイラルディダスター!」
 再び放たれる竜巻の刃、それが再びセス、否、不死の蟲使いの体を粉々に吹き飛ばす。
「これで!」
「いや、まだだよ」
 聞こえたのは間紛れもなくセスの声、そして不死の蟲使いの破片が蟲となり、近くの羊トークンへと飛びついていく。そして蟲たちが羊に食いついていく。愛嬌のある眠った羊が不気味な形をした蟲たちにその体を食い破られていく様はなかなか凄惨な光景だった。
「な!?」
 やがて羊を食べつくした蟲たちは再びひとつとなり、元の老人の形をとる。
「これが僕の能力、僕が破壊されたとき、僕の場に出ているモンスターを1体除外することで僕は復活できるんだ」
 他の生命を犠牲にして命を保つ能力。この蟲でできている老人はそうして生き延びているのだ。
「・・・・・・・ターンエンド」
 意気消沈しながらターンを明け渡すリディア、そして次のターン、この蟲の老人の能力がそれだけではないことを痛感する。
「僕のターンだね、ドロー。死者蘇生発動、蘇生させるのは無音の死神―サイレント・アサシン―だ」
 再びセスの場に現われる髑髏の暗殺者、だが今回、フィールドは闇ではない。故にこの暗殺者も闇にまぎれることができず、その能力を制限される。
「そしてここで僕の二つ目の効果を発動させよう」
「え?」
 二つ目の効果、その言葉に思わず身構えるリディア。そしてその変化は唐突に起こった。突如、髑髏の暗殺者と羊の1体の体が崩れだしたのだ。否、崩れたのではない。体が無数の無視に変化したのだ。
「な!?これは!?」
「これが僕の第2の能力、自分の場に出ているモンスターを生贄にささげ、生贄に捧げたモンスターのレベル以下のレベルを持つ相手表側表示モンスターをすべて破壊できるのさ。いけ!僕の分身たちよ!」
 一斉に襲い掛かる蟲の大群、それが森を守る賢龍を飲み込む。響くのは捕食音、そして蟲たちが去った後には何も残らなかった。
「この効果を使ったターン、僕はバトルフェイズを行うことができない。ターンエンドだ」

擬態開放:速攻魔法
自分のライフが0になったときに発動。自分の手札、デッキ、墓地から不死の蟲使いを1体、特殊召喚できる。

不死の蟲使い 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK2300 DEF2600
このカードは擬態開放の効果でのみ特殊召喚することができる。
このカードが表側表示で存在する限り自分はライフが0になってもデュエルに敗北しない。
このカードがフィールド上で表側表示で存在する限り、このカードのコントローラーのライフは回復しない。
このカードはコントロールを変更できない。
このカードが破壊されたとき、自分のフィールドのモンスターを1体除外することでこのカードの破壊を無効化できる。
自分のフィールドに存在するモンスターをX体生贄にささげる。生贄にささげたモンスターの合計レベル以下のレベルを持つ相手フィールド上の表側表示モンスターをすべて破壊する。この効果を使ったターン、自分はバトルフェイズをスキップする。
このカードが場から離れたとき、このカードのコントローラーの敗北が決定する。

 他者の命を喰らい、不死となるモンスター。リディアはこのモンスターを倒し、勝利をつかむことができるのだろうか・・・・・・


あとがき
妖怪出しちゃったよ。orz
アイディア出ちゃったよ・・・・・・・・・orz
Date: 2004/08/05


ACT114:滅びない、暗殺者
 闇の中から襲い掛かる暗殺者たち、この窮地を切り抜けるためにリディアはジンから授かったカード、幻影の英霊剣士の召喚に成功。闇の中に息を潜める無音の死神―サイレント・アサシン―を打ち倒すことに成功した。

リディアLP3800手札1枚
場 幻影の英霊剣士(団結の力装備、攻撃表示)
伏せ なし

セスLP5200→4400手札4枚
場 バーサク・アサシン(攻撃表示)、影使いの暗殺者(攻撃表示)、フィールドカード:闇、永続魔法:暗殺の報酬
伏せ 1枚

影使いの暗殺者 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1800 DEF1700
このカードはフィールドが闇のとき、1ターンに1度、自分のフィールドにシャドウマリオネットトークン(闇属性、☆4、戦士族、攻???/守???)を1体、特殊召喚できる。このトークンの攻撃力と守備力はこのカードの攻撃力と守備力と同じになる。効果発動ターンのエンドフェイズに、特殊召喚したトークンは破壊される。

バーサク・アサシン 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK2300 DEF200
このカードが攻撃する際、自分は手札からカードを1枚捨てる。また、このカードは相手プレイヤーにダメージを与えることができない。

暗殺の報酬:永続魔法
自分のフィールドに存在する暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、自分はカードを1枚ドローする。

幻影の英霊攻撃力2400→3200

 体を両断され、崩れ落ちるように消え去る髑髏の暗殺者、ゆっくりと消えていく暗殺者を目にし、セスは愕然としていた。
「なんで、攻撃対象にならないサイレント・アサシンを攻撃できたんだい?」
「この程度の気配の遮断、我が心眼を持ってすれば、見切るのは造作もない」
 思わず口から出た言葉に答えたのは闇の中の暗殺者を切り捨てるという芸当を成し遂げた美麗の剣士、その顔には誇れる色は微塵もない。ただ事実を述べているだけだ。
「攻撃対象にならないモンスターすらも攻撃できるモンスター。そんなモンスターがいたなんてね・・・・・・」

幻影の英霊剣士 闇属性 ☆6 戦士族:効果
ATK2400 DEF1900
このカードは自分の場にこのカードしか存在しない場合でしか召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
自分の場にカードが存在せず、相手の場にモンスターが3体以上存在する場合、このカードは生贄なしで通常召喚することができる。
このカードは攻撃対象にならない、攻撃することができないモンスターにも攻撃することができる。
このカードは相手からの魔法カードの対象にならない。

「これで形勢逆転ね」
 会心の笑顔を浮かべるリディア、だがセスは先程のような愕然とした表情から立ち直り、笑みを浮かべた。
「形勢逆転ね、そうでもないかもしれないよ?リバースカードオープン!肉体形成!」
「え!?」
 翻ったセスのリバース、そしてセスのフィールドに異変が起こる。彼のフィールドのモンスターの体が急に溶け出したのだ。
「な、なにこれ!?」
「ふふふ、肉体形成はね、モンスターが破壊されたとき、僕の場に出ているすべてのモンスターを除外して破壊されたモンスターを攻撃力を600ポイントアップさせた状態で復活させることができるのさ。さぁ、死から這い上がれ!サイレント・アサシン!」
 溶け合ったふたりの暗殺者の体が混ざり合い、やがて肉体が形成される。そして彼女の前に再び髑髏の暗殺者が現われた。
「・・・・・・・ッ!」
「まだまだ、そう簡単に主導権は握らせないよ」
 やはり、罪のひとりだけあってセスはなかなかペースをリディアに明け渡さなかった。
「・・・・・・ターン終了」
 仕方なしにターンを明け渡すリディア、だが彼女の場には団結の力によってパワーアップした美麗の剣士が存在している。まだ完全に彼女に流れが来ているわけではないが、流れはわずかながら彼女に傾きかけている。

肉体形成:通常罠
自分のフィールド上に存在するモンスターが破壊されたときに発動。自分のフィールドのすべてのモンスターをゲームから除外し、破壊されたモンスターを攻撃力を600ポイントアップさせた状態で特殊召喚する。自分のフィールドに、破壊されたモンスター以外のモンスターが存在しない場合、このカードは発動できない。

無音の死神―サイレント・アサシン― 闇属性 ☆7 戦士族:効果
ATK2400 DEF2300
このカードはフィールドが闇のとき、相手からの魔法、罠、モンスターの効果、攻撃の対象にならない。また魔法使い、悪魔、天使、機械族モンスター以外の表側表示モンスターへの攻撃は必ず成功する。(攻撃中に対象を指定しない罠や魔法によって破壊される場合、先に戦闘を行い、ダメージステップ終了後に破壊される)

無音の死神―サイレント・アサシン―攻撃力2400→3000

「僕のターンだね、ドロー。いくらパワーアップしたといっても僕のサイレントアサシンはまだ君のその剣士には勝てない。そこで僕はカードを1枚セットして、モンスターをセット、ターンエンド」
 闇の中から浮かび上がるのは2枚の裏側カード、この状況ではうかつに攻撃できない。
「私のターン!ドロー!」
 気合と共にカードをドローするリディア、彼女の手札は1枚、ここでモンスターを引かなければ攻めきれないかもしれない。
 だが引いたカードはモンスターカードではなかった。これでは攻めることはできない。
(どうしよう、まだあの気持ち悪い暗殺者の攻撃力は私の英霊よりも低いから、攻めるなら今だけど。あのリバースカードは間違いなく罠よね。でもこのままにしておいたら相手が新しい装備カードを引いたら私の負け・・・・・・・)
 罠を警戒し、思い悩むリディア、やがて考えが決まったのか、行動に移る。
「(決めた!ここで逃げたら勝利なんて程遠いわ!)幻影の英霊剣士で、サイレント・アサシンを攻撃!お願い!」
「まかせろ!」
 疾走する美麗の剣士、その異常な長さの長刀が髑髏の暗殺者を捕らえる瞬間、セスのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!シフトチェンジ!」
「な!?」
 リバースが翻ると同時、長刀の切っ先がずれ、対象が髑髏の暗殺者から謎の守備モンスターへと変化した。
「掛かったね、守備モンスターは深淵の暗殺者ナイト・アサシンだ。リバース効果が発動し、君のその剣士を破壊する!」
「!?」
 死していく暗殺者の体から無数の死霊があふれ出す。死霊たちは我先にと美麗の剣士へと殺到していく。この死霊の波を受けたら、以下に英霊といえども消滅は免れない。
「くっ!手札から速攻魔法、我が身を盾に発動!」
「チッ、まだそんなカードを持っていたのか!」
 手札から発動された速攻魔法、リディアはライフを犠牲いにし、文字通り我が身を盾にして美麗の剣士を守った。
「すまんな、恩に着る」
「大丈夫よ、これくらい。それよりあなたはあの気持ちの悪い暗殺者を倒すことに集中して。あいつを倒せるの、私のデッキじゃあなただけなんだから」
「うむ、心得たぞ、我が主よ」
 その顔に微笑を浮かべ、美麗の剣士は再び前を向く。

リディアLP3800→2300手札1枚
セスLP4400手札4枚

「ターンエンドよ」
 手がない以上、無駄にターンを流すわけにはいかない。仕方なくターンを明け渡すリディア。この手札の差はいかんともしがたい。
「僕のターンだ、ドロー。今のコンボで終わったと思ったんだけど、意外としぶといね。カードを1枚セットしてターンエンドだ」
 再びセットされるカード、これで再びリディアは攻撃がしづらなった。
「私のターン、ドロー。魔法カード、森の民の願いを発動させるわ」
「森の民の願い?」
 疑問の声を上げるセス、どうやら彼の知らないカードのようだ。
「森の民の願いはね、自分の墓地にエルフモンスターは存在するとき、デッキのカードを2枚捨ててカードを2枚ドローできるカード。私はこれでカードを2枚引いて、デッキのカードを2枚墓地に送るわ」
 墓地のカードを捨てるという、ややリスキーな効果を持つカード。だがその代償として彼女の手札が潤い、戦術の幅が広がっていく。
「エルヴンウィザード召喚!」
 現われたのは、物語などで魔法使いが着ているような服を着たエルフ、その顔つきはまだ幼さが残っている。その攻撃力は1500、中堅どころの能力だ。
「エルヴンウィザードは墓地に存在するエルフと名のつくモンスターの数だけその攻撃力を100ポイントアップさせる!今、私の墓地にあるエルフモンスターは8枚、よって攻撃力800ポイントアップ!」
 死した同胞からの力を受け、エルフの魔法少女はその力を高めていく。

