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願い事

                                       取り戻すと誓った、たとえ、すべてを投げうっても・・・・・・
相互リンク
タイトル 作者 感想
>決☆闘☆王〜JUST DUEL〜 ひな様 ひな様の書いてらっしゃる小説です。ユニークなキャラやオリカが多く、また、鬼などの人外の存在なども多く登場するので楽しめる物語です。まだ始まったばかりなのでぜひ呼んでみてください。
>Nothing Venture.Nothing gain ファラオ様 ファラオ様の2作目です。王道ラブコメ要素とシリアスな場面の使いこなしがすばらしく、読んでいてどんどん引き込まれます。まだ始まったばかりなので読むなら今です。
>Cursed Doom 青眼様 青眼様の2作目の短編小説です。まだ始まったばかりなのですが今回はモンスターが実体化するようなので今後の展開にかなり期待できます。
>遊戯戦闘記〜時空物語〜 のばら様 文章の組み立てがすばらしく、カードの効果の表現方法もうまく、とても読みやすいです。また、決闘の展開や、その間に入る物語などもこっており、決闘とは別に、魔法などの設定もあるので決闘以外の部分も楽しめます。必見です。
>Again and Again GENMA様 GENMA様の2作目です。これもマガジンで人気連載中のエアギアをベースにした物語で、かつて無敗のリーダーだった主人公が、再び頂点を目指す様を描いた物語で個人的にかなりお気に入りです。
>Dream World カズト様 事故にあったことが原因で不思議な世界へと流れ着いてしまった主人公の七草 リュウカは、同じくこの世界に流れ着いていた兄を探すたびに出る。このサイトでかなりの人気を誇る小説です。現在100話を超えている大作です。ぜひ一度読んでみてください。
>精霊戦争 新装版 prism様 ここのサイトの小説の中で個人的に一番好きな小説です。精霊という特殊なカードが多数登場し、小説内での人間ドラマや王道のラブコメ要素も入っているのでお勧めの一品です。ここのサイトに来たからには一度は読むべきだと強く勧めます。
>魔法伝説〜Magical Legend〜 完全版 GENMA様 マガジンで人気連載中のネギまをベースとした小説で、ストーリー、決闘共にかなり充実しています。また、女キャラが他に類を見ないくらい多く、結構新鮮な感じがします。読んでみて損は絶対にありません。
>真世界を握るカード 青眼様 新たに改装された世界を握るカードです。以前と違い、始めから登場するキャラが多く、展開も違ったものになっています。そして何より最大の違いは主人公がふたりいることでしょう。まだ始まったばかりなので旧版を読んでなかった人も呼んでみることをお勧めします。
天津五柱神 yamato様 ゲームの世界に閉じ込められてしまった20人の生徒たち、彼らが生きて帰ることを目標に冒険していく様が面白おかしく描かれています。また、共鳴やライフ変動などに独自のルールが練りこまれており、かなり考えられていることが伺われます。見て損はありません。
遊戯王小説大賞2004

ACT29:襲いくる爆炎 2004/04/27
ACT28:激流 2004/04/26
ACT27:罠 2004/04/26
ACT26時の狭間で 2004/04/26
ACT25:時の管理者 2004/03/31
ACT24:起死回生、逆転 2004/03/30
ACT23:焔の洗礼 2004/03/30
ACT22:寄り道 2004/03/29
ACT21:掴み取った勝利 2004/03/28
ACT20:俺は、負けない 2004/03/28


