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願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

ACT49:武器精霊 2004/05/27
ACT48:影で蠢くもの 2004/05/25
ACT47:届かない声 2004/05/25
ACT46:混沌 2004/05/24
ACT45:時の大賢者 2004/05/23
ACT44:吸血姫 2004/05/23
ACT43:ヴァンパイアと魔術師 2004/05/21
ACT42:究極龍の咆哮 2004/05/20
ACT41:氷魔の女帝 2004/05/18
ACT40:猛吹雪 2004/05/16


ACT49:武器精霊
死鬼天最後の一人、戒淵とリディアとの決闘が始まる。
リディアのエルフデッキに対して戒淵はどのような戦術を繰り出してくるのだろうか。


「我の先行だな、ドロー!モンスターをセットし、ターンエンドだ」
リバースも何も無し、やや無用心な戦術のようにも思える。
「私のターン!ドロー!」
引いたカードはヂェミナイ・エルフ、彼女のエルフデッキの主力モンスターだ。
すかさず召喚し攻撃態勢に移る。
「いっけぇー!ヂェミナイ・エルフ!」
リディアの檄が飛び双子のエルフが戒淵の守備モンスターへと迫る。
「甘いな、守備モンスターはアームズズフィア、その程度の攻撃ではびくともせんよ」
双子のエルフの魔法攻撃を弾き飛ばしたのは宙に浮く紫色の球体だった。その周りには稲妻のようなものが飛び交っている。

アームズスフィア 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK0 DEF2200
自分のドローフェイズに、カードをドローする代わりにデッキから装備魔法カードを1枚、手札に加えることを選んでもよい。
このカードが戦闘で破壊された場合、代わりにこのカードに装備されている装備魔法カードを1枚破壊してもよい。

守備力2200、反射ダメージ300ポイントがリディアのライフから引かれた。
「私はカードを1枚セットしてターンエンド」

リディアLP8000→7700手札4枚
戒淵LP8000手札5枚

「我のターンだな、ドローフェイズにアームズスフィアの効果を発動し流星の弓―シールを手札に加える」
流星の弓―シール、装備モンスターの攻撃力を1000ポイントダウンさせる代わりにダイレクトアタックを可能にする装備魔法だ。
だがこのカードは他にもっと大きな意味を持っていた。
「そして流星の弓―シールを貴公のモンスター、ヂェミナイ・エルフに装備させる」
双子のエルフたちに一本の弓が投げかけられる。二人のエルフは困惑し、使いづらそうに顔をしかめた。

ヂェミナイ・エルフ攻撃力1900→900


「行くぞ、ガーディアン・シールを召喚、そしてヂェミナイエルフに攻撃!」
現れたのは虎の面を持つガーディアン、シールだった。
シールは手にした弓を射て、リディアのヂェミナイ・エルフを破壊した。
「ガーディアンモンスター。確かにあなたなら使っていてもおかしくないわね・・・・」
ガーディアンモンスター、彼らはある特定の武器に宿る精霊のような存在だ。自らが宿りし武器が無ければ姿を現すことができないがひとたび姿を現せばその強大な力を存分に振るってくれるだろう。
だがガーディアンたちは他のカードたちとは違う。
ガーディアンは己の認めたものにしか従わない。
無理に召喚しようものなら呼び出したガーディアンに殺されてしまうだろう。
ゆえに彼らは使い手を選びしカードとしていつしか武器精霊と呼ばれるようになったのだ。
戒淵のようなものだからこそ、ガーディアンたちも付き従っているのかもしれない。
「さよう、わが武器精霊たちの力、存分に味わうがいい」
「でも私だって、ただやられてるわけにはいかない!リバースカードオープン!魂の綱!」
翻ったリバースは朽ち果てていった者たちの想いを伝える絆の綱、その綱に導かれ、リディアの場に新たなモンスターが召喚される。
「私はこのカードの効果でデッキからエルフの司令官を特殊召喚!さらに司令官が特殊召喚されたことで手札から疾風のエルヴンジャッカルを特殊召喚!」
「む!?」
「疾風のエルヴンジャッカルはね、私の場にモンスターが特殊召喚されたとき、それがエルフモンスターだった場合相手ターンでも特殊召喚することができるのよ」
「なんと、見事なコンボだ」

エルフの司令官 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1000 DEF1500
このカードはフィールドに1体しか存在できない、このカードが表側表示で出ている限り自分の場のエルフと名のつくモンスターはすべて攻撃力が500ポイントアップする。

疾風のエルヴンジャッカル 風属性 ☆3 獣族:効果
ATK1200 DEF800
自分の場にモンスターが特殊召喚されたとき、手札からこのカードを特殊召喚することができる。
また、特殊召喚されたモンスターがエルフと名のつくモンスターだった場合、このカードは相手ターンでも特殊召喚できる。

リディアLP7700→5900手札3枚
戒淵LP8000手札4枚

「さらにエルフの司令官の効果で私の場のエルフの攻撃力がアップする」
エルフの司令官の激励を受け、エルフたちの士気が向上する。

エルフの司令官攻撃力1000→1500

「我はカードを1枚セットし、ターンエンドだ」
「私のターン!ドロー!」
引いたカードを見てリディアの表情が変わる。
「いくよ!疾風のエルヴンジャッカルを生贄にささげて、エルフの皇帝召喚!」
リディアの場にエルフたちの国を治めし若き皇帝が現れた。
そのカードは緑の髪に、緑の瞳、右手には光り輝く宝剣が、左手には強固なる盾が握られていた。
「エルフの皇帝の激励能力発動!」
エルフたちを束ねし若き皇帝がその手に持った黄金の剣を天へと掲げた。
皇帝の激励にこたえ、エルフたちの士気が向上する。

エルフの皇帝 光属性 ☆5 戦士族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードが表側表示で存在する限り自分の場に出ているエルフと名のつくモンスターはすべて攻撃力が400ポイントアップする。このカード以外にエルフと名のつくカードが存在する場合、相手はこのカードを攻撃できない。

エルフの皇帝攻撃力1900→2800
エルフの司令官攻撃力1500→1900

「これで私のモンスターはあなたのモンスターたちの能力値を上回った!いっけぇー!私のエルフたち!」
主の命を受け、エルフたちがいっせいに戒淵のモンスターたちに向かって突撃していく。
「ふむ、ガーディアン・シールはともかくアームズスフィアが破壊されるのは困るな。あれは我がデッキの要、失うわけにはいかぬ、リバースカードオープン!疾風の二刀剣!」
「え!?」
戒淵のリバースカードが翻る。次の瞬間、アームズスフィアは淡い光のヴェールに包まれた。
だがおかしなことがある。
「どうして?何で装備魔法が相手ターンに発動できるのよ・・・・?」
そう、戒淵が発動したカードは速攻魔法でも罠でもなく装備魔法なのだ。通常、装備魔法と通常魔法は相手ターンには発動できないはずなのだ。
「そう、通常ならば装備魔法はたとえ伏せていても相手ターンには発動できぬ。だがこのカード、疾風の二刀剣はその数少ない例外なのだ」

疾風の二刀剣:装備魔法
このカードは速攻魔法のように扱うことができる。
装備モンスターの攻撃力を300ポイントアップさせる。

アームズスフィア攻撃力0→300

突如アームズスフィアの周りに一組の双剣が現れた。
それはアームズスフィアの周りをふわふわと漂いながら周っていた。
エルフの皇帝がそれにかまわずに斬りかかるが周りを漂っていた双剣に阻まれた。
双剣は破壊されたがアームズスフィアはまったくの無傷だった。
その後エルフの司令官が魔法攻撃でシールを破壊したがそれはあくまでおまけだった。
本命はこれ以上ガーディアンが増える前に装備魔法の充電の要にあるアームズスフィアを破壊しておきたかったのだ。
戒淵もそれを知っていてアームズスフィアを守るカードを伏せておいたのだ。

リディアLP5900手札3枚
戒淵LP8000→7800手札3枚

「この攻防、まずは我の勝ちといったところかな?」
「・・・・・・ッ!」
リディアの精神に、動揺が走る。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/05/27


ACT48:影で蠢くもの
クロノが立ち去ってから少しした後、マリアの部屋に何者かが現れた。
「やれやれ、せっかくロアの新しい遊び道具を見に来たっていうのに、このままじゃもう潰されそうじゃないか・・・・・」
呟く声はまだ幼さの残る少年のようだった。
「おや?」
ふと、自らの足元に倒れ伏しているマリアに気づく。
しばらくじっと見つめていると。
「・・・・・ぁ・・・・はぁ・・・・・・・・・ぅ・・・うぅ・・・」
なんという生命力だろう。ほとんど虫の息ながらも彼女はまだ、生きていたのだ。
「へぇ、まだ生きているんだ・・・・見たとこのヴァンパイアのようだけど・・・・・」
しばらくして突然その影は手を叩いた。
「そうだ、いいことを思いついたよ、ロアの奴だけおもちゃがあるっていうのも不公平だもんね」
そう言うと影はおもむろに自らの手首をさらした。
その影の口が開く。そこからこぼれるのは犬歯にしては以上に鋭い牙、影はその牙をさらした手首へと近づけ・・・・・・
飛び散る鮮血、なんと、その影は自らの手首を噛み切ったのだ。
鮮血は足元のマリアにも降り注いだ。
そのうちの何滴かは彼女の顔、それも口の近くへと付着した。
血はそのまま彼女の口へと降りていく・・・
マリアの喉が動いた。くびり、という音と共にマリアの口内に血の味が広がる。すると先ほどの決闘で負った傷という傷がみるみるうちに再生していった。
「・・・・・ぅ・・・・」
声を漏らすマリア、だが先ほどのような苦しげなうめきは無い。
「おめでとう、気分はどうだい?僕の新しい従属よ」
影は、汚れの無い声で満足げに言った。





そこはえらく殺風景は部屋だった。
どこかの道場のように綺麗に手入れが行き届いた木の床と壁、ひどく広々としているがひどく落ち着かせる雰囲気をかもし出していた。
「ずいぶんと、さっぱりとした部屋ね」
その部屋で対峙している二人のうちの一人、リディアが口を開いた。おそらく彼女の正直な感想なのだろう。
「うむ、戦士たるものに無粋な飾りなどいらん。研ぎ澄まされた刃に余計なものを加えてはかえって刀本来の美しさが失われるのと同じこと」
つまり余計は飾りをしては部屋本来の魅力が失われるといいたいのだろう。
対峙しているもう一人、長身の左目に刀傷がある男が言った。
その声はとても重々しく、戦士としての貫禄を十分に引き出していた。
「さあ試合おうぞ、その幼き身でここまで来た貴公に敬意を表し、この戒淵(かいえん)、全身全霊を持って相手をしよう」
男、戒淵の体からすさまじい闘気が放出される。
だがリディアはひるまずにデッキを構える!
「私だって負けるわけにはいかないの!そこは通してもらうわよ!」
リディアと戒淵、両者のデッキから、初手となる5枚のカードが引き抜かれる。
一瞬の間
「決闘!」
闘気が嵐となって吹き荒れた。