エルヴンウィザード攻撃力1500→2300

「同時に、団結の力の効果で幻影の英霊剣士の攻撃力アップ!」

団結することで、美麗の剣士はその力をさらに高めた。

幻影の英霊剣士攻撃力3200→4000守備力2700→3500

「エルヴンウィザードでダイレクトアタック!」
 エルフの少女が手にした杖からカラフルな色合いの魔法弾を連射する。
「くっ、(このリバースは、こんな中級モンスターに使うべきものじゃない!)」
 連続で直撃する魔法弾に、歯を食いしばって耐えるセス、そしてこの決闘ではじめて、リディアはセスにまともなダメージを与えた。
「(攻撃が通った!と言うことはあのカードは囮?なら!)さらに!幻影の英霊剣士でサイレント・アサシンに攻撃!」
 3度目の激突にいたる美麗の剣士と髑髏の暗殺者。だがこの戦いを邪魔するように、セスのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!強欲な幻影、悪いね、手札を増やさせてもらうよ」
「な!?」
 幻影によって攻撃をはずさせられた美麗の剣士、そしてさらにセスの手札が増えてしまった。
「・・・・・・・カードを1枚セットして、ターンエンド」

森の民の願い:通常魔法
自分の墓地にカード名にエルフ、エルヴンと名のつくモンスターが4枚以上存在するときに発動可能。
カードを2枚ドローする。その後、デッキのカードを上から2枚、墓地に送る。

エルヴンウィザード 光属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1500 DEF1300
このカードは自分の墓地に存在するカード名にエルフと名のつくモンスター1体につき、攻撃力が100ポイントアップする。

強欲な幻影:速攻魔法
相手モンスター1体の攻撃を1度だけ無効化する。その後、あなたはカードを1枚ドローする。

リディアLP2300手札1枚
セスLP4400→2100手札5枚

 再び防がれた戦闘、リディアに焦りの色が浮かぶ。
「僕のターンだ。ドロー」
 引いたカードを確認し、セスの顔に笑みが浮かんだ。
「手札から魔法カード、ブラック・コアを発動して君のそのエルフの魔法使いを除外しよう」
 突然空間に穴が開き、エルフの魔法少女はその穴に吸い込まれてしまった。同時に、団結の力が弱まり、美麗の剣士の攻撃力、守備力がダウンする。

幻影の英霊剣士攻撃力4000→3200守備力3500→2700

「これで終わりだ。手札から装備魔法カード、即死の毒手を装備させる。このカードは暗殺者にしか装備できないんだけど、装備モンスターの攻撃力を400ポイントアップさせ、さらに装備モンスターと戦闘を行ったモンスターをエンドフェイズに破壊する効果を持つ、最強の毒剣さ」
 髑髏の暗殺者のその異形の左腕がぬらりと光る。腕に毒が塗られたのだ。

無音の死神―サイレント・アサシン―攻撃力3000→3400

「これでその剣士の攻撃力を上回ったね。さぁ、サイレント・アサシン、幻影の英霊剣士に攻撃!」
 闇の中、無音の死神が、美麗の剣士へと飛び掛る。


あとがき
今回の決闘はだいぶ長くなりそうですね。次回、決着です。果たして勝つのはどっちでしょう。それと人気投票のほう、投票お願いします。どうにも投票数が少ないです。
Date: 2004/08/04


ACT113:無音を切り裂け!
 闇に覆われたフィールドから繰り出された最凶の暗殺者モンスター、無音の死神―サイレント・アサシン―、セスの切り札であるこのカードの攻撃により、窮地に立たされたリディア。果たして彼女に逆転の術はあるのか・・・・・・・

リディアLP3800手札3枚
場 なし
伏せ なし

セスLP5200手札3枚
場 無音の暗殺者―サイレント・アサシン―(攻撃表示)、永続魔法:暗殺の報酬、フィールドカード:闇
伏せ 1枚

無音の死神―サイレント・アサシン― 闇属性 ☆7 戦士族:効果
ATK2400 DEF2300
このカードはフィールドが闇のとき、相手からの魔法、罠、モンスターの効果、攻撃の対象にならない。また魔法使い、悪魔、天使、機械族モンスター以外の表側表示モンスターへの攻撃は必ず成功する。(攻撃中に対象を指定しない罠や魔法によって破壊される場合、先に戦闘を行い、ダメージステップ終了後に破壊される)

暗殺の報酬:永続魔法
自分のフィールドに存在する暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、自分はカードを1枚ドローする。

 追い込まれたリディア、だが彼女はまだ諦めてはいない。今は目して耐え、逆転の策を練っている。
「私のターン!ドロー!」
 逆転の策は必ずあると信じ、カードをドローするリディア、だが無情にも、カードはその思いに答えてはくれなかった。
 一応、サイレント・アサシンは攻撃の対象にはならないため、あの髑髏の暗殺者がセスのフィールドに存在していてもあのカード1枚ならばダイレクトアタックを仕掛けることはできる。
 だがあの1枚のリバースカードが攻撃をためらわせていた。あの少年のことだ、そう簡単にダイレクトアタックは決めさせてはくれないだろう。
「(決めた。ここで守りに入ったら一気にやられるもんね)エルフの従者召喚!」
 召喚に応じたのは、高位の位につくエルフに仕える従者、そして次なる戦術が展開される。
「エルフの従者は、自身を生贄にすることでデッキからレベル4以下のエルフを特殊召喚することができる!来て!エルフの騎兵!」
 エルフの従者が、その身を捧げて呼び出した新たなエルフ、それは毛並みのいい白馬に乗ったエルフの騎士だった。騎士の目は臆することなく闇へと向いていた。
「エルフの騎士が特殊召喚されたことで私の手札にある疾風のエルヴンジャッカルを特殊召喚!」
 一気に2体のモンスターを場に並べるリディア、そのどちらもがサイレント・アサシンには及ばないがリディアはこのターン、セスにダメージを与えることを第一目標としたようだ。
「2体のモンスターで攻撃!いって!私のエルフたち!」
 エルフが誇る騎馬兵と、俊足のスピードを持つジャッカルが闇を突き破り、セスへと肉迫する。
「甘い甘い、リバースカードオープン!攻撃の無力化!」
「な!?」
 翻ったリバース、それと同時に、2体のエルフモンスターの攻撃が時空の渦へと吸い込まれて消えた。
「・・・・・・・ッ!」
「残念、この闇を突き破ろうとした勇気は認めるけど、この僕にはそう簡単には触れさせないよ」
「・・・・・・・カードを1枚セットして、ターン終了」
 このターンの攻撃も失敗に終わったリディア、このまま終始セスのペースで終わってしまうのか・・・・・・

エルフの従者 地属性 ☆2 戦士族:効果
ATK500 DEF600
表側表示のこのカードを生贄にささげる。デッキからレベル4以下のカード名にエルフ、エルヴンと名のつくカードを1枚、特殊召喚できる。

エルフの騎兵 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK2000 DEF1500
このカードが相手プレイヤーに与えるダメージは半分になる。
このカードが守備モンスターを攻撃したとき、そのモンスターの守備力よりもこのカードの攻撃力が勝っていた場合、その数値分相手にダメージを与える。

疾風のエルヴンジャッカル 風属性 ☆3 獣族:効果
ATK1200 DEF800
自分の場にモンスターが特殊召喚されたとき、手札からこのカードを特殊召喚することができる。
また、特殊召喚されたモンスターがエルフと名のつくモンスターだった場合、このカードは相手ターンでも特殊召喚できる。

「僕のターンだね、ドロー。バーサク・アサシンを召喚するよ」
 セスが新たに召喚した暗殺者、それもまた異様な造形だった。
 全身を拘束するかのような黒いベルト、その赤い目は狂気でぎらぎらと輝いている。その両腕は信じられないほどに膨張している。その攻撃力は2300、下級モンスターの中でもトップクラスだ。
「バーサク・アサシンは相手プレイヤーにダメージを与えることができない。おまけに攻撃するたびに手札を1枚捨てなきゃならないんだけど、まぁこっちは手札にある2枚目の深淵の暗殺者ナイト・アサシンのコンボがあるから問題はないね。攻撃だ」
 主人からの攻撃命令を受け、飛び掛るように襲い掛かる狂気にとらわれた暗殺者、その異形の腕が、エルフの騎兵を捉える瞬間、リディアのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!和睦の使者!これでこのターンの戦闘ダメージは無効よ!」
 薄いバリヤーのようなものに守られ、リディアのエルフたちは無傷だった。悔しそうに歯噛みするバーサク・アサシン
「ふーん、まだまだ諦めてないみたいだね。僕はこれでターンエンドだ」

バーサク・アサシン 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK2300 DEF200
このカードが攻撃する際、自分は手札からカードを1枚捨てる。また、このカードは相手プレイヤーにダメージを与えることができない。

「私のターン!ドロー!」
 エンド宣言とほぼ同時、間髪入れずにカードを引くリディア。引いたカードは強欲の壷、ドロー強化カードの典型だ。早速使用し、戦術の幅を広げる。
「さらに天使の施しを発動!カードを3枚ドローして2枚捨てる!」
 ここにきて回り始めるリディアのデッキ、そして彼女の手札に大きな変動が訪れる。
 めまぐるしく変化し立て札を眺め、次に闇を見つめるリディア、否、性格にはその闇の中に潜むあの髑髏の暗殺者を・・・・・・・・
(相変わらず、近くにいるはずなのに気配は全然感じない。でも、今引いたこのカード、さっきジンからもらったこのカードなら、あの暗殺者も倒せる。けどまだ駄目、このカード、思ったよりも召喚条件が厳しい・・・・・・・・もう少し耐えないと・・・・・・)
 手札を見渡し、思考を進めるリディア、やがて打つ手が決まったのか、顔を上げる。
「(今はこのカードで凌ぐしかなさそう。運がよければ次の私のターンで召喚できそう)私はモンスターをセットして他のモンスターをすべて守備表示に変更するわ。ターンエンド」
「ずいぶん考えていたみたいだけど、その割にはぱっとしない戦術だね」
「ほっといて、ちゃんと考えてるのよ」
「そう、それじゃぁ僕のターンだ。ドロー。影使いの暗殺者を召喚しよう。このカードは影ができる空間、つまりフィールドが闇のとき、自分のフィールドにシャドウマリオネットトークンを召喚できる。さぁ、その力を使え!影使いの暗殺者!」
 召喚されたのは黒い服に身を包んだ黒髪の長髪男、その男の足元の影が蠢き、独立する。だけではない、独立した影がさらに蠢き、立体となり、人型となった。もう影ではなく立派な人型だ。
「シャドウマリオネットトークンはエンドフェイズに破壊されるけどその攻撃力は本体である影使いの暗殺者と同じ、影使いの暗殺者の攻撃力は1800だからシャドウマリオネットトークンも攻撃力は1800だね。影使いの暗殺者、シャドウマリオネットトークン、それぞれ守備表示のエルフの騎兵、疾風のエルヴンジャッカルに攻撃!」
 ふたりの暗殺者が飛び掛り、それぞれが手にした短剣によってリディアのモンスターはそれぞれ切り捨てられた。
「さらに、バーサク・アサシンで守備モンスターに攻撃」
 狂気の暗殺者がその圧倒的な膂力でリディアの守備モンスターを押しつぶそうとする。だが守備モンスターは残像を残してその場から離脱した。
「え!?」
「残念ね、この守備モンスターは翻弄するエルフの剣士よ。攻撃力1900以上のモンスターとでは戦闘では破壊されない!」
 会心の笑みを浮かべるリディア、だがセスはそのさらに上を行っていた。
「そう、でも関係ないね。サイレント・アサシン、攻撃だ」
「え?」
 再び動き出す髑髏の無音の暗殺者、闇の中から3本の黒いナイフを投擲する。だが以下に早く、視認しにくいとはいえただの物理攻撃でしかない一撃翻弄能力を得たエルフの剣士に効くはずがない。エルフの剣士は残像を残してその場から離脱した。だがその直後、闇から伸びた異形の左腕がエルフの剣士の心臓を握りつぶした。
「な、なんで!?」
「これがサイレント・アサシンの第2の能力、サイレント・アサシンの呪いの左腕による攻撃は物理攻撃じゃない。その左腕の呪いによる魔術攻撃だ。魔術耐性の高い魔法使いや天使、悪魔、呪いなどに無縁の機械族モンスターならいざ知らず、それ以外のモンスターへの攻撃は必ず成功する。たかがエルフの翻弄能力ごとき出この攻撃を交わすことはできないよ」
「・・・・・・・・・ッ!」
 うつむくリディア、万策尽きたということか・・・・・・
「これでもう君の対抗手段は尽きたかな?まぁいい、暗殺の報酬の効果でカードを1枚ドローし、カードを1枚セットしてターンエンドだ」

