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願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

ACT105:究極を越えて 2004/07/26
ACT104:王―バアル― 2004/07/25
ACT103;龍VS精霊 2004/07/24
番外編リクエストデュエル 2004/07/23
ACT102:砕ける悪夢 2004/07/22
ACT101:混沌、悪夢 2004/07/21
ACT100:吸血姫、再び 2004/07/20
ACT99:大食、出陣 2004/07/20
ACT98:剣の丘で、勝利に酔いしれる 2004/07/19
ACT97:異形切り裂く落雷 2004/07/18


ACT105:究極を越えて
 戒淵の切り札、ガーディアンキュベレイを打ち倒したケルヴィン、だが戒淵はキュベレイとは別に、もうひとつの切り札を用意していた。ガーディアン・バアル、王の名にふさわしく、その力は絶大だった。ガーディアン・キュベレイの能力が最凶なら、ガーディアン・バアルはまさに最強、ケルヴィンはこのカードを打倒できるのか・・・・・・・・・

ケルヴィンLP1900手札4枚
場 レアメタル・ドラゴン(攻撃表示)
伏せ 1枚

戒淵LP3900手札1枚
場 ガーディアン・バアル(開放の短剣―バアル装備、攻撃表示)
伏せ なし

開放の短剣―バアル:装備魔法
装備モンスターのコントローラーは1ターンに1度、自分の手札1枚をデッキに戻し、デッキから装備魔法カードを1枚、手札に加えることができる。

ガーディアン・バアル 光属性 ☆8 戦士族:効果
ATK2000 DEF3000
このカードはフィールド上に「開放の短剣―バアル」が存在しなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚、フィールド上の「開放の短剣―バアル」を1枚、このカードに装備する。
すべての墓地にある装備魔法カード、ガーディアンと名のつくカード1枚につき、このカードの攻撃力は200ポイントアップする。
このカードは相手のカードの効果を受けない。

ガーディアン・バアル攻撃力2000→3400

「我はこれでターンエンドだ。さぁ、どうする?」
 嘲笑、ケルヴィンの顔に一瞬、怒気が映るがすぐに元に戻る。冷静さを失っては勝てないことを彼はよく知っているのだ。
「俺のターンだ、ドロー!」
 カードをドローし、何とかこの黄金の王の攻略の糸口をつかもうと必死で頭をめぐらせる。だが現在の手札、場の状況では糸口をつかむことはできなかった。
「(リバースカードは収縮、だがガーディアン・バアルはカードに対する耐性を持っている。このカードに意味はないな)モンスターをセットし、レアメタル・ドラゴンを守備表示にしてターンエンドだ」
 守りを固め、好機を待つ、今の彼にはこれくらいしかできなかった。
「我のターンだ。ドロー。そしてここで開放の短剣―バアルの効果を発動する」
「なに?」
「開放の短剣―バアルは、1ターンに1度、手札のカード1枚とデッキの中の装備魔法1枚を入れ替える効果を持つ。我はこれでデッキから世界穿つ魔剣―エヌマ・エリシュ―を手札に加え、ガーディアン・バアルに装備する」
 不意に、黄金の王が手にした鍵型の短剣で、先ほどの武器庫の鍵を開ける。その手に一振りの剣を手にする。その剣は刀身が赤く、先端はとがってはいない、突くことではなく、斬ることに完全に重点を置いた形状、そして、柄やその他の部分は金色に輝いている。それは、どんな人間でも一目でわかるほど強力な威力を持った魔剣だった。
「エヌマ・エリシュは装備モンスターの攻撃力を2000ポイントアップさせる。さらに、全体攻撃のスキルを得ることができる」
「な・・・・・・・ッ!」

ガーディアン・バアル攻撃力3400→5400

「なぎ払え!ガーディアン・バアルの攻撃!」
 黄金の王が赤き魔剣を構える。魔剣の刀身に、次々と風が纏わりついていく。まるで小規模の竜巻だ。そして・・・・・・
「消え去るがいい!雑種が!」
 一閃、たったそれだけ、特別な技など使ってはいない。だというのに、ケルヴィンの場のモンスターたちは一瞬にして消滅していた。まさに世界を穿つ一撃。

世界穿つ魔剣―エヌマ・エリシュ―:装備魔法
レベル8以上のモンスターにのみ、装備可能。
このカードを発動するとき、自分はライフの半分を支払う。
装備モンスターは攻撃力が2000ポイントアップし、相手モンスターすべてに、1度に攻撃できる。(相手モンスターすべてに1度ずつ攻撃できるわけではない)

ケルヴィンLP1900手札4枚
戒淵LP3900→1950手札1枚

「くっ、だが貴様のモンスターが破壊した裏守備モンスターは聖なる魔術師セイントマジシャンだ。リバース効果を発動し、墓地にある強欲な壷を手札に加える」
 聖なる魔術師の力で、力を失い墓地に眠った魔法カードが、もう1度力を吹き返す。ケルヴィンはこの効果でドロー強化カードを手札に加えた。
「ターンエンドだ」
「俺のターンだ。ドロー。強欲な壷を発動。カードを2枚、ドローする」
 シュパパ!っと、音がしそうなほどの勢いでカードをドローするケルヴィン、引いたカードを見て少しだけ顔色を変える。
「(まだピースが足りんな)俺は苦渋な選択を発動する。俺が選ぶのはこの5枚だ」

ケルヴィンが選んだ5枚
●ブルーアイズ・ホワイトドラゴン
●ブルーアイズ・ホワイトドラゴン
●キラースネーク
●ロードオブドラゴン〜ドラゴンの支配者〜
●アクアマリンドラゴン

アクアマリンドラゴン 水属性 ☆4 ドラゴン族
ATK800 DEF2300
海中深くに身を潜める巨大な海龍、その鱗を傷つけることは容易ではない。

 デッキ圧縮カードを使い、キーカードを引きやすくするためなのか、ケルヴィンが選んだ5枚はどれもこの状況を打破できるものではなかった。
「・・・・・キラースネークを」
 やはり、というべきか。戒淵は帰還能力のある蛇を指定した。
「モンスターをセットし、ターンエンドだ」
 対抗策が思いつかないまま、ターンを明け渡すケルヴィン、そして戒淵のターンに移る。
「我のターンだ。ドロー。そして開放の短剣―バアルの効果を使い、デッキからメテオストライクを手札に加える」
「なに!?」
 最悪のカード、貫通能力を付加させるこの装備カードが黄金の王に加わった場合、貫通ダメージでケルヴィンの負けはほぼ確定する。
「チェックメイトだ。我はメテオストライクをガーディアン・バアルに装備し、攻撃!」
 攻撃命令が下される。そして放たれる世界を穿つ一撃、その一撃が、ケルヴィンの守備モンスターと彼のライフを刈り取って・・・・・・

ケルヴィンLP1900

 いかなかった。彼のライフは変動していない。
「なに?」
「残念だったな、守備モンスターはライフガード・ドラゴン、このカードがリバースしたターン、俺のライフは変動しない」
「・・・・・ターンエンドだ」
 このターンで終わると思っていたのか、戒淵の機械のような無表情にかすかに憮然とした色が見えた。

ライフガード・ドラゴン 光属性 ☆4 ドラゴン族:効果
ATK1200 DEF2000
リバース:このターン、自分はいかなる場合でもライフが変動しない。

「俺のターンだな、(来い!)ドロー!」
 カードを引くケルヴィン、もう彼の手札に延命策はない、ここでキーカードの最後の1枚を引かなければ、彼の負けだ。
(俺は負けん!こんなところで、朽ち果てるわけにはいかん!)
 そして、彼はキーカードを呼び寄せた。フュージョン・ゲート、それが、彼が求めたカード、そして今引き当てたカード。
「(俺の勝ちだ!)いくぞ!フィールドカード、フュージョン・ゲート!」
 かざされたカード、それは融合のカードの代用品、融合と違い、モンスターは除外されてしまうが何度でも融合が可能だ。
 フィールドの情景が一変し、何かが渦巻いている混沌としたフィールドへと変化した。
「魂吸収を発動し、魂の開放を発動させる」
 続いて発動したカードは除外を回復へと変換させる永続魔法、そしてそのカードと相性抜群の魂の開放。ケルヴィンはこのカードで自らの墓地に存在する3体の至高龍、金色の翼竜、黒金の金属龍を除外した。同時に、彼のライフが大きく回復する。

ケルヴィンLP1900→4400手札3枚
戒淵LP1950手札1枚

「いくぞ!次元融合発動!」
 ダン!っと、叩きつけられるように繰り出されたカードは、失われた命に二度目の生を与える魔法カード、ケルヴィンのフィールドに蘇っていく巨龍たち。
「いでよ!3体のブルーアイズ、カイザー・グライダー、レアメタル・ドラゴン!」
 なんという鮮やかな手際だろう。あっという間に5体ものドラゴンがフィールドに並んだ。さらに戦術は加速していく。
「フュージョン・ゲートの効果を使用し、融合しろ!ブルーアイズたち!」
「む!」
 交わっていく3体の至高龍、そして誕生する三つ首の究極龍。だがその攻撃力は4500、いまや攻撃力5400にまで膨れ上がっている黄金の王を倒すことはできない。
「残念だったな、いかに究極龍といえども、我のガーディアン・バアルは倒せまい」
「たしかにな、ならば、更なる進化を見せるまでだ」
「なんだと?」
「2度目のフュージョン・ゲート発動!ブルーアイズ・アルティメットドラゴンと、手札の沼地の魔神王を融合させる!」
「な!?更なる融合だと!?」
 再び交じり合う2体のモンスターたち、そして、光が満ちた。
「降臨せよ!究極竜騎士マスター・オブ・ドラゴンナイト!」
 光が収まったとき、そこに存在したのは究極龍すらも従えた究極の龍騎士、その姿は、青い目をした三つ首の究極龍の上に、伝説に刻まれた最強の剣闘士、カオスソルジャーがまたがった姿だった。攻撃力は5000
「フン!いくら融合しようともその攻撃力は5000止まり!その程度ではバアルは倒せん!」
 たしかに、融合して強化されたとはいえ、その攻撃力はまだ5400には及ばない。
「あまいな、究極竜騎士マスター・オブ・ドラゴンナイトは、俺の場に出ているこのカード以外のドラゴン族1体につき、その攻撃力を500ポイント上昇させる。つまり」

マスター・オブ・ドラゴンナイト攻撃力5000→6000

「こうなるわけだ」
「な!?」
「終わりだ!マスター・オブ・ドラゴンナイト!奴の切り札を打ち砕け!」
 三つ首の究極龍がそのアギトで閃光を蓄える。そして伝説の剣闘士がその大剣にエネルギーをためている。
 そして、まず究極龍のアギトから極限の光の本流が放たれ、間髪いれずに剣闘士最強の一撃が叩き込まれる。究極すらも越える波状攻撃を受け、黄金の王は消滅する。
「止めだ!いけ!俺のドラゴンたちよ!」
 主の命令を聞き入れ、残りのドラゴンたちが戒淵に叩き込まれる。

ケルヴィンLP4400→2400→3900→4900
戒淵LP1950→1350→0

「さて、奴らの決闘は終わったのか?」
 事切れ、動かない戒淵には目もくれず、神官団NO2の美丈夫は呟いた。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/07/26


ACT104:王―バアル―
 石化の魔眼を持つ最凶のガーディアン、ガーディアン・キュベレイ。その特異な能力の前に、ケルヴィンは切り札であるブルーアイズ・ホワイトドラゴンを倒されてしまった。このままでは彼の敗北は時間の問題だが・・・・・・

ケルヴィンLP5300手札5枚
場 サファイアドラゴン(石化)
伏せ なし

戒淵LP4300手札4枚
場 アームズスフィア(攻撃表示)、ガーディアン・キュベレイ(束縛の魔眼―キュベレイ装備、攻撃表示)
伏せ なし

アームズスフィア 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK0 DEF2200
自分のドローフェイズに、カードをドローする代わりにデッキから装備魔法カードを1枚、手札に加えることを選んでもよい。
このカードが戦闘で破壊された場合、代わりにこのカードに装備されている装備魔法カードを1枚破壊してもよい。

束縛の魔眼―キュベレイ:装備魔法
このカードがモンスターに装備されたとき、相手フィールド上に存在するモンスターの中で、最も攻撃力の低いモンスターは、攻撃と表示形式の変更ができず生贄にもできない。また、戦闘では必ずまける(ダメージ計算は適用しない)このカードが場から離れたとき、この効果は消滅する。

ガーディアン・キュベレイ 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK2000 DEF1800
このカードは自分の場に「束縛の魔眼―キュベレイ」が存在しなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚されたとき、自分の場に出ている「束縛の魔眼―キュベレイ」をこのカードに装備させてもよい。
1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択することができる。選択したモンスターは攻撃と表示形式を変更できず、生贄にもできず、戦闘では必ずまける。(ダメージ計算は適用しない)また、効果を発動できない。

「我はアームズスフィアを守備表示に変更し、カードを1枚セットしてターンエンドだ」
「俺のターンだ!ドロー!」
 カードを引き抜くケルヴィン、だがガーディアン・キュベレイへの対抗手段はない。あの魔眼の魔女の魔眼は、裏側守備モンスターにも適応できる。つまり、モンスターは召喚するだけ無駄だということだ。一応、ガーディアン・キュベレイの能力値自体はそう高くはないので高い攻撃力を持つモンスターで攻撃を仕掛ければ倒せないことはないのだが、今のケルヴィンの手札では無理だった。
「カードを2枚セットし、ターンエンドだ!」
 モンスターは召喚しても意味がない。だからここはカードをセットしてやり過ごすしかない。
「我のターン、アームズスフィアの効果を使用し、デッキから罠封印の呪印を手札に加える」
「そのカードは!?」
「そう、読んで字のごとく、このカードは装備モンスターを罠から守るカード、これでお前の浅知恵も通じないな」
「くっ!」
 罠が封じられては、ケルヴィンに対抗手段はなかった。戒淵はこれを見越したのだ。
「ガーディアン・キュベレイに罠封印の呪印を装備させ、モンスターをセットする。いけ、キュベレイ」
 前かがみとなり、蜘蛛のような体制をとる魔眼の魔女、それが全身のばねを縮めているのだと理解した一瞬後、魔女は視認できないほどの速さで加速する。黒い影が、青い宝石龍の体を砕く。
「ターンエンドだ」