あとがき
次はリディアの決闘です。
Date: 2004/05/25


ACT47:届かない声
吸血衝動の恩恵を受け、プレイング、引き運が飛躍的に上昇したマリアの攻撃で、形成はあっという間にマリアへと傾いた。
クロノに逆転のすべはあるのだろうか・・・・・・

クロノLP3100手札5枚
マリアLP5300手札1枚

「僕のターンですね。ドローします」
カードをドローするクロノ、だが引いたカードと手札を見渡しても限りなく不死に近い体を持つヴァンパイア・カオスを倒す手段が思いつかない。
ここで少し場の状況を整理してみよう。
クロノの場には守備表示の墓守の暗殺者が1枚のみ。
マリアの場には攻撃表示のヴァンパイア・カオスと月の書の効果で裏側守備表示となったサーヴァント・タイガー、そして発動中の永続魔法、ミイラの呼び声だ。
状況は圧倒的にクロノが不利だった。

混沌―ヴァンパイア・カオス― 闇属性 ☆8 アンデット族:効果
ATK2600 DEF2300
自分のドローフェイズをスキップすることで手札、デッキ、墓地からサーヴァントと名のつくモンスターを1体、特殊召喚してもよい。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターはヴァンパイアを守る効果を適用できない。また、このカードが除外されたとき、このカードの効果で特殊召喚したモンスターをすべて破壊する。
このカードが破壊されたとき、自分の場に出ているサーヴァントと名のつくモンスターを1体生贄に捧げこのカードを特殊召喚することができる。

サーヴァント・タイガー 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2300 DEF1500
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードが相手守備モンスターを攻撃したとき、このカードの攻撃力が守備モンスターの守備力を上回っていた場合、その数値分相手にダメージを与える。

「僕はモンスターをセットして、ターンエンドです」
防戦一方のクロノ、生き残るので必死なのだ。
その様を見て気分を良くしたのか、マリアの顔に笑みが浮かぶ。
「いいわぁ、もっとよくその表情を見せて。絶望に打ちひしがれる姿をさらして。無様に倒れふす姿を・・・・・あなたの痴態が、私の心を癒し、あなたの血が、私の渇きを癒してくれるわぁ」
恍惚とした表情のマリア、もはやクロノは何もいわない。
「私のターンね。ドローフェイズをスキップしてヴァンパイア・カオスの効果を発動するわ。デッキからサーヴァント・ディアを特殊召喚するわ」
再びヴァンパイア・カオスがコートの前を空け、彼の闇が蠢く。
そして次の瞬間、黒い鹿が飛び出してきた。やはりその鹿も人間大の大きさがある。

サーヴァント・ディア 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK1700 DEF1000
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
自分のバトルフェイズ中、このカードの攻撃力は400ポイントアップする。

「サーヴァント・タイガーを反転召喚して墓守の暗殺者に攻撃するわ」
主の命令が下り黒い巨虎が墓守の暗殺者へと飛び掛る。
暗殺者はなすすべなくその首を食い千切られてしまった。
さらにサーヴァント・タイガーは貫通能力を持っていたので超過ダメージがクロノを襲う。
「くぅ・・・・・ッ!」
苦痛に顔を歪ませるクロノ、その様を見てマリアがますます興奮したような恍惚な笑みを浮かべる。

クロノLP3100→2000手札5枚
マリアLP5300手札1枚

「まだまだ行くわよ、サーヴァント・ディアでその守備モンスターに攻撃するわ」
黒き鹿がクロノの守備モンスター、見習い魔術師にその巨大な角を突き刺す。うめき声を上げて見習い魔術師は消滅した。
「この瞬間、見習い魔術師の効果を発動させデッキから2枚目の見習い魔術師をセットします」
見習い魔術師の遺言能力が発動し新たにモンスターがセットされる。
「そう、ならヴァンパイア・カオスでその守備モンスターを攻撃するわ」
再びヘドロがクロノのモンスターを飲み込む。先ほどと同じようにモンスターがヴァンパイア・カオスに取り込まれ何かを食べる音が当たりに響く。
「・・・・・・見習い魔術師の効果で聖なる魔術師(セイントマジシャン)をセットします」
「そう、ターン終了」
マリアはクロノの抵抗になんのあせりも、苛立ちも感じていない。むしろその抵抗を楽しんでいるようだ。
「僕のターンですね。ドローします。(このターンで本当にヴァンパイア・カオスはすべてを同時に倒さなければ倒せないのか試してみましょう)聖なる魔術師を反転召喚します」
聖なる魔術師が表になったとき、彼女の体から光があふれ、墓地を照らした。
「僕はこのカードの効果で墓地からディメンションマジックを手札に加えます」
墓地から一筋の光がクロノの手札へと舞い降りる。輝きを取り戻した魔法カードが再びクロノの力となるのだ。
「手札からディメンションマジックを発動します!」
クロノがカードを抜き放ち、この決闘3度目のマジシャンの秘術が披露される。
「聖なる魔術師を生贄にささげ、手札からブラックマジシャンを特殊召喚します!」
箱が開かれるとそこに聖なる魔術師の姿は無く変わりに最高位魔術師の称号を持つマジシャンが現れた。
「ディメンションマジックの破壊効果発動!対象は、ヴァンパイア・カオス!」
ブラックマジシャンの腕から黒い弾丸が放たれそれが雨となってヴァンパイア・カオスに降り注ぐ。苦痛の叫びひとつ上げずにヴァンパイア・カオスは消滅した。
「倒した・・・・のでしょうか?」
「ウフフフフ、甘いわね、ヴァンパイア・カオスの効果発動」
突然、サーヴァント・ディアの体が溶け始めた。
「これは・・・?」
やがて完全に溶けたサーヴァント・ディアの体は黒いヘドロのようなものとなった。
次の瞬間、ヘドロたちが密集しひとつの形を成してきた。
完全に形を成したヘドロはヴァンパイア・カオスの姿となった。
「馬鹿な・・・・」
我知らず、つぶやくクロノ。そんな彼の様子を満足そうにマリアは眺める。
「無駄よ、ヴァンパイア・カオスは一でもあり全でもある。彼を倒そうとしたら、それこそ場に出ている使い魔ごといっぺんに倒す必要があるでしょうね」
「・・・・ですがまだ僕のターンは終わっていません!ブラックマジシャンでサーヴァント・タイガーに攻撃!ブラックマジック!」
ブラックマジシャンが放った黒い稲妻が黒い巨虎を消滅させた。
「カードを2枚セットしてターンエンドです」

クロノLP2000手札3枚
マリアLP5300→5100手札1枚

「私のターンね。ドローフェイズをスキップしてヴァンパイア・カオスの効果を発動、デッキからサーヴァント・ヒューマンを特殊召喚するわ」
再びヴァンパイア・カオスの闇から使い魔が飛び出す。
だが今度の使い魔の形状は動物ではなかった。いや、厳密にはこれも動物だがその姿は全身が影のように黒いことをのぞけばそれは人間そのものだった。
「このサーヴァント・ヒューマンは他の使い魔とは違う、これには知能もあるし理性もある。それゆえに、他のサーヴァントたちを率いることができるのよ」

サーヴァント・ヒューマン 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK1900 DEF1700
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードが召喚、特殊召喚に成功したとき、手札、デッキからレベル4以下のサーヴァントと名のつくモンスターを1体、特殊召喚できる。

マリアの言葉を実践するようにサーヴァント・ヒューマンが口笛を吹く。それに呼応して新たな使い魔が姿を現した。
「サーヴァント・ベアを特殊召喚するわ」
現れたのは、人間よりもふた周りは大きい巨大な黒い熊だった。

サーヴァント・ベア 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK2000 DEF1000
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードは表示形式が変更できず可能ならば必ず攻撃しなければならない。

「さあ行きなさい、ヴァンパイア・カオス、ブラックマジシャンに攻撃!創世の土!」
襲い来るヘドロ、その黒き奔流が黒き魔術師に迫る瞬間、クロノのリバースが翻る。
「リバースカードオープン!マジカルシルクハット!」
突然クロノの場に現れた3つのシルクハット、それがブラックマジシャンの姿を隠し、シャッフルされた。
「フフ、ついに賭けに走ったのですか?そこまで足掻く姿、素敵ねぇ・・・・ヴァンパイア・カオス!真ん中のシルクハットに攻撃よ!」
マリアの攻撃命令が下る、しかしヴァンパイア・カオスは何の反応も示さない。
「?どうしたの、ヴァンパイア・カオス?」
「無駄ですよ、僕のもう1枚のリバースカード、攻撃の無力化が発動しています」
「フフ、プレイングミスね。ブラックマジシャンを守りたいんなら攻撃の無力化だけ発動させればいい話、わざわざマジカルシルクハットまで発動させる意味は無い。でもいいわぁあなたのそういったミスから来る痴態が、私の心を癒してくれる・・・・」
嘲笑と恍惚が入り混じったマリアの声、だがクロノは不適に笑ったままだ。
「私はこれでターンエンド、そしてこの瞬間、あなたが無意味に発動したマジカルシルクハットが破壊される」
シルクハットが消滅しブラックマジシャンが姿を現す。
だが姿を現したのはそれだけではなかった。
二つの黄金に輝く石像が場に存在していたのだ。
その石像は禍々しく、まるで邪神のようだった。
「これは、一体・・・・」
「これが、僕がわざわざマジカルシルクハットを発動させたわけです。僕はシルクハットの効果で場にセットするカードに2枚の黄金の邪神像を選んだのです」
「・・・・・なるほど、でもそれも所詮は壁にしかならない。あなたのやっていることは悪あがきにすぎないわ。でもそんな姿が私はもっと見たいの。もっともっと足掻いて、最後には地べたに這いつくばって」
「マリアさん、正気に戻ってください。僕は確かにあなたたちのしたことが許せません。ですが僕にあなたを殺すつもりはありません。ですから正気に戻ってください」
マリアの言葉を無視して懇願するクロノ
「何を言っているの?私は今とても気分がいいの、それなのにその状態をやめろ?無理な話ね」
マリアは聞く耳を持っていないようだった・・・・
「・・・・・・・解りました。仕方がありませんね。マリアさん、僕が、あなたを殺してあげましょう」
一瞬目を伏せ、そしてはっきりと明快に、クロノはマリアに言った。
一度吸血衝動に襲われたヴァンパイアを吸血衝動から開放する方法は2つ、誰かの血を飲ませるか、死ぬしかない。
クロノはその残酷は二者択一を選んだのだ。
解っていたことだ、吸血衝動に襲われたヴァンパイアが自力で元に戻ることなどありえない。
すでに手はそろっていた。それでも彼は、できる限りギリギリまで待った。彼女が自力で吸血衝動を克服することを。
そうでなければ、後味が悪すぎる。
「行きますよ、僕は手札から魔法カード、英霊召喚を発動します」