影使いの暗殺者 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1800 DEF1700
このカードはフィールドが闇のとき、1ターンに1度、自分のフィールドにシャドウマリオネットトークン(闇属性、☆4、戦士族、攻???/守???)を1体、特殊召喚できる。このトークンの攻撃力と守備力はこのカードの攻撃力と守備力と同じになる。

 打ちのめされたリディアを見て満足げに笑うセス、だが次の瞬間、その顔は笑みから怪訝な表情へと変化した。
「?何がおかしいんだい?」
 そう、リディアは笑っていたのだ。相手の場に3体ものモンスターが存在し、自らを守るものが何一つない、この状況で、それでも彼女は笑っていたのだ。不適に、まっすぐ前を見て。
「私の戦術通りにことが進んだからよ。まぁ、翻弄するエルフの剣士が破壊されたのは予想外だったけど」
 すべては予想通り、このハーフエルフの少女は人類の罪に向かってそう言い放った。
「へぇ、じゃぁ見せてよ。この状況を覆せる君の戦術を」
 セスの言葉に1枚のカードを掲げるリディア。
「このカード、強力なんだけど、召喚条件が結構厳しいのよ。でも、あなたのおかげで何とかなったわ。いくわよ!幻影の英霊剣士召喚!」
 先行と共に現われたモンスター、否、それをモンスターといってもいいのか・・・・・・その姿はまさに美麗の剣士、腰まで届く青の髪をひとまとめにし、その身を包むは陣羽織、ジパングの歴史を紐解けば、彼と同じような服装を度々目にすることができるはずだ。そして、その手には異常な長さを誇る長刀が握られている。そしてその長刀も、ジパングの歴史を紐解けば目にすることができるかもしれない。それは、その存在すらも怪しい架空の英雄が愛用していたという燕すらも断ち切ることができる長刀、この美麗の剣士は、その刀を手にしていたのだ。美麗の剣士が目を開ける。
「ほう、闇にまぎれての攻撃か、無粋だな・・・・・・・」
 その口ぶるからこぼれる言葉も、姿形と同じく美しかった。その瞳がリディアへと向けられる。
「ふむ、此度の我が主はそなたか、ふふ、なかなかに可憐だな。よかろう、我が刀、そなたのために振るおう。命令を、我が主よ」
 再び闇を見据え、構える美麗の剣士。その攻撃力は2400、闇の中に潜む髑髏の暗殺者と同等だ。
「このカードは私のフィールドにモンスターが存在しないときにしか召喚、反転召喚、特殊召喚できない。まぁ、自分のフィールドにモンスターがなくて、相手の場にモンスターが3体以上いるときに限っては、生贄なしで召喚できるんだけどね。さらに!幻影の英霊剣士に団結の力を装備!攻撃力アップ!」

幻影の英霊剣士攻撃力2400→3200

「お願い!サイレント・アサシンに攻撃して!」
「御意」
 一言、そして構える美麗の剣士、その目が、闇を見つめ、その唇が言葉をつむいだ。
「構えよ、でなければ死ぬぞ、暗殺者よ」
「ギッ!?」
 闇の中、かすかに気配が動く、次の瞬間、美麗の剣士は動いた。
「受けよ、秘剣―燕返し―!」
 放たれた斬撃は4つ、うち3つは縦横背後と、髑髏の暗殺者の体を囲い、逃げ道を防ぐために使われる。そして、残る4撃目、その銀光が奔り、闇に身を潜めていた髑髏の暗殺者の体を両断する。
「ガ・・・・・・・・ッ!」
 髑髏の仮面が割れる。その下も、髑髏のような面だった。



あとがき
ヒール「なぁ作者、質問なんだけどよ」
ツキ「なんですか?」
ヒール「今回、ずいぶんとあのカードの描写に力が入ってたよな?なんでだ?」
ツキ「ああ、それは、僕の文章力じゃ短い文章で彼の特徴を伝えることができなくて・・・・・・・・あれくらい書かないと幻影の英霊の元ネタ解らないんじゃないかと思いまして・・・・・・・」
ヒール「なるほど、だがその後に出した技名のせいでわかる人にも、わからない人にも元ネタはわかってしまったと思うが?」
ツキ「はぅ!?」
ヒール「墓穴を掘ったな。とりあえず、これで後は3つか。なんだか結構いけそうだな・・・・・・・」
ツキ「うぅ・・・・・・・幻影の英霊の効果は次回に記載します・・・・・・・」
Date: 2004/08/04


ACT112:闇の中から伸びる腕
 最終戦第1戦、リディアVSセス、セスの闇の中から繰り出される暗殺者たちにやや押されぎみのリディア、セスの暗殺者たちがリディアのモンスターに襲い掛かる中、リディアのリバースが翻った。

リディアLP6000手札4枚
場 守備モンスター1体
伏せ 1枚

セスLP6000手札3枚
場 闇夜の暗殺者(攻撃表示)、演奏の女暗殺者(攻撃表示)、永続魔法:暗殺の報酬、フィールドカード:闇
伏せ なし

闇夜の暗殺者 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1500 DEF1400
フィールドが闇のとき、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

暗殺の報酬:永続魔法
自分のフィールドに存在する暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、自分はカードを1枚ドローする。

演奏の女暗殺者 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1600 DEF1300
このカードはフィールドが闇のとき、相手の罠カードの対象にならず、また、カードの効果では破壊されない。

 殺到する暗殺者たち、その瞬間、暗殺者たちの前に光の壁が立ちはだかった。
「な!?」
「リバースカードオープン!聖なるバリア―ミラーフォース―!」
 暗殺者の攻撃が跳ね返され、暗殺者自身へと襲い掛かる!
「これであなたのモンスターは全滅・・・・・・・ッ!?」
 リディアの喝采が上げられる瞬間、リディアの守備モンスター、エルフの斥候が女暗殺者の放った弦によって貫かれた。
「嘘、なんで!?」
「演奏の女暗殺者はね、フィールドが闇のとき、カードの効果では破壊されないのさ」
「・・・・・・・・ッ!」
 リディアはエルフの斥候の遺言能力でデッキから防御障壁に優れたエルフ、ホールーエルフを特殊召喚した。勿論守備表示だ。
「暗殺者が君のモンスターを破壊したから僕はカードを1枚ドローするよ。そしてカードを1枚セットしてターン終了」

エルフの斥候 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1200 DEF700
このカードが場から墓地に送られたとき、自分のデッキの攻撃力1000以下のエルフと名のつくモンスターを1体特殊召喚できる。

「私のターン!ドロー!」
 負けじとカードをドローするリディア、そしてその指が次なる戦術を紡いでいく。スタンバイフェイズに入り、先程から彼女を苦しめてきたアサシン・オブ・ナイトメアの効果によってリディアに毒による苦痛を与える。もっとも、この毒もこのターンで消えるのだが。

アサシン・オブ・ナイトメア 闇属性 ☆4 戦死族:効果
ATK1900 DEF1550
このカードの攻撃力を永続的に1000ポイントダウンさせることでこのカードは相手からの魔法、罠カードの効果を受けない。
このカードが直接攻撃に成功したとき3ターンの間、相手のスタンバイフェイズ時に500ポイントのダメージを与える。

リディアLP6000→5500手札5枚
セスLP6000手札3枚

 痛みに顔をしかめながらもその指は戦術をつむぐことをやめない。
「ホーリーエルフを生贄にささげて、エルフの皇帝召喚!」
 現われたのはエルフたちを束ねる若き皇帝、その宝石剣がセスの暗殺者へと突き出される。エルフの皇帝は激励によってエルフたちの攻撃力を底上げする能力を持つ。自身もエルフなので彼の攻撃力もアップするのだ。

エルフの皇帝 光属性 ☆5 戦士族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードが表側表示で存在する限り自分の場に出ているエルフと名のつくモンスターはすべて攻撃力が400ポイントアップする。このカード以外にエルフと名のつくカードが存在する場合、相手はこのカードを攻撃できない。

エルフの皇帝攻撃力1900→2300

「これで演奏の女楽師の攻撃!」
 エルフの皇帝が手にした黄金の剣で楽師の暗殺者に斬りつける。
「だからそう簡単には攻撃は通さないって、リバースカードオープン!憑依魔術!」
 翻ったリバース、それと同時に演奏の女暗殺者の体が煙となって消えていく。否、それは煙ではなく、死霊。死霊は弾丸のごとく勢いで殺到し、エルフの皇帝の体内へと入り込んだ。と同時に、エルフの皇帝が膝をつく。その顔はひどく苦しそうだ。
「な、なにこれ!?」
「憑依魔術はね、発動時にモンスターを1体生贄に捧げ、生贄にささげたモンスターのもともとの攻撃力分相手モンスター1体の攻撃力をダウンさせるんだよ。これで君の皇帝はひどく弱体化したね」
「・・・・・・・・・・ッ!」

エルフの皇帝攻撃力2300→700

 弱りながらもマスターの命令に従い敵であるセスに刃を切りつけるエルフの皇帝、だがその一撃は弱弱しく、とても大きなダメージは与えられない。

憑依魔術:速攻魔法
自分のフィールドに存在するモンスターを1体生贄に捧げる。相手フィールド上のモンスター1体を生贄にささげたモンスターのもともとの攻撃力分ダウンさせる。