罠封印の呪印:装備魔法
装備モンスターは罠の効果を受けない。

「俺のターン!ドロー!」
 罠が聞かないのでは彼のリバースカードは無意味、このドローカードにかけるしかない。
「!強欲な壷を発動させる!」
 引き当てたカードはドロー強化の魔法カード、強欲な欲望を持った壷の魔力で、ドロー機会を得る。
「(ッ!よし、このカードならば!)いくぞ!」
 そして1枚のカードを抜き放つ、この魔眼の魔女を滅ぼせる1枚を!
「龍使いの軍神召喚!」
 現われたのは、穏やかな光をともす瞳をし、戦国時代などで軍師が着るような服を着た男。その手には龍をかたどった笛が握られている。
「龍使いの軍神が召喚されたとき、軍神は龍を呼ぶことができる。いでよ!レアメタルドラゴン!」
 軍師が手にした笛を吹き鳴らす。はるか遠くまで響き渡った音を聞き、軍師の下まではせ参じたのは1頭の巨大なドラゴン、その全身は黒光りする金属の鎧で覆われている。
「レアメタルドラゴンは通常召喚はできんがその攻撃力は2400と強大だ。いくぞ!レアメタルドラゴン!あの魔眼の魔女を滅ぼせ!」
 主の命令に従い、重量級の金属龍が魔眼の魔女へと飛び掛る。だがこの瞬間、戒淵のリバースが翻る。
「リバースカードオープン、聖なるバリア―ミラーフォース―!」
 リバースの正体はすべての攻撃を跳ね返す聖なるバリア、金属龍の放った攻撃はそのまま自分自身へと跳ね返・・・・・・
「甘い!手札から速攻魔法、我が身を盾に発動!これでそんな罠など恐れるに足りん!」
 らなかった。ケルヴィンが自らのライフを犠牲にし、ドラゴンたちを聖なるバリアから守ったのだ。
 バリアが消滅し、無防備となった魔女の細い体を、無骨な鋼の爪が切り裂いた。
「これで貴様の切り札は消滅したな。ターンエンドだ」

龍使いの軍神 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1500 DEF1200
このカードの召喚に成功したとき、手札にあるレベル4以下のドラゴン族モンスターを1体、特殊召喚できる。

ケルヴィンLP5300→3800手札4枚
戒淵LP4300→3900手札2枚

 確かに、これで決闘はケルヴィンが有利になったはずだ。だというのに、戒淵の顔に焦りの色はない。機械のような無表情を保ったままだ。その表情からでは、考えていることは読み取れない。
「我のターンだ。アームズスフィアの効果を発動し、デッキから開放の短剣―バアルを手札に加え、これをお前の龍使いの軍神に装備させる」
 ケルヴィンの場に出ている軍師へと手渡されたのは、鍵を象ったような短剣、奇妙な形だ。これでは物を切ることも、刺し貫くこともできまいに。
「そして守備モンスター、ウェポンサモナーを反転召喚し、リバースカードを発動させる。我はデッキからガーディアン・バアルを手札に加える」
 戒淵が手札へと導いたのは王の名を持つガーディアン、そして・・・・・
「我の切り札はキュベレイだけではない。アームズスフィアとウェポンサモナーを生贄にささげ、見るがいい、これぞ我がデッキ最強のガーディアン、ガーディアン・バアル!」
 現われたのは、金色のガーディアン。黄金の鎧に身を包み、金の髪、赤い瞳を持った、その姿は王の名にふさわしくまさにガーディアンの王。その朱の瞳が、龍を操る軍神を見下ろしていた。否、正確には彼の手にする短剣を。
「無礼者が、その短剣は我のものであるぞ」
 黄金の王が手をかざす。すると軍神が手にした短剣がひとりでに軍神の手を離れ、本来の持ち主である黄金の王の手へと舞い戻った。
「ガーディアン・バアルは自分の墓地に存在するガーディアン、装備魔法につきその攻撃力を200ポイントアップさせる。よってバアルの攻撃力がアップする」

ガーディアン・バアル攻撃力2000→3400

「攻撃」
 ひとこと、その言葉に反応し、黄金の王が動く。その手に握った鍵状の短剣を虚空に差し込む。すると空間がねじれ始め、鍵が虚空に埋められる。手首をひねる。がちゃり、という重々しい音が響き、ゆがめられた空間から剣や槍などの無数の武器が現われる。まるで武器庫だ。
 黄金の王は手をかざし。
「王命である、潔く滅びるがいい」
 親指と中指をはじく。次の瞬間、無数の武具が雨となって龍使いの軍神へと降り注ぐ。
「させん!リバースカードオープン!魔法の筒マジックシリンダー!」
 虚空に現われたふたつの筒、ひとつが相手の攻撃を吸収し、もうひとつが相手へと転送する筒、だが無数の武器の雨はその筒を粉々に砕いた。
「な!?」
「されにそのような下賎な罠が効くはずがなかろうが!身の程を知れ!」
 驚愕のケルヴィンに答えたのは、戒淵ではなくガーディアン・バアル。そして無数の武具が軍神の体を貫いた。
「ぐ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 絶叫、モンスターのダメージがフィードバックし、ケルヴィンの体を痛めつける。
「ぐ・・・・・・・・」

開放の短剣―バアル:装備魔法
装備モンスターのコントローラーは1ターンに1度、自分の手札1枚をデッキに戻し、デッキから装備魔法カードを1枚、手札に加えることができる。

ガーディアン・バアル 光属性 ☆8 戦士族:効果
ATK2000 DEF3000
このカードはフィールド上に開放の「短剣―バアル」が存在しなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚、フィールド上の「開放の短剣―バアル」を1枚、このカードに装備する。
すべての墓地にある装備魔法カード、ガーディアンと名のつくカード1枚につき、このカードの攻撃力は200ポイントアップする。
このカードは相手のカードの効果を受けない。

ケルヴィンLP3800→1900手札4枚
戒淵LP3900手札1枚

 黄金の王、その圧倒的力を、ケルヴィンは打ち倒すことができるのか?



あとがき
ツキ「よし、これで後は4つですね」
ヒール「もはや確信犯だなおい」
ツキ「リクエストっぽいものがあったので、やはりある程度読者のニーズにはこたえたいですよね」
ヒール「なるほど、だがあと4つ、チャントカード化できるのか?」
ツキ「え?」
ヒール「2つほど、カード化がきついものがあると思うのだが・・・・・・・」
ツキ「え?あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ヒール「気づいたか」
ツキ「な、なんとかしますよ!」
ヒール「できるのならな」
Date: 2004/07/25


ACT103;龍VS精霊
 対峙するケルヴィンと戒淵、戦いはすでに始まっていた。

ケルヴィンLP8000手札5枚
戒淵LP8000手札5枚

「我の先行、ドロー」
 おもむろにカードを引く戒淵、その声は相変わらず重々しいがそこにかつてリディアと戦ったときの武人の雰囲気はなく、あるのはただ淡々と作業をこなす機械のごとき雰囲気。
「カードをセットし、モンスターを守備表示、ターンエンド」
 一般的な守りの姿勢、だが相手の出方を見るという意味では最善だ。
「俺のターンだな、ドロー!」
 引いたカードを手札に加え、すぐさま召喚体勢に入るケルヴィン。
「カードを1枚セットし、スピアドラゴン召喚!」
 呼び出したモンスターは貫通能力を秘めた翼竜、攻撃力も1900と一線級だ。
「攻撃!」
 命令と同時に上昇、ある程度昇ったところで急降下。重力法則が働き、落下速度、威力、共に上昇。そのまま一気に守備モンスターへと降下する。
「ふっ、無駄だ。守備モンスターはアームズスフィアだ。その程度攻撃ではびくともせん」
 その言葉通り、急降下の一撃は宙に浮いた紫色の球体の魔法障壁によって弾かれた。

アームズスフィア 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK0 DEF2200
自分のドローフェイズに、カードをドローする代わりにデッキから装備魔法カードを1枚、手札に加えることを選んでもよい。
このカードが戦闘で破壊された場合、代わりにこのカードに装備されている装備魔法カードを1枚破壊してもよい。

 守備的な能力値のモンスター、だがこのモンスターこそ、戒淵のデッキの中核を担っていた。
「チッ、ターンエンドだ」

ケルヴィンLP8000→7700手札4枚
戒淵LP8000手札4枚

 攻撃の反動で守備態勢をとる槍龍。そしてターンが移行する。
「我のターンだ。アームズスフィアの効果を発動し、カードをドローする代わりにデッキから装備魔法、静寂のロッド―ケーストを手札に加えよう」
 回り始める戒淵のガーディアンデッキ。そして・・・・
「静寂のロッド―ケーストをアームズスフィアに装備させ、ガーディアン・ケーストを召喚しよう」
 一振りの杖が紫の球体の周りを回り始め、その杖に宿る武器精霊が召喚された。

アームズスフィア守備力2200→2700

「ケーストで守備表示のスピアドラゴンを攻撃する」
 主の命令どおり、守備形態をとっている槍龍に水の魔法攻撃を仕掛けるケースト、しかし・・・・・
「させん!リバースカードオープン!重力解除!」
 翻るリバース、それと同時に、全体の重力が消失する。再び重力が元に戻ったとき、すべてのモンスターの表示形式が変更されていた。
「・・・・・・・ターンエンドだ」
「俺のターンだ!ドロー!」
 すかさずカードをドローするケルヴィン、そして・・・・
「スピアドラゴンを生贄にささげ、カイザー・グライダーを召喚する!」
 ケルヴィンの場に金色の翼竜が現われる。その瞳は戒淵に向けられていた。
「こいつでその目障りな球体を破壊してくれる!攻撃!」
 攻撃命令、待ってましたとばかりに翼竜が飛び立ち、その爪で武器を呼び寄せる球体を切り裂かんとする。だがそれはかなわなかった。球体の周りを舞っていた静寂の杖が、翼竜と球体の間に割って入ったのだ。
「何!?」
「アームズスフィアは戦闘で破壊される間際、自身を取り巻く武器を犠牲にすることで生きながらえることができるのだ。もっとも、ダメージは来るがな」
 ダメージは来るといっておきながら、戒淵は眉ひとつ動かしてはいない。

ケルヴィンLP7700手札4枚
戒淵LP8000→5600手札3枚

「この瞬間、伏せておいた罠カード、痛感の宝札を発動させる」
「なに?」
「痛感の宝札はモンスターによるダメージを受けたとき、ダメージを与えたモンスターのレベルの半分のカードをドローできるのだ。お前のモンスター、カイザー・グライダーのレベルは6、よって3枚カードをドローする」
 舌打ち、これで戒淵の手札はまた潤ってしまった。
「カードを1枚セットし、ターンエンドだ」
「我のターン、アームズスフィアの効果を発動し、デッキから流星の弓―シールを手札に加える」
 再び舌打ち、流星の弓が来たということは手札にはあのカードがあるのだろう。
「流星の弓―シールを、お前のドラゴンに装備させる」
 金色の翼竜の腕にひとつの弓が渡される。突然のことに、翼竜も戸惑っているようだ。

カイザー・グライダー攻撃力2400→1400

「そしてガーディアン・シールを召喚し、その弱りきった翼竜に攻撃だ」
 現われた虎面の武器精霊。その手にした弓に備えられた矢が金色の翼竜へと放たれた。矢は翼竜の心臓を貫通し、苦しそうな声を上げた。
「くっ、だがこの瞬間、カイザー・グライダーの効果を発動し、その目障りな球体を排除してくれる!」
 死に際に、金色の翼竜はその翼を振るい、突風を吹かせる。その風に煽られ、紫の球体マスターの手札へと戻された。
「ケーストでダイレクトアタック」
 再び水の魔法を放つ静寂の武器精霊。その一撃が、ケルヴィンの体を直撃する。
「ぐっ、やってくれる・・・・・・だがこの瞬間、リバースカードオープン!ものまね幻想師の奥義!」
「!」
 翻ったカードは相手のカードをコピーする速攻魔法。
「これで俺は貴様の痛覚の宝札をコピーする!」

ものマネ幻想師の奥義:速攻魔法
1000ポイントのライフを支払って発動する。相手の墓地にある魔法、罠カードを1枚選択する。このカードは選択したカードとして扱う事ができる。

「さっき俺に攻撃を仕掛けたガーディアン・ケーストのレベルは4、よってカードを2枚ドローする」
 負けじと手札を潤すケルヴィン。そして笑みを作る。もっとも、それは戒淵には悟られないようにだが。
「カードを1枚セットしてターンエンド」

ケルヴィンLP7700→5300手札5枚
戒淵LP5600手札5枚

「俺のターン!ドロー!手札より天使の施しを発動する」
 発動したのは手札交換の魔法カード、これで彼の準備は整った。彼は1枚のカードを抜き出す。
「死者蘇生!来たれ!ブルーアイズ・ホワイトドラゴン!」
 死者を蘇らせる奇跡、その奇跡の恩恵を受け、施しの効果で墓地へと送られた青い目の至高龍が降臨した。その美しくも恐ろしい巨躯が、戒淵の武器精霊たちを見下ろしていた。
「さらにサファイアドラゴンを召喚し、攻撃!いけ!ブルーアイズ!」
 白き至高龍がそのアギトを開き、口に光のエネルギーをため、光弾として解き放つ!光弾は虎面の武器精霊を吹き飛ばす。
「さらに!サファイアドラゴンでダイレクトアタック!」
 戒淵の場にはまだガーディアン・ケーストが存在しているがケーストは攻撃の対象にならず、マスターを守ることができないのだ。
「リバースカードオープン、月の書。これでガーディアン・ケーストを裏側守備表示に変更する」
 夜の書が現われ、そこからあふれる闇が静寂の武器精霊の姿を覆い隠す。
「かまわん!撃破しろ!サファイアドラゴン!」
 再び下された主の攻撃命令。蒼き宝石龍の放った青白いブレスが水の武器精霊を消滅させる。
「ターンエンドだ」