英霊召喚:通常魔法
自分の墓地にあるモンスター1体を自分の場に特殊召喚できる。(ただし、特殊召喚するモンスターのレベルに応じて生贄が必要)このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃力が500ポイントアップする。

「このカードの効果で、僕は墓地に眠る時の大賢者―クロノス・マジシャン―を蘇生させます。もっとも、このカードは蘇生召喚するにあたって、生贄召喚時に必要な数の生贄を必要としますので僕は2体の邪神トークンを生贄にささげますよ」

時の大賢者―クロノス・マジシャン― 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードが3体の魔法使い族モンスターを生贄にして生贄召喚された場合、このカードのコントローラーは次のうちどれかひとつを選ぶ。
●自分の墓地にあるカードを1枚手札に戻す。
●1000ポイントのライフを支払いデッキからカードを5枚ドローし、そのうち3枚を手札に加える。残りはデッキに戻してシャッフルする。
●2000ポイントのライフを支払い自分か相手の墓地にあるカードの中で5枚までカードを選び手札に加える。

クロノの場に、再び時空魔法を極めた大賢者が現れた。
「これで終わりです!手札から魔法カード、拡散する波動を発動させます!攻撃しなさいクロノス・マジシャン!クロノイレイザー!」

時の大賢者―クロノス・マジシャン―攻撃力3000→3500

時空賢者から放たれた黒い炎や雷がアラシとなってマリアの場にモンスターたちを焼き払う。
いかに混沌の名を持つヴァンパイア・カオスといえどもその混沌すべてを破壊されてしまっては消滅は免れない。
「な!?」
ここにきて、初めてマリアの顔が驚愕に彩られる。だがもう遅い、クロノの勝利は揺るがなかった。
「止めです!ブラックマジシャンでダイレクトアタック!ブラックマジック!」
黒き魔術師の杖から放たれた黒い稲妻がマリアの体を貫いた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
絶叫、そして壁にたたきつけられるマリア、その髪が、徐々に真紅から本来の色である金に戻っていった。
ここからでは見えないがおそらく瞳の色も元に戻っているのだろう。吸血衝動からの開放、すなわち死が、彼女に訪れたのだ。

クロノLP2000→1000
マリアLP5100→0

「・・・・・・」
クロノは何も言わず、黙ってその部屋を後にした。



あとがき
ツキ「疲れた・・・・・・」
クロノ「そうですか・・・・・」
ツキ「しばらく休みたいです・・・・・」
クロノ「それはいけませんねぇ・・・・・」
ツキ「リアルでも現在テストが近づいて忙しいのです・・・・」
クロノ「それは大変ですねぇ、でも両立してください」
ツキ「・・・・・今回やけに突っかかりますね・・・・」
クロノ「なんだか後味悪すぎです・・・・」
ツキ「当初の予定通りなんですから仕方ないでしょう・・・・」
クロノ「そうですけど・・・・」
ツキ「なんか辛気臭くなるのでここいらで閉めます。それではまた次回」
Date: 2004/05/25


ACT46:混沌
クロノのダイレクトが決まりこのままクロノのペースで進むかと思われた矢先、マリアが吸血衝動に襲われ、プレイング、引き運などが大幅に上昇した。
フィールドの状況こそクロノが有利だがどうなるかはわからない。


クロノLP6000手札6枚
マリアLP5300手札1枚

「私のターンだったわね、ドロー。アハハハハ」
まだ笑いの余韻から抜け切れていないのか、時々口に笑みを浮かべている。だがそこに優雅さや気品は感じられない。あるのは傲慢さと妖艶な香り、そして無邪気さだけだ。
「本当に今回は運がいいわぁ、天よりの宝札発動」
大量ドローカード、だが条件はクロノとて同じはず、そう思っていたが・・・・・
「しまった・・・・・・」
クロノの呟きがもれる。
「フフフ、このカードの効果で私は5枚ドローできる。でもあなたの手札はすでに6枚、あなたはこれ以上ドローできない。私だけがドローで切る」
戦力温存のために手札を温存しておいたことがかえって裏目に出てしまった。
結果としてこのカードの効果でマリアのみ大量ドローを成し遂げたのだ。
「私はミイラの呼び声の効果でヴァンパイア・ロードを特殊召喚するわ」
現れたのは、仮初とはいえ不死の能力を手に入れたヴァンパイア、当然ヴァンパイアらしく吸血能力を備えている。
ヴァンパイアロードがその瞳でクロノを見つめる。
「その魔術師は邪魔ね。私は亡者を召喚するわ」

亡者 闇属性 ☆4 アンデット族
ATK1900 DEF1000
ヴァンパイアに血をすわれ、不完全に力を与えられた人間の末路。
彼らに理性や知能は無く、ただ自らの食欲に突き動かされるばかりだ。

現れたのは、ヴァンパイアたちの哀れな犠牲者だった。
見境が無いだけに、やはり厄介な相手ではある。
もっとも、クロノス・マジシャンと熟練の黒魔術師が場に出ているクロノにとってはさして脅威ではないのだが。
「そして手札から吸血衝動〜ルナティックを発動するわ」
マリアが手札からカードを発動すると共に、ヴァンパイア・ロードの体に変化が起こった。
人の声帯から出るとは思えないほどの咆哮を上げ、体が一回りほど膨張した。髪の色は真紅、まるで吸血衝動に襲われたヴァンパイアのようだ。
突如、ヴァンパイア・ロードが亡者へと喰らいついた。
そしてヴァンパイア・ロードののどがぐびり、と動く。
「ま、まさか、血を啜っているのですか・・・・?」
そう、それはまさにヴァンパイアの行う吸血衝動そのものだったのだ。

吸血衝動〜ルナティック:通常魔法
手札を1枚捨て自分の場に出ているモンスターを1体、生贄にささげる。
自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスター1体は、このターン、生贄にささげたモンスターのもともとの攻撃力ぶん攻撃力がアップする。また、すべてのモンスターに1回ずつ攻撃できる。

ヴァンパイア・ロード攻撃力2000→3900

「攻撃力3900、まずいですね・・・・・」
1ターンだけとはいえ、否、1ターンあれば十分なのだ。
それだけあればクロノス・マジシャンも、熟練の黒魔術師も葬ることができるのだから。
「攻撃なさい、ヴァンパイア・ロード!」
「そうはさせませんよ、リバースカードオープン!和睦の使者!」
クロノス・マジシャンの効果で手札に加えておいたマリアの罠カードが翻る。だが・・・・・
「甘いわね、手札から罠カード、トラップ・ジャマーを発動するわ」
「な!?」
驚愕のクロノ、そして罠は罠封じの呪印によって解除されてしまった。
「一体、なぜ・・・?」
「簡単なことよ、吸血衝動のコストでこのカードを墓地に捨てただけ」
そう言って見せたカードは例によって例のごとく、処刑人マキュラだった。
「くっ!」
襲い掛かるヴァンパイア・ロード、クロノの魔術師たちも迎撃しようと各々の武器を掲げる。
だがそれは無駄な抵抗だった。吸血衝動により能力が飛躍的に上昇したヴァンパイアを倒すことなど、至難を極めるからだ。
予想通り、ヴァンパイア・ロードの爪の一振りで、彼らの武器は切り裂かれ、もう一振りで彼らの体を切り裂かれたのだ。
「ぐぅ・・・・ッ!」
ダメージがフィードバックする。そして冷酷なヴァンパイアはその隙を見逃さなかった。
すかさずクロノへとつめより、彼の首筋に食らいつく。
「ぐわぁ・・・・ッ!」
苦痛に顔を歪ませるクロノ、そんなクロノを無視して、ヴァンパイア・ロードがクロノの血を啜る。
しばらくして満足したのか、ヴァンパイア・ロードはクロノから離れた。
「どう?クロノの血の味は?」
主の問いかけにヴァンパイア・ロードは口元の血をぬぐいながら満足そうに答える。
「フフフ、こいつ、男の癖になかなか美味だったぞ」
「そう、楽しみだわぁ、その血を1滴も残らず吸えるなんて・・・・」
マリアが恍惚とした表情でいった。その目はうっとりとしていて、やけに官能的だった。
ヴァンパイア・ロードの吸血能力によって宣言されたカードは罠カード、クロノはデッキからマジック・ドレインのカードを捨てた。

クロノLP6000→3100手札6枚
マリアLP5300手札2枚

「まだ終わりじゃないわ、私はメインフェイズ2で手札から魔法カード、昇華を発動するわ」

昇華:通常魔法
自分の場に出ている表側表示のレベル5,6モンスターを1体生贄にささげる。手札かデッキからレベル7以上のモンスターを1体、特殊召喚する。このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン、攻撃できない。