ACT29:襲いくる爆炎
毒ガスの部屋からリディアをつれて逃れたジンは、そのまま彼女を連れて黄泉が岳を移動していた。
「ねえ、これからどうするの?みんなを探さないの?」
リディアの疑問がジンの耳を打つ、ジンは歩みを止め、彼女に向き直る。
「その必要はないだろう」
「なんで?」
「俺たちにはゴールが決まってるからさ」
「え?」
「鬼神殿だ」
「あっ」
「あいつらは絶対鬼神殿を目指す、だから俺たちもそこへ行って他の奴等を待っていればいいんだよ」
「そっか、じゃあ私たちも急がなくちゃね」
「おおよ、行くぜ」
「おいおい、そんなに急ぐなよ」
歩き出そうとした二人を止めたのは、棘のある声だった。
「誰だ?」
ジンが問いただす。すると柱の後ろから一人の男が現れた。ずいぶんと派手な男だ。
黒い革ジャンや大量のシルバーアクセはまだしも、トサカのように突っ立ったオレンジ色の髪はどうだろう?いったい本人は何を考えてそんな服装をしているのだろうか?
「何だお前?」
問いただすジンの声も、どこかあきれを含んでいた。
「俺様の名は獄炎(ごくえん)、お前らを鬼神殿に行かせるわけにはいかねぇなぁ、悪いが、ここで始末させてもらうぜ」
「ようするに、私たちとデュエルしようってんでしょ?ジン、こいつは私に任せて、あなたは先に行って」
リディアが一歩進み出た。どうやらやる気満々のようだ。だがジンは
「いや、俺も残ろう」
そういって後ろを向く、その手は刀に添えられている。
「どうして、私だって戦えるわよ!?」
「勘違いするなよ、別にお前を信用してないわけじゃない。どうやら相手は二人いるようだしな」
言うやいなや、ジンは刀を居合い抜きのように抜き放つ。響き渡る金属音、そこにいたのは短刀を手にした男、ジパングの民族衣装、着物を着用し短刀をその手に握り締めている。
黒い瞳に黒い髪、だが何より印象的だったのは、左の頬を走る大きな刀傷だった。
「俺の気配に気づいていたか、さすがだな。俺の名は紫苑(しおん)、よろしくな」
「あいにくと、敵とよろしくするつもりはないね」
紫苑の自己紹介にジンが噛み付くように答える。
「それは残念、では、仕方がない」
紫苑が短刀をしまい、腰にさした刀を抜いた。
「敵同士ならば敵同士らしく、殺しあうか」
「上等」
二人とも刀を構える。
それぞれの勝負が、今始まった。


「いくわよ!私の先行ドロー!カードを1枚伏せて、切り込み隊長召喚!さらに切り込み隊長の効果で、手札から翻弄するエルフの剣士を特殊召喚!ターン終了!」
リディアの場に二刀流を操る切り込み隊長と翻弄能力を備えたエルフの剣士が現れた。

リディアLP8000手札3枚
獄炎LP8000手札5枚

「ひゅう♪飛ばすねぇ〜」
「あなたのターンよ、さっさとして」
「まあいいや、いくぜ俺様のターン!ドロー!カードを2枚セットして、フレイムパンサー召喚!」
獄炎の場に炎に体を包まれた一匹の獣が現れた。
「こいつはな、戦闘で破壊したモンスターを完全に燃やし尽くすことができるんだぜ、行け!切り込み隊長に攻撃だ!」
炎の獣が隊長へと突進する。だが!
「甘いわよ、リバースカードオープン!速攻魔法、士気上昇!」

士気上昇:速攻魔法
自分の場に出ているすべてのモンスターの攻撃力は、エンドフェイズまで自分の場に出ているモンスターの数×200ポイントアップする。

「このカードの効果によって、私の場のモンスターたちはパワーアップ!」

切り込み隊長攻撃力1200→1600
翻弄するエルフの剣士攻撃力1400→1800

「いっけぇ!切り込み隊長の反撃!」
魔法効果により攻撃力を上げた切り込み隊長が、獣の攻撃をかわし反撃の一撃をたたきつける!炎の獣は真っ二つに切り裂かれた。
「ちっ、だがこの瞬間フレイムパンサーの第2の効果が発動するぜ!」
「え!?」
見るとフレイムパンサーの体から、大量の炎が吹き出している。それらの炎の一部がリディアへと向かってきた。
「熱……ッ!」
思わず顔をしかめるリディア。
「ヘヘヘ、こいつは戦闘で破壊されたときに、相手プレイヤーに500ポイントのダメージを与えることができるのさ」