ケルヴィンLP5300手札4枚
戒淵LP5600→4300手札5枚

 めまぐるしく変動するライフ。かなり激しい戦いだ。この戦い、おそらく短期決戦だろう。
「我のターンだ。ドローカードを2枚セットし、アームズスフィアを召喚。ターンエンド」
 新たに追加された二つのリバースカード、そして攻撃表示の球体、間違いなく罠だろう。だがここでアームズスフィアを野放しにしておいては次々とガーディアンモンスターを送り込まれる可能性がある。
「俺のターンだ。ドロー。この俺が!罠を恐れて立ち止まると思ったか!ブルーアイズよ!攻撃だ!滅びのバーストストリーム!」
 放たれた極光の奔流。それが紫の球体へと向かって突き進む。
「リバースカードオープン、和睦の使者。このカードでこのターンの戦闘ダメージはゼロだ」
 翻ったリバースの効果により、至高龍の攻撃は空振りに終わった。そして更なるリバースがあらわにされる。
「もう1枚のリバースカードオープン、防衛の報酬。これにより2枚ドローだ」
 翻ったのは守護の報酬としてのカード、これで戒淵の手札がさらに膨張する。

防衛の報酬:通常罠
自分のモンスターが戦闘で破壊されなかったときに発動、カードを2枚ドローできる。

「ターンエンドだ」
 苛立ちを含んだエンド宣言。そして次のターン、戒淵の切り札が現われる。
「我のターンだ。アームズスフィアの効果を使い、デッキから束縛の魔眼―キュベレイを手札に加え、これをアームズスフィアに装備させよう」
 球体の中央に、亀裂のようなものが刻まれる。否、それは亀裂ではなく、目蓋。ゆっくりと開き、それが姿を見せる。それは魔眼、見たものの動きを束縛する石化の魔眼だ。そしてケルヴィンの場にも変化が起こった。
「これは!?」
 ケルヴィンの場に出ていたサファイアドラゴンが見る見るうちに石化したのだ。
「キュベレイは発動ターン、相手の場に出ている最も攻撃力の低いカードを1体、石化させる効果を持つ。そして見せてやろう。これは我の切り札のひとつ、ガーディアン・キュベレイだ!」
 召喚されたのはひとりの女性、目隠しのようなもので覆い隠しているので瞳は見えないが足元まで届く紫の髪、露出度の高い黒いラバースーツに包まれた白い肢体、それらの要素もありからりの妖艶な美女だが見るものが見ればすぐにわかる。彼女が堕落した女神のごとき魔女だということが。
「ガーディアンキュベレイの効果を発動し、束縛の魔眼キュベレイをガーディアンキュベレイに装備させる」
 球体の中央にあった魔眼が消失し、次の瞬間、魔女のアイマスクが取れ、そこから金色の瞳が覗く。それが先ほどまで球体の中央に存在していた魔眼だと気づいたとき、さらにブルーアイズまでも石化を開始していた。
「な!?これは!?」
「ガーディアン・キュベレイにも魔眼がある。この魔眼の前ではたとえ力強きものとて無力だ。いけ、ガーディアンキュベレイ」
 主の命令を聞き、疾走する魔眼の魔女、その手には鎖でつながれた二本の釘状の短剣が握られている。疾走はやがて神速へと変わり、視認ができなくなる。黒い影が至高龍の巨像に迫ったかと思った瞬間、巨像は粉々に砕け散った。
「石化モンスターを破壊してもダメージを与えることはできない。だが戦闘では必ず破壊される」

束縛の魔眼―キュベレイ:装備魔法
このカードがモンスターに装備されたとき、相手フィールド上に存在するモンスターの中で、最も攻撃力の低いモンスターは、攻撃と表示形式の変更ができず生贄にもできない。また、戦闘では必ずまける(ダメージ計算は適用しない)このカードが場から離れたとき、この効果は消滅する。

ガーディアン・キュベレイ 闇属性 ☆4 戦士族:効果
ATK2000 DEF1800
このカードは自分の場に「束縛の魔眼―キュベレイ」が存在しなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚されたとき、自分の場に出ている「束縛の魔眼―キュベレイ」をこのカードに装備させてもよい。
1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択することができる。選択したモンスターは攻撃と表示形式を変更できず、生贄にもできず、戦闘では必ずまける。(ダメージ計算は適用しない)また、効果を発動できない。

「さて、どうする?」
 戦況は戒淵に傾きつつあった。


あとがき
やはりガーディアンデッキは作るのが大変です。まぁ、オリカモンスターには元ネタがあるから何とかなってるんですが・・・・・・・
元ネタのあるオリカはこの小説では結構あります。なかにはまんまそのまま名前を使っているものもあります。暇なときに探してみるのも一興かもしれません。まぁ、ほとんどはあとがきで言っちゃってるんですけどね・・・・・・・・
Date: 2004/07/24


番外編リクエストデュエル
ツキ「というわけでやってきました。リクエストデュエルです」
ヒール「ああ、カズトさんのパクリか」
ツキ「ぐはぁ!?そ、そんなことありませんよ!ただちょっと参考にしただけです!」
ヒール「知ってるか作者?世間ではそれをパクリというんだぞ?」
ツキ「さぁ!行数がもったいないのでちゃっちゃと始めますよ!」
ヒール「さらりと無視か」
ツキ「それでは今回のリクエストデュエルは・・・・・・・・・」
ヒール「さて、誰だろうな。どうせ皆さんの希望通りミリアに・・・・」
ツキ「発表します!yamato様リクエストのヒールVSクロノです!」
ヒール「ほぉ、他の皆さんが散々ミリアの決闘をリクエストしておきながらそれを選ぶとは、度胸があるんだか馬鹿なんだか」
ツキ「あ・・・・・・」
ヒール「ん?」
ツキ「あなたにあの大量の楽師カードを書かなければならない僕の苦労がわかりますか!?」
ヒール「半分くらい自業自得だよな、それ」
ツキ「さっさとふたりとも、準備をしてください!」


 会場の中央で対峙するヒールをクロノ、光の天使使いと闇の魔術師使いの戦いが、今始まる。
「手加減はしませんよ?」
「そりゃ俺の台詞だ。いくぜ」
決闘デュエル!』
 ふたりの声が、木霊する。
「俺の先行だ!ドロー!カードを1枚セットして、モンスターをセット!ターンエンドだ!」
 常に攻めの姿勢を貫く彼にしては珍しく、守備を固めてきた。それだけ慎重だということだろうか・・・・・
「僕のターンですね、ドローします。手札からテラ・フォーミングを発動し、デッキから王家の眠る谷―ネクロバレー―を手札に加え、そして発動します!」
 フィールドが一変する。何の変哲もないただの会場から、高貴なる一族が眠る死者の谷へと。
「そして墓守の長槍兵を召喚し、ヒールさんの守備モンスターに攻撃します!」
 召喚された墓守、この死者の谷は墓守たちのホームグラウンド、故に墓守たちはその力を最大限に引き出せる。

墓守の長槍兵攻撃力1500→2000守備力1000→1500

 長槍兵の槍がヒールの守備モンスター、シャインエンジェルを貫く。さらに彼は貫通能力も備えている。ダメージはモンスターだけでなく、ヒール本人にまで及ぶ。

ヒールLP8000→6700手札4枚
クロノLP8000手札4枚

「ぐっ!やってくれるな。だがシャインエンジェルの効果を発動し、デッキから祝福の天使レミエルを特殊召喚する!」
 光の天使の遺言により呼び出されたのは、小柄な少女天使、その無垢なる瞳が、ヒールを見つめている。

祝福の天使レミエル 光属性 ☆4 天使族:効果
ATK1300 DEF1000
このカードがフィールドか墓地からゲームから除外されたとき手札から天使族モンスター1体を特殊召喚することができる。

「(レミエル、ということはあの伏せカードはあれと見て間違いはなさそうですね)カードを1枚セットしてターンエンドです」
「(ここだ!)リバースカードオープン!異次元放逐!」
(やはり・・・・・・・)
 翻ったリバース、そしてお互いの場に次元の裂け目が出現する。

異次元放逐:速攻魔法
発動プレイヤーは自分の場のモンスターと相手の場のモンスターを1体ずつ選択する。選択されたモンスターをゲームから除外する。

「こいつで俺はレミエルとお前の長槍兵を除外するぜ!」
 次元の裂け目に吸い込まれる少女天使と墓守、そしてヒールの場に変化が現われる。
「レミエルの効果を発動し、手札から力の天使ゼルエルを特殊召喚するぜ!」
 ヒールの場に降臨したのは、烈火のごとき赤い髪と瞳を持つ男天使。その手に握った剣がクロノに突きつけられる。

力の天使ゼルエル 炎属性 ☆8 天使族:効果
ATK2700 DEF2600
このカードは相手からの魔法カードの効果を受けない。
このカードは自分のバトルフェイズ中、攻撃力が800ポイントアップする

「俺のターンだ!ドロー!一気にいくぜクロノ!大天使の従者召喚!」
 召喚されたのは、大天使たちに仕える聖戦士、その攻撃力は1800、クロノへのダイレクトが決まれば一気にヒールのペースとなるだろう。

大天使の従者 光属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1800 DEF1600
自分のスタンバイフェイズにこのカードを生贄にささげる。
デッキから天使族モンスターを1体特殊召喚してもよい。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン攻撃できない。

「2体でダイレクトアタック!」
 猛進する2体のモンスター、さらにゼルエルは自分のバトルフェイズ時、その攻撃力をアップさせる効果を持つ。

力の天使ゼルエル攻撃力2700→3500

「甘いですよヒールさん、リバースカードオープン!聖なるバリア―ミラーフォース―!」
 翻りかけたりバース、それを遮ったのはどこからともなく飛来した1枚の天使の羽根、それがクロノのリバースを射抜いた。
「残念、手札から速攻魔法、エンジェルダーツを発動させたぜ」
 ヒールが発動した魔法カードは相手のセットカードを封殺する速攻魔法。これでクロノを守護するものはない。

エンジェルダーツ:速攻魔法
相手がセットしたカードを表にしたときに発動可能、そのカードを裏側のまま墓地に送る。その後、自分は600ポイントのライフを得る。

「いけ!俺のモンスターたち!」
 疾走する二つの影、だがクロノは笑みを浮かべ、手札から1枚のカードを抜き出した。
「手札から罠カード、予期せぬ造反を発動します」
「な!?」
 まさかの手札からの罠発動、そして驚くべくことに、ヒールの場にいたはずのゼルエルがクロノの場へと移っている。その烈火の天使に向け、従者が刃を向ける。
「まっ!」
「ちませんよ。予期せぬ造反によって起こった戦闘は強制ですから」
 従者の白刃をあっさりと交わし、烈火の天使の長剣が切り返しの一撃を放つ。刃は見事に従者の体を両断した。
「ぐぁ・・・・・・・ッ!」
「残念でしたねっ!?」
 突然痛みを感じるクロノ、そしてヒールが会心の笑みを浮かべる。
「残念だったのはお前だったな。手札から鏡の天使ミラエルを捨てた。こいつは俺がダメージを受けたとき、そのダメージを相手に跳ね返すカードだ」
「ダメージ転化能力、やられましたね・・・・・・・」

予期せぬ造反:通常罠
このカードは1000ライフポイントを支払うことで手札からでも発動できる。
相手のバトルフェイズ中に発動。エンドフェイズまで相手フィールド上のモンスター1体のコントロールを得る。相手はこのカードの効果でコントロールを奪われたモンスターと強制的にバトルを行う。

鏡の天使ミラエル 光属性 ☆1 天使族:効果
ATK300 DEF200
自分がダメージを受けたとき、このカードを手札から捨てることで受けたダメージは相手が受ける。

ヒールLP6700→7300手札1枚
クロノLP8000→5300手札2枚

「これで俺が有利になったかな?ターンエンドだ」
「僕のターンですね、ドローします。強欲な壷を発動し、カードを2枚ドローします」
 起死回生とでも言うべきか、ドロー強化カードで手札を補充するクロノ。その顔には笑みが浮かんでいる。
「黒き森のウィッチ召喚!」
 現われたのは額に第3の目を持つ魔女。だか彼女を攻撃表示とは・・・・・・
(ウィッチを攻撃表示、ってことは来るな・・・・・・)
「さらに手札からディメンションマジックを発動させ、ブラックマジシャンを召喚します!」
 人型の箱がウィッチを包み込み、箱が開かれたとき、そこから現われたのは黒き最上級魔術師。
「ディメンションマジックの効果を発動し、ゼルエルを破壊します!そしてブラックマジシャンでダイレクトアタックです!ブラックマジック!」
 放たれた黒い稲妻が、無防備となったヒールを直撃する。
「くぅ・・・・・・やっぱりダイレクトはきついぜ」
「ウィッチの効果で魔導戦士 ブレイカーを手札に加え、カードを1枚セットしてターンエンドです」
 一転、窮地に立たされるヒール、彼の手札は1枚、このままではやられてしまうだろう。

ヒールLP7300→4800手札1枚
クロノLP5300手札1枚

「くそ!俺のターンだ!ドロー!」
 気合を入れてカードをドローするヒール、だがこの瞬間、クロノのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!はたき落とし!」
 横合いから突如出現した謎の腕が、ヒールのドローカード、現在の女神ヴェルダンディを墓地へと送った。
「な!?ヴェ、ヴェルダンディが!?」