リディアLP5500手札4枚
セスLP6000→5300手札3枚

「・・・・・・カードを1枚セットしてターンエンド」
 打つ手のないリディア、そのままカードを1枚セットしてターンを明け渡す。
「僕のターン、ドロー」
 闇の中、その指が絶望の旋律を紡いでいく。
「まずは天使の施し、カードを3枚ドローして2枚捨てるよ」
 オーソドックスな手札交換カード、だがこのカードはただの手札交換カードではなかった。
「捨てたカードの中には深淵の暗殺者ナイト・アサシンだ。このカードの効果を使用して僕は墓地に落ちたもう1枚の深淵の暗殺者ナイト・アサシンを手札に加える」
 深淵の暗殺者ナイト・アサシンが2枚あることでできる無限コンボ、これにより手札の消費を1枚までなら永続的に減らすことができるのだ。
「さて、いくよ。手札から魔法カード、早すぎた埋葬を発動。これで天使の施しの効果で墓地に送ったダブルコストンを蘇生させる」
 蘇生カードによって再びこの場に戻ったのは、施しの効果で場に出ることなく墓地へと送られた哀れなカード。この場面でこのカードが出てきたということは、間違いなく上級モンスターの召喚だろう。リディアもそのことを理解しているようで、その体を身構えた。
「いくよ、ダブルコストンを生贄にささげて、おいで!無音の死神―サイレント・アサシン―!」
 生贄によって導かれたモンスター、その外見は異様だった。否、闇の中でその姿はよくは見えない。だがその闇の中、浮かび上がるもの、それは白い髑髏だった。
 細長い黒い肉体の顔に当たる部分、そこに髑髏の仮面が縫いつけ、左腕には黒い拘束布のようなものが幾重にもまかれていた。異様、否、もはや異形という言葉のほうが相応しい風貌だ。闇の中に浮かび上がる髑髏、その視線がリディアを捕らえたとき、髑髏は確かに笑った。見るものに恐怖を抱かせずにはいられない、おぞましい笑みを。
「ッ!」
 2歩ほど後ろに後ずさるリディア、心臓を鷲掴みにされるような感覚だったのだろう。
「ふふふ、これぞ暗殺者たちの頂点に立つモンスター、この闇は彼の領域、この闇は彼の狩場、そして君はこの狩場に迷い込んだ獲物。狩られる恐怖に身を震わせながら、散っていくがいい。サイレント・アサシン、攻撃だ」
 すると髑髏が闇の中へと消えていく。ぶちぶちという彼の左腕の拘束具が引きちぎられる音が響く、拘束具を引きちぎって出現したもの、それは幾重にも折りたたまれた左腕、それが一気に引き伸ばされる。その長さ、一体常人の何倍の長さがあるのだろうか・・・・・・・
 一瞬の静寂。
 その静寂を突き破り、闇の中から突如として飛び出したその異形の左腕。その異形がエルフの皇帝の心臓をつかみ取る瞬間、リディアのリバースが翻る。
「リバースカードオープン!炸裂装甲リアクティブアーマー!これでそのモンスターを破壊する!」
 攻撃モンスターを問答無用で破壊する罠カード、だが・・・・・
「え?」
 何かを砕き、引き裂く音が響く、見るとリディアの場のエルフの皇帝の体にサイレント・アサシンのその異形の左腕が埋没していた。
「な、なんで・・・・!?」
 この決闘中、何度目かの困惑の声、セスはそれに含み笑いを交えて答える。
「サイレント・アサシンはフィールドが闇のとき、相手からの魔法、罠、モンスターの効果、攻撃の対象にならない。無音無臭で完全に気配を立つこの暗殺者に、単体を対象とするあらゆる術が通用するはずがない」
 確かに、闇にまぎれたあの異形の暗殺者、近くにいるはずなのに気配を感じることができない。
「さてと、アサシンがモンスターを破壊したから暗殺の報酬でカードをドローして、カードを1枚セット、ターンエンドだ」

無音の死神―サイレント・アサシン― 闇属性 ☆7 戦士族:効果
ATK2400 DEF2300
このカードはフィールドが闇のとき、相手からの魔法、罠、モンスターの効果、攻撃の対象にならない。また魔法使い族モンスター以外の表側表示モンスターへの攻撃は必ず成功する。(攻撃中に対象を指定しない罠や魔法によって破壊される場合、先に戦闘を行い、ダメージステップ終了後に破壊される)

リディアLP5500→3800手札3枚
セスLP6000→5200手札3枚

 闇の中、無音の暗殺者がリディアへと襲い掛かる。


あとがき
ツキ「●●ン登場、残り4体」
ヒール「もう、とことん我が道を行っているな」
ツキ「この物語中に残りの4体も出します。出して見せます」
ヒール「ということはあの2体に対する妥協案が見つかったのか?」
ツキ「はい、見ててください」
Date: 2004/08/03


ACT111:暗殺者
 罪のひとつ、傲慢プライド、それを背負う少年、セス。それと対峙するのはハーフエルフの少女、リディア。互いの闘志は今、最高潮に達していた。
「いくよ!」
「絶対に、負けないんだから!」
決闘デュエル!』
 互いの声が、木霊する。

リディアLP8000手札5枚
セスLP8000手札5枚

「僕の先行だ、ドロー。モンスターをセットしてターンエンドだ」
 先行1ターン目、セスはリバースを何も伏せずにターンを明け渡した。何か策があるのだろうか・・・・・・・
「私のターン!ドロー!」
 引いたカードを手札に加え、リディアはすぐさま行動に移す。
「カードを1枚セットして、エルフの呪い師召喚!」
 彼女の場に現われたのは、黒いローブに身を包んだ女性のエルフ、全身を黒で包んだ彼女の肌が見える部分は顔の下半分だけだ。
「攻撃!」
 攻撃命令を受け、ローブのエルフの手にした杖から光が発せられる。光はやがて弾丸となり、セスの守備モンスターへと殺到する。
「ふふふ、残念だったね。守備モンスターは深淵の暗殺者ナイト・アサシンさ、リバース効果が発動して君の呪い師を破壊する!」
 光の弾丸を受け、砕け散る暗殺者の体。だが完全に砕け散る刹那、暗殺者の体から無数の死霊の怨念が飛び出し、エルフの呪い師へと殺到する。呪い師は死霊をまともに浴び、見る見るうちに朽ちていった。
 だがリディアの顔に焦りの色はない。むしろ不敵な笑みを浮かべていた。
「ぐっ!?な、に?」
 突如、セスの顔が苦痛に歪む。当の本人は一体何が起こったのか解らないといった感じだ。
「残念だったのはあなたのほうかもね。エルフの呪い師はカードの効果で破壊されたとき、相手プレイヤーに1000ポイントダメージを与えることができるのよ」

エルフの呪いし 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1500 DEF1200
このカードがカードの効果で破壊されたとき、相手プレイヤーに1000ポイントのダメージを与える。

「くっ、なるほど、こちらの効果を逆手に取られたか・・・・・・・」
「私はこれでターンエンド」

リディアLP8000手札4枚
セスLP8000→7000手札5枚

 ターンを明け渡すリディア、だが決して状況がいいわけではない。彼女の場に彼女を守るモンスターはいない。確かに先のターンでライフを削ることには成功したが彼女が払った代償も決して安くはないのだ。
「僕のターンだね、ドロー。さて、いこうかな。カードを1枚セットして、アサシン・オブ・ナイトメアを召喚する」
 現われたのは笑うピエロのメイクを顔に施した奇妙な男。その顔以外の体の部分は黒い衣装で身を包んでいる。その手に握られているのはぬらりと光短刀。おそらく毒だろう。攻撃力は1900、なかなか強力そうだ。
「このカードは永続的に攻撃力を1000ポイントダウンさせることで相手の発動する魔法や罠の効果を受けなくすることができる。僕はこの効果を使って攻撃する。いきな!アサシン・オブ・ナイトメア!」

アサシン・オブ・ナイトメア攻撃力19000→900

 身をかがめるピエロの暗殺者、次の瞬間、弾丸のごとき速さでリディアへと肉迫する。速過ぎる。リバースカードを発動するタイミングすらない。
 すれ違いざまに肩口を切りつけられるリディア。
「あう!」
 思わず悲鳴が漏れる。しかも、この悪夢の暗殺者の攻撃はそれだけにとどまらなかった。
「アサシン・オブ・ナイトメアが相手にダイレクトアタックを決めたとき、相手に3ターンの間、毒による苦痛を与える。これで君は3ターンの間。500ポイントのダメージを受けることになる」
「な!?」
 後からやってくる毒によく苦痛、暗殺者の名は伊達ではなかった。

アサシン・オブ・ナイトメア 闇属性 ☆4 戦死族:効果
ATK1900 DEF1550
このカードの攻撃力を永続的に1000ポイントダウンさせることでこのカードは相手からの魔法、罠カードの効果を受けない。
このカードが直接攻撃に成功したとき3ターンの間、相手のスタンバイフェイズ時に500ポイントのダメージを与える。

リディアLP8000→7100手札4枚
セスLP7000手札4枚

「ターンエンド」
「私のターン、ドロー」
「君のスタンバイフェイズに入ったね。さぁ受けな、毒による苦痛を」
 次の瞬間、ピエロの暗殺者の与えた毒がリディアに牙を剥いた。
「くっ」
 激痛に目をつぶる、だがすぐにその目はセスへと向けられる。
「へぇ、いい目だね。まだまだ諦めてないか」
「当たり前じゃない。まだまだ決闘は始まったばかりなんだから。私はヂェミナイエルフを召喚して、攻撃!」
 召喚とほぼ同時にセスへと肉迫する双子のエルフ、彼女たちの波状攻撃はそう簡単にかわせるものではない。
「そう簡単に攻撃は通さないよ!リバースカードオープン!ダークホール!」
 翻ったリバース、そして双子のエルフたちの前に黒い穴が出現した。
「これは!?」
 ダークホールは相手攻撃モンスターを1体ゲームから除外する罠カード!このカードで君のその双子のエルフを除外するよ!」
 だが、リディアは不敵な笑みを浮かべ、自らのリバースカードを表に翻した。
「カウンター罠発動!トラップ・ジャマー!」
「え!?」
 翻ったリバース、なんとそれは罠破壊の罠だった。
「まさか、さっき何も伏せなかったのはブラフ!?」
 そう彼女はあの確実にダイレクトを受けるという状況下で、なんとリバースを攻撃を止める、またはダメージを最小限に抑えられるように攻撃を止められない罠をあたかも攻撃を防ぐための罠のように伏せていたのだ。
 罠を破壊する呪印が現われ、黒い穴は瞬く間に収束していった。そして双子のエルフの魔法による波状攻撃が、ピエロメイクの暗殺者を葬った。
「まさか、ここまで駆け引きができるようになっていたとはね。ちょっと君の事を甘く見てたか」

リディアLP7100→6600手札4枚
セスLP7000→6000手札4枚

ダークホール:通常罠
相手が攻撃を宣言したときに発動、相手攻撃モンスター1体をゲームから除外する。このカードはデッキ、サイドデッキに1枚しか入れられない。

「ターンエンドよ」
「僕のターンだ、ドロー」
 引いたカードを見て笑みを作るセス、その指が引いたカードを抜き取る。
「まずはフィールドカード、闇を発動させよう」
 解き放たれたカード、するとあたりに闇が漂いだし、ただでさえ暗かったフィールドは、もう相手の顔の判別すら難しいほどの暗闇となった。
「暗殺者たちが、その力を最も発揮できる空間、当然それは闇のなかだよねぇ?僕はさらに闇夜の暗殺者を召喚する」
 現われたモンスターは闇が邪魔をしてよく見えない。だがかすかに見えるのは黒いラバースーツに身を包み、金色に光る瞳からは機械のような精密さ以外は何も感じられなかった。
「闇夜の暗殺者はフィールドが闇のとき、その攻撃力を500ポイントアップさせることができる。さらに僕は永続魔法、暗殺の報酬を発動させる。このカードは暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、カードを1枚ドローできるカードだ。いきな!闇夜の暗殺者!」
 闇にまぎれることで、暗殺能力を高めた暗殺者は双子のエルフたちの首を手にした半月刀で切り落とした。

闇夜の暗殺者攻撃力1500→2000

「暗殺の報酬の効果でカードを1枚ドローして、ターンエンド」

闇夜の暗殺者 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1500 DEF1400
フィールドが闇のとき、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。

暗殺の報酬:永続魔法
自分のフィールドに存在する暗殺者、アサシンと名のつくモンスターが相手モンスターを破壊したとき、自分はカードを1枚ドローする。

リディアLP6600→6500手札4枚
セスLP6000手札3枚

「私のターン、ドロー!」
 気合を入れてカードを引くが苦い顔をするリディア、どうやらいいカードは引けなかったらしい。さらにスタンバイフェイズに2度目の毒の苦痛が彼女を襲った。

リディアLP6500→6000手札4枚
セスLP6000手札3枚

「私はカードを1枚セットして、モンスターを守備表示!ターンエンド!」
 防戦一方になってしまったリディア、だが彼女の目はまだ諦めの色を見せてはいなかった。
「僕のターンだね、ドロー」
 セスに容赦も油断もない。彼はさらにモンスターを繰り出し、数による物量で一気に勝負をかける気だ。
「僕はさらに演奏の女暗殺者を召喚するよ」
 新たに加わった暗殺者、その姿は少々露出度の高い黒い衣装に身を包んだ女楽師、その手には少々変わった形をしたギターが握られている。
「彼女にも当然闇にまぎれての特殊能力がある。彼女はフィールドが闇のとき、罠の対象にはならない!」