フレイムパンサー 炎属性 ☆4 獣族:効果
ATK1500 DEF1200
このカードが戦闘で破壊したモンスターは墓地へいかずゲームから除外される。
このカードが戦闘で破壊されたとき、相手プレイヤーに500ポイントのダメージを与える。

リディアLP8000→7500手札3枚
獄炎LP8000→7900手札3枚

「俺様はこれでターンエンドだ」
「私のターン!ドロー!」
勢いよくカードを引くリディア、だがたとえ気合を入れたところでいいカードが引けるものではないと思うが・・・・・・
「いくわよ!私は切り込み隊長を生贄にささげて、エルフの皇帝を召喚!」
リディアの場にエルフたちの国を治めし若き皇帝が現れた。
そのカードは緑の髪に、緑の瞳、右手には光り輝く宝剣が、左手には強固なる盾が握られていた。
「エルフの皇帝が場に出ているとき、私の場のエルフカードの攻撃力がアップする!私のエルフよ、皇帝の激励を受けて奮い立て!」
エルフの皇帝がその手に握った宝剣を空へとかかげエルフたちを激励する、激励に答えリディアの場のエルフカードの攻撃力がアップした。

エルフの皇帝 光属性 ☆5 戦士族:効果
ATK1900 DEF1600
このカードが表側表示で存在する限り自分の場に出ているエルフと名のつくモンスターはすべて攻撃力が400ポイントアップする。このカード以外にエルフと名のつくカードが存在する場合、相手はこのカードを攻撃できない。

エルフの皇帝攻撃力1900→2300
翻弄するエルフの剣士攻撃力1400→1800

「2体のモンスターでダイレクトアタック!」
リディアの場のモンスターたちが、マスターの命令に従い獄炎へと切りかかる!だが!
「甘いぜお嬢ちゃん!罠カード発動!フレイムウォール!」
切りかかるモンスターたちの前に、突如として炎の壁が出現した。壁に阻まれ攻撃は獄炎へと届かない。それだけではない、炎の壁から降り注ぐ火の粉がリディアへと向かってきた。
「きゃっ!?」
「フレイムウォールはなにも攻撃を防ぐだけじゃねぇ、さらに相手にダメージを与えることもできるのよ!まさに攻防一体の壁だぜ」

フレイムウォール:通常罠
相手が攻撃を宣言した瞬間に発動、じぶんの墓地にある炎属性モンスター1体をゲームから除外して相手モンスターの攻撃をすべて無効にする、さらに除外したモンスターのレベルの数だけ、相手に100ポイントのダメージを与える。

獄炎が除外したのは彼の墓地に唯一あるモンスター、フレイムパンサーだった。

リディアLP7500→7100手札3枚
獄炎LP7900手札3枚

「まだまだ、俺様の爆炎デッキはこんなもんじゃないぜ」
獄炎が不敵に笑う。


あとがき
ツキ「はい終了」
クロノ「お疲れ様です」
ツキ「今回はクロノですか」
クロノ「はい、皆さん結構苦労しているようなので僕が出ることにしました」
ツキ「君のデュエルは1話で終わっちゃったからね」
クロノ「そうなんですよ、いつもなら2話にわたっているのになぜ僕の場合だけ1話なんですか?」
ツキ「ああ、ただ単に区切るタイミングがなかっただけですよ」
クロノ「つまりそれは」
ヒール「だからお前は駄作者なんだよ」
ツキ「ぐはぁ!」
クロノ「ヒールさん、突然出てきて容赦ない一言で斬って捨てましたね」
ヒール「いいんだよ、こいつちっとも反省しないんだから」
クロノ「でも動かなくなってますよ、作者さん」
ヒール「いいんだよ、この隙にあとがき終わらせるぞ」
クロノ「それもそうですね、それではまた」
Date: 2004/04/27