現在の女神ヴェルダンディ 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分のデッキの上から6枚をゲームから除外して特殊召喚する。
1ターンに1度、自分の墓地にある魔法カード2枚をゲームから除外して除外されている自分のカードを1枚、手札に加えることができる。この効果で除外した魔法カードは、デュエル中、使用できない。
1ターンに1度、自分の場に出ているモンスター1体を生贄に捧げることができる。
エンドフェイズまで、生贄に捧げたモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力がアップする。

「これであなたの切り札の1枚を封じましたね」
「くそ!カードをセットしてターンエンドだ!」
 唯一の手札をセットするヒール。このままでは彼の敗北は濃厚だが・・・・・・・・
「僕のターンですね、ドローします。ブレイカーを召喚し、起動効果を発動させます!」
 魔力破壊の戦士の放った魔弾が、ヒールのリバースを射抜く瞬間、彼のリバースが翻った。
「チェーン!聖杯の奇跡!こいつでこのターン、俺は無傷だ!」
 聖杯からあふれた光が障壁となり、ヒールをすべての災厄から守護した。

聖杯の奇跡:通常罠
自分の手札をすべて捨て、ライフを半分にして発動可能、発動ターン、自分はあらゆるダメージを受けない。また、発動後、デッキからカードを2枚まで手札に加えてもよい。このカードの発動と効果は無効化されない。

「さらに聖杯の効果で、俺はデッキから天よりの宝札と封印の天使シルエルを手札に加えるぜ」
「・・・・・カードを1枚セットして、ターンエンドです」

ヒールLP4800→2400手札2枚
クロノLP5300手札0枚

「俺のターンだ!ドロー!そして天よりの宝札発動!こいつで手札を6枚に増やすぜ!」
 ドロー強化系最強のカード、これによりふたりの手札が一気に潤った。
「まずはサイクロンでネクロバレーを破壊する。天使の施しを発動、カードを3枚ドローして2枚捨てる。これで条件は揃ったぜ、墓地にあるシャインエンジェルとヴェルダンディとミラエルと施しのコストで捨てたヴァルキリーの援護兵とデュナミスヴァルキュリアを除外し、こい!未来の女神スクルド!」
 降臨した運命の三女神三女、スクルド、その神々しい姿が見るものを魅了した。

未来の女神スクルド 光属性 ☆9 天使族:効果
ATK3000 DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にある光属性モンスター5枚をゲームから除外して特殊召喚する。
相手がモンスターを特殊召喚したとき、そのモンスターを次の相手のスタンバイフェイズまでゲームから除外してもよい。
このカードは次の自分のバトルフェイズをスキップすることでバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

「いくぜ?攻撃!マテリアルレイン!」
 女神が手にした弓から放たれた光の矢が、雨となってブラックマジシャンに降り注いだ。
「まだ終わりじゃないぜ?スクルドの特殊能力発動!デュアルアタック!」
 多重攻撃、再び降り注いだ光の雨が、今度は魔力破壊の戦士に降り注いだ。
「ぐぅぅぅぅぅ!」
「ターンエンドだ」

ヒールLP2400手札4枚
クロノLP5300→3600手札6枚

「僕のターンです!ドロー!(仕方がありませんね)カードを1枚セットし、モンスターをセット!ターンエンドです!」
 守備を固めるクロノ、ヒールは嵩になって攻めたてんとカードをドローする。だがこの瞬間、クロノのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!破壊輪!」
 翻ったのは問答無用でモンスターを破壊する罠カード。対象は勿論、スクルドだ。
「させるか!手札から封印の天使シルエルを捨て、そいつの効果を無効化する!」
 封印の天使が、彼の伏せた破壊の輪を封印する刹那、クロノの最後のリバースが翻った!
「チェーン!大神の宣告!」
「な、なんだそれ!?」
「このカードは、いわば神の宣告の強化版ですよ。相手のあらゆる行動を1度だけ無効化します!もっとも、払うライフコストも高いのですが・・・・・・」
 大神の力により、シルエルの封印効果が無力化され、結果、スクルドの首に爆弾のついた輪がはめられ、爆発した。

封印の天使シルエル 地属性 ☆1 天使族:効果
ATK300 DEF200
相手が発動した罠、魔法カードの効果をこのカードを手札から捨てることで無効化できる。

大神の宣告:カウンター罠
ライフの4分の3を支払って発動。相手のモンスターの召喚、特殊召喚、反転召喚、魔法、罠、モンスターの効果のどれかひとつの発動を無効化する。

ヒールLP2400→0
クロノLP5300→1325→0

「おいおい、引き分けかよ・・・・・・・」
 ヒールの呟きが、この決闘を終焉を告げた。

ツキ「というわけで終了です」
ヒール「引き分けかよ。くそ!」
クロノ「流石に強いですねヒールさん。引き分けが精一杯でしたよ」
ツキ「いい勝負でしたよ。それでは今回はここまでにしておきましょう。それでは!」
Date: 2004/07/23


ACT102:砕ける悪夢
 マリアの召喚した彼女の新たな切り札、ヴァンパイア・ナイトメアによって絶体絶命の窮地に立たされたクロノ、このままでは彼の敗北は時間の問題だが・・・・・・

クロノLP1700手札4枚
場 なし
伏せ なし

マリアLP2700手札2枚
場 崇り―ヴァンパイア・ナイトメア―(攻撃表示)
伏せ なし

崇り―ヴァンパイア・ナイトメア― 闇属性 ☆8 アンデット族:効果
ATK??? DEF???
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にあるヴァンパイアと名のつくモンスター3体をゲームから除外して特殊召喚する。
このカードの攻撃力と守備力は、それぞれ除外したモンスターの攻撃力と守備力の合計値の半分となる。
このカードは、このカードの召喚の際に除外したモンスターの効果を得ることができる。

今回のヴァンパイア・ナイトメアが吸収したモンスター。
●混沌―ヴァンパイア・カオス―
●ヴァンパイア・ナイト
●ヴァンパイア・ロード

混沌―ヴァンパイア・カオス― 闇属性 ☆8 アンデット族:効果
ATK2600 DEF2300
自分のドローフェイズをスキップすることで手札、デッキ、墓地からサーヴァントと名のつくモンスターを1体、特殊召喚してもよい。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターはヴァンパイアを守る効果を適用できない。また、このカードが除外されたとき、このカードの効果で特殊召喚したモンスターをすべて破壊する。
このカードが破壊されたとき、自分の場に出ているサーヴァントと名のつくモンスターを1体生贄に捧げこのカードを特殊召喚することができる。

ヴァンパイア・ナイト 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2200 DEF1500
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、カードの種類を宣言する。相手はデッキから宣言されたカードを1枚墓地に送る。
このカードが場に出ている限り、相手プレイヤーはこのカードのコントローラーに戦闘ダメージ以外のダメージを与えることができない。

崇り―ヴァンパイア・ナイトメア―攻撃力3400守備力2650

 噂の体言化というのが、これほどまでに厄介だとは、ヴァンパイア・ナイトメアの能力は手につけられない。
「ふふふ、どう?彼の力は?私はこれでターンエンドよ。さぁ、カードを引いて、モンスターを出して、そしてもっともっと足掻いて頂戴。足掻いて足掻いて足掻きぬいて、力尽きたとき、その血を啜ってあげる」
 狂気に魅入られた吸血姫の声が響く。
「・・・・・・・僕のターンですね、ドローします」
 手札を見渡すクロノ、だがいくら見渡したところで、この現状を打破できる戦術は浮かんでこない。
 頭の中で考える。どうしたらあの悪夢を払えるか、英霊召喚で復活させたクロノス・マジシャンで攻撃する?否だ。そもそも英霊召喚のための生贄を揃えられない。

英霊召喚:通常魔法
自分の墓地にあるモンスター1体を自分の場に特殊召喚できる。(ただし、特殊召喚するモンスターのレベルに応じて生贄が必要)このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃力が500ポイントアップする。

 戦闘以外の方法でマリアのライフをゼロにする?不可能だ。彼女の場に出ているヴァンパイア・ナイトメアはヴァンパイア・ナイトの効果を吸収している。
「・・・・・・僕はモンスターをセットして、ターンエンドです」
 結局、今の彼にできることは少ない可能性に賭けて今を生きることだけだ。
「私のターンね、この瞬間、ヴァンパイア・ナイトメアの効果を発動して、墓地に送られたサーヴァント・タイガーを呼び出すわ」
 悪夢の紳士の影が蠢く。やがて影は本体を離れ、クロノとヴァンパイア・ナイトメアの中間で止まった。さらに影は蠢き、影の一部が浮かび上がってきた。浮かび上がった影はその形を巨大な虎のものとし、それは漆黒の巨虎となってクロノに牙を剥いた。

サーヴァント・タイガー 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2300 DEF1500
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードが相手守備モンスターを攻撃したとき、このカードの攻撃力が守備モンスターの守備力を上回っていた場合、その数値分相手にダメージを与える。

「さぁ、喰らいなさい、サーヴァント・タイガー。餌はあの守備モンスターよ」
 マリアの命令と共に飛び掛る黒き巨虎、その鋭い牙で、クロノの守備モンスター、墓守の偵察者を喰らい尽くす。
「くっ・・・・・ッ!墓守の偵察者の効果を発動し、デッキから墓守の長槍兵を特殊召喚する」
 それぞれ2枚目の墓守モンスターたち、だが新たに現われた長槍使いも悪夢の竜巻によって消滅した。
「ターンエンドよ」

クロノLP1700→1400手札4枚
マリアLP2700手札2枚

 マリアが呼び出したサーヴァント・タイガーは貫通能力を持つ、このままでは徐々にクロノのライフが削られ、やがて敗北してしまう。
「僕のターンです!ドロー!」
 一握りの希望を託してカードをドローするクロノ、だが彼の手札では現状打破はできなかった。
「カードを1枚セットして、ターンエンドです」
 伏せたカードは和睦の使者、これで1ターンは凌げる。
 次のマリアのターン、彼女はサーヴァント・ディアを墓地から蘇生させ、総攻撃をかけてきたがリバースの和睦の使者が発動して事なきを経た。

サーヴァント・ディア 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK1700 DEF1000
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
自分のバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・・」
 体力と精神力を消耗していくクロノ、もはや生き残ることで必死だ。そしてターンは彼に移行される。
「僕のターンです、ドロー!」
 希望ではなく、延命策を託したドロー。そして引いたカードは・・・・・
「(よし、これならまだ何とかなりますね)僕は手札から魔法カード、魔法の合わせ鏡マジカルミラーを発動させます!」
 繰り出した1枚のカード、空中に、1枚の鏡が出現する。鏡はマリアの墓地を向き、やがてその鏡にひとつの画像が映される。強欲な壷が。
「これは・・・・・」
魔法の合わせ鏡マジカルミラーは、自分と相手の墓地にある同名魔法カードを瞬時に発動することができます。僕はこれで強欲な壷を発動します!」

魔法の合わせ鏡マジカルミラー:速攻魔法
自分と相手の墓地にある同名魔法カード1枚を発動することができる。

 再び使用されるドロー強化の魔法カード、手札を潤し、延命策をふやすためにクロノが引いたカードは・・・・・・
「あ」
 少々間の抜けた声を上げるクロノ、その顔も痴呆のように呆けていた。このカードがこんな顔をするとは珍しい・・・・・・
 そして、クロノが元の顔に戻ったとき、その瞳には絶対の確信があった。
「マリアさん、この決闘、僕の勝ちです」
 自信に満ちた勝利宣言、その目が偽りとは思えない。
「あっはははははははははは、この状況で、あなたが私に勝つ?できると思って?」
 嘲笑するマリア、だがクロノの表情は変わらない。
「はい、勝てます。このカードで、あなたの崇りを無力化します」
 手にするは1枚のカード、それをゆっくりと表にしていく・・・・・
 月の書、それが彼の手に握られたカードだった。
「!?しまっ!?」
「もう遅いです!月の書、発動!」
 眼前に現われる1冊の書物、それが開いたとき、その本から夜の闇が飛び出す。
 闇はやがてヴァンパイア・ナイトメアを囲み、多い尽くす。闇が収縮するころ、そこに悪夢の紳士の姿はなかった。あるのはただの1枚の裏側守備表示モンスターのみ。
「さて、お聞きしますが、ヴァンパイア・ナイトメアが他のヴァンパイアたちの能力ちから:を得るのは、特殊召喚されたときのみでしたね?ならば、反転召喚したときは、どうなるのでしょう?そして、裏側守備表示になったときは?」
「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!」
 これが、崇りを終わらせる方法。ヴァンパイア・ナイトメアが他のヴァンパイアたちの効果を得ることができるのは墓地のヴァンパイアを除外して特殊召喚したときのみ、つまり、何らかの方法で裏側守備表示にしてしまえば、そこに残ったのはただの無力な1匹のモンスターだ。条件さえ揃えばその力を際限なく振るうことのできる崇りも、条件が揃わなければただの無力な存在にまで成り下がるのだ。
「さらにいきますよ、太陽の書、発動!」
 繰り出されたカードは先ほどの月の書とは対極の位置に立つ書物、眼前に出現した本が開かれたとき、まばゆい昼の光があふれ出す。その光が裏側守備モンスターに降り注ぎ、陰に隠れたその正体、1体の無力なヴァンパイアの姿をあらわにする。

崇り―ヴァンパイア・ナイトメア―攻撃力0守備力0

「終わりです!死者蘇生発動!クロノス・マジシャンを蘇生させ、攻撃です!クロノイレイザー!」
 放たれるときを超えた稲妻と炎、それが悪夢の紳士を焼き尽くす。不完全な崇りは、断末魔の悲鳴すら上げられずに消滅した。同時に、そのマスターのライフを0となった。

時の大賢者―クロノス・マジシャン― 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードは3体の魔法使い族モンスターを生贄にして生贄召喚された場合、このカードのコントローラーは次のうちどれかひとつを選ぶ。
●自分の墓地にあるカードを1枚手札に戻す。
●1000ポイントのライフを支払いデッキからカードを5枚ドローし、そのうち3枚を手札に加える。残りはデッキに戻してシャッフルする。
●2000ポイントのライフを支払い自分か相手の墓地にあるカードの中で5枚までカードを選び手札に加える。