演奏の女暗殺者 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1600 DEF1300
このカードはフィールドが闇のとき、相手の罠カードの対象にならず、また、カードの効果では破壊されない。

「攻撃!」
 命令と同時に黒の女楽師はギターに手をかける。だが演奏するためではない。ギターの弦を軽くはじく、次の瞬間、弦が外れまるで生き物のようにリディアの守備モンスターへと殺到する。
 だがリディアはこの瞬間を待っていた。
「かかったわね!リバースカードオープン!」
 勢いよく、リディアのリバースが翻った。



あとがき
ツキ「というわけで最初の決闘はリディアとセスにしてみました」
ヒール「暗殺者デッキか。新しいジャンルだな」
ツキ「ええ、どうでもいい雑魚さんのデッキならともかく、こういった大ボスのデッキは結構考えますからね」
ヒール「なるほど、決闘のほうだが今はどっちが優勢なんだ?」
ツキ「さぁ?どっちともいえないんじゃないですか?」
ヒール「適当だなおい・・・・・・・」
ツキ「いいじゃありませんか。それからおそらくこれからの決闘は結構長いものになると思います。まぁ、それでも8月中には終わりそうですけどね」
ヒール「その後はどうするんだ?続編書くのか?それともまったく違う奴にするのか?」
ツキ「とりあえずは違うものを考えてます。まぁ、僕はあまり好きではないのですが2足草鞋でこれの続編と新しいものを書くという手もあるのですが・・・・・・・どうしましょう?」
ヒール「俺に聞かれてもな・・・・・・・」
Date: 2004/08/03


ACT110:役者は揃った
「ルシファー様、よろしいでしょうか?」
 闇の中、ルシファーの耳に聞こえるのは妖艶な響きを持った女の声。
「シェリルか、どうした?」
「ミハエルが倒されました。相手はヒールです。さらにジンたちがこちらへの道を見つけました。いかがいたしましょう?」
「そうか。ククク、ヒールよ、我は待ち遠しいぞ、早く、早く我のもとに来い」
 その顔に笑みを貼り付けるルシファー、そして自らの身を預けていた玉座から立ち上がる。
「ヒールは我のもとに連れて来い、他の者共はお前たちが始末しろ。行くぞ、宴の時間だ」
 歩き出すルシファー、その後ろを、4つの影がつき従う。



「これは・・・・・・」
 俺たちの目の前にそびえているのはひとつの門、門は少しだけ開いていて、底から闇があふれていた。間違いない。ここが、ルシファーへとつながる道だ!
「どうするの?行く?」
「まっ、聞くまでもねぇと思うけどな」
「さっさと終わらせに行くぞ」
「まだまだ、やることは山ほどありますからねぇ」
 俺はもう1度、このたびに付き合ってくれた物好きたちを見渡した。躊躇う理由はない!
「よし、いくぜ!」
 俺たちはいっせいに、その門を押し開いていった。


 そこはまさに闇の世界、床以外のすべてが暗く、視線の先にあるのは階段だ。間違いない、あの階段の向こうに、奴はいる!
 だがそれを邪魔するように立ちはだかるのは4つの人影、うち3つには見覚えがある。
 黒いドレスに身を包み、金の瞳をした妖艶な美女、ラスト、2メートルを超える巨躯に灰色の髪、紫の瞳をしたのはスロウス、左右で違う目をしたラース、だが後ひとりは見覚えがない。つまり必然的にあの時見ることがなかった最後の一人、プライドということになる。
「ああ、自己紹介をしないとね。僕が傲慢プライドを背負っている。名前はセス、よろしく」
 自己紹介をしたのは青い髪と瞳をした少年。
「ヒールは先に行きなさい。ルシファー様が待ってるわ」
 ほう、わざわざ俺を指名してきたか。いいだろう、行ってやる。
「皆」
「言うまでもねぇだろ、行って、ぶっ倒してこいよ」
 ジンの言葉が背中を押してくれた。ならば、俺は前に進むだけだ。
「行ってくる」
 もう振り向くことはない。そのまま前へと進んだ。



 ヒールが去り、沈黙が8人の間に流れた。
「さて、どうするよ?」
「その必要はない」
 ジンの言葉を否定したのはラースだ。その手は両腰に下げた剣へと伸びている。
「お前たちは、ここで死ぬのだからな!」
 叫びと共に剣を引き抜くラース、だがその剣は結局引き抜かれなかった。ジンが剣が鞘から完全に抜ききる前に抜き放った刀で押さえつけたのだ。
「物騒なもん持ってるなあんた。俺と遊ばねぇ?」
「・・・・・いいだろう、俺の名はライトス、俺の相手は貴様にしてもらおう」
 剣を鞘に収め距離をとる、代わりに構えたのはデッキだ。同じくジンもデッキを構えた。
「面白いじゃん、リディア!」
 リディアに向かって1枚のカードを投げるジン、リディアは見事キャッチする。
「これは?」
「そいつをお前にやるよ。お前なら使いこなせるだろうしな」
「うん!解った!」
 そう答えたリディアの目の前に現われたのはセスだ。
「君の相手は僕にしてもらおうかな」
「負けないんだから!」
 最終戦2枚目の対戦カードはリディアとセスのようだ。
「なら、私の相手はあなたにやってもらおうかしら、色男さん」
 そうケルヴィンに語りかけるのは妖艶な美女、ラストだ。
「私の名前はシェリル、楽しみましょう」
「生憎、俺は共にいる女ならばとうに決めている。貴様のような女など、願い下げだ」
 吐き捨てるように言い放つ美丈夫。
「・・・・・・ということは、僕の相手はあなたということですね」
 不敵な笑顔でクロノは目の前の巨漢を見つめる。
「己の名は、ガイ、お前を、殺す」
 灰色の巨漢はあまり多くを語らない。
「それは困りますねぇ、困るので、あなたを倒してしまいましょう」
 最終決戦が今、始まった。


今回あとがき話でw
Date: 2004/08/02


ACT109:ある男の話
―――――話をしよう。

―――――この世界に起こった、悲劇の話を・・・・・・・

―――――悲劇の舞台はひとつの教会、それは、とても哀しく、とても愚かなひとりの男の物語り・・・・・・・




その男は、他人とは少し違っていた。男の心には、闇があった。

だがその闇は、決して表に出ることはなく、心の奥底に押し込められてきた。

男は、己の心の内に闇があることを知っていた。だが男はその闇から目を背け、逃げていた。




「いいですか皆さん、神様はいつもあなたたちを見ていてくださいます。ですからあなたたちが清く正しく生きていれば、きっと神様はあなたたちをお守りくださるでしょう。解りましたか?」
 はーいと、神父服の男、アクダムの言葉に子供たちはうなずいた。
「はい、よいお返事ですね。それでは皆さん。今日の教義はこれまでです。気をつけてお帰りなさい」
 はーいと、またもや元気な声を上げて教会を去っていく子供たち。
「ばいばいアクダム先生!」
 元気な挨拶をして、子供たちは自分たちを待つ親の元へと帰っていった。
 ふと、さっきまでなっていたオルガンの音が消える。見るとオルガンを弾いていたシスターが演奏をやめ、アクダムのほうへ向き直っていた。優しい笑顔を浮かべた美しい女性だ。
「相変わらず、子供たちは元気ですね」
「ああ、子供は元気が一番だよ。さぁセシル、この町の人たちの幸せを、神に祈ろう」
 とそこで、セシルと呼ばれた女性がいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「あら、それじゃぁ私たちふたりの祝福をしてくれないのかしら?」
 困ったような笑みを受けベルアクダム。
「え、あ、ああ、勿論だとも。愛しているよ、セシル」
「はい、私もです、アクダム」
 不器用な笑みをうけべ抱き合うふたり。


 神父アクダムは、町の皆から慕われていた。親の追うことを聞かない子供でも、アクダムの言うことは素直に聞いていたし、町長もアクダムの人柄に惚れ込み、教会の援助資金を惜しまなかった。しばらくして、彼は同じ教会に勤めるセシルと知り合う。彼女も町のものから慕われており、町の人間の中には彼女のことを聖女と呼ぶものもいるほどだ。
 そんなふたりが惹かれあい、愛し合うようになるまで、そう時
間は要らなかった。そして、二人の結婚は間近に迫っていた。



その夜、アクダムは悪夢にうなされた。


 もう何度も見た悪夢だ。一面が闇で覆われた世界の中、アクダムの前に一人の天使が現われた。否、その瞳は赤く、翼が黒く穢れていることから、それは天使ではなくその間逆、堕天使だろう。
「やぁアクダム、まだ偽善の仮面をかぶり続けているのかい?」
「黙れ!お前がなんと言おうと、私は悪魔には屈しない!」
 手を振り、力強く言い放つアクダム。
「そういうな、私はお前を救いたいのだよ」
「黙れ!悪魔の言葉になど、耳を貸すものか!消えろ!」
「やれやれ、仕方がないな。だがアクダム、お前はいつの日か、必ず神を呪う日が来る。それは決して逃れられない運命なのだ」
 その言葉を残し、堕天使の姿は消えた。それと同時に、闇を切り裂く光、朝が来た。
「大丈夫ですかアクダム?昨日もずいぶんとうなされていたみたいだけど」
 気遣うようなセシルの言葉に、アクダムは無理に笑顔を作って答えた。
「なにこの程度、どうということはない。それよりセシル、私たちの結婚式は、たしか明後日だったな」
「ええ、でも体調が優れないのなら延期しても・・・・・・」
 セシルは続きを言うことができなかった。突然、アクダムが彼女にキスをして、唇をふさいだのだ。
「ん・・・・・・・」
 唇が離れる。
「この程度、君の顔を見れば簡単に吹き飛ぶ疲労だ。それじゃぁ行ってくる。今日の出張は少々遠くになりそうだ。なるべく今日中に帰ってくるつもりではいるが、厳しいかもしれない。最近この近くの町や村で強盗殺人が頻繁に起こっているという。君も充分に気をつけてくれ」
「大丈夫ですよ。何かあっても神が私を守ってくれます」
「ああ、そうだったな。君は素晴しい女性だ。そんな君を、神が愛さないはずがない。きっと君の事を守ってくれるだろう」
 抱擁、そして再び唇を交わし、アクダムは教会を後にした。


 翌日の早朝、アクダムは愛する女性が待つ教会へと急いでいた。一刻も早く彼女の顔が、笑顔が見たく、その足は自然と速まっていた。そして、教会の扉を開けた。
「すまないセシル、時間が掛かってしまっ・・・・・・・・・」
 彼の目に飛び込んできたのは、体中をめった刺しにされたセシルの姿だった。
「せ・・・・・・シ・・・・・・ル・・・・・・?」
 その姿が、己の最愛の女性だと脳が認識した瞬間、彼の理性は吹き飛んだ。
「セシル!」
 走りより、彼女の体を抱き上げる。
「セシル!セシル!」
 ゆすっても彼女の冷たい体は力なくその動きに振り回されるだけだった。
「お・・・・・・・ぉぉ・・・・・・・」
 天を仰ぎ、もう動かなくなった最愛の人を強く、強く抱きしめる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 絶叫、そして彼の瞳から、血の色をした涙がとめどなく流れ落ちた。
「神よ!何故、何故彼女を守ってはくれなかった!救ってはくれなかったのだ!」
 血を吐くようなアクダムの叫び。しかし神は答えない。
「神は私から彼女を奪った!私は貴様を許さない!呪ってやる、呪ってやるぞ!」
 彼の心の闇が、吐露した瞬間だった。
「だから言っただろうアクダムよ、お前は必ず神を呪うと」
 絶望の淵にたたされていた彼の前に現われたのは、悪夢で彼にこの運命を示唆した堕天使だった。
「アクダムよ、お前が真に神を呪うのなら、お前に力を与えよう」
「なんだと?」
 堕天使の言葉に、アクダムの下げられた首が上に上がる。
「簡単だ。お前の体を、私に差し出せ。今の私は精神体だ。肉体を持ってはいない。そこでお前の肉体がほしい、私とお前をひとつに結合する。だからお前の意識も残る。私の闇の力で、お前を魔人に変えてやろう。その力で神に復讐するのだ」
 堕天使の言葉に、アクダムは小さく頷いた。
「私は、神を許さない。神を、この手で殺したい。お前に、私の体を捧げよう」
 こうして、神父アクダムは神にそむき、闇へとその身を堕とした。だが彼の行動を、誰が責めることができよう。最愛の人を理不尽に奪われた彼が自らの闇を抑えられなかったからといって、誰が彼を弱いと蔑むことができようか・・・・・・・
「最後だ。自己紹介をしておこう、私の名はルシフェル、かつて神に弓を引き、その身を闇へと堕とした最初の堕天使だ。お前の体をもらうぞ!」
 アクダムの体に入り込むルシフェル。
「ぐ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 絶叫が響き渡る。それは断末魔、アクダムという、神を信じ、すべての人を愛し、最愛の人を最も愛した優しい男の断末魔だった。
 そして、この哀しい叫びを産声とし、絶望と憎悪の魔人、ルシファーが誕生した。