「私はこのカードの効果でヴァンパイア・ロードを生贄にささげ、混沌―ヴァンパイア・カオス―を特殊召喚するわ」
ヴァンパイア・ロードの体が光の粒子と消え、新たに現れたのは黒いコートに身を包んだ長身の男、首から上は、やや青白いものの普通の人間のようであった。
だが首から下はそうではない。
黒いコートのおかげで多少は保護色になるが間違いない、コートの間からのぞくのは黒、そう、この男の首から下はすべて黒い肌、それも黒人の皮膚とかそんな問題ではない。
まるで、闇そのもののような黒、そして時折その闇がうごめいているのだ。
「なかなか厄介なモンスターが出てきましたね」
「あら?このモンスターを知っているの?」
「いえ、知りませんよ。ただ、混沌、カオスと名のつく者はたいてい、強力な効果を持っていますから」
「フフフ、そうね、彼はほかのヴァンパイアたちとは別格よ。その能力、身をもって体験なさい。私はこれでターンエンドよ」
ヴァンパイア・カオスの攻撃力は2600、倒せないことも無いだろうが、今の手札では不可能だ。
「僕のターンですね。ドローします」
引いたカードを見てもクロノの表情は変わらない。
「・・・・・僕はモンスターをセットして、カードを1枚セットします。ターンエンドです」
正体不明の二つのカード、マリアはこのカードたちにどう対処するのだろう。
「私のターンね。ドローフェイズをスキップしてヴァンパイア・カオスの効果を発動するわ」
ドロースキップをトリガーとして発動する効果、一体、どのような効果なのだろうか?
「さあ出てきなさい。サーヴァント・タイガー」
ヴァンパイア・カオスがコートの前を引いた。闇がいっそう蠢き、そこから巨大な黒い虎が現れた。
「こ、これは・・・・?」
「ヴァンパイア・カオスはね。他のヴァンパイアたちと違って、彼は自らの体の中に使い魔を飼っているのよ。そしてその使い魔たちも普通じゃない。使い魔であってヴァンパイア・カオスでもある。一は全、全は一という言葉があるわ、その言葉通り彼は使い魔そのすべてが彼自身、故に彼は混沌の名を冠するの」
混沌、すべてが混ざり合う現象があのヴァンパイアの中で行われているというのだろう。
「つまり、彼を倒したかったら使い魔たちと同時に一度に倒さなければならない。ということですか?」
「そういうことよ、飲み込みが早いわね。余計にあなたの血を吸いたくなったわ」
再び恍惚とした表情を作り出すマリア、だがクロノはそんなことにかまってはいられない。どうやってヴァンパイア・カオスを倒すかで頭がいっぱいなのだ。

混沌―ヴァンパイア・カオス― 闇属性 ☆8 アンデット族:効果
ATK2600 DEF2300
自分のドローフェイズをスキップすることで手札、デッキ、墓地からサーヴァントと名のつくモンスターを1体、特殊召喚してもよい。
このカードの効果で特殊召喚されたモンスターはヴァンパイアを守る効果を適用できない。また、このカードが除外されたとき、このカードの効果で特殊召喚したモンスターをすべて破壊する。
このカードが破壊されたとき、自分の場に出ているサーヴァントと名のつくモンスターを1体生贄に捧げこのカードを特殊召喚することができる。

サーヴァント・タイガー 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2300 DEF1500
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードが相手守備モンスターを攻撃したとき、このカードの攻撃力が守備モンスターの守備力を上回っていた場合、その数値分相手にダメージを与える。

「サーヴァント・タイガーで守備モンスターを攻撃するわ」
貫通能力を持つ巨虎がクロノの守備モンスターへと襲い掛かる、
だがここでクロノのリバースカードが翻った。
「リバースカードオープン!月の書!」
現れた本から夜の闇が吹き出し、サーヴァント・タイガーを包み込む。サーヴァント・タイガーは裏側守備表示となり攻撃は無効となった。
「いいわぁ、もっともっと足掻いて頂戴、そうでなければ面白くないわぁ。ヴァンパイア・カオスで攻撃、創世の土」
突如、ヴァンパイア・カオスの下半身が形を失いドロドロとしたヘドロのようなものに変わる。そしてそれがクロノの守備モンスターへと一気に襲い掛かった。
守備モンスターの墓守の偵察者はなすすべなく取り込まれ、そのままヴァンパイア・カオスの元へとヘドロは戻っていった。
そしてヴァンパイア・カオスといったいになり、蠢く、そのとき何かを噛み砕く音があたりに響いた。
やがて音がなくなりもとの下半身へと姿を変えた。
「墓守の偵察者の効果で僕は墓守の暗殺者を特殊召喚します」
この強敵を前に、クロノはどうするのだろうか・・・・・


あとがき
ツキ「ふう終了、疲れました」
クロノ「はいどうも」
ツキ「今回は結構満足いくできでしたね」
クロノ「そうですか、それはそうとついにマリアさんの切り札が出てきましたね」
ツキ「ああ、ヴァンパイア・カオスですか」
クロノ「あれにはモデルがいるとか」
ツキ「ええ、あのカードの元ネタ、わかる人いるかなぁ?」
クロノ「知る人ぞ知るって感じですね」
ツキ「それではまた次回」
Date: 2004/05/24


ACT45:時の大賢者
マリアのヴァンパイア軍団の展開力に押され、劣勢にたたされたクロノ、だが彼のマジシャンデッキも負けじとモンスターを大量展開し、ついに彼の切り札の1枚である時の大賢者―クロノス・マジシャン―の召喚に成功した。
このデュエルの結果は、回転するコインのように、不安定だ。


クロノLP8000手札3枚
マリアLP8000手札1枚

「時の大賢者、クロノス・・・・マジシャン・・・・?」
クロノの場に現れた大魔術師の姿を目にして、マリアは我知らずつぶやいた。
その者は、深い闇を連想させる紫の色を基調とし、深淵を思わせる黒で繕った法衣に身を包んだ大魔術師の姿だった。
彼の者の見た目は若く、20代ほどに思える。だが深い知性を持つその瞳が、彼の外見と内面の年齢が会わないことを物語っていた。
「ええ、僕の、切り札です」
クロノの声には、誇りのようなものが感じられた。

時の大賢者―クロノス・マジシャン― 闇属性 ☆8 魔法使い族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードは3体の魔法使い族モンスターを生贄にして生贄召喚された場合、このカードのコントローラーは次のうちどれかひとつを選ぶ。
●自分の墓地にあるカードを1枚手札に戻す。
●1000ポイントのライフを支払いデッキからカードを5枚ドローし、そのうち3枚を手札に加える。残りはデッキに戻してシャッフルする。
●2000ポイントのライフを支払い自分か相手の墓地にあるカードの中で5枚までカードを選び手札に加える。

「なんという・・・・・強力な効果なのでしょう・・・・・」
マリアの声には、少量ながら怯えの色が見えた。
「僕はクロノス・マジシャンの3番目の効果を使用します。2000ポイントのライフを支払い僕とあなたの墓地にあるカードを5枚まで手札に加えます」
クロノが加えたカード
●ディメンションマジック
●遺言状
●強欲な壷
●魔導戦士ブレイカー
●和睦の使者

クロノLP8000→6000手札8枚
マリアLP8000手札1枚

「まずは遺言状を発動します。僕はデッキから物好きな読書家を特殊召喚します」

物好きな読書家 闇属性 ☆2 魔法使い族:効果
ATK500 DEF300
あなたが魔法カードを使用したとき、次の効果のうちひとつを選ぶことができる。
●カードを1枚引く
●使った魔法カードを除外することで自分の墓地にある魔法カードを1枚手札に加える。加えたカードはエンドフェイズにゲームから除外する。
これらの効果は1ターンに1度しか使えない。

「そして強欲な壷を発動。カードを2枚ドローします。さらに物好きな読書家の1つ目の効果を発動し、もう1枚ドローします」
大量ドローによって黒野の手札はかなり潤った。
ちなみにこのときクロノが引いたカード、すなわちサーヴァント・クロウの効果でマリアに掲示したカードは
●熟練の黒魔術師
●使者蘇生
●融合
の3枚だった。
「行きますよ、クロノス・マジシャンでヴァンパイア・ナイトを攻撃します!クロノイレイザー!」
クロノスマジシャンが手にした杖を前に突き出した。杖から放たれた黒い炎と雷が嵐となってヴァンパイア・ナイトを襲った。
ヴァンパイア・ナイトはなすすべなく倒された。
「この程度では終わりませんよ!手札から速攻魔法ディメンションマジックを発動!物好きな読書家を生贄にささげ、熟練の黒魔術師を特殊召喚します!そしてディメンションマジックの効果でサーヴァント・クロウを破壊!」
物好きな読書家が人型の箱の中に隠れ、箱が開かれる。
現れた熟練の黒魔術師が不意打ちの一撃をサーヴァント・クロウに放つ。
さすがに不意打ちにはこの使い魔も対処できず消滅した。
「そして熟練の黒魔術師でダイレクトアタック!」
熟練の黒魔術師の放った黒い光が矢となってマリアへと向かっていった。
「ああぁ!」
この決闘で初めてマリアが悲鳴を上げた。
もしかしたらそれは彼女が初めて出した高い声だったのかもしれない。

クロノLP6000手札7枚
マリアLP8000→5300手札1枚

「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンドです」
クロノのエンド宣言、だがマリアはカードを引こうとせずに胸の辺りを押さえてうずくまったままである。
「はぁ!・・・・・はぁ!・・・・・・は・・・・・・ぁ・・・・・・!」
なにやら苦しげにうめくマリア、一体どうしたというのだろうか?
「マリアさん?どうかしましたか?」
クロノの声にも何も反応は無い、聞いていないというよりも聞こえていないというようだ。
「ぁ・・・・・いけない・・・・・・鎮めなくては・・・・・ッ!」
「マリアさん、一体どうしたんですか?」
そう言って彼女に近寄ろうとするクロノ、だが・・・・・
「こないで下さい!」
声を荒げて静止を促すマリア、一体どうしたというのだろうか?」
「ぁ・・・・ああ・・・・!ああ・・・・・ああああああああああああああああ!」
絶叫、そして突如、マリアの体に変化が起こった。
彼女の金色に輝く髪が鮮血のような赤へとかわり、瞳の色も真紅へと変貌した。
「な!?」
驚愕の声を上げるクロノ、そして一歩、後ろに下がる。
マリアのいうことを聞いたのではない。もっと根本的な何か、生物の生存本能が、クロノの足を下がらせたのだ。
そしてそこに来てクロノはようやく気づいた。
先ほどから彼女が押さえていた部分が、血で真っ赤に染まっていることに・・・・・
そしてそこは、先ほどのクロノのターンで熟練の黒魔術師の攻撃が直撃したところだった。
「これは、まさか・・・・・吸血衝動!?」
吸血衝動、ヴァンパイアの宿命とも言える症状で主に自身が傷深い傷を負った場合、もしくは大量の鮮血を見た場合などが原因と考えられている発作のようなもので、ヴァンパイアの本来の食事(この場合は自分の体を保つための吸血行為)以外の部分で血を欲する現象である。この症状に襲われたヴァンパイアは一般に渇いた状態であるといえ見境がなくなり非常に危険なのだ。
また、個人差があるものの性格が非常に攻撃的になるという。
やがて発作がおさまったのか、マリアがゆっくりと立ち上がる。
その目には、先ほどの気品あふれる色は無く、ただ己の本能に飲み従う動物のような色が見え隠れしていた。
「ぁ・・・・・ああ・・・・・・はぁ・・・・・・ッ!」
どこか興奮したような気配のマリア、その目が言葉よりも明確に彼女の意思を伝えていた。
血を、啜りたい。と・・・・・・
「クス」
口から漏れる笑い。
「アハハハハ、フフフフフ、クスクスクス」
何がおかしいのか、突然笑い出すマリア。
それは、傲慢で、妖艶で、そして無邪気な笑いだった。
それは、幼い子供が面白半分で虫を殺すような、そんな状態によく似ていた。
笑い声がとまる。もう満足したのだろうか?
「さあ、続けましょうクロノ、私に見せて、あなたが足掻いて足掻いて、最後に地べたに這い蹲るところを」
「・・・・・・・残念ですが、それはできませんね」
吸血衝動に襲われたヴァンパイアは戦闘能力がアップする。
それは決闘においても変わらない。プレイングが数段あがるのだ。だというのに、クロノの顔には微塵の揺らぎも無い。
「なぜなら、無様に地べたに這い蹲るのは、あなただからですよ、マリアさん」
クロノの声は、はたして彼女に届いているのだろうか?