クロノLP1400
マリアLP2700→0

「ぐ、は、あぁ・・・・・・・ッ!」
 苦しめな呻きを上げて地にひれ伏すマリア。ヴァンパイアの生命力か、彼女はまだ生きていた。
「マリアさん、これで終わりにします。今あなたを、苦しみから解き放ちましょう」
 倒れふすまリアの前に立ちはだかるクロノ、その手には何時ぞやのとき、時空転移の際に使用した光の剣が握られていた。
「さようなら、マリアさん」
 そして、その剣を、堕ちた吸血姫の心臓へと突き刺した。



あとがき
ヴァンパイア・ナイトメアの攻略法、このくらいしか思いつきませんでした。やっぱり無闇に壊れたカードを作ってはいけませんね。そして次回はリクエストデュエルです。さて誰のリクエストに答えるか・・・・・・
Date: 2004/07/22


ACT101:混沌、悪夢
 クロノVSマリア再戦、状況は場にモンスターをそろえている分クロノがやや有利か、だが油断はできない。彼女のヴァンパイアデッキはアンデットデッキと同じ特性を持つ、上級モンスターの召喚も、やすやすとやってのけるだろう。

クロノLP6200手札1枚
場 ブラックマジシャン(攻撃表示)、異次元の大魔導師(攻撃表示)
伏せ なし

マリアLP6100手札3枚
場 なし
伏せ なし

異次元の大魔導師 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1900 DEF1800
このカードは、相手からの魔法、罠、モンスターの効果を受けない。

「僕はこれでターンエンドです」
 エンド宣言、クロノからマリアへとターンが移る。
「私のターンね、ドロー。フフフ、強欲な壷を引きましたわ」
 相変わらずの強運だ。吸血衝動、侮りがたし。そして例のごとく、カードの効果で破壊されただけなのでヴァンパイアロードの蘇生能力が発動し、再びマリアの場へと呼び出される。
 そして彼女は強欲な壷を発動して手札を潤した。そしてその指が1枚のカードを抜き取る。
「ふふふ、いくわよ。ミイラの呼び声発動」
「ッ!」
 繰り出した永続魔法は、先ほど述べた上級モンスターの召喚を一瞬にしてやってのけるカードだ。
「出てきなさい、ヴァンパイア・カオス」
「な!?こんなに早く!?」
 最悪の展開だ。繰り出されたのは彼女のデッキの切り札、ヴァンパイア・カオス。その能力の前に、以前クロノは苦戦を強いられたのだ。

混沌―ヴァンパイア・カオス― 闇属性 ☆8 アンデット族:効果
ATK2600 DEF2300
自分のドローフェイズをスキップすることで手札、デッキ、墓地からサーヴァントと名のつくモンスターを1体、特殊召喚してもよい。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターはヴァンパイアを守る効果を適用できない。また、このカードが除外されたとき、このカードの効果で特殊召喚したモンスターをすべて破壊する。
このカードが破壊されたとき、自分の場に出ているサーヴァントと名のつくモンスターを1体生贄に捧げこのカードを特殊召喚することができる。

 ミイラの呼び声を聞いて、混沌な名を冠する最凶のヴァンパイアが、その黒いコートを揺らしながら現れた。だがこれだけで終わらせてくれるほど、今の彼女は甘くない。
「さらにサーヴァント・ディアを召喚するわ。覚悟はいいかしら?モンスターで総攻撃!」
 襲い掛かるヴァンパイアたち、ヴァンパイア・ロードの膂力が異次元の大魔導師を引きちぎり、ヴァンパイア・カオスの創世の土がブラックマジシャンを取り込む。最後に漆黒の鹿がその角をクロノに突き立てる。
「ぐぅ・・・・・・・ッ!」
 たまらず吹き飛ばされ、床に叩きつけられるクロノ。その口の端から血が流れ出ている。

サーヴァント・ディア 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK1700 DEF1000
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
自分のバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

クロノLP6200→4100手札1枚
マリアLP6100手札2枚

「ターン終了」
 エンド宣言、クロノへとターンが移行するが今の彼にこの状況を打破する術はない。
「僕のターンですね、ドロー!」
 カードを引くクロノ、だがたった1枚のカードで、この状況を打破できるのだろうか。さらに厄介なことに、マリアの場に出ているサーヴァント・ディアは彼女が通常召喚したカード、つまりヴァンパイアを守る効果が適応される。このことも、クロノが不利であることの要因だった。
「(これは、まだいけるかもしれませんね)、僕はカードを2枚セットして、ターンエンドです」
 モンスターを召喚せず、セットだけでターンを終えたクロノ、だがその目には自信の色が見えた。
「そう、私のターン、ここでヴァンパイア・カオスの効果を発動するわ。出てらっしゃい、サーヴァント・タイガー」
 混沌のヴァンパイアがコートの前を開く。そこから見える闇から、黒き虎が飛び出してきた。その巨大さといったら、常人のゆうに2倍はある。

サーヴァント・タイガー 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2300 DEF1500
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードが相手守備モンスターを攻撃したとき、このカードの攻撃力が守備モンスターの守備力を上回っていた場合、その数値分相手にダメージを与える。

 これで彼女の場のモンスターは4体、このまま総攻撃をかけられては、クロノに勝ち目はない。
「いきなさい」
 一斉に襲い掛かるマリアの僕たち、だがクロノはその顔に笑みを浮かべた。
「この瞬間、リバースカードを発動させます!賢者の戦略!」
 翻ったリバース、そしてマリアの場のモンスターたちは突然攻撃をやめ、彼女の場へと戻っていった。

賢者の戦略:通常罠
自分の場にモンスターが存在しないときのみ発動可能、このターンの相手モンスターの攻撃をすべて無効化する。その後、自分はカードを2枚ドローする。

「まだ足掻くのね、でもいいわぁ、貴方の痴態が、私の乾いた心を癒してくれる・・・・・・ターンエンドよ」
 エンド宣言、クロノはこの瞬間を待っていた。
「貴方のエンドフェイズにリバースカード、隠者の奇策を発動させます!」
「なんですって!?」
 翻る2枚目のリバース、そしてクロノの場に変化が起こった。
「墓守の暗殺者、墓守の偵察者、墓守の長槍兵特殊召喚!」
 突如クロノの場に現われる3体の墓守モンスター、それぞれが守備表示だが確かにその場に存在していた。
「これは・・・・・・」
「隠者の奇策の効果は、相手がモンスターを召喚することをトリガーとしています。相手がモンスターを召喚したターンのエンドフェイズ時、デッキから攻撃力1500以下の闇属性の魔法使い族モンスターを3体まで特殊召喚できます。もっとも、特殊召喚されたモンスターは攻撃できませんが」

隠者の奇策:通常罠
相手がモンスターを召喚、特殊召喚したターンのエンドフェイズに発動。
デッキから攻撃力1500以下の闇属性の魔法使い族モンスターを3体まで守備表示で特殊召喚できる。このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃と表示形式の変更ができない。

「僕のターンです!ドロー!そして、隠者の奇策はこのカードのための布石でもあるんですよ!3体の魔法使いを生贄にささげ、時の大賢者―クロノス・マジシャン―を召喚します!」
 クロノの場に、時魔法を極めた大賢者が舞い降りた。

時の大賢者―クロノス・マジシャン― 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードは3体の魔法使い族モンスターを生贄にして生贄召喚された場合、このカードのコントローラーは次のうちどれかひとつを選ぶ。
●自分の墓地にあるカードを1枚手札に戻す。
●1000ポイントのライフを支払いデッキからカードを5枚ドローし、そのうち3枚を手札に加える。残りはデッキに戻してシャッフルする。
●2000ポイントのライフを支払い自分か相手の墓地にあるカードの中で5枚までカードを選び手札に加える。

「くっ」
 クロノス・マジシャンの召喚と共に一歩後ろに下がるマリア、このカードによって敗北したことを思い出したのだろう。
「そして僕はクロノス・マジシャンの2番目の効果を発動し、1000ポイントのライフを支払いカードを5枚ドローして2枚をデッキに戻します」
 手札交換とドロー強化、二つの効果を持つ能力、これにより、クロノの手札が一気に潤う。
「(来ましたね)僕は拡散する波動を発動します!」
 繰り出された1枚のカード、全体魔法を放つための布石。
「いきます!クロノス・マジシャンの攻撃!クロノイレイザー!」
 放たれた時空魔法、空間を、時空さえも超越し、亜空間から雷や炎が放たれる。その魔法の嵐が、マリアの場の不死者たちを吹き飛ばしていく。
「く、ああああああああああああああああ!!!」
 痛みと苦しみに胸をかきむしるマリア、それほどまでの強力な一撃だったのだろう。

クロノLP4100→2100手札4枚
マリアLP6100→2700手札2枚

「僕はこれでターンエンドです」
「く、私のターンね、ドロー。天使の施しを発動させるわ」
 引き当てたのは手札交換のカード、そしてその引き運を最大限に引き出し、彼女はあるカードを手札に招きよせた。
「私は亡者とヴァンパイア・ナイトを捨てるわ。クロノ、貴方に見せてあげる。私の、新しい切り札を」
「新しい、切り札・・・・?」
「ええ、さっき召喚したヴァンパイア・カオスもこのカード召喚のための布石に過ぎないわ。見せてあげる。墓地に眠るヴァンパイア・カオス、ヴァンパイア・ロード、ヴァンパイア・ナイトを除外して、出てきなさい」
 あの強力なヴァンパイア・カオスすらも召喚のための布石に過ぎない。そのカードとは一体・・・・・・・
「崇り―ヴァンパイア・ナイトメア―!」
 黒い旋風が吹き荒れる。そしてその旋風の中から現われたのは、雪華石膏アラバスターのような白い肌、煌く金の髪、すべてを魅了する紅の瞳、中世の貴族が身につけるような衣装を身にまとい、黒いマントをつけた紳士、禍々しいほどに美しいその姿は、まるで悪夢が具現化したようだった。その攻撃力は3400、クロノス・マジシャンを上回った。
「崇り、というものを知っているかしら?ジパングのほうにある呪いみたいなものよ。それらには実はれっきとした科学的根拠があってね、崇りとは噂によって人の心理状態が不安定となり、体調を崩すことのようよ。そして彼は、その噂の具現化、過去にあった出来事、今回の場合はさっきの戦闘ね、で真実味を帯びた噂は、やがて具現化する。それが彼よ」
噂、形のないものの具現化、本当だとしたらその力は具現化するたびに変わることになる。
「ヴァンパイア・ナイトメアの攻撃力と守備力はこのカードの召喚の際に除外したモンスターの攻撃力、守備力の合計を半分にした数になる。さぁ、行きなさい、ヴァンパイア・ナイトメア」
 その一言と共に、悪夢の紳士に変化が起こった。その紅の目が見開かたとき、その眼球は赤一色となり、まるで鮮血のような赤い液体をこぼしている。それは次から次へとあふれていくようだ。さらにその口は大きく張り裂け、悪夢のような笑い声が当たりに響き渡る。悪夢はそのまま片腕を上げる。
「ナイトオンザブラッドライアー!」
 発生する黒い竜巻、それがクロノス・マジシャンの体を飲み込み、散り散りに刻んでいく。やがて竜巻が収まったとき、そこには何も、残骸すらも残らなかった。
「それだけではないわ、吸いなさい、ヴァンパイア・ナイトメア」
 そのままの顔のまま、悪夢の紳士がクロノへと飛び掛る。そしてその牙が彼の首筋に埋められる。
「ぐ、あああああああああああああ!」
 脳を焼ききらんとする激痛に声を上げるクロノ、その声を、マリアが愛おしげに聞き惚れる。
「いいわぁ、やっぱり貴方の悲鳴は、至上の音楽のよう・・・・・・」
 快楽に酔いしれるマリア、やがてヴァンパイア・ナイトメアが主の元へと戻ってくる。
「ヴァンパイア・ナイトメアは除外したヴァンパイアの効果を得ることができる。今のはヴァンパイア・ロードとヴァンパイア・ナイトの効果ね」
 相乗効果で2枚の罠カードを捨てさせられるクロノ、彼は精霊の大鏡と魔法の筒(マジックシリンダー)を捨てた。

精霊の大鏡:カウンター罠
相手がカードを破壊する効果を持ったカードの効果を使用した瞬間に発動。破壊対象を相手フィールド上のカードに移す。(相手フィールド上にモンスターがいなかった場合、自分の場に出ているカードに対象を移し変える。)

亡者 闇属性 ☆4 アンデット族
ATK1900 DEF1000
ヴァンパイアに血をすわれ、不完全に力を与えられた人間の末路。
彼らに理性や知能は無く、ただ自らの食欲に突き動かされるばかりだ。

ヴァンパイア・ナイト 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2200 DEF1500
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、カードの種類を宣言する。相手はデッキから宣言されたカードを1枚墓地に送る。
このカードが場に出ている限り、相手プレイヤーはこのカードのコントローラーに戦闘ダメージ以外のダメージを与えることができない。

崇り―ヴァンパイア・ナイトメア― 闇属性 ☆8 アンデット族:効果
ATK??? DEF???
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にあるヴァンパイアと名のつくモンスター3体をゲームから除外して特殊召喚する。
このカードの攻撃力と守備力は、それぞれ除外したモンスターの攻撃力と守備力の合計値の半分となる。
このカードは、このカードの召喚の際に除外したモンスターの効果を得ることができる。