「む、夢か・・・・・・」
 闇の底、ひと時の夢から目覚めた魔人、ルシファーが呟いた。
「久しく忘れていたが、なるほど、我がヒールに固執するのはこういう理由か」
 神を殺し、神に復讐することがアクダムの目的、そして神々が愛した世界を闇に染めることがルシフェルの狙い。
「ヒールよ、早く、早く我の元へ来い。貴様を殺し、貴様の神を殺し、神への復讐を果たしてくれる!そして貴様の、貴様の神の絶望と死を!我が喰ろうてくれる!」
 闇の中、魔人の哄笑が当たりに響いた。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/08/01


ACT108:処刑天使
 本気を出したミハエルに、開いていたライフ差を瞬く間に縮められるヒール。さらにミハエルは追い討ちをかけるように彼の切り札、虐殺の大堕天使アザゼルを繰り出した。強力な効果を持つアザゼルを、ヒールは攻略できるのか・・・・・・・・

ヒールLP3000手札6枚
場 なし
伏せ なし

ミハエルLP4000手札2枚
場 虐殺の大堕天使アザゼル(攻撃表示)
伏せ なし

虐殺の大堕天使アザゼル 闇属性 ☆8 天使族:効果
ATK3000 DEF3000
このカードは悪魔族としても扱う。
このカードは特殊召喚できない。このカードを生贄召喚する場合、3体の生贄が必要となる。
除外されているカード1枚につき、このカードの攻撃力は200ポイントアップする。
手札から魔法カードを1枚捨てることで、相手フィールド上の魔法、罠カードを1枚、破壊できる。
このカードは相手モンスターすべてに1回ずつ攻撃できる。

虐殺の大堕天使アザゼル攻撃力3000→4400



 虐殺を行う堕天使の赤い瞳が、俺を見つめていた。まずいな・・・・・・手札は6枚あるが、こいつを打ち崩せるようなカードがない。このままじゃやばいな・・・・・・・・
「俺のターンだ!ドロー!」
 あの怪物を倒せるカードが引けると信じ、カードを引く。だが引いたカードは何の変哲もないモンスターカード、これではあれは倒せない。
「モンスターをセットし、カードを1枚セットしてターンエンドだ」
 今は防ぐしかない、何とか耐え切らなければ・・・・・・・
「僕のターンだね、ドロー。まぁいいか、手札から強引な番兵を発動する。さぁ、手札を見せなよ、ヒール」
 チッ、嫌なカードを使ってきやがる・・・・・・俺はしぶしぶ、手札を公開した。

ヒールの手札
●大天使の息吹
●寡黙な天空剣士
●大天使の従者
●死者蘇生
●次元融合

「そうだね、大天使の息吹を捨ててもらおうかな」
 やはりそのカードを選択するか・・・・・・・俺は言うとおりに大天使の息吹をデッキに戻しシャッフルした。

大天使の息吹:通常罠
このカードは手札からでも発動することができる。
自分のライフが0になったときに発動可能、自分のライフを4000ポイント回復し、手札が6枚になるようにカードをドローする。

寡黙な天空剣士 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1800 DEF1600
このカードは魔法の効果を受けない。

大天使の従者 光属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1800 DEF1600
自分のスタンバイフェイズにこのカードを生贄にささげる。
デッキから天使族モンスターを1体特殊召喚してもよい。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン攻撃できない。

「さらに、アザゼルで攻撃だ。さぁアザゼル、いきな」
 虐殺の堕天使の大鎌が振るわれ、俺の守備モンスターをなぎ払う刹那、俺のリバースカードが発動した。
「させるか!リバースカードオープン!和睦の使者!」
 翻ったリバース、そしてアザゼルの大鎌が俺の守備モンスター、創造の代行者 ヴィーナスの鼻先で停止する。よし、これでこのターンは大丈夫だ。
「やれやれ、まだ足掻くつもりかい。ターンエンド」
 ああ足掻いてやるさ、足掻いて足掻いて足掻きぬいて、お前を倒すチャンスを掴み取ってやる。
「俺のターンだ!ドロー!」
 今、俺のフィールドには創造の代行者 ヴィーナスが存在している。ここでウルドを引き当てることができれば、状況は一変できる。
「くっ」
 駄目だ。引いたカードは聖なる魔術師セイントマジシャンだ。このカードじゃ役に立たない。
「モンスターをセットして、ターンエンドだ」
 防戦一方か、気に入らねぇ。
「僕のターンだ、ドロー。いいカードを引いたよ。僕はカオスライダー グスタフを召喚する」
「な!?」
 グスタフだと!?まずい、奴は魔法カードを除外することで一時的にその力を高めるモンスター、アザゼルとの相性は最高、俺にしてみれば最悪だ。
「グスタフの効果発動、墓地の強欲な壷と天よりの宝札を除外し、グスタフの攻撃力をアップする」

カオスライダー グスタフ攻撃力1400→2000
虐殺の大堕天使アザゼル攻撃力4400→4800

「アザゼル、彼の守備モンスターをなぎ払いな」
 主の命令に従い、虐殺天使が大鎌をなぎ払う。枯葉のようになぎ払われる俺の守備モンスターたち、だが衝撃が俺を襲うのは次からだ。
「グスタフでダイレクトアタックだ」
 一時的に力を高めた暴走ライダーが迫る。衝撃と痛みに備えて身構えるが無駄だった。あっさりと跳ね飛ばされ、俺は後ろへと吹き飛ばされた。

ヒールLP3000→1000手札5枚
ミハエルLP4000手札2枚

「ぐ、は・・・・・・・・ッ!」
 やばい、激痛で、息が・・・・・・・・
「カードを1枚セットして、ターンエンド」
「ず、は・・・・・・ッ!俺のターンだ、ドロー!」
 起死回生を求めてカードを引く、そして引き当てた。過去の女神ウルドを・・・・・・・よし、これで!
「いくぞ!使者蘇生を発動し、墓地に眠るヴァルキリーの切り込み隊長を蘇生召喚する!さらに切り込み隊長の効果を発動し、手札から寡黙な天空剣士を特殊召喚!」
 一瞬にしてフィールドに並ぶ2人の天使、これで準備は揃った!
「2体の光属性モンスターを生贄にささげ、いでよ!過去に女神ウルド!」
 ふたつの光の天使があるべき姿に戻り、極光があふれる。光が収まったとき、そこに立っていたのは真紅の鎧に身を包んだ厳格な女神。
「・・・・・・・・・・」
 沈黙のミハエル、これで形勢逆転だ。
「いくぞ!ウルドの攻撃!頼むぜ、ウルド!」
「任せるがよい!」
 疾走するウルド、その白刃が、虐殺の堕天使へと向かう。だがその一撃は早計だった。アザゼルの鎌が、ウルドの剣をはじく、その際の衝撃でウルドの体勢がわずかだが崩れる。その隙をつかれた。アザゼルの大釜鎌が一閃され、ウルドの体を切り裂いた。だがここからだ。ウルドの蘇生能力が発揮され、俺の場に再び女神が舞い降りる。

過去の女神ウルド 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の場の光属性モンスター2体を生贄に捧げて特殊召喚する。
このカードが戦闘によって受けるコントローラーへの戦闘ダメージはすべて0になる。このカードが破壊されたとき、このカードは自分のフィールド上に一度だけ特殊召喚できる。この効果で特殊召喚した場合、相手のフィールドのモンスターをすべてデッキに戻す。その後相手はデッキをシャッフルする。この効果はデュエル中一度しか使用できない。

「ウルド!クロノスゲートだ!」
「うむ!受けるがいい!虐殺者よ!」
 ウルドの剣が円を描く、それに付き従うように光が円を描く。やがて円は形になり、門となる。門が開く、その先は時空の狭間だ。これでアザゼルはデッキに戻り、俺の勝ちだ!
「甘いよヒール、リバースカードオープン!亜空間物質転送装置!」
「な!?」
 ウルドのクロノスゲートが開ききる直前、アザゼルの姿が掻き消える。だがそれはあ空間へと送られただけ、すぐに現場復帰する。クロノスゲートにこんな回避方法があるとは!
「残念だったねヒール、その女神の効果は一度きり、これで君に打つ手はないだろう?」
「くっ、だがお前の場が無防備なのになったのは事実!ウルド!攻撃だ!エーテルマテリアル!」
 ウルドの剣の先端から放たれる光の奔流が、ミハエルを飲み込む。

ヒールLP1000手札3枚
ミハエルLP4000→1000手札1枚

「グッ!さすがに、神の一撃はきついね・・・・・・・」
 だが奴は立ち上がった。その足取りはふらついてはいるがしっかりと立っていた。
「モンスターをセットしてターンエンドだ」
 俺のエンド宣言と共に亜空間から再び姿を現すアザゼル、その目が無表情に俺とウルドを見つめた。
「僕のターンだね、ドロー。アザゼル、攻撃だ」
 虐殺者の大鎌が、凛々しき女神と守備モンスターの聖なる魔術師セイントマジシャンをなぎ払った。そして俺はこの聖なる魔術師の力によって、墓地の使者蘇生を手札に戻した。
「すまぬ、ヒール、我の力が及ばなんだ・・・・・・・・」
 申し訳そうに消えるウルド、くそ!それは俺の台詞だ。神を召喚したことで有頂天になって、みすみすウルドを!
「ターンエンド」
「俺のターンだ!ドロー!」
 間髪入れずにカードを引く、まだだ、まだ俺は負けてない!
 引いたカードは精霊の施し、よし、まだチャンスはある。迷わず発動させ、チャンスを広げる。

精霊の施し:通常魔法
カードを2枚ドローし1枚捨てる。その後、自分は1000ライフポイントを得る。

 1枚は鮮血のワルキューレ、そして引いた2枚目、これは・・・・・・・この決闘、俺の勝ちだ!俺は精霊の施しの効果で今引いた鮮血のワルキューレを捨てた。これで準備は完了だ。
「いくぜ!使者蘇生を発動させて蘇生したモンスターを生贄にささげ、こい!魔眼の処刑天使サリエル!」
 俺のフィールドに闇が収縮し、その闇を切り裂いてひとりの天使が現われた。紫の髪と瞳、身につけているのは白い鎧の男天使。その両手には短剣は1本ずつ握られている。
「これは・・・・・・」
「サリエルは、天界の罪人を処刑する処刑天使、その能力は生贄召喚に成功したときにモンスターを除外し、除外したモンスターの属性に応じた能力を得る!俺は墓地に眠るシャインエンジェル、鮮血のワルキューレ、力の天使ゼルエルを除外しする!」
 死者の魂が、サリエルの体へと浸透していく・・・・・・・