あとがき
ツキ「終了〜」
クロノ「お疲れ様です」
ツキ「はい、今回は少し疲れましたね」
クロノ「しかし今回、ターンとしては2ターンしか進んでないのでは?」
ツキ「う!」
クロノ「あまり決闘に関係ないヴァンパイアの特性を考える暇があるのなら、決闘の続きを書くべきでしたね」
ツキ「うう・・・・・仕方ないじゃないですか、書いているうちにヴァンパイアについて書きたくなってしまったんですから!」
クロノ「逆ギレされても困りますね。このままではだらだらといってしまいますよ?」
ツキ「うう・・・・・これでは次回までに終わりそうもありませんね・・・・・」
クロノ「しっかりしてくださいよ」
ツキ「はい・・・・・・」
Date: 2004/05/23


ACT44:吸血姫
鬼神殿の決戦第3戦、クロノVSマリア
いまだ互いのライフに変動は無いが状況はややクロノに有利だ。
だが運命の女神気まぐれだ。いつ、状況が変わるかわからない。

クロノLP8000手札3枚
マリアLP8000手札1枚

ちなみに、クロノは黒き森のウィッチの効果でクリッターを手札に加えた。
「僕のターンですね。ドローします」
マリアの場には攻撃表示のヴァンパイア・レディが1体、永続魔法ミイラの呼び声が発動中、そして正体不明のリバースカードが1枚。
さして脅威を感じる状況ではないように感じるが・・・・
「ブレイカーでヴァンパイア・レディを攻撃します」
主の命に従い、魔法の騎士が女ヴァンパイアに切りかかる。だが・・・
「そうはさせません。リバースカード発動、永和睦の使者、このターン、あなたは私に戦闘ダメージを与えることができません」
使者による和睦がなされ、クロノの場のモンスターたちは戦闘を行えなくなってしまった。
「・・・・・・僕はモンスターを1体セットして、ターン終了です」
少し考えモンスターをセットしてターンを明け渡したクロノ、
その様子を眺め、マリアは穏やかにカードをドローする。
「いいカードを引きました。魔法カード、強欲な壷を発動させます。このカードによって、私はカードを2枚、ドローします」
ドロー強化カード、ここに来てこのカードを引く彼女の強運は本物だろう。
手札が3枚に増え、マリアの戦術の幅が広がった。
「私はまず、痛みわけを発動させます。私が指定するモンスターはもちろん、ヴァンパイア・レディです。あなたはどのモンスターを指定しますか?」
お互いのモンスターを生贄にささげるカードが発動された。
このカードによって捨てるカードは慎重に選ばなければならない。
不用意にカードを生贄にしてしまった場合、大事な守りの要を失うことになる。
「僕はこの守備モンスター、クリッターを生贄にささげます」
そこは上級者のクロノ、相手のカードの効果を逆手に取りクリッターのサーチ能力を発動させた。
「僕は墓守の偵察者を手札に加えます」
クロノが手札に加えたのは同胞を呼び込む能力のある魔法使いだ。
このカードはクロノのデッキの守りの要、そして生贄確保の要でもあった。
「そうですか、では私はミイラの呼び声の効果でヴァンパイア・ナイトを特殊召喚します」
現れたのは、血のように真紅な赤い剣を持ち、黒い鎧に身を包んだ一人の騎士だった。

ヴァンパイア・ナイト 闇属性 ☆6 アンデット族:効果
ATK2200 DEF1500
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた場合、カードの種類を宣言する。相手はデッキから宣言されたカードを1枚墓地に送る。
このカードが場に出ている限り、相手プレイヤーはこのカードのコントローラーに戦闘ダメージ以外のダメージを与えることができない。

「これはまた、厄介なものを出してきましたねぇ」
「まだです。私は手札から遺言状を発動します。このカードの効果で私はデッキからサーヴァント・クロウを特殊召喚します」
マリアの場に現れたのは、黒い体とすべてを見透かすような赤い瞳を持ったカラスだった。大きさは普通のカラスと同じくらいである。
「この使い魔は少し特別なの。主人を守ることはできないけれど、その代わり、偵察能力が非常に優れているのよ」

サーヴァント・クロウ 闇属性 ☆2 アンデット族:効果
ATK200 DEF100
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが表側表示で存在する限り、相手のドローしたカードをすべて確認することができる。
このカードは攻撃の対象にされない。

「なるほど、これは普通のサーヴァントカードよりも厄介そうですね」
「行きます。ヴァンパイア・ナイトの攻撃、対象はマジシャンズ・ヴァルキュリア」
ヴァンパイアの騎士が魔術師の守護天使へと切りかかった。だがその次の瞬間、クロノのリバースが翻った。
「リバースカードオープン!魔法の筒!」
マジシャンズ・ヴァルキュリアの前に二つの巨大な筒が現れた。
片方の筒がヴァンパイア。ナイトの攻撃を吸い込み、そのままもう片方の筒から現れたヴァンパイア・ナイト自身の剣がマリアへと突き刺さった。
「反射ダメージ、2200ポイントを受けてもらいますよ、マリアさん」

クロノLP8000手札3枚
マリアLP8000手札0枚

「え?ライフが、変わっていない?」
そう、確かにクロノの魔法の筒の発動は成功したはずである。
それならば反射ダメージ分としてヴァンパイア・ナイトの攻撃力分、2200ポイントのダメージを受けるはずである。にもかかわらず、マリアのライフに変動はなかった。
「一体、どういうことですか?」
「答えは、ヴァンパイア・ナイトの効果です。このカードが場に出ている限り、私に戦闘ダメージ以外のダメージを与えることはできません」
「なるほど、ナイトの名は伊達ではないということですか」
「そういうことです。私のターンはこれで終了です」
ヴァンパイア・ナイトはマリアを守るような位置に立ち、クロノに剣を向けている。
「僕のターンですね。ドロー」
クロノのドローフェイズ、だがこの瞬間でさえも、ヴァンパイアたちは平穏を許してはくれなかった。
「この瞬間、サーヴァント・クロウの偵察効果が発動します。そのドローカードはなんですか?」
サーヴァント・クロウの偵察能力が発動し、クロノのドローカードが白日の下にさらされてしまう。ここからは彼は、常に自分の手札を把握されてしまうのだ。
しかも厄介なことに、サーヴァント・クロウは攻撃対象に選択できない。これでクロノはかなり不利な立場に立たされてしまった。
「ドローしたカードは拡散する波動です」
やや苦々しげな顔でドローカードを見せるクロノ、彼が表情を崩すとはめずらしい、それほどまでに追い詰められているのだ。
拡散する波動を手札に加え、クロノはため息をついた。
「優秀な騎士に守られ、優秀な使い魔によって情報も常に入ってくる。まるであなたはヴァンパイアたちの姫、さしずめ、吸血姫といったところでしょうか・・・・・・」
吸血姫とは言いえて妙である。実に的を得ていると思われる。
吸血姫・・・・ヴァンパイアたちの姫君、その身震いするほどに美しい容姿と、恐怖を感じずにはいられない残虐性、従えているカードたち、まさにヴァンパイアたちの姫君というのがふさわしい。
「フフフ、うれしいことを言ってくれますわね」
クロノの評価を笑顔で受け取るマリア、その気品も、姫君の名にふさわしい。
「ですが僕とて、このまま負けるわけには行きません。モンスターをセットし、すべてのモンスターを守備表示に変更します。ターンエンドです」
防戦一方となるクロノ、そこにマリアは攻め立てる。
「私のターンですね。ドロー。ヴァンパイア・ナイトでマジシャンズ・ヴァルキュリアに攻撃します」
ヴァンパイアの騎士が再び魔術師の守護天使へと斬りかかる。
今度は守るものは無く、守護天使はその真紅の剣で斬り伏せられてしまった。
「ターン終了です」
「僕のターンですね、ドローします。ドローカードは墓守の長です。守備モンスターを反転召喚します。守備モンスターは墓守の偵察者です。効果を発動しデッキから墓守の長槍兵を特殊召喚します」
墓守の偵察者の同胞をよぶ効果が発動し、デッキから長槍を操る墓守の戦士が現れた。
「行きますよ。3体の魔術師を生贄にささげ、時の大賢者―クロノス・マジシャン―を召喚します!」
クロノの場に、紫を基調とした黒い法衣に身を包んだ魔術師が現れた。



あとがき
というわけで44話終了です。
今回のラストに登場したクロノス・マジシャンはクロノの切り札のひとつです。どんな効果なのかは次回紹介します。
Date: 2004/05/23


ACT43:ヴァンパイアと魔術師
鬼神殿の決戦、第3戦の組み合わせは時の管理者クロノと天使のご
ときヴァンパイア、マリア二人の死のダンスが今始まる。

クロノLP8000手札5枚
マリアLP8000手札5枚

「僕の先行で行きます。カードドロー」
引いたカードを見てクロノは少し考える、やがて考えがまとまったのか行動に出た。
「僕はモンスターを1体セットし、リバースカードを1枚セットします。ターンエンドです」
堅実はプレイングを心がけるクロノらしく手堅く守りを固めた。
正体不明の2枚のカード、相手にとってはやや手が出しにくいかもしれない。
「私のターンですね。ドロー。私は出来損ないのヴァンパイアを召喚します」
マリアの場には、地に飢えた醜悪なヴァンパイアが現れた。
血を欲するその目からは知性の輝きは感じられない。まるで獣のようだ。

出来損ないのヴァンパイア 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK2500 DEF0
このカードはプレイヤーを攻撃できない。このカードが戦闘を行
った場合、バトルフェイズ終了時にこのカードを破壊する。
このカードが相手モンスターを破壊したとき、カードの種類を宣言する。
相手は宣言したカードと同じ種類のカードを1枚デッキから墓地に送る。