クロノLP2100→1700手札4枚
マリアLP2700手札2枚

「さぁ、貴方は崇りを打ち倒せるかしら?」
 マリアの楽しげな声が響いた。



あとがき
クロノ「またですか」
ツキ「はい、またです」
クロノ「ヴァンパイア・ナイトメア、このカードにも元ネタありますね?」
ツキ「・・・・・はい」
クロノ「しかし、元ネタがずいぶんと偏ってますね。わかる人いるんでしょうか?」
ツキ「解る人は解ると思いますよ」
クロノ「そうですか」
ツキ「あの、その諦めたような目はやめてくれません?」
Date: 2004/07/21


ACT100:吸血姫、再び
 合流したヒール、ケルヴィン、クロノの前に現われたのは罪の一つ、大食(グラトニー)を背負うミハエルと、彼の従僕と化したマリアと戒淵だった。そして今、マリアとクロノの再戦が始まる。

クロノLP8000手札5枚
マリアLP8000手札5枚

「私の先行ね、ドロー」
 先行を勝ち取ったのはマリア、その目は狂気が宿っている。その指が、1枚のカードを抜き放つ。
「モンスターをセット、さらにカードを1枚セットして、ターンエンド」
 基本戦術、とでも言うべきか、最も情報量の少ない一手だ。
「僕のターンですね、ドローします」
 穏やかに、だが力強くカードを引くクロノ、以前戦ったときは彼の辛勝に終わったが、今回はどうだろうか。
「僕もカードを1枚セットし、熟練の黒魔術師を召喚します!」
 クロノの場に召喚されるのは彼のデッキの低レベルアタッカー、そして彼のデッキの要、ブラックマジシャンを呼び出す能力を秘めた黒魔術師だ。
「攻撃です!」
 躊躇なしの攻撃命令、瞬時に聞き入れた黒魔術師が手にした杖から黒い矢を放つ。そして、彼女の守備モンスターの正体が明かされる。
 そのモンスターは一見するとただの亀のようだった。もっとも、普通の亀の何倍も巨大だが。そしてその亀の最大の特徴は甲羅の部分がピラミッドになっていることだろう。
「しまった!ピラミッドタートル!?」
「アハハハハ、もう遅いわ、戦闘は止められない」
 黒魔術師の放った闇色の矢が、奇妙な亀を粉砕する。
 ピラミッドタートル、キラートマトや巨大ネズミに代表されるような、遺言能力を持ったモンスターたちの中で最高レベルの効果を持つものがこのカードだ。アンデット族限定だが、戦闘で破壊されたとき、攻撃力ではなく守備力2000以下のモンスターを呼び出すことができる。すなわち・・・・・・・・・
「出てきなさい!ヴァンパイア・ロード!」
 このように上級モンスターを瞬時に呼び出すことが可能なのだ。
 召喚に答えて現われたヴァンパイアの王が、自らの獲物となるクロノをその視界に収めた。
「ほう、何時ぞやの男か。面白い、貴様の血は美味であったからな。今度は貴様の血を一滴残らず貪り尽してくれる」
「だめよ、彼の血は私も吸うんですもの。独り占めは許さないわよ」
 その牙をこぼして笑う自らの僕を、吸血姫は軽くいさめる。
「・・・・・ターンエンドです」
 打つ手なしのクロノはそのままターンを明け渡す。彼にしてみればしてやられたということだろう。
「私のターンね、ドロー」
 吸血衝動に陥っているためか、以前のような優雅さはない。
「ヴァンパイア・ロードで攻撃、行きなさい、ヴァンパイア・ロード」
 疾走するヴァンパイアの王、その瞳は自らの獲物を捕らえている。
「そうはさせません!リバースカードオープン!突進!」
 翻るリバース、突進の効果によって一時的にだが黒魔術師の力が上昇した!

熟練の黒魔術師攻撃力1900→2600

 攻撃力がヴァンパイアの王を上回った。すかさず迎撃体制に入る黒魔術師、その口が詠唱を唱える刹那――――――
「甘いわね、リバースカードオープン!天使の手鏡!」
「な!?」
 翻るマリアのリバース、天使の手鏡、これは対象を別のものへと変更させるカード。これにより彼女は突進の効果をヴァンパイア・ロードへと変更させた。

熟練の黒魔術師攻撃力2600→1900
ヴァンパイア・ロード攻撃力2000→2700

「さぁ、やりなさい、ヴァンパイア・ロード」
 迎撃に移った黒魔術師からあふれていた力が消え、代わりにヴァンパイアの王の体に力がみなぎった。その腕の一振り、それだけで黒魔術師の体は吹き飛ばされた。
「まだよ、吸いなさい。ヴァンパイア・ロード」
 追撃の吸血効果。ヴァンパイア・ロードがクロノへと飛び掛り、その首筋に牙をうずめる。
「ぐっ・・・・・・ッ!」
 その恐怖と苦痛に顔を歪ませるクロノ、その顔を見て、マリアは恍惚の笑みを浮かべた。
「いいわぁ、その顔。もっと見せて頂戴。あなたの苦しみ、もがく顔を」
 吸血効果を終えて主の下へと戻るヴァンパイア・ロード。その牙が吸い取るデッキのカードは魔法カード。クロノはデッキから千本ナイフを捨てた。

クロノLP8000→7200手札4枚
マリアLP8000手札4枚

「カードを1枚セットして、ターンエンドよ。さぁ、あなたのターよ。カードを引きなさい」
 マリアのエンド宣言と共に、ヴァンパイアロードの力の膨張が収まる。

ヴァンパイア・ロード攻撃力2700→2000

「僕のターンです。ドロー!」
 吸血状態に陥ったヴァンパイアはその能力を著しく上昇させる。それはカードでも同じこと、引き運、プレイング技術などが大幅に上昇する。
「強欲な壷を発動させます」
 引き当てたのはドロー強化カードの定番カード、ノーコストでの2ドローはかなり役に立つ効果だ。
「黒き森のウィッチを召喚し、ディメンションマジックを発動します!」
 繰り出したカードは彼の十八番、ディメンションマジック、そして召喚するのは勿論・・・・・・・
「黒き森のウィッチを生贄にささげて、ブラックマジシャンを特殊召喚します!」
 彼のデッキの要、最上級魔術師のブラックマジシャン。
「ディメンションマジックの効果を発動し、ヴァンパイア・ロードを破壊します!」
 人型の箱から飛び出したブラックマジシャンが、ヴァンパイア・ロードに向けて不意打ちの一撃を放つ。
 すかさず反応するがわずかに遅い。不意打ちの魔導球をうけ、ヴァンパイアロードの体は消滅した。もっとも、仮初とはいえ不死の体を持つ彼のことだ。この程度で完全に滅ぶことはない。だがマリアの場のモンスターがこのターンだけとはいえ、ゼロになったことは確かだ。そう思っていたのだが・・・・・・・
「ウフフ、ヴァンパイア・ロードを破壊してくれて礼を言うわ。リバースカードオープン!血族の絆!」
「な!?」
 翻ったリバース、それは罠は罠でも攻撃をトリガーにするものではなく、破壊をトリガーとするものだった。
「このカードは、破壊されたヴァンパイアの遺志を受け継ぎ、彼の血族を召喚できるカード。出てきなさい、出来損ないのヴァンパイア」
 血族の絆によって呼び出されたのは血に飢えた醜悪なヴァンパイア、腐りかけた体で、その目に理性や知性の輝きはない。

出来損ないのヴァンパイア 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK2500 DEF0
このカードはプレイヤーを攻撃できない。このカードが戦闘を行った場合、バトルフェイズ終了時にこのカードを破壊する。
このカードが相手モンスターを破壊したとき、カードの種類を宣言する。相手は宣言したカードと同じ種類のカードを1枚デッキから墓地に送る。

「クッ、僕は黒き森のウィッチの効果で魔導戦士 ブレイカーを手札に加えます」
 サーチ能力を持つ魔女の手によって、デッキから手札へと舞い降りたのは魔法破壊の力を持つ魔法戦士。また、このカードは彼の切り札である魔断の剣士―ルナ・ブレイカー―の融合素材となっている。2重に役に立つカードだ。
「カードを1枚セットして、ターンエンドです」

血族の絆:通常罠
自分の場に出ている、ヴァンパイアと名のつくモンスターが破壊されたときに発動。デッキから破壊されたモンスターのレベル以下のヴァンパイアと名のつくモンスターを1体、特殊召喚できる。

 リバースカードをセットしてターンを明け渡すクロノ、それが妥当だろう。この状況で、何も伏せないのは愚かだ。
「私のターンね、ドロー。さぁ、起きなさい。ヴァンパイア・ロード」
 マリアの場にひとつの棺桶が出現する。徐々に棺桶が開き、そこには傷ひとつないヴァンパイアの王が眠っていた。
 その眼が開かれる。それが復活の合図。仮初とはいえ、不死の体を手に入れているヴァンパイア・ロードは、直接的に殺すしか打倒する手段がない。
「ウフフ、覚悟はいいかしら?行きなさい、出来損ないのヴァンパイア」
 醜悪なヴァンパイアが、その本能を発揮して最上級魔術師に襲い掛かる。だがその姿を、3つのシルクハットが隠す。
「これは・・・・・」
「マジカルシルクハット、伏せておいたこのカードを発動させました」
 翻っているリバース、そこには3つの?マークが描かれたシルクハットが写っていた。
「・・・・・ならば、出来損ないのヴァンパイアで右端のシルクハットを攻撃します!」
 主の命令に従い、腐敗するヴァンパイアが動く。その動きは、以外にも俊敏で、鋭く発達した牙がシルクハットを貫いた。シルクハットの中に何かの影が見える。よく見るとそれは何かの棺だった。
「当たりですよ。マリアさん。呪われた棺、発動!」
 笑みを浮かべるクロノ、そして棺が開かれる。そこからあふれ出す闇が、呪いとなってマリアへと降りかかった。
「さぁ選んでください。手札を捨てるか、モンスターを破壊するか」
 二者択一の問い、マリアは出来損ないのヴァンパイアを破壊した。ヴァンパイア・ロードが復活するには1ターンの時間が掛かる。さらに出来損ないのヴァンパイアは攻撃したターンのエンドフェイズに破壊されるので彼女としてはこちらを破壊したほうが好都合なのだろう。さらに彼女は出来損ないのヴァンパイアの効果を発動して、クロノのデッキから罠カードのマジック・ジャマーを墓地へ送った。
「カードを1枚セットして、ターンエンド」
 エンド宣言、そしてこの瞬間、クロノの場に出ていたシルクハットが消滅し、ブラックマジシャンの姿があらわになる。だがそれだけではない、再び先ほどの闇があふれ出し、呪いとなってマリアへと降りかかった。
「まさか、さっきのシルクハットは2枚とも!?」
「その通り、2枚とも呪われた棺ですよ。さぁ選んでください」
「クッ、相変わらず、賢しい人ね」
 多少の苛立ちを含んだ口調、彼女が選択したのはモンスター破壊効果、ヴァンパイア・ロードが破壊された。これで再び彼女を守るものは1枚のリバースカードとなった。
「僕のターンです!ドロー!」
 カードをドローし、すぐさま行動に移す。
「魔導戦士 ブレイカー召喚!そして起動効果を発動します!」
 召喚される魔法破壊の魔法戦士、その剣に宿った魔法石を弾丸とし、マリアの伏せカードに向けて撃ち放つ!
「甘いわよ、リバースカードオープン!死者の祈り!」
 翻るリバース、同時にクロノの場を闇が覆う。死者の祈りにより、クロノの場のモンスターは身動きが取れない。
「死者の祈りの効果は覚えているでしょう?私は墓地の出来損ないのヴァンパイアを除外するわ」

死者の祈り:通常罠
自分の墓地にあるモンスターを1枚ゲームから除外する。
除外したカードの攻撃力以下のモンスターはこのターン、攻撃と表示形式の変更ができない。

 闇の鎖に縛られるクロノのモンスターたち、だがクロノはあわてず、1枚のカードを発動させた。
「手札より速攻魔法、サクリファイスマジックを発動します!このカードの効果で、ブレイカーを生贄にささげ、異次元の大魔導師を特殊召喚します!」
 速攻生贄のカードにより、新たにクロノの場に召喚されたモンスターは、紫のローブに身を包み、派手な装飾が施された金色の杖を手にしていた。その攻撃力は1900
「残念ね、そのモンスターの攻撃力は1900、その程度では私の死者の祈りからは逃れられない!」
 まるで意思あるもののように襲い掛かる闇、闇が彼を捉える瞬間、魔術師はその姿を消した。
「え?どこへ・・・・?」
「異次元の大魔導師はその名の通り異次元を操ります。必要なときは異次元に逃げ込み、災いを回避することができるのです」
「な!?」
「異次元の大魔導師、攻撃です!」
 突然、異次元使いの魔術師が異次元の壁を破ってマリアの場へと現われる。そしてそのまま近距離から魔導球を放った。
「く、あああああああああああああ!」
 直撃、たまらずマリアはその場に膝をついた。

サクリファイスマジック:速攻魔法
バトルフェイズ中にこのカードを発動させる場合、1000ライフポイントを支払う。自分のフィールド上モンスター1体を生贄にし、手札からレベル6以下のモンスター1体を特殊召喚できる。

異次元の大魔導師 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1900 DEF1800
このカードは、相手からの魔法、罠、モンスターの効果を受けない。

クロノLP7200→6200手札1枚
マリアLP8000→6100手札3枚

「まだまだ、これからですよ」
 クロノが厳かに言い放った。



あとがき
リクエストデュエルはこの決闘が終わってからにします。
Date: 2004/07/20


ACT99:大食、出陣
「やれやれ、ルシャナに続いてロアも負けちゃったか。だらしないなぁ・・・・・・」
 暗闇の中、一人呟くのは金髪の少年、大食(グラトニー)の称号を持つミハエルだ。
「仕方がない、次は僕が行こう、ちょうどあれの調整も終わったことだし、ね」
 歩き出すミハエルの後を、二つの人影がしたがっていた。