ACT28:激流
二人の声が木霊し、デュエルが始まる。これを止めることは誰にもできない。

クロノLP8000手札5枚
水杷LP8000手札5枚

「私の先攻でいくぞ!ドロー!リバースカードを1枚セットし、モンスターを守備表示、ターンエンド」
1ターン目の最も一般的なプレイングだ、これは1番情報量が少なく相手もうかつには動けない。
「僕のターンですね、ドロー。僕は墓守の長槍兵を召喚して、さらに魔術の奥義書を装備させます。このカードの効果で墓守の長槍兵の攻撃力を500ポイントアップさせます」
「むぅ、こしゃくな真似を」

墓守の長槍兵攻撃力1500→2000

「攻撃しなさい!長槍兵!」
墓守の長槍が水杷の守備モンスターを貫いた。
「墓守の長槍兵は貫通能力を備えています。その守備モンスターは何ですか?」
「………ペンギンソルジャーだ」
「ならば超過ダメージ1500ポイントを受けてください」
「くっ、この程度!」

クロノLP8000手札4枚
水杷LP8000→6500手札4枚

「しかし、ペンギンソルジャーには特殊能力がある」
「特殊能力?」
「このカードは剣としても盾としてもたいした能力を持たない、だがひとたび表になればフィールド上のモンスターを2体まで手札に戻すことができるのだ」
「ほう」
ペンギンソルジャーの効果によって墓守の長槍兵が手札へと戻っていった。同時に装備カードである魔術の奥義書も破壊され墓地に送られてしまった。
だがクロノの表情にあせりの色はなかった。むしろ余裕の表情を保っていた。
「魔術の奥義書を破壊したのは間違いでしたね」
「なんだと?」
「魔術の奥義書は何も魔法使いの攻撃力をアップさせるだけではありませんよ。奥義書は別の魔法使いへと受け継がれていくんですよ」
するとクロノの場に一人の魔術師が現れた。

魔術の奥義書:装備魔法
魔法使い族にのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる。このカードがフィールドから墓地に送られたとき、自分のデッキからレベル4以下の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚できる。

「熟練の黒魔術師特殊召喚!」
クロノ場に、大きな可能性を秘めた黒魔術師が現れた。
「熟練の黒魔術師でダイレクトアタック!」
黒魔術師の魔法攻撃が水杷へと迫る!
「そうはさせん!リバースカードオープン!メタルリフレクトスライム!守備力3000の壁だ、貴様に壊せるか!?」
「……攻撃を中止して、ターンエンドです」
「私のターン!ドロー!貴様に我がデッキの真骨頂を見せてやろう」
水杷が1枚のカードを抜き放つ。
「伝説の都アトランティス!」
カードの魔力が解き放たれたと同時に当たりは水中の楽園都市へと姿を変えた。
「これは……?」
不思議なことに、水の中だというのに息苦しさをまったく感じない。
「フフフ、こいつの効果は知っているだろう?いくぞ!私は手札より伝説の水霊術師を召喚する」
現れたのは、青い衣に身を包み、知性あふれる青い瞳を持つ一人の男だった。
「このカードは水の精霊の力を借り、水を自由自在に操ることができる。それは水属性のものならたとえ形あるものでも例外ではない」
「形あるもの?まさか……」
「その通り、こいつの力を持ってすれば、モンスターでさえも自在に操ることができるのだ。見るがいい、あるべき姿から解き放たれたメタルリフレクトスライムの姿を!」
するとメタルリフレクトスライムの姿が見る見るうちに変わっていき、その姿はさながら怒れる水龍のようだった。
「これぞ水霊トークン、その攻撃力は、実に3600!」
「なっ!?たった1ターンで、攻撃力3600を誇るモンスターを場に出すなんて」

伝説の水霊術師 水属性 ☆5 魔法使い族:効果
ATK1800 DEF1500
自分の場に出ているこのカード以外の水属性モンスター1体を生贄にささげる。生贄にささげたモンスターのレベルの数×400ポイントの攻撃力と守備力を持つ水霊トークン(水属性 水族 ☆4 功/守???)1体を特殊召喚できる。

「当然、アトランティスの効果で私の場のモンスターの攻守は200ポイントアップ!