「攻撃なさい」
マリアの命令が下るのとほぼ同時に出来損ないのヴァンパイアが
クロノのモンスターへと襲い掛かった。
ヴァンパイアはクロノの守備モンスター、キラートマトを組み伏せ、
そのまま喰いちぎった。
「キラートマトが破壊されたので、僕はデッキから黒き森のウィ
ッチを特殊召喚します」
クロノの場に三つ目を持つ魔女が現れた。
「ですが、私の出来損ないのヴァンパイアの効果も発動します」
「効果?」
「はい、吸血能力です。行きなさい、ヴァンパイア」
マリアの命令とほぼ同時に出来損ないのヴァンパイアがクロノに
向かって飛び掛ってきた。ヴァンパイアはそのままクロノに噛み付き
血をすする。いや、実際には血ではなくデッキのカードの力を啜
っているのだが・・・・・
「私は魔法カードを指定します。魔法カードを1枚、捨ててください」
クロノはデッキを確認し、結局魔術の呪文書を捨てた。
バトルフェイズが終了したため出来損ないのヴァンパイアは己の
体を構成できなくなり消滅した。
「私は、カードを1枚伏せてターン終了です」
守るものが無くなったマリアは新たに1枚のリバースをセットして
ターンを明け渡した。
「僕のターンですね。ドローします」
穏やかにカードをドローするクロノ、この男には焦燥という感情は無いのかもしれない。
「僕は魔導戦士ブレイカーを召喚します」
クロノの場に、魔法破壊の戦士が現れた。
外見はどう見ても戦士だがこのカードはれっきとした魔法使いだ。
「起動効果を発動し、その伏せカードを破壊します」
ブレイカーの周りを漂っていた光が弾丸となってマリアのリバー
スカードに突き進む。だがそれよりも一瞬早くマリアがリバース
をオープンさせていた。
「ブレイカーの起動効果にチェーンして罠カード、死者の祈りを
発動します」

死者の祈り:通常罠
自分の墓地にあるモンスターを1枚ゲームから除外する。
除外したカードよりも攻撃力の低いモンスターはこのターン、
攻撃と表示形式の変更ができない。

マリアのリバースが翻ったのと共に、クロノの場のモンスターは
すべて黒い霧のようなものに包まれてしまった。
「これは・・・・・?」
「私の発動した死者の祈りは、発動したときに除外したモンス
ーよりも攻撃力の低いモンスターすべての動きを封じます。私は
出来損ないのヴァンパイアを除外したのでこのターン、あなたの
攻撃力2500以下のモンスターはすべて、動きを封じられたのです」
「なるほど、それは困りましたね。仕方ありません。僕はカード
を1枚セットして、ターンを終了します」
攻撃を封じられてはクロノとて打つ手が無いのだろう。特に動き
を見せることなくターンを終了した。
「私のターンですね。ドローします」
クロノと同じく穏やかにカードをドローするマリア、その姿だけ
彼女があのような惨状を作り出したことを疑いそうである。
「私はミイラの呼び声を発動します」
「やはりそのカードをデッキに入れていましたか」
速攻召喚の永続魔法を発動されてもクロノは眉ひとつ動かさない。
まるで、このことが初めからわかっていたようだ。いや、実際わ
かっていたのかもしれない。でなければここまで冷静にはなれまい。
「驚かないのですね」
「あなたのデッキを考えれば、どんなカードが入っているのかな
んて、簡単にわかりますよ」
おそらく彼女のデッキはヴァンパイアデッキ、つまりはアンデットデッキだ。
アンデットデッキの特徴は、その召喚の手軽さに物を言わせ、
上級モンスターを一気に場に並べ、その圧倒的物量で押しつぶす。
この戦術が最も基本だろう。ならば彼女のデッキに入っている
カードも、大体絞り込めるというものだろう。
「それもそうですね。では、私はミイラの呼び声の効果で
ヴァンパイア・レディを特殊召喚します」
現れたのは不死性こそ無いものの、やはり吸血能力を備えた
女ヴァンパイアだった。それが妖艶な笑みを浮かべてクロノを見つめる。
「さらに私はサーヴァント・ドックを召喚します」
マリアの場に、人間ほどの大きさを持つ黒い猟犬が現れた。
猟犬は付き従うようにヴァンパイア・レディに寄り添っている。

サーヴァント・ドック 闇属性 ☆4 アンデット族:効果
ATK1500 DEF1300
このカードは自分の場にヴァンパイアと名のつくモンスターが
存在していなければ召喚、反転召喚、特殊召喚できない。
このカードが場に出ている限り、相手は自分の場に出ている
ヴァンパイアと名のつくモンスターを攻撃、破壊できない。
このカードは自分の場に出ているヴァンパイアと名のつくカード1
枚につき攻撃力が300ポイントアップする。

「ヴァンパイアの能力のひとつにね、使い魔というものがあるの。
この子達は主人の忠実でどんなときでも主人を守ろうとする。
反面、主人がいなければ現れることもできないのですけれど」
「つまりそのカードは、使い魔カードだと、そういうのですか?」
「はい、その通りです。サーヴァント・ドックは自分の場に出てい
るヴァンパイアの数だけその攻撃力を高めます」

サーヴァント・ドック攻撃力1500→1800

「まずはヴァンパイア・レディで黒き森のウィッチに攻撃します」
ヴァンパイア・レディが三つ目の魔女へと飛び掛る。彼女を蹂躙するために。
だがそれを許すほどクロノは甘くは無い。当然、彼の場に伏せてあったリバースカードが発動する。
「リバースカードオープン!ディメンションマジック!」
突如現れた人型の箱がウィッチを中に収納する。
箱が開かれたとき、そこには別の魔術師が存在していた。
「黒き森のウィッチを生贄にささげ、マジシャンズ・ヴァルキュリア
を特殊召喚します!」
現れたのは魔法使いたちを守護する天使、彼女の魔法障壁が相手
の攻撃から魔法使いたちを守護するのた。
「さらにディメンションマジックの破壊効果を発動します!」
「しかしサーヴァントが場に出ている限り、私のヴァンパイアを破壊することはできません」
「ならばサーヴァント・ドックを破壊するまでです!」
マジシャンズ・ヴァルキュリアの放った光の魔法が黒い猟犬を消滅
させる。
「なかなかやりますね。私はカードを1枚セットして、ターンエンドです」
ヴァンパイアカードを操るマリアと魔術師や魔法カードを巧みに
使いこなすクロノ、両者のデュエルはまだ始まったばかり・・・・


あとがき
ツキ「というわけでACT43でした」
クロノ「ヴァンパイアデッキですか。オリカ考えるの大変じゃな
いですか?」
ツキ「いや、そうでもありませんよ。吸血鬼の特性を考えれば
結構簡単に思いつきます」
クロノ「そういえばあなた、吸血鬼物の物語とか好きでしたね」
ツキ「ええ、だから結構簡単に思いつきます」
クロノ「なるほど、ところで僕のデュエル、やっと1話完結じゃ
なくなりましたね」
ツキ「そうですね。さすがに大ボス相手に1話完結はつまらないでしょう?」
クロノ「そうですね」
ツキ「それでは今回はこの辺で、また次回」
Date: 2004/05/21


ACT42:究極龍の咆哮
冷凛の繰り出した切り札、氷魔の女帝―フォービュラリス―と拡散する波動とのコンボによって、合計7200ポイントのダメージを受けたケルヴィン、彼のライフは7000ポイントだったのでこれで彼のライフは0になってしまった。はたしてケルヴィンの生死は・・・・?


「ウフフ、モンスターを破壊してライフが0になったからあなたの命には別状ないでしょうね」
倒れふすケルヴィンに向かって冷凛が声をかける、心なしか、その声はやや興奮しているように見える。
「まだ生きててくれなきゃ困るわ。死人ではやっぱり物足りないわ、生きているときの綺麗なまま、私のコレクションに加えてあげたいもの」
ケルヴィンは何も答えない。否、答えられないのだ。激痛で意識を保つことさえ難しいはずなのだから。
「さあフォービュラリス、彼を美しい氷の彫像に変えて頂戴」
無常にも冷凛の命令が下る。だがフォービュラリスは命令を気かな立った。
「どうしたの?さっさとやって頂戴」
だがそれでも氷魔の女帝は動かなかった。ただじっと、ケルヴィンを見つめるだけだった。
「どうしたの!さっさとやりなさいって言ってるでしょ!私の命令が聞けないの!」
「クッ」
逆上する冷凛に向かって、ケルヴィンの嘲笑が送られる。
「無様だな、そんなことも解らないのか?」
危なげではあるがしっかりと立ち上がるケルヴィン、その顔には不敵な笑いが浮かんでいる。
「な・・・・・!?そんな、立っていられるはずが・・・・・・ッ!」
「簡単なことだ。まだ決着はついていない。まだ、終わってないぜ」
「何を馬鹿なことを、あなたのライフはとっくに0に・・・・・」

ケルヴィンLP1800手札4枚
冷凛LP5500手札1枚

「な!?どうして・・・・?」
確かに、冷凛の一撃によってケルヴィンのライフは0になったかに見えた。ならばなぜ、彼のライフは残っているのだろうか?
「簡単なことだ、あの時、俺はこのカードを発動させたに過ぎん」
そう言って、彼は墓地のカードを1枚手に取った。そのカードにはこう書かれていた。
非常食、と・・・・・・
「な!?」
「そうだ、このカードで俺はリバースカードと悪夢の蜃気楼を食い、ライフを回復させたのさ」
「クッ、無駄な足掻きを!」
「なんとでも言うがいい、それよりまだ勝負は終わってない。貴様のターンはまだ終了してはいないぞ、さっさとしろ」
「解ってるわよ!私はカードを1枚伏せてターン終了!」
苛立ちの声を上げる冷凛、彼女がここまで声を荒げるのはこのデュエルで初めてのことだろう。
「俺のターンだな。ドロー」
引いたカードは神の宣告だ。この状況ならばなかなかいい働きをしてくれるかもしれない。
手札を見る。この中に逆転の手は無い、もしも次のターン、彼女がモンスターを召喚してきたら負けるだろう。これはある種の賭けだった。
「俺はリバースカードを1枚セットし、モンスターを1体セットする。ターンエンドだ」
「私のターンね、ドロー。フォービュラリスで攻撃!グラキエース・フォルテッシモ!」
再び無数の巨大な氷が刃となってケルヴィンのモンスターを襲う、守備モンスターのグレイウイングはなすすべなく倒されてしまった。
「ターン終了」
「俺のターンだな、ドロー!」
引いたカードははたき落とし、相手のドロー封じのカードだ。
「(このターンも凌げそうだな。)俺はリバースカードを1枚セットし、モンスターを1体セット!ターンエンド!」
さきほどのターンと同じ戦法、だが今はこれしか手が無いのだろう。
「私のターンねドロ」
「この瞬間!リバースカードオープン!はたき落とし!そのドローカードを破壊する!」
ケルヴィンのリバースが翻ると共に冷凛が引こうとしていたカードが何者かの手によって叩き落された。
舌打ち、結局彼女は前のターンと同じことをしてターンを終了した。
「俺のターン!ドロー!」
引いたカードを見てケルヴィンの表情が変わる。何かいいカードでも引けたのだろうか?
「俺は手札から魔法カード、魔法石発掘を発動する!手札のカードを2枚捨て、神々の祝福を手札に加える!」
「なんですって!?」
驚愕の冷凛の声、無理も無い、先ほどの優勢を、そのカードでひっくり返されたのだから。
「行くぞ!神々の祝福発動!カードを5枚ドローする!」
5枚引き終わったところで、ケルヴィンは不適に笑った。その笑いは、己の勝利を確信したものの笑いだった。
「行くぞ!手札から魔法カード、死者蘇生発動!蘇れ、ブルーアイズ・ホワイトドラゴン!」
死者の魂を呼び戻す魔法が発動し、再び白銀の至高龍が舞い降りた。
「さらに!同胞の絆発動!」
「な!?」