魔眼の処刑天使サリエル 闇属性 ☆6 天使族:効果
ATK2400 DEF2000
このカードが生贄召喚されたとき、墓地のモンスターをX枚ゲームから除外する。(最大6枚まで)除外したモンスターの属性に応じて、以下の効果を得る。
地属性:このカードが戦闘で破壊したモンスターのリバース効果は無効化される。
風属性:このカードの攻撃力を400ポイントダウンさせた状態で相手守備モンスターを攻撃したとき、守備モンスターの守備力をこのカードの攻撃力が上回っていた場合、その数値分相手プレイヤーにダメージを与える。
炎属性:自分のバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。
水属性:自分のスタンバイフェイズ時、自分は800ポイントのライフを得る。
光属性:このカードは罠カードの効果を受けない。
闇属性:このカードが生贄召喚されたとき、相手モンスター1体をゲームから除外する。

「ここでサリエルの効果を発動するぜ、サリエル!その魔眼の力を見せてやれ!」
 サリエルの紫の瞳が一瞬煌く、次の瞬間、アザゼルの体が見る見るうちに崩壊していく。
「な!?そんな・・・・・・僕のアザゼルが・・・・・・こんなことで・・・・・・・」
 愕然とするミハエル、この勝負、もらった!
「いくぞ!サリエルのダイレクトアタック!」
 ふわりと、舞うように天へと舞い上がるサリエル、己の気配を殺し、ミハエルの耳元で呟く、それは・・・・・・・
「斬刑に処す。ようこそ、素晴しき惨殺空間へ」
 走る銀光、そして咲き乱れるのは血の華と、サリエルによって17個に分割されたミハエルだった。
 17分割、サリエルが持つすべての存在の死を見る魔眼の力があるからこそ可能な、正確無比の解体作業、それがこれだ。ミハエルは断末魔の悲鳴すら上げることができなかったに違いない。

ヒールLP1000→2000
ミハエルLP1000→0

「さて、これで3つ目の罪が消えたな。待っているルシファー、もうすぐお前のもとに行くぜ」


あとがき
トラブルで消えてしまったのでもう1度書き直しです。バックアップとってなかったので完全な複製はできませんでしたのでご了承ください。
Date: 2004/08/01


ACT107:虐殺者
 七つの罪のひとつ、大食を背負うミハエル、3ヶ月前、俺はこいつらに手も足も出なかった。
 だが今は違う、俺は戦えてる。大丈夫、いける・・・・・・・

ヒールLP8000手札6枚
場 力の天使ゼルエル(攻撃表示)、永続魔法:死者の宝札
伏せ なし

ミハエルLP6500手札2枚
場 なし
伏せ なし

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

死者の宝札:永続魔法
モンスターがゲームから除外されたとき、自分はカードを1枚、ドローできる。

「俺はこれでターンエンドだ」
 エンド宣言、そしてターンはミハエルへと移る。だが奴はカードを引かず、ただその顔に笑みを浮かべるだけだった。
「フフ、どうやら君は相当強くなったようだね」
「なに?」
 予期しなかった賛辞の言葉、こいつ、一体何を考えてやがる・・・・・・・
「君相手なら、手加減なんて要らなかったかな?」
「なんだと?」
 手加減、だと?ふざけやがって・・・・・・・・・
「てめぇ・・・・・・」
「さぁヒール、これで君に勝ち目はなくなった。これから僕は本気でいく。本気の僕を相手に、君はどこまで耐えられるかな?」
 野郎、ふざけた真似しやがって
「お前が本気を出そうが出すまいが関係ない。俺はお前を殺す。それだけだ」
「そうかい、それじゃぁ僕のターンだ。ドロー。手札から強欲な壷を発動するよ」
 発動したカードはドロー強化の定番カード、だがそれは奴が今引いたカードとは別のカードだった。野郎、本当に手加減して嫌がったのか。舐めやがって・・・・・・・
「その目障りな永続魔法は消しておくか。サイクロン、対象は勿論、その永続魔法だ」
 風の刃が吹き荒み、俺の永続魔法を切り裂いていく。だがもう遅い、俺の手札は、すでに充分潤っている。
「カードを1枚セットし、モンスターをセット、ターンエンド」
「俺のターンだ!ドロー!」
 今奴の場の守りは手薄、攻める好機!
「ヴァルキリーの切り込み隊長召喚!」
 俺の場に、戦乙女たちを引き連れる切り込み隊長が現われた。その凛とした雰囲気が、彼女の美しさを引き立てている。
「さらに!ヴァルキリーの切り込み隊長の効果を発動し、手札からヴァルキリーの騎馬兵を特殊召喚!」
 戦乙女の切り込み隊長に率いられ、戦場に舞い降りたのは美しい天馬にまたがった戦乙女、その剣は、ミハエルへと向けられている。さらにヴァルキリーの騎馬兵は、自分のフィールドに存在する同胞の数だけその力を高める能力を持つ。

ヴァルキリーの切り込み隊長 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1700 DEF1600
このカードの召喚、特殊召喚に成功したときレベル4以下の天使族モンスター1体を手札から特殊召喚することができる

ヴァルキリーの騎馬兵 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1900 DEF1300
このカードは、自分の場か墓地に存在するカード名にヴァルキリー、またはヴァルキュリアとついているカード1枚につき、攻撃力が100ポイントアップする。

ヴァルキリーの騎馬兵攻撃力1900→2100

「いくぞ!ヴァルキリーの騎馬兵で守備モンスターを攻撃!」
 天馬を嘶かせ、騎乗の戦乙女はその白銀の剣をきらめかす。その一撃が奴の守備モンスター、地縛霊アース・バウント・スピリットを切り裂いた。
「追撃だ!いけ!ゼルエル!」
 俺の命令に答え、烈火の大天使がその剣を抜き去り、ミハエルに肉迫する。だが・・・・・・
「甘い余ヒール、一撃目が通ったからといって、二撃目も通るとは限らないよ!リバースカードオープン!死霊の妄執!」
 翻るリバース、それと同時に、ゼルエルの足元から黒い霧のようなものがあふれ出した。
「これは!?」
 あふれ出した黒い霧は、やがてゼルエルの体を包み込んだ。
「死者の妄執、このカードは発動時、墓地に眠るモンスターを一体除外することで、そのモンスターの攻撃力以下の基本攻撃力を持つモンスターを1体破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分、君にダメージを与えるカードだ!さぁ、バルディエル!その怨念を、貴様を殺した烈火の大天使に叩きつけろ!」
 霧が、ゼルエルの体内に侵入してくる。やがて烈火の大天使が苦しみのた打ち回り、その体が消滅していく。ゼルエルが完全に消え去ったとき、俺の体に激痛がやってきた。
「ぐぅ・・・・・ッ!」
 たまらず膝をつく、口内に鉄の味が広がった。くそ!やってくれる・・・・・・

死霊の妄執:通常罠
自分の墓地に存在するモンスターカードを1枚、ゲームから除外する。
除外したモンスターよりも、もともとの攻撃力が低い相手フィールド上の表側攻撃表示モンスター1体を破壊し、破壊したモンスターのもともとの攻撃力分、相手にダメージを与える。

狂気の堕天使バルディエル 闇属性 ☆6 天使族:効果
ATK3000 DE300
このカードは悪魔族としても扱う。
このカードは光属性モンスターに攻撃できない。
このカードが戦闘で破壊したモンスターの効果は無効化される。

「クッ、だが、これでお前の場のがら空きだぜ、ヴァルキリーの切り込み隊長でダイレクトアタック!」
 戦乙女の白刃がミハエルにダメージを与えることに成功する。
「グ、だがこの程度、たいしたことはないよ」

ヒールLP8000→5300手札5枚
ミハエルLP6500→4800手札1枚

「カードを1枚セットして、ターンエンドだ」
 まずいな、俺の今の攻めの要であるゼルエルが倒されちまった。これで攻め手が薄くなることは免れないな。だがこのターン、奴にダメージを与えることには成功した。大丈夫だ、決して渡り合えない相手じゃない。
「僕のターンだね、ドロー。いくよヒール、僕は卑劣な戦天使を召喚する」
 奴の場に現われたのは、黒い髪と翼を持った堕天使、その手には弓が握られており、さらに腰には何か筒のようなものが下げられていた。
「卑劣な戦天使の効果発動。やりな、戦天使」
 すると、堕天した戦天使が矢をとり、筒のふたを開け、そのなかに矢じりを入れ、その矢を俺のヴァルキリーの騎馬兵へと放った。放たれた矢は戦乙女に命中し、落馬、そしてそのまま消滅してしまった。
「これは!?」
「ハハハハハ、卑劣な戦天使が召喚されたとき、相手フィールド上のモンスターを1体破壊できるのさ。僕はカードを1枚セットしてターンエンドだ」
 モンスター破壊能力、厄介な・・・・・・・

卑劣な戦天使 闇属性 ☆4 天使族:効果
ATK1600 DEF1400
このカードは悪魔族としても扱う。
このカードが召喚されたとき、相手フィールド上のモンスターを1体、破壊できる。

「俺のターンだ、ドロー」
 卑劣な戦天使の攻撃力は1600、俺のヴァルキリーの切り込み隊長でも充分に倒せる。だが気になるのは奴のリバースカード、あらかさまに攻撃力の低いカードを出したんだ。当然罠だろう。下手な動きに出ることはできない。
「俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
 消極的だが仕方がない。さっきの様なことになって、これ以上攻め手を欠くわけにはいかない。
「僕のターンだね、ドロー。フフフ」
 突然笑い始めたミハエル、なんだ?何かいいカードでも引いたのか?
「思ったよりも臆病なんだね、君は」
「なんだと?」
「僕のリバースカードは罠じゃないんだよ」
「なに?」
「リバースカードオープン、天よりの宝札」
「な!?」
 馬鹿な!?ただの、魔法カード!?
「そう、これは罠じゃない、ただの通常魔法さ。さっきのターンで僕の罠が君の攻めの要を破壊した。さらに卑劣な戦天使で君の主力を破壊した。そのことから君は今度伏せたカードも罠だと思い込んだ。その結果、君は攻め切れなかった」
 返す言葉がなかった。つまり、俺はまんまと奴の心理的罠にはまったのだ。
 お互いの手札が増長していく。
「魔法カード、心変わり、君のその守備モンスターを頂くよ」
 心変わりがおき、ミハエルの陣営へと寝返る守備モンスター。コントロール奪取の魔法カードか、厄介な・・・・・・
「さらに早すぎた埋葬、墓地に眠る堕落せし者フィルを蘇生させる」

堕落せし者フィル 闇属性 ☆4 悪魔族:効果
ATK1700 DEF1300
自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードの召喚を特殊召喚扱いにしてもよい。

「見せてあげるよ!これが僕の切り札だ!3体のモンスターを生贄にささげ、さぁ姿を見せろ!虐殺の大堕天使アザゼル!」
 3体のモンスターの魂を握りつぶし、それは降臨した。
 幾重にも折重なった漆黒の翼をはためかせ、腰にまで届くその髪もやはり黒、手に握るは漆黒の大鎌、その瞳は世界のすべてを呪う赤、まさに、堕天使・・・・・・・その攻撃力は3000、俺のヴァルキリーでは手も足も出ない。
「な!?」
「驚いたかい?これを生贄召喚するには3体の生贄が必要なんだ。だけど、それに見合う能力は有しているよ。アザゼル、死した者たちの魂を糧とし、その力を増せ」
 すると、アザゼルが手にした鎌に、何か光の球のような物がまとわりついてきた。それが除外されていった、モンスターの魂だと気づいたとき、アザゼルに変化が訪れた。