水霊トークン攻撃力3600→3800守備力3600→3800
伝説の水霊術師攻撃力1800→2000守備力1500→1700

「水霊トークンよ、熟練の黒魔術師に攻撃!」
ドラゴンとなったメタルリフレクトスライムがクロノの熟練の黒魔術師に迫る。黒魔術師はあっけなくドラゴンの爪に引き裂かれてしまった。
「ぐぅ……ッ!」
「さらに伝説の水霊術師のダイレクトアタック!」
「これは通しませんよ、手札からクリボーを捨ててダメージを0にします」
「ふん、ターンエンドだ」

クロノLP8000→6100手札4枚
水杷LP6500手札3枚

「僕のターンですね、(手札では水霊トークンを倒せるカードがない、ここで引くしかないですね)ドロー!」
引いたカードを見てクロノの表情が変わる。
「僕はカードを1枚伏せ、物好きな読書家を召喚します。ターンエンドです」
「なんだと!?」
驚くのも無理はない、物好きな読書家、このカードは攻撃力も守備力も低い。効果は結構強力なのだが能力のせいであまり使われないカードだ。いかんせん生き残るのが困難なのだ。

物好きな読書家 闇属性 ☆2 魔法使い族:効果
ATK500 DEF300
あなたが魔法カードを使用したとき、次の効果のうちひとつを選ぶことができる。
●カードを1枚引く
●使った魔法カードを除外することで自分の墓地にある魔法カードを1枚手札に加える。加えたカードはエンドフェイズにゲームから除外する。
これらの効果は1ターンに1度しか使えない。

「さあ、あなたのターンですよ」
「くっ、私は伝説の水霊術師を守備表示にし、水霊トークンで攻撃!」
「やはりそうきましたね、リバースカードオープン!月の書!」
クロノの翻ったリバースカード、沈黙と闇をつかさどる月を象徴する月の書の効果で水霊トークンは裏側守備表示となった。
「トークンは裏側守備表示になったとき、破壊されます。思ったとおり、トークンにしか攻撃させませんでしたね」
クロノが会心の笑みを浮かべる。
「まさか、こうなることを読んでいたのか!?」
「普通攻撃力の低いカードを攻撃表示にすることは明らかに罠と言っているようなもの、もしもミラーフォースのような全体効果のある罠だったら、受ける被害は甚大です。だから1体のモンスターでしか攻撃させないだろうと思っていましたが、読みがあたったようですね」
「くっ、私はこれでターンエンドだ」
「僕のターンですね、ドローします。魔法カード、天使の施しを発動させます。カードを3枚ドローして2枚捨てます。そしてさらに、物好きな読書家の効果を発動しカードを1枚ドローします。読書家を守備表示に変更し、魔導戦士ブレイカーを召喚します」
クロノの場に、魔力を切り裂く戦士が現れた。
「ブレイカーで守備表示の水霊術師を攻撃します」
ブレイカーの剣が水霊術師を切り裂いた。
「そしてブレイカーの効果を発動し、魔力カウンターを1個取り除き伝説の都アトランティスを破壊します。魔力カウンターが外れたのでブレイカーの攻撃力は落ちてしまいますがまあいいでしょう。ターンエンドです」