神々の祝福:通常魔法
カードを5枚ドローする。このカードを使用したターンのエンドフェイズにあなたは手札をすべて捨てる。


同胞の絆:通常魔法(OCG風にテキスト改正)
1000ポイントのライフを払い自分の場に出ている表側表示のモンスターを1体指定する。指定したモンスターと同じ種族のモンスターカードを最大2枚まで特殊召喚できる。このカードの効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃することができない。

「同胞の絆によって、駆けつけよ!ブルーアイズ!」
現れたのは2体のブルーアイズ・ホワイトドラゴン、今、3体のブルーアイズが集結した。
「ブ、ブルーアイズ・ホワイトドラゴンが、3体ですって!?」
驚愕の声を上げる冷凛。そんな彼女を無視してケルヴィンが新たなカードを解き放つ。
「さらに!融合発動!ブルーアイズ3体を融合!」
3体のブルーアイズたちが混ざり合い、三つ首を持つ究極龍へと生まれ変わった。
「降臨せよ!ブルーアイズ・アルティメットドラゴン!」
「そ・・・・・んな・・・・・・・」
ケルヴィンの場に現れたのは、神に匹敵する威圧感を持つ究極の龍、その瞳に見つめられれば、いかなる者でも恐怖を感じるだろう。
「いくぞ!ブルーアイズ・アルティメットドラゴンの攻撃!アルティメットバースト!」
放たれた極限の光の本流、それが氷魔の女帝へと突き進む。
「させない!リバースカードオープン!銀幕の鏡壁!」
突如、巨大な鏡の壁が現れた。その壁に、アルティメットドラゴンの一撃が当たろうという刹那、ケルヴィンのリバースが翻る!
「甘い!リバースカードオープン!神の宣告!」
「・・・・・・・・ッ!」
鏡の壁はあっけなく砕かれ、氷魔の女帝も光の本流に飲み込まれていった。
「そんな・・・・・・私の、フォービュラリスが・・・・」
茫然自失の冷凛、だがケルヴィンは更なる追い討ちをかけた。
「メインフェイズ2に入り、俺は手札から時空神の気まぐれを発動する!」

時空神の気まぐれ:通常魔法
このカードはメインフェイズ2でしか発動できない。ライフ半分を支払い、次の自分のバトルフェイズをスキップすることで、このターン、もう一度バトルフェイズを行うことができる。

「あ・・・・ああ・・・・・」
恐怖の入り混じった声を上げる冷凛、だがケルヴィンは残酷なまでに無慈悲だった。
「止めだ!アルティメットドラゴンの攻撃!アルティメットバースト!」
再び放たれた光の本流が、冷凛を飲み込んでいった。

ケルヴィンLP1800→200
冷凛LP5500→0

鬼神殿の決戦2戦目・勝者・ケルヴィン



すさまじい光景だった。周りに散乱しているのは人間の服と何か布のようなもの、そして白い木の枝のようなものだった。
あたりには赤い水たまりができている。そしてもっとも異様なのはその中心部で対峙している二人。
一人は黒髪にダークグリーンの双眸、クロノだ。
もう一人は白いドレスに身を包み、金色の髪を掻き分ける美女、その美女の隣には中世ヨーロッパの貴族が来ていそうな服を着た青白い肌をした男、その口からは八重歯にしては長すぎる歯が飛び出ている。いや、それはもはや牙といったほうがいいかもしれない。
ヴァンパイア・ロード。彼は人々からそう呼ばれているモンスターだった。
「・・・・ひどい食い散らかしようですね」
クロノはいつもどおりの笑顔で美女に話しかける。周りの惨状など気にも留めていないようだった。
「ええ、ごめんなさい、彼らの血があんまりにもまずかったものだから、彼ったらかんしゃく起こしちゃって」
そう言って微笑む美女は、まさに天使のようだった。その声も、しぐさも、人々を魅了してやまなかった。だが周りの惨状を作り出したのは間違いなく彼女と、彼女が召喚したヴァンパイア・ロードだろう。
「なぜ、このようなことを?あなたの仲間じゃなかったのですか?」
よく見るとところどころに見覚えのある仮面が転がっていた。
「フフフ、ねぇあなた、ヴァンパイアがなぜ、人間の血を吸うのか知っているかしら?」
クロノの質問に質問で返す美女
「確か、自らの肉体を保つためだったと、記憶しています」
一般にたちの悪いアンデットの中でもとりわけ厄介なのがヴァンパイアだ。不老不死の肉体をもつ夜の怪物、彼らはそう呼ばれている。
だがそれは大きな間違いだ。彼らの肉体は絶えず崩壊している。そう、彼らは不老ではあっても不死ではないのだ。その肉体の崩壊を防ぐために、彼らは自分に極めて近い遺伝子情報を持つ動物、すなわち人間の血を吸うのだ。
「そのとおりです。彼らは純粋です。彼らが人間の血を吸うのは自らの命を保つためにする仕方のないこと。それに引き換え、人間は自分たちの欲望のために平気で人を殺すわ。だから私は人間が嫌いなの」
そう言って微笑む彼女の口からも、牙がこぼれる。彼女のヴァンパイアなのだろう。
「そうですか、しかしそれはあなた方の理屈です。被害者の方々には、その理由など知ったことではないでしょう。すみません。僕はあなたたちを許せそうにありません」
そう言ってデッキを構えるクロノ、
「そう、でも、あなたの血はおいしそうね。少し、味わってみたいわ」
美女もデッキを構え、ヴァンパイアロードをカードに戻す。
「私の名はマリア、楽しみましょう、死のダンスを」
鬼神殿の決戦、第3戦が今、幕を開けた。


あとがき
次はクロノのデュエルですね。
Date: 2004/05/20


ACT41:氷魔の女帝
冷凛のモンスターたちの総攻撃、リバースカードでこのターンは何とか凌いだケルヴィンだったが、状況はかなり不利となってしまった。
ケルヴィンの場にあるのは守備表示のサファイアドラゴンが1体のみ、頼みの綱の手札は悪夢の蜃気楼とシャドウドラゴンこの手札では持ちこたえられるのはせいぜい1ターンが限界だろう。
ケルヴィンに勝機はあるのだろうか?

ケルヴィンLP7000手札2枚
冷凛LP7300手札2枚

「俺のターンだな、ドロー」
引いたカードはドラゴンを呼ぶ笛、この状況では使い物にならない。我知らず、ケルヴィンは舌打ちしていた。
「あら、いいカードを引けなかったからって行儀が悪いわね」
揶揄するような冷凛の囁き、それがケルヴィンの精神をさらに逆なでする。
「俺はリバースカードを1枚セットし、モンスターを1体セットする。ターンエンド」
伏せたのは悪夢の蜃気楼、もちろんハッタリだ。
「私のターンね、ドロー」
引いたカードを見てフフフと怪しげな笑みを漏らす冷凛、再びケルヴィンの背筋に悪寒が走る。
「私は銀光のホワイトタイガーを召喚するわ。このモンスターは水属性だから攻撃力がアップする」

銀光のホワイトタイガー 水属性 ☆4 獣族:効果
ATK1800 DEF1300
このカードはエンドフェイズまで攻撃力を500ポイントダウンすることで2回攻撃が可能となる。

銀光のホワイトタイガー攻撃力1800→2300守備力1300→1800

「効果を発動して2回攻撃を可能にするわ。行きなさいホワイトタイガー、サファイアドラゴンに攻撃!」

銀光のホワイトタイガー攻撃力2300→1800

冷凛の命令に従い巨大な白虎が光のごとく速さでサファイアドラゴンに襲い掛かる。白虎の爪の一撃を受けてサファイアドラゴンが倒された。追撃の一撃でケルヴィンの守備モンスターへと攻撃に移るがガキンをいう音と共にその攻撃ははじかれてしまった。
「な!?」
驚愕の声を上げる冷凛、そこに現れたのは全身を黒く染めたような小柄なドラゴンだった。
「守備モンスターはシャドウドラゴンだ。その程度の攻撃力ではびくともしない」

シャドウドラゴン 闇属性 ☆4 ドラゴン族:効果
ATK1000 DEF2000
このカードが破壊されたとき、デッキから同名カードを1枚特殊召喚することができる。

「ならほかのモンスターで攻撃するまでよ!行きなさい!樹氷の騎士!」
樹氷の騎士の剣が唸りを上げて迫る。この一撃には耐え切ることができずにシャドウドラゴンは息耐えた。だがシャドウドラゴンは死に際に同胞を呼ぶ遺言効果を持っている。ケルヴィンの場に新たなシャドウドラゴンが現れた。
「しつこいわね!フロストで攻撃!」
荒ぶる氷龍の凍える息吹がシャドウドラゴンを駆逐していく。だが遺言効果によって新たなシャドウドラゴンが現れた。
「いい加減にしなさい!シヴァで攻撃!ダイヤモンドダスト!」
シヴァの一撃で最後のシャドウドラゴンが倒された。今度は新たなシャドウドラゴンは現れなかった。ちなみにシヴァは守備表示になっている。
「やっと終わったわね。ターンエンドよ」
このターンは凌いだが問題は次のターンだ。ここで何か引かなければケルヴィンに勝機はない。
「俺のターン、ドロー!」
気合と共にドロー。引いたカードは強欲な壷だった。
すかさず使用。カードを2枚ドローする。ドローしたカードを見たとき、ケルヴィンの顔色が変わった。
「(このカードは!ここはこれに賭けるしかない!)俺は手札から魔法カード、神々の祝福を発動しカードを5枚ドローする!」
「何ですって!?い、1度に5枚もドローするカード!そんなの反則じゃない」
「神の祝福を受け、俺は勝利へのチャンスを得たのだ!よってカードを5枚ドローする!」