虐殺の大堕天使アザゼル攻撃力3000→4400

「な!?」
 攻撃力が、上がった!?
「これがアザゼルの能力のひとつ、こいつは除外されたカード1枚につき、その攻撃力を200ポイント増していくのさ」
 まずい、ということは・・・・・・・
「そう、モンスターを多く除外していく君のデッキとは、相性が最悪なのさ」
 まずい、まずすぎる、つまり、俺のデッキの切り札であるヴェルダンディやスクルドの召喚条件でさえも、奴のモンスターを際限なく強くしてしまうことになる。
「さらに、アザゼルの第2の能力、手札の魔法カードを1枚墓地に送り、相手の魔法、罠カードを1枚、破壊する!」
「な!?」
 ミハエルの手から滑り落ちる1枚の魔法カード、次の瞬間、あの虐殺者の鎌が振るわれ、俺のリバースカード、ヴァルキュリアの天空射撃が破壊された。
「いきな、アザゼル」
 振るわれる大鎌、その絶滅の一撃が、ヴァルキリーの切り込み隊長の体を両断した。
「がぁぁぁぁぁぁぁ!」
 超過ダメージが俺を襲う。

ヴァルキュリアの天空射撃:通常罠
相手が攻撃を宣言した瞬間に発動。相手モンスターを1体破壊する。このカードが発動した次の自分のドローフェイズ時、自分はカードを2枚ドローできる。

虐殺の大堕天使アザゼル 闇属性 ☆8 天使族:効果
ATK3000 DEF3000
このカードは悪魔族としても扱う。
このカードは特殊召喚できない。このカードを生贄召喚する場合、3体の生贄が必要となる。
除外されているカード1枚につき、このカードの攻撃力は200ポイントアップする。
このカードは相手モンスターすべてに1回ずつ攻撃できる。

ヒールLP5700→3000手札6枚
ミハエルLP4800→4000手札2枚

「ターン終了」
 まずいぜ、こりゃ・・・・・・・・・・・・



今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/07/29


ACT106:激突、天使VS堕天使
 俺の目の前、悠然と立ちはだかるのは罪のひとつ、大食、ここでこいつを倒して、罪をさらにひとつ、消してやる。
「いくぞ!」
「さぁ、来なよヒール!」
決闘デュエル!』

ヒールLP8000手札5枚
ミハエルLP8000手札5枚

「俺の先行ドロー!カードを1枚セットし、永続魔法、死者の宝札発動!」
「!手札増強魔法!?」
 そう、俺が発動したのは、モンスターが除外されることをトリガーとして発動する永続魔法カード、俺のデッキとは相性がいい。

死者の宝札:永続魔法
モンスターがゲームから除外されたとき、自分はカードを1枚、ドローできる。

「さらにモンスターをセットして、ターンエンドだ!」
 とりあえず、先行1ターン目の手としてはこんなもんだろう。さぁ、どうでる?
「僕のターンだね、ドロー。いくよ、血に魅入られた戦乙女召喚!」
 奴の召喚宣言に答えて現われたのは、全身を朱に染めたひとりの戦乙女、その目には狂気が宿っていた。
「堕天使カードか!」
「その通り!こいつらはなかなか使い勝手がいいよ」
 俺は心の中で舌打ちをする。堕天使カード、その昔、神に反逆し、地獄に叩き落された天使たち、彼らは天使でありながら悪魔の特性も備えている。数は少ないが強力はカードだ。

血に魅入られた戦乙女 闇属性 ☆4 天使族:効果
ATK1800 DEF1700
このカードは悪魔族としても扱う。このカードが相手プレイヤーにダメージを与えたとき、相手の墓地にあるカードを1枚、ゲームから除外する。

「攻撃!」
 飛翔し、俺の守備モンスターに切りかかる堕ちた戦乙女、その剣の一閃が、俺の守備モンスター、シャインエンジェルを切り捨てる。
「シャインエンジェルの効果発動!デッキから、希望の天使レミエルを特殊召喚する!」
 光の天使の遺言能力によって導かれたのは、希望を運ぶ少女天使、こいつの効果は強力だぜ。
「ふーん、それなら僕はカードを1枚セットしてターンエンドだよ」
 奴のエンド宣言、このタイミングなら!
「この瞬間、リバースカードオープン!異次元放逐!これで俺のレミエルとお前の血に魅入られた戦乙女を除外する!」
「ッ!味な真似を!」
 翻るリバース、それと同時に俺と奴の場に出ているただ1体のモンスターが異次元へと放り出された。そして、それこそが俺が待ち望んだ展開。
「レミエルの効果発動!レミエルが除外されたことにより、手札にある天空騎士エンジェルナイトパーシアスを特殊召喚する!」
 光と共に現われたのは、人馬一体の天使、貫通能力とドロー能力を備えたこいつは俺のデッキでもかなり重宝される。さらにこいつは俺の切り札のひとつ、天空聖騎士エンジェルパラディンレティス召喚のキーカードだ。しかも奴のエンドフェイズでの発動のため、奴にはどうすることもできない。

祝福の天使レミエル 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1300 DEF1000
このカードがフィールドか墓地からゲームから除外されたとき手札から天使族モンスター1体を特殊召喚することができる。

異次元放逐:速攻魔法
発動プレイヤーは自分の場のモンスターと相手の場のモンスターを1体ずつ選択する。選択されたモンスターをゲームから除外する。

「さらに、死者の宝札の効果でカードを2枚ドローするぜ」
 レミエルの欠点は天使族モンスターを手札から特殊召喚するため手札の消費が激しいことだ。だがレミエルの効果発動の条件を逆手に取り、死者の宝札を使って手札を潤すこともできる。
「俺のターンだ!ドロー!」
 引いたカードを確認する。引いたカードは、よし、サイクロン。いいカードを引いた。
「サイクロン発動!お前のそのリバースカードを破壊する!」
「な!?仕方がない、チェーン!死霊のマリオネット!」
 俺のサイクロンが奴のリバースカードを切り裂くよりも一瞬早く、奴のリバースが翻りサイクロンを不発にしやがった。
 さらに、フィールドにも異変が生じる。俺のパーシアスが相手も場に移っているのだ。パーシアスの体には何か糸のようなものがついている。
「これは・・・・・・・?」
「死霊のマリオネットはね、相手モンスターすべてを1ターン、掌握することができる。もっとも、代償として僕は手札1枚とライフ1000ポイントを支払わなければならないのだけれどね」
 舌打ち、どちらにしろこのターン、俺は奴にダメージを与えることができない。
「俺はモンスターをセットして、ターンエンドだ」
 エンド宣言と共に、パーシアスを捕らえていた死霊の糸が断ち切れる。

死霊のマリオネット:通常罠
手札を1枚捨て、1000ポイントのライフを払って発動。
エンドフェイズまで、相手フィールド上に存在するすべてのモンスターのコントロールを得る。

ヒールLP8000手札3枚
ミハエルLP8000→7000手札3枚

 今のところ、フィールド、ライフアドバンテージの面で俺のほうが有利か。
「僕のターンだ。ドロー。フン、まぁいいか。僕は堕落せし者フィルを特殊召喚するよ」
「特殊召喚だと?」
「そう、フィルは自分の墓地にモンスターが存在しないとき、その召喚を特殊召喚扱いにできるのさ」
 特殊召喚モンスターを出した、ということは奴の狙いは上級モンスターの生贄召喚か!
「もう察しているようだね。僕は堕落せし者フィルを生贄にささげ、狂気の堕天使バルディエルを召喚するよ」
 堕落せし者の体を踏み潰し、現われたのは巨大な堕天使、その巨躯の瞳は赤く、狂気にとらわれていた。その手に握るのは身の丈ほどの大剣、その一振りで地上をなぎ払えそうだ。その攻撃力はなんと3000。
「馬鹿な!?レベル6で、攻撃力3000だと!?」
 そう、攻撃力は3000、これは明らかにレベル6の領域を超えている。
「そうだね、だけどこれはルール違反じゃないよ。この狂気の堕天使の基本攻撃力は正真正銘、3000さ、もっとも、こいつは光を非常に嫌っていてね、光属性のモンスターを攻撃することができないんだ。だから、君の守備モンスターを攻撃する。バルディエル、攻撃だ」
 主からの攻撃命令を受け、巨躯の堕天使がその大剣を構え、一気に叩き落す。その必殺の一撃を受け、俺の守備モンスター、異次元の女戦士はその姿すら見せることができずに破壊された。だが!
「この瞬間!異次元の女戦士の効果発動!そいつには道ずれになってもらうぜ!」
 女戦士が最後の力を振り絞り、巨躯の堕天使の腕をつかもうと手を伸ばす。だがその手は無下に払われた。
「なに!?」
「無駄さ、バルディエルが破壊したモンスターは、その効果を発動することができない」
 舌打ち、今度は隠すことができなかった。光属性のモンスターに攻撃できないとはいえ、裏守備モンスターには攻撃できるし、効果も無効化される。厄介な・・・・・・・

堕落せし者フィル 闇属性 ☆4 悪魔族:効果
ATK1700 DEF1300
自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードの召喚を特殊召喚扱いにしてもよい。

狂気の堕天使バルディエル 闇属性 ☆6 天使族:効果
ATK3000 DE300
このカードは悪魔族としても扱う。
このカードは光属性モンスターに攻撃できない。
このカードが戦闘で破壊したモンスターの効果は無効化される。

「ターンエンドだ」
 まずいな、このままじゃジリ貧だ。なんとかしないと
「俺のターン!ドロー!」
 引いたカードは天使の施し、よし、いいカードだ。
「追加だ。天使の施しを発動させる」
 まずカードを3枚ドローする。引いたカードはヴァルキリーの切り込み隊長、神聖なる魂ホーリーシャインソウル、そして命の巫女ウィセリア、よし、これなら戦術の幅を広げることができる。俺はウィセリアと手札にあった霊獣ユニコーンを捨てた。

ヴァルキリーの切り込み隊長 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1700 DEF1600
このカードの召喚、特殊召喚に成功したときレベル4以下の天使族モンスター1体を手札から特殊召喚することができる

命の巫女ウィセリア 光属性 ☆1 魔法使い族:効果
ATK0 DEF0
このカードがゲームから除外されたとき、このカードの持ち主はカードを2枚ドローする。

霊獣ユニコーン 光属性 ☆4 獣族:効果
ATK1700  DEF1400
このカードが墓地以外から特殊召喚されたとき、このカードの攻撃力は700ポイントアップする。
このカードがカードの効果で破壊されたとき、自分はカードを1枚ドローする。

「墓地に眠るウィセリアと霊獣ユニコーンをゲームから除外し、神聖なる魂ホーリーシャインソウルを特殊召喚する」
 墓地に眠る二つの光の魂を糧とし、神聖な光を放つ清らかな精霊が召喚される。レベルは6だが特殊召喚条件さえ揃えば召喚することは容易い。
「さらに、カードが除外されたため死者の宝札の効果でカードを2枚ドロー!そしてウィセリアの効果でさらに2枚ドロー!」
 一気に4枚ものドローをやってのける。これで手札の差は圧倒的に開いた。そして引いたカードを見る。よし、これであの厄介なモンスターを消せる。
「2体のモンスターを生贄にささげ、来い!力の天使ゼルエル!」
 赤い光が迸り、舞い降りたのは烈火の髪と瞳を持つ大天使、その瞳が、堕ちて醜悪となってしまったかつての同胞を睨みつける。
「ゼルエル!バルディエルを蹴散らせ!」
 疾走する赤い光、巨躯の堕天使も迎撃に出るが甘い、ゼルエルは自分から攻撃を仕掛けるときにはその攻撃力をさらに高める。加速する烈火の光、交錯の瞬間、巨躯の堕天使の体が二つにずれる。
「狂気の堕天使バルディエル、撃破!」

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

ヒールLP8000手札6枚
ミハエルLP7000→6500手札2枚

 いける!大丈夫だ、戦えてる!恐れることは何もない!


あとがき
今回なんかテンポ悪いです。うまく決闘の展開が続かない・・・・・・・
Date: 2004/07/27


現行ログ/ [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]
キーワードスペースで区切って複数指定可能 OR  AND
005704
[TOP] [LIST]
shiromuku(pl)DIARY version 2.41