魔導戦士ブレイカー攻撃力1900→1600

「私のターン、ドロー。私はカードを2枚セットし、モンスターを守備表示、ターンエンドだ」
「僕のターンですね、ドロー。墓守の長槍兵召喚、ブレイカーで守備モンスターに攻撃です」
ブレイカーの剣が正体不明の守備モンスターを切り裂く。
「守備モンスターはグリズリーマザー、効果によりグリズリーマザーを特殊召喚する」
グリズリーマザー、シャインエンジェルやキラートマトのような遺言系の効果を持つモンスター、自身の効果で同じカードも呼び出せるので場持ちはいい。
「ならば現れたグリズリーマザーを長槍兵で攻撃します!」
長槍兵の槍の一突きが2枚目のグリズリーマザーを貫いた。
「さらに効果でグリズリーマザーを特殊召喚しよう」
「ならば僕はここでリバースカードをオープンさせます。ディメンションマジック!墓守の長槍兵を生贄に捧げ、ブラックマジシャンを特殊召喚します!」
クロノノバにすべての魔術を極めた最上級魔術師が降臨した。
「さらにディメンションマジックの効果で3枚目のグリズリーマザーを破壊します」
3枚目のグリズリーマザーが破壊されこれで水杷の壁となるモンスターがなくなった。
「ブラックマジシャンでダイレクトアタック!くらいなさい!ブラックマジック!」
ブラックマジシャンの杖の先端から繰り出された黒い稲妻が水杷を直撃した。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!」
水杷は激痛に身をよじらせた。
「おのれぇ、だがまだまだだ、私はこの瞬間、リバースカードダブルオープン!激痛の代価、水神の裁き!」
「これは!?」

激痛の代価:通常罠
自分が1500以上のダメージを受けたときに発動、自分のデッキから好きなカードを1枚手札に加える。

水神の裁き:通常罠
自分が2000以上のダメージを受けたときに発動、自分の墓地から水属性のカードをX枚ゲームから除外する。(最大3枚まで)除外した水属性モンスターの攻撃力の合計分相手にダメージを与える。

「なっ!?こんなカードを伏せていたなんて」
クロノの顔が驚愕にゆがむ。
「まずは激痛の代価の効果で私はデッキから2枚目の伝説の都アトランティスを手札に加える。さらに水神の裁きの効果で私は3枚のグリズリーマザーをゲームから除外し、貴様に4200ポイントのダメージを与える!」
「ぐぅ………ッ!」
クロノがこのデュエルで初めて顔を苦痛にゆがめた。
「ですが、僕は手札から速攻魔法、反魂の秘術を発動します」
「何!?」

反魂の秘術:速攻魔法
自分のライフが減ったときに発動、自分の場のモンスターの中で最も攻撃力の高いカードを1体生贄に捧げる。生贄に捧げたモンスターの攻撃力分のライフを得る。このカードはあなたのライフが0になったときでも使用できる。

「このカードの効果で僕はブラックマジシャンを生贄し、2500ポイントのライフを得ます」

クロノLP6100→1900→4400手札3枚
水杷LP6500→3900手札3枚

「僕はカードを2枚セットして、ターンエンドです」
「私のターンだ、ドロー。いくぞ、2枚目の伝説の都アトランティス発動、そしてギガ・ガガギゴを召喚しよう」
現れたのは、正義の心に目覚めながらも力を求めるあまりその心を失ってしまった皮肉な悪魔だ。
「このまま攻撃、といきたいところだがここは用心のため1枚カードを伏せてターンを終了しよう」
「僕のターンですね。(あの伏せカードはおそらくあのカード)ドロー。これは……」
引いたカードを見てクロノの表情が変わる。
「(これに賭けるしかありませんね)手札から魔法カード、命削りの宝札を発動させます。このカードの効果により、僕は手札が5枚になるまでカードをドローします。もっとも、5ターン後にはすべての手札を捨てなければなりませんが」
カードを5枚引くクロノ。
「(きませんでしたか、しかたありませんね)僕はさらに物好きな読書家の効果を発動し、命削りの宝札を除外して天使の施しを手札に戻します。そして発動、カードを3枚ドローして2枚捨てます」
2枚までドロー、しかしその中にクロノの望むカードはなかった。そして最後の1枚をドローする。
(来た!)
それこそ、クロノの望むカードだったのだ。残りの手札から不要なカードを2枚捨て、クロノがカードを抜き放つ!
「手札から魔法カード、死者蘇生を発動させます。このカードの効果で僕は、ブラックマジシャンを蘇生召喚します!」
クロノの場に再び最上級魔術師が降臨した。
「いきますよ、リバースカードオープン!魔力の大暴走!このカードの効果によって、僕の場の魔法使い族はすべて攻撃力2倍に!」

魔力の大暴走:速攻魔法
自分の場に出ているすべての表側表示の魔法使い族の攻撃力は2倍になる。エンドフェイズに自分の場に出ている魔法使い族モンスターをすべてゲームから除外する。

クロノのリバースカードの効果によって、彼の場のモンスターたちの攻撃力が跳ね上がった!