「じゃあお前は、二人を探しに行くのか?」
「ああ、3人がひとつになって探すよりも分かれて探したほうが効率がいい」
 ロアとの戦いをジンが制した後、俺は気がついたリディアとジンのふたりに提案をした。
 その提案とは、俺が二人と別れ、ケルヴィンとクロノを探しに行くというものだ。そのほうが効率がいいし、あの二人の状況を知ることもできるからな。
「でも大丈夫なの?危険じゃない?」
「だろうな、だが大丈夫だろ、ジンがロアを倒したから他の罪どもだって少しは慎重になるだろうし。それに、あのふたり、特にケルヴィンのことだ、さぞかし派手にやってるだろうからな。見つけるのは簡単さ」
「そうか、まぁお前なら大丈夫だろうが、気をつけろよ」
「お互いにな」
 互いに拳を打ち合わせ、俺たちは分かれた。合流場所はもち音、上だ。




「なかなか皆さんと合流できませんねぇ」
 呟くクロノ、
「フン、奴等のことだ、そう簡単にくたばったりはせんだろう」
 その呟きに答えるのは苛立ちを含んだケルヴィン。
 ヒールの予想通り、派手に戦闘を行っていたケルヴィンはその派手さが幸いしてか、クロノと合流できた。もっとも、ケルヴィンにしてみればそれは不幸なのかもしれないが・・・・・・
「なぜよりにもよって貴様なのだ?」
「さぁ?そんなこと僕に言われても解りませんよ」
 クロノと合流してから、ケルヴィンは常に不機嫌だった。もしかしたら決戦前夜の飲み比べで負けたことをまだ根に持っているのかもしれない。
「丁度いい、何を起こっているのか知りませんが。彼らで憂さを晴らしてはいかかです?」
 クロノの指差す向こう、そこにたたずむ無数の人影、いや、もはやあれを人といっていいものか、彼らの体は腐りかけ、その目に理性の光はともっていない。あるのはただ食欲だけ。
 グール、ヴァンパイアに血を吸われた人間の成れの果て、ヴァンパイアに血を吸われた者はヴァンパイアになる、という言い伝えがある。しかしそれは間違いだ。ヴァンパイアに血を吸われたものがそのままヴァンパイアになるのなら、今頃世界はヴァンパイアで満ち溢れている。彼らの吸血行為の被害者がヴァンパイアになう場合には条件がある。彼らが被害者の血を吸っているときに、自らの力の一部を被害者に送り込むのだ。それによって被害者もヴァンパイアの力を得ることができる。
 つまり、造ろうと思わなければ造れないのだ。そしてヴァンパイア化にも条件がある。ヴァンパイア化した人間のなかで、弱いものはその力に自らを食い荒らされ、ただの生ける屍、つまりグールとなる。本当に強い人間でなければ、ヴァンパイアとなることはないのだ。
「グール共か、小賢しい、ブルーアイズよ!やつらを蹴散らせ!」
 主の声によって呼び出されたのは伝説の至高龍、そのアギトから放たれる光の奔流が、呪われし死者たちを吹き飛ばす。
「相変わらず、やることが派手でいらっしゃる」
 あきれたようなクロノの声も、白龍の咆哮の前にかき消された。



「ん?あっちか?」
 耳に入ったのは巨龍の方向と巨大な爆発音、まず間違いないケルヴィンのブルーアイズだ。
 俺は爆発音のしたほうに足を向けた。



「やっぱり・・・・・・」
 しばらくして爆発音の発生地と思われる場所に出た。予想通り、そこにはブルーアイズを従えたケルヴィンが立っていた。都合のいいことに、その傍らにはクロノも立っている。
「ヒール?なぜここがわかった?」
 などと、ケルヴィンが信じられないことを口にする。
「なぜって、お前のブルーアイズの咆哮と爆発音が聞こえたからよ、きっとこっちにいるんだろうなぁとか思ったからだよ」
 てゆーかこいつそれが目的で暴れてたんじゃないのか?
「やっぱり、ヒールさんもそうでしたか。いや実は、僕も同じような状況で彼と合流しましてね」
 なるほどな・・・・・・・・
「あーあ、全滅かぁ、やっぱり出来損ないじゃ駄目だねぇ」
 合流を果たした俺たちの耳に、そんな声が届いた。声のしたほうを見るとそこに立っていたのは3つの人影、ミハエルと名乗ったグラトニーに確か月鬼衆のアジトで会ったマリアとか言う女、あとのひとりは知らない。外見で一番印象に残るところは、その左目に入った刀傷だろうか。長身の男で、どことなく戦士という雰囲気をかもし出している。
「ああそうか、彼とはまだあったことがなかったんだね。彼の名は戒淵、君たちが滅ぼした、月鬼衆の幹部だったらしいよ。あそこから帰るときに見つけてね、結構使えそうだったからマリア同様僕の従僕としたんだ。人間をヴァンパイア化させたから、ちょっと調整に手間取っちゃって、ようやく実戦投入できるようになったよ」
「なんてことを・・・・・・・」
 後ろでクロノがうめいている。ケルヴィンのほうを見てもこいつが怒りに身を震わせていることがわかる。
「それにしても君たち強いねぇ、ルシャナ、ロアと、僕たち罪を二人も滅ぼすなんて。だから・・・・・・・」
 途端、ミハエルの体から殺気が放出される。
「僕が君達を殺すことにしたよ。そのために僕のお気に入りであるふたりを連れてきたんだ。覚悟してもらうよ」
 3人がデッキを構える。俺たちも応戦すべくデッキを構えた。
「ヒールさん」
 そこへ、クロノが話しかけてきた。
「なんだ?」
「マリアさん、彼女の相手は僕に任せてくれませんか?」
「なに?」
「彼女をあんなふうにしてしまったのは、僕のせいなんです。あの時、僕がちゃんと止めをさしていれば、彼女をこれ以上、苦しめることもなかったでしょう。ですから、お願いします」
 なるほどな、贖罪か。
「そうか、なら、頼んだぞ」
「はい、ありがとうございます」
「ああそうか、君は前にマリアを倒していたんだよね。だったら・・・・」
 おもむろにマリアのあごに手をかけるミハエル。その首筋をなで、そして・・・・・・
『な!?』
 俺たち3人の声が、見事に重なった。
 奴はそのまま自らの牙を彼女の首筋に沈め、血を吸い始めやがった。
「あ・・・・・・ぁ・・・・・・・ああああああああああああああああ!」
 響き渡る悲鳴、そしてマリアの髪が、鮮血のような赤に染まる。
「はぁ・・・・・・・・ぁ・・・・・・・ああ・・・・・・・・・」
 喘ぎながら地面にひれ伏すマリア、だがそれも一瞬、すでに立ち上がり、狂気を秘めた目で俺たちを、いや、クロノを見つめていた。
「またあえてうれしいわぁ、クロノ、あの日から、あなたの血を啜ることをどんなに待ち望んだことか・・・・・・・」
 恍惚とした表情、吸血衝動に陥ったヴァンパイアはハイな気分になるというのはどうやら本当らしいな。
「ヒール、ならば俺はあの刀傷の男とやろう。お前は、奴を倒せ」
 言われるまでもない。もとより俺もそのつもりだ。
「ああ、ここで3つ目の罪を消しておこう」
「話し合いは終わったかい?それじゃぁ始めようか、殺し合いを」
 ミハエルの瞳に狂気が宿る。
『決闘!!!』
三者三様の決闘が今、展開される。



あとがき
ツキ「う〜ん」
ヒール「なに唸ってんだ?」
ツキ「ええ、リクエストデュエル誰にしようか悩んでまして」
ヒール「今まで来てるのは、フェイカーVSミリア、ミリアVSヘヴン、ジンVSミリアか・・・・・・・って全部ミリア入ってるじゃねぇか!?な、何故に!?」
ツキ「うーん、ミリアが出ていたのは過去偏だけの10話ちょっと、なのにどうしてこうも出てくるのでしょうねぇ・・・・・・・」
ヒール「しかも俺入ってないし、俺主人公なのに!?」
ツキ「あなたは本編でたくさんやってますからねぇ、皆さんも飽きてるんじゃないんですか?」
ヒール「ちょっと待て納得いかねぇ!つーかフェイカーが入っててなぜ俺が!?」
ツキ「さて、リクエストデュエルはまだまだ募集しておりますので、皆さん書き込みのほう、よろしくお願いします」
Date: 2004/07/20


ACT98:剣の丘で、勝利に酔いしれる
 圧倒的劣勢の中、ギルフォード・ザ・ライトニングの召喚に成功し、効果を発動。ロアの陣営を焼き尽くし、形勢逆転かと思われた刹那。ロアは真の切り札である黒衣の錬金術師を召喚した。

ジンLP1500手札0枚
場 ギルフォード・ザ・ライトニング(攻撃表示)、祝福の戦士アイベルゼン(攻撃表示)、永続罠:血の代償
伏せ 1枚

ロアLP800手札4枚
場 死霊の錬金術師―ダークナイトアルケミスト―(攻撃表示)
伏せ なし

祝福の戦士アイベルゼン 光属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードがアンデット、悪魔族モンスターと戦闘を行う場合、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。
このカードは罠カードの効果を受けない。

 立ち尽くす漆黒の錬金術師、その目には人間的な感情は、なにひとつ写ってはいない。他人すべて実験材料。そう思っていそうな目だ。その攻撃力は2500、確かに強力だがジンの場に出ているギルフォード・ザ・ライトニングには及ばない。このままではさしたる脅威とは感じないが・・・・・・
「さぁ、いきな。ダークナイトアルケミスト」
 主の命を聞き、漆黒の錬金術師がゆっくりと手をかざす。
 次の瞬間、ジンの場の祝福の戦士の体が干からびだした。
「な!?」
「ダークナイトアルケミストはね、1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在するモンスターのなかで最も攻撃力の低いモンスターを1体墓地に送り、その攻撃力を得ることができるのさ」
 そうこうしているうちにアイベルゼンの体は完全に干からび、ただの抜け殻となってしまった。
「これが死霊練成、冥界との扉を開き、魂を代価として死霊を練成する。そしてその死霊を放ち、もっとも弱いものからその生気を奪う」
「な・・・・・・・・」
 絶句、つまり、この黒衣の錬金術師は、他者の命を糧に際限なく強くなっていくというのだ・・・・・・

死霊の錬金術師―ダークナイトアルケミスト―攻撃力2500→4400

「攻撃」
 一言、その言葉に従い、黒衣の錬金術師が自ら練成した死霊を集め、一振りの剣を創り出す。
 そしてそのまま雷の戦士へと肉迫する。
「甘いぜ!リバースカードオープン!魔法の筒(マジックシリンダー)!」
 翻るリバース、それは攻撃を相手に跳ね返す罠カード。ロアの場にリバースはない、つまり、この効果は成功する!
「無駄だよ、ダークナイトアルケミスト、死霊の鎧だ」
 突如、黒衣の錬金術師の周りを彼に練成された死霊たちが取り巻く、それは主を守る鎧のようだ。
「な!?」

死霊の錬金術師―ダークナイトアルケミスト―攻撃力4400→3400

 魔法の筒は筒ごと破壊され、死霊の剣は雷の戦士の体を切り裂く。
「ギルフォード・ザ・ライトニング、撃破」

ジンLP1500→900手札0枚
ロアLP800手札4枚

「なぜ、魔法の筒が効かなかったんだ?」
「ふふふ、これがダークナイトアルケミストのもうひとつの能力、バトルフェイズ中、自身の攻撃力を1000ポイント下げることで相手が発動した魔法、罠の効果を無効化できるのさ」

死霊の錬金術師―ダークナイトアルケミスト― 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK2500 DEF2900
1ターンに1度、フィールド上で最も攻撃力の低いモンスターを1体、墓地に送ることができる。
この効果で墓地に送ったモンスターのもともとの攻撃力分、このカードの攻撃力はアップする。
バトルフェイズ中に相手が発動した魔法、罠カードを、このカードの攻撃力を1000ポイントダウンさせることで無効化できる。

「カードを1枚セットして、ターンエンド」
 エンド宣言、ターンはジンへと移行する。だが今のジンの手札はゼロ、ライフも風前の灯。この状況では逆転どころか次のターンを生き抜くことすら不可能に近い。
 だというのに、ジンの表情には恐れの色はない。むしろ楽しげな顔をしている。きっとこの男は、最後の瞬間までこんな表情をしているのだろう。
「俺のターンだな」
 顔には笑み、挑発的な、獣の笑みを浮かべながら。
「ドロー!」
 自らの運命を決めるカードを引く。
「どうやら、運命の女神様はまだ俺を見捨ててはいなかったらしい。天よりの宝札、こいつを発動だ!」
「ヒュー♪この局面でそれを引くかね」
 互いに手札が6枚になるまでドロー、お互いの手札が潤っていく。
 そして、ジンの顔に更なる笑みが浮かぶ、勝利を確信したものの笑みが。
「これからお前に見せるのは、俺の創り出す世界だ。存分に体感していってくれよ!フィールドカード、剣の丘!」
 周りの景色が一変する。ただ広いだけの空き部屋から、担い手を失った剣たちがたたずむ剣の丘へと。
「これは・・・・・・・」
「こいつが俺の世界だ。いくぜ、手札から魔法石発掘を発動。手札を2枚捨てて、墓地にある死者蘇生を手札に戻すぜ。そして、死者蘇生発動!蘇れ!剣の精霊―セイバー―!」
 死者を呼び戻す奇跡を受け、再びジンのフィールドに舞い降りたのか、冷厳は雰囲気を出す蒼き少女剣士、その凛とした瞳が、ロアと彼の僕である黒衣の錬金術師を見つめる。

剣の精霊―セイバー― 光属性 ☆6 戦士族:効果
ATK2400 DEF2000
自分の場にモンスターが1体もおらず、なおかつ、相手の場にモンスターがいた場合、このカードを特殊召喚することができる。
このカードの攻撃力と守備力は低下しない。