神々の祝福:通常魔法
カードを5枚ドローする。このカードを使用したターンのエンドフェイズにあなたは手札をすべて捨てる。

5枚という明らかに反則的は量のカードをドローするケルヴィン、このドローで起死回生のカードを引けるのだろうか・・・・
「フッ」
不敵な顔のケルヴィン、どうやらいいカードを引けたようだ。
「行くぞ!ロードオブドラゴン召喚!さらにドラゴンを呼ぶ笛発動!」
ドラゴンの支配者の吹く笛の音に連れられて彼の場に2体のドラゴンが姿を現した。
「いでよブルーアイズ・ホワイトドラゴン!カイザー・グライダー!」
現れたのは白銀の体を持つ至高龍と黄金の体を持つ翼龍だった。
「さらに!手札からサイクロン発動!貴様の雪原のカードを破壊する!」
一陣の竜巻が巻き起こり雪に覆われた大地を切り裂く。雪原の恩恵を受けていたモンスターたちは軒並み攻撃力がダウンした。

氷雪の女神―シヴァ―攻撃力2900→2100守備力2900→2400
樹氷の騎士攻撃力2800→2000守備力1700→1200
荒ぶる氷龍フロスト攻撃力3100→2300守備力2800→2000
銀光のホワイトタイガー攻撃力2300→1800守備力1800→1300

「クッ」
「行くぞ!カイザー・グライダーよ、ホワイトタイガーに攻撃!」
黄金の翼龍から放たれた炎が白虎を焼き尽くす。
「さらにブルーアイズよ、氷雪の女神を滅ぼせ!滅びのバーストストリーム!」
至高龍のアギトから放たれた光の本流が氷の女神を消し去った。
「俺はさらにリバースカードを2枚セットし、リバースカード、悪夢の蜃気楼を発動する。ターンエンド!」

ケルヴィンLP7000手札0枚
冷凛LP7300→6500手札2枚

「私のターン、ドロー。アハハハハハハハ」
引いたカードを見て突然笑い出した冷凛、よほどいいカードでも引いたのだろうか、それとも敗北の恐怖でおかしくなってしまったのだろうか。
ちなみに、彼女のターンのスタンバイフェイズでケルヴィンは悪夢の蜃気楼の効果でカードを4枚ドローした。
「いいカードを引いたわ、これで私の勝ちは揺るがない!」
「何!?ふざけるな、俺の場に出ているモンスターはいずれも貴様のモンスターよりも勝っている。たかが引いたカード1枚で逆転できるわけが無い」
ケルヴィンの言う事はもっともである。この状況で、たった1枚のカードで逆転できるなど、にわかには信じられない。
「そうね、このカード1枚では、逆転はできないでしょうね。でも、このカードとのコンボカードはすでに私の手札に来ている。見せてあげるわ、場に出ている樹氷の騎士と荒ぶる氷龍フロストを生贄にささげて、氷魔の女帝―フォービュラリス―召喚!」
「な!?」
そのモンスターが召喚されると共にフィールドに冷たい嵐が吹き荒れた。そのカードの外見は、威厳あふれし女帝、青き髪、青き瞳、青き衣装、そのどれをとっても隙が無いほどに美しく、そのどれをとっても恐怖を感じるほどに禍々しい。まさに世界一美しく、残酷な氷の死神、そんな表現が似合いそうだ。
「な!?これは!?」
驚愕のケルヴィンの声、見ると彼のフィールドの存在するモンスターたちがみな氷付けにされていた。
「フォービュラリスはね、召喚されたターンに相手の場に存在するモンスターたちをすべて、氷の彫像にすることができるのよ。もろく、美しい彫像にね」
「なん・・・・・・だと・・・・・?」

氷魔の女帝―フォービュラリス― 水属性 ☆7 魔法使い族:効果
ATK2400 DEF2000
このカードが召喚、反転召喚、特殊召喚されたターンに相手の場に存在するすべてのモンスターは、攻撃力と守備力が0になり攻撃と表示形式の変更、効果の発動ができない。

ブルーアイズ・ホワイトドラゴン攻撃力3000→0守備力2500→0
カイザー・グライダー攻撃力2400→0守備力2000→0
ロードオブドラゴン攻撃力1200→0守備力1100→0

「さらに!私は手札から拡散する波動を発動するわ、これでフォービュラリスは全体攻撃が可能となる!」
「クッ!」
「行きなさいフォービュラリス、グラキエース・フォルテッシモ!」
氷魔の女帝から放たれた無数の氷が徐々に巨大化していき、それらが巨大な刃となってケルヴィンのモンスターたちに突き刺さっっていった。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ケルヴィンの絶叫が、モンスターたちの断末魔と重なった。


あとがき
なんだか中途半端なところで区切ってしまいましたね。次回、決着です。
Date: 2004/05/18


ACT40:猛吹雪
ケルヴィンのモンスターたちの一斉攻撃は冷凛の伏せていた1枚のカードによって防がれてしまった。
戦況はまだ、大きく動いてはいなかった。

ケルヴィンLP7000手札2枚
冷凛LP7300手札2枚

「私のターンね、ドロー」
冷凛のターンに移ると同時にケルヴィンのモンスターたちはすべて凍りの牢獄から抜け出した。
「いいカードを引いたわ、魔法カード、天使の施し」
手札交換のカード、この状況ではかなり有効な働きをするだろう。
「カードを3枚ドローして2枚捨てる。見せてあげるわ、シヴァのもうひとつの能力を」
「何?もうひとつの能力だと?」
「シヴァはね、氷をつかさどる女神様、だからあるべきものの形を離れ、別のものへと変化させる力も持つの」
そう言っている間に、冷凛のフィールドに奇妙な変化が起こった。彼女の場にあった銀氷の魔術師が光りだしたのだ。それだけではない。光の輝きはさらに強くなっていき輪郭まで崩れていった。
「こ、これは・・・・・?」
「シヴァの二つ目の効果、それは自分の場に出ている水属性モンスター一体を生贄にささげて、自分の墓地に存在する水属性モンスターを一体特殊召喚できるの」

氷雪の女神―シヴァ― 水属性 レベル6 魔法使い族:効果
ATK2100 DEF2400
このカードが召喚、特殊召喚されたとき、このカードは守備表示になり守備表示のまま攻撃できる。自分のフィールド上の、このカード以外の水属性モンスターを1体生贄に捧げ、自分の墓地の水属性モンスター1体を特殊召喚できる。この効果は1ターンに1度しか使えない。

見ると銀氷の魔術師は光の粒子となり空中に漂っていた。だがそれもつかの間、次の瞬間には光の粒子たちは再び集まりひとつの形を成してきた。
「私は銀氷の魔術師を生贄にささげて、さっき天子の施しの効果で捨てた荒ぶる氷龍フロストを特殊召喚するわ」
光の粒子はやがて巨大は龍へと姿を変えた。

荒ぶる氷龍フロスト 水属性 ☆6 ドラゴン族
ATK2300 DEF2000
常に怒り狂っている氷の体を持つドラゴン、そのアギトから放たれるのは赤い炎ではなく凍えるような氷の吐息だという。

「何を出すかと思えば、その程度のカードでは俺のモンスターを倒すことなどできん」
ケルヴィンの言うことももっともだった。フロストはそこそこに強力な能力値だがこの程度ではエメラルドドラゴンを倒すことなどできない。だが冷凛は涼しげな表情を保ったままである。
「慌てちゃだめよ、まだこれで終わりだなんて言ってないんだから」
「なんだと?」
「私は手札からフィールド魔法、雪原を発動するわ」

雪原:フィールド魔法
フィールド上の水属性モンスターの攻撃力と守備力は500ポイントアップする。カード名に氷とついているモンスターはさらに攻撃力が300ポイントアップする。

「なに!?」
「フフフ、このカードの効果によって私の僕たちはすべてパワーアップよ」

氷雪の女神―シヴァ―攻撃力2100→2900守備力2400→2900
樹氷の騎士攻撃力2000→2800守備力1200→1700
荒ぶる氷龍フロスト攻撃力2300→3100守備力2000→2500

「くっ!」
表情に焦燥の色が見えるケルヴィン、無理も無い、一瞬のして相手もモンスターたちが強化されてしまったのだ。ここで一斉攻撃を受けたら大きなアドバンテージを背負ってしまう。
「さあ、覚悟はいいかしら?私のモンスターたちで一斉攻撃!」
迫り来る氷のモンスターたち、だがケルヴィンは慌てずにリバースカードを発動させた。
「リバースカードオープン!重力解除!これにより、フィールド上のモンスターたちはすべて表示形式が変更される!」
突然の重力の消滅に戸惑うモンスターたち、再び重力が発生したときにはみな先ほどとは違う体制をとっていた。
「くっ、でも、私のシヴァは攻撃表示になる、シヴァでエメラルドドラゴンを攻撃!ダイヤモンドダスト!」
シヴァの広げた両腕から吹雪が発生し、それがエメラルドドラゴンを直撃した。エメラルドドラゴンは無念の叫び声を上げ消えていった。
「ターン終了」
このターンはしのいだケルヴィン、だが戦局は冷凛に大きく傾いていた。


あとがき
ツキ「はいおしまい」
ケルヴィン「むぅ・・・・・」
ツキ「おや、どうしましたケルヴィン?渋い声など上げて」
ケルヴィン「今回まったくターンが進んでいないな」
ツキ「あ・・・・・」
ケルヴィン「しかもなぜ俺がこうも一方的にやられなければならんのだ」
ツキ「う・・・・・」
ケルヴィン「貴様は更新もせずに何をしていたのだ?」
ツキ「このところ忙しくて」
ケルヴィン「言い訳など見苦しいぞ、この駄作者が」
ツキ「なんかここぞという感じに責められてますね、僕」
ケルヴィン「ふん、貴様がちゃんとしないからだ」
ツキ「反論できないのが悲しいですね。次からはもう少しがんばりますよ」
ケルヴィン「貴様は信用できんな」
ツキ「自分のキャラにすら信用されない僕って一体・・・・・」
Date: 2004/05/16


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