ブラックマジシャン攻撃力2500→5000
魔導戦士ブレイカー攻撃力1600→3200
物好きな読書家攻撃力500→1000

「させるかぁ!リバースカードオープン!神の宣告!このカードの効果で、魔力の大暴走を無効化する!」
水杷のリバースも翻る!だが!
「そのカードが伏せてあることはすでに読んでいましたよ、リバースカードオープン!神の宣告!」
「なんだと!?貴様もそのカードを伏せていたのか!?」
翻ったリバースカード、神の宣告、このカードの効果によって水杷の発動した神の先刻の効果は無効化された。
「これでい終わりです!ブラックマジシャン、ギガ・ガガギゴに攻撃!ブラックマジック!」
ブラックマジシャンの杖から放たれた黒い稲妻が心を失った戦士へと直撃した。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!」

クロノLP4400→2200
水杷LP0

「ダイレクトアタックを喰らってライフが0になったわけじゃないですから命には別状無いでしょう。それでは、僕はこれで失礼しますよ」
そういってクロノは歩き出した。目指す場所は、鬼神殿


あとがき
やっぱりデュエルを1話で終わらせるのは長いし疲れますね。

キャラプロフィール
クロノ=シュナイダー
年齢不詳 血液型不明 身長173cm 体重60kg
運命の三女神の部下として時の最果てで時の管理者を務める男。なぜ時の管理者をしているのかなどは一切不明、だが時折見せる影を含んだ表情は彼の過去が決して明るいことではないことを語っている。
身体的特徴は闇より深き深淵を彷彿とさせる黒髪と思慮深く、吸い込まれそうになるほどの輝きを秘めたダークグリーンの瞳。デッキは闇属性のモンスターを中心とした魔法使いデッキ。
Date: 2004/04/26


ACT27:罠
クロノの力により俺たちは月影衆本拠地、黄泉が岳の近くまで一気に移動することができた。さてこれからどうするか……?
「やはり我々と敵とでは数に圧倒的な差があります。ここは奇襲による攻撃から敵を撹乱し、その隙にヴェルダンディ様が幽閉されていると思われる中心部、鬼神殿を目指しましょう」
奇襲作戦か、確かに数に圧倒的な差がある限りそれ以外の手があるとは思えないな。
「だが問題はどういう奇襲をかけるかだ、それなりに大規模でなくては敵を撹乱することはできないぞ」
「まかせろ、俺に考えがある」
ケルヴィンが自信満々に答える。何か策があるのか?
「ふっ、いでよ!ブルーアイズ!」
かざされたカードを中心とし、あたりに光が満ちる。
光が収まったときそこにいたのは白銀の体と澄みきった青い瞳を持つ至高龍が現れた。
「ブルーアイズよ!その滅びの光を、愚かなる者共に下せ!滅びのバーストストリーム!」
ブルーアイズのアギトから放たれた光弾が月影衆の本拠地を直撃した。
「こんなところで魔力を無駄に消費していいのか?」
揶揄するようなジンの声、だがケルヴィンはフンと鼻で笑った。
「このくらいやらねば奇襲の意味があるまい」
確かにそうなんだがこいつはやることのスケールがでかいな。
「とりあえずそいつは魔力消費がでかいからもう戻しておいたほうがいいぞ」
「お前にいわれるまでもない」
…………まあいいか
「さあ行きましょう、目指す場所は鬼神殿!」
5人が一斉に走り出す。