そしてここは戦士たちの聖域、少女剣士はここでは更なる力を得る。

剣の精霊―セイバー―攻撃力2400→2700守備力2000→2300

「なに?攻撃力が上がった」
「剣の丘はな、戦士たちの聖域だ。ここでは戦士族モンスターの攻撃力と守備力は300ポイントアップする。さらに、剣の丘の効果はそれだけじゃねぇぜ」
 そう言って右手を前にかざすジン、その手に稲妻のような光が宿る。
「来い!選定の剣―カリバーン―!」
 やがて光は大きく発光する。光が収まったとき、ジンの手には一振りの剣が握られていた。
 その剣には美しい装飾が施されており、黄金の光を放っている。
「な!?」
「剣の丘はな、1ターンに1度、デッキから装備カードを1枚、手札に加えることができるのさ。受け取れ!セイバー!」
 ジンが手にした黄金の剣をセイバーへ向けて投げる。剣は円を描き、青の少女剣士の手の中に舞い込む。

選定の剣―カリバーン―:装備魔法
戦士族モンスターのみ装備可能、装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。

「セイバー!その真の力を解き放て!」
 少女の手に黄金の剣が舞い込んだ瞬間、彼女の体も光を放つ。
「これは・・・・・・」
「セイバーは、カリバーンを手にしたとき、その真の力を発揮できる!降臨せよ!剣の英霊―セイバー―!」
 光が一際強く輝き、そこに立っていたのは一人の少女剣士、外見は変わらない。だが内包する魔力量、鬼気は桁違いだ。その攻撃力は3000、剣の丘の修正を受け3300、黒衣の錬金術師には今一歩足りない。
「残念だったね、確かに強力だけど、僕のダークナイトアルケミストには及ばない」
 笑みを浮かべるロア、だがジンの顔にも笑みが浮かんでいる。
「そいつはどうかな?俺のセイバーをよく見てみな」
 言われてみると、その英霊の手には一振りの黄金の剣、カリバーンが握られている。

剣の英霊―セイバー―攻撃力3300→3800

「な!?」
「剣の英霊は常に黄金の剣を手にしている。いくぜ!セイバーの攻撃!切り裂けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
 疾走する剣の英霊、その速度は俊足をはるかに超え、神速の域に達していた。
「クッ!まだだよ!リバースカードオープン!収縮!」
 翻るリバースは対象物を縮小する魔法カード、縮小の魔力が剣の英霊に襲い掛かる。
 だが・・・・・・
「無駄だぜ!セイバーにそんな魔法なんざ通用しない!」
 その言葉通り、縮小の魔力は彼女の持つ対魔法結界の前になすすべなく打ち消された。
 そして、その勝利を運ぶ黄金の剣が、黒衣の錬金術師を切り裂いた!
「それだけじゃねぇ!セイバー!追撃だ!」
 切り返す一撃、その刃がロアを捕らえた!
「ガッ!」
 血潮を撒き散らしながら、吹き飛ばされるロア、勝敗は決した。

剣の丘:フィールドカード
フィールド上に存在する戦士族モンスターの攻撃力と守備力は300ポイントアップする。
1ターンに1度、自分のデッキの中の装備魔法カードを1枚、手札に加えることができる。

剣の英霊―セイバー― 光属性 ☆8 戦士族:効果
ATK3000 DEF2800
このカードは通常召喚できない。自分の場にでている「選定の剣―カリバーン―」を装備した「剣の精霊―セイバー―」を生贄にささげることでのみ手札かデッキから特殊召喚できる。
このカードは相手からの魔法、モンスターの効果を受けない。
このカードが特殊召喚されたとき、自分のデッキ、手札、墓地にある「選定の剣―カリバーン―」を1枚、このカードに装備させる。このカードに装備された「選定の剣―カリバーン―」は破壊されない。
このカードが相手モンスターを破壊したとき、続けてもう1度攻撃できる。

ジンLP900
ロアLP800→0

「ク、ハハハハハ」
 突然、倒れ伏したロアが笑い出した。まだ生きているとは、驚嘆に値する生命力だ。
「いや〜負けちゃった。君に殺されるのは、これで3度目かな?」
「ああ、もう出てくんなよ」
「ああ、さすがに、オリジナルを殺されたらね。出てはこれないよ」
「そうかい、そいつはよかった」
「・・・・・・まぁいいや、僕はここで死ぬ。君はこの剣の丘で、この勝利に酔いしれているんだね。ハッハ、ハハハハハハハハハ」
 その笑い声を残して、強欲はこの世から消えた。



あとがき
ジン「もう突っ込む気もおきねぇよ」
ヒール「まったくだな、剣の丘に剣の英霊―セイバー―、選定の剣―カリバーン―にもうちょっと前に行くと剣の精霊のほうももとネタあれだしな」
ツキ「いいじゃないですか、ちょうど戦士なんだし、あのゲーム好きだし・・・・・・・」
ジン「限度があるだろ、通算何個目だよ。もとネタあるの」
ヒール「軽く数えて5個は超えているような・・・・・・」
ジン「でも、さすがにもうねぇだろ?」
ツキ「す、すみません・・・・・・」
ヒール&ジン「まだあるのか!?」
Date: 2004/07/19


ACT97:異形切り裂く落雷
 ロアの召喚したモンスター、禁呪の練成獣によって防戦一方のジン、その異形の巨体の繰り出すパワーの前に、彼の切り札であるバスターブレイダーも、なすすべなく倒されてしまった。

ジンLP2800手札3枚
場 なし
伏せ なし

ロアLP5500手札3枚
場 禁呪の練成獣(攻撃表示)、鋼の錬金術師(攻撃表示)、永続魔法:練成陣、永続罠:エンヴィー
伏せ なし

禁呪の練成獣 闇属性 ☆8 獣族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードは通常召喚できない。自分の場に出ているカード名に錬金術と名のつくモンスターとトークンを1体ずつ生贄にささげることでのみ、特殊召喚できる。
このカードは魔法、罠カードの効果では破壊されない。
このカードは相手モンスターすべてに攻撃でき、このカードが破壊した相手モンスターの効果は無効化される。
このカードが相手モンスターを戦闘で破壊できなかったターンのバトルフェイズ終了時、自分の場に出ているこのカード以外のモンスターを1体、破壊する。自分の場にこのカード以外のモンスターが存在しない場合、自分はこのカードの攻撃力の半分のダメージを受ける。

鋼の錬金術師 地属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1500 DEF1300
1ターンに1度、このカードの上に武器カウンターを乗せることがでいる。(最大3個まで)このカードの上に置かれた武器カウンターの数だけ、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。

練成陣:永続魔法
1ターンに1度、自分の場に石像トークン(地属性 ☆4 岩石族 ATK0/DEF2000)1体を、守備表示で特殊召喚できる。(このトークンは攻撃できず、表示形式も変更できない)このトークンが特殊召喚されたとき、自分はこのターン、モンスターを通常召喚できない。

エンヴィー:永続罠
プレイヤーがドローフェイズ以外でカードをドローしたとき、ドローしたプレイヤーの場に出ている表側表示のモンスターすべての攻撃力を、ドローしたカード1枚につき500ポイントダウンさせる。

鋼の錬金術師攻撃力1800

「僕はこれでターンエンドだ」
「俺のターンだ、ドロー!」
 起死回生の一手を求めてカードをドローするジン、引いたカードは強欲な壷。即座に使用し戦術の幅を広げる。
「(クソ!こいつじゃ駄目だ・・・・・・)カードを2枚セットしてターンエンドだ」
 どうやらいいカードは引けなかったらしい、モンスターすら出せずにターンを明け渡すジン。もう彼に正気はないのか?
「僕のターンだね、ドロー。練成陣の効果を発動して、石像トークンを特殊召喚するよ。さらに鋼の錬金術師の効果発動。」
 少年錬金術師が自らの武器としている槍の刃のついていないほうの端に手をかざす。一瞬の閃光、そして手をかざした部分に刃が出現する。両端に刃をなした槍を、少年錬金術師が構える。

鋼の錬金術師攻撃力1800→2100

 輝くロアの足元の文様が輝き、巨大な石像が生成される。
「練成獣で攻撃」
 再び飛び掛る異形の獣、魔法や罠で破壊されないので罠を警戒する必要がないのだ。
「リバースカードオープン!和睦の使者!」
 翻るリバース、同時にジンの前に光の壁が出現する。その壁が邪魔して、練成獣の爪はジンへと届かない。
「仕方がないな、練成獣、石像を食べていいよ」
 主の命令を聞き、石像へと飛び掛る異形、その牙は、巨大化石像を難なく噛み砕き、喰らいつくす。この巨獣には有機物、無機物の区別はないようだ。
「ターン終了」
「俺の、ターンだ」
 デッキに手をかけるジン、その目はまだ、あきらめてはいない。
(次のカード、こいつにかかってるな、俺の命運が、まだ尽きていないことを祈るか・・・・・・・)
「ドロー!」
 そして、カードを抜き放つ!
「フッ」
 笑みを受けべるはジン、その目には絶対の自信がみなぎっている。
「まずは早すぎた埋葬。こいつで墓地に眠るクイーンズナイトを蘇生させる」
 繰り出したカードは、命の一部を代価とし、墓地のモンスターを呼び戻す装備魔法、そして呼び戻されたのは冷厳なる女剣士。
「さらに!キングスナイト召喚!」
 現われたのは、王としての威厳をかもし出す中年の剣士、そしてここに、キングとクイーンが出揃った。
「キングとクイーンが場に出たことにより、効果発動!いでよ!ジャックスナイト!」
 キングとクイーンの呼びかけに答えて現われたのは、若き男剣士、その瞳は正義にあふれていた。
「来たれ!絵札の三銃士!」
「へぇ、ずいぶんと派手な登場だけど、彼らでは僕のモンスターに、傷ひとつつけられないよ」
 確かにその通りである、絵札の三銃士の中で最強のジャックスナイトでさえも攻撃力1900、これでは禁呪の練成獣はおろか、鋼の錬金術師ですら倒せまい。
「へへッ!お楽しみはこれからってね!リバースカードオープン!血の代償!」
 翻った最後のリバースはライフを犠牲にし、本来とは別にモンスターを通常召喚する永続罠カード。
「いくぜ!500ポイントのライフを払って、いでよ!」
 ジンが1枚のカードを抜き放つ!
「ギルフォード・ザ・ライトニング!」
 雷をまといながら現われたのは、褐色の肌に、筋肉に覆われたからだ。その背に大剣を背負った戦士だった。
「その身に受けな!雷の裁断を!」
 稲妻の戦士が背にした大剣を抜き放つ、その剣が空から稲妻を呼び起こす。
「いっけぇぇぇぇぇぇ!」
 そしてその大剣を振り下ろす!
 ロアのフィールドを、天より降り注いだ裁きの雷が蹂躙する。
「な!?僕のモンスターが、全滅!?」
「ギルフォード・ザ・ライトニングはな、3体の生贄をもって生贄召喚されたとき、相手モンスターすべてを破壊することができる!一見無敵に思える禁呪の練成獣もよ、モンスターの効果にだけは、適応能力はなかったようだな!」
「クッ!まさかこんな方法で・・・・・・」
「これでお前の場はがら空きだ!いけ!ギルフォード!ライトニングクラッシュソード!」
 雷の戦士の剣戟が、ロアを捕らえた!
「ぐわっ!」

ジンLP2800→1500手札1枚
ロアLP5500→2700手札4枚

「どうだ!カードを1枚セットして、ターンエンドだ!」
「ぐ・・・・・・やってくれたね、ジン君。僕のターンだ。ドロー」
 切り札を失ったロア、だがまだ油断はできない。一瞬の油断が命取りになる。
「さてと、練成陣の効果を使って石像トークンを出して、カードを1枚セット、ターン終了」
 やけにあっさりとターンを終了するロア、何かを狙っているのだろうか?
「俺のターンだな、ドロー!よっしゃ、祝福の戦士アイベルゼン召喚!」
 現われたのは、祝福を受けた聖戦士、その身に施された祝福は、あらゆる災厄を撥ね退ける。

祝福の戦士アイベルゼン 光属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードがアンデット、悪魔族モンスターと戦闘を行う場合、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。
このカードは罠カードの効果を受けない。

「ギルフォードで石像トークンに攻撃!」
 雷の戦士の一撃が、巨大な石像を粉砕する。だがロアはリバースを発動しない。
「さらに!アイベルゼンで攻撃!」
 聖戦死の剣技がロアの体をなぎ払う。

ジンLP1500手札0枚
ロアLP2700→800手札4枚

 だがこの瞬間、ロアの顔に笑みが浮かんだ。
「掛かったね、リバースカードオープン!人体練成―禁じられた練成―発動!」
「なに!?」
 翻るリバース、そしてロアの場に残っていた二つの永続カードが消えていく。
「これは・・・・・・」
「錬金術師はね、決して行ってはならない禁忌があるんだ。そのひとつが人を作ること、これはその禁忌を犯すカードなんだよ!僕の場に出ているすべてのカードと僕の命を代価とし、さぁ、出ておいで、死霊の錬金術師―ダークナイトアルケミスト―!」
 ロアのフィールドに闇が渦巻く。その闇が晴れたとき、そこには全身を黒衣の衣装で包んだひとりの男が立っていた。髪も瞳の色さえも黒い、漆黒の錬金術師が。

人体練成―禁じられた練成―:速攻魔法
自分のライフが2000以下になったときに発動。自分の場に出ているすべてのカードを墓地に送り、デッキからモンスターを1体、特殊召喚できる。

「本当なら、禁呪の練成獣だけで勝負を決めたかったんだけどね、君は思ったよりも強敵だから、僕の真の切り札を見せてあげるよ」
「真の、切り札だと?」
「そう、このカードの前では、君のその雷の戦士も、塵に等しい存在だよ。このカードが練成するものは武器でも、石像のような遮蔽物でもない。死霊、霊体そのものを練成するのさ。さぁ、いけ!ダークナイトアルケミスト!」
 漆黒の錬金術師が、主の命令に従い動き出す・・・・・・


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/07/18


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