しばらく走ると大きなホールのような場所に出てきた。ここはいったい?
「何にもないわね」
リディアがつぶやく声がやけに響く…………
と、突然どこからともなく大量の煙が出てきた。
いや、この臭い、まさか……俺の頭に電光のように閃きが走る、野郎、なんて物を持ち出しやがる
「逃げろ!」
俺の声は、たぶんかなり切羽詰っていたんだと思う。案の定、4人は不審な顔をする。
「いったいどうしたんですか?たかが煙に、あなたらしくない」
「こいつは煙なんかじゃない!毒ガスだ!」
全員の顔色が変わる、このガスはほぼ無味無臭だが知っている人間がかいだらこれが神経に作用する致死性の高い猛毒だということがわかる、少量ならば問題ないが、大量に吸い込んだ場合確実に死を招く。
とそこに、風を切るような音が聞こえた。
「かわせ!」
俺の叫びは間一髪で間に合った。
みんながステップでその場から離れた直後、ボーガンの矢のようなものが床に突き刺さった。
「固まっていてはやられるぞ!みんなバラバラに逃げるんだ!」
ジンの叫びが聞こえる、見ると視界の隅でジンがリディアの手を引いて走り出すところだった。
俺は軽く舌打ちをして走り出す。くそ、これがやつらの狙いか、俺たちをバラバラにさせ、一人ずつ各個撃破、やられたぜ。
こうして俺たちは、まんまとバラバラにされてしまった。


暗い部屋に何人かの人影が見える、人影たちは皆画面に映し出されたヒールたちを見つめていた。
「ふふふ、みごとにこちらの作戦通りになりましたね」
人影のひとりが口を開く、その声は、聞くものの脳を機能停止にしてしまうような天使のようなソプラノの声だった。
「そうだね、まずは一番厄介な、神を持つヒールだけど、彼にはツバメとスズメも向かわせるよ、かまわないよね?」
聞こえてきた声は、常に人の心を逆なでするような不快な声
「ええ、好きになさい」
先ほどの声の主も、やや不快そうな声を上げながらつぶやいた。
「フフフ、さーて、君がこの二人にどうあがいてみせるのか、楽しみだよ」
男の嘲笑が部屋に響き渡る。


「くそっ、ここはどこだ?」
俺はイライラを紛らわせるように近くにあった小石を蹴飛ばした。
何とか毒ガスの部屋から抜け出すことはできたが、鬼神殿への道がよくわからない。
ここはどうやら居住区のようなもののようで、しかも複雑に入り組んでいて鬼神殿への道がわからない。いっそのことカードで飛んでいこうかとも思う、いや、これは結構いい考えかもしれない。
こんなところでもたもたしている時間が惜しい、
「よし」
俺は少し歩き、何か飛行能力のあるカードはないかと探してみる。
だがすぐにやめて横に飛ぶ、一瞬後に俺のいたところに何かが通り過ぎる、速すぎてよく視認できない。
「なっ!?」
俺は驚愕の声を上げる。
その何かは近くにあった柱のてっぺんに止まる。
「アハハハハ、ねぇねぇツバメぇ、あのお兄ちゃん今あたしたちの攻撃かわしたよぉ、今絶対あたると思ったのにぃ」
声のしたほうを見るとそこにはチャイナ服のようなものを着た二人の女が立っていた。
さっき喋っていたほうは昼間の太陽のような雰囲気を持つ15歳ほどの女の子、その手にはバトンのようなものが握られている。
「そうね、ちょっとは楽しめそうだよスズメ」
ツバメと呼ばれた女が答えた。こっちはさっきのスズメとかいった女とは対照的に夜の月のような雰囲気をかもし出す20歳ほどの女、いずれも美女と美少女だが俺の頭の中でさっきからしきりに警鐘がなっている。俺の勘が言っている、こいつらは危険だと。
「それじゃあスズメ、どっちから行く?」
「そうだねぇ、ここはやっぱり仲良く、二人で行こうよ」
「そうだね」
二人が二言三言はなした後、二人の姿が俺の視界から消えた。
次の瞬間俺を襲ったのは全身を駆け抜ける激痛と衝撃。
「なっ!?」
何が起こったのかわからずおれは驚愕の声を上げる。いつの間にか二人は俺の後ろにいた。馬鹿な、あの一瞬で俺にこれだけのダメージを与えただと!?
「な〜んだ、つまんないの、もう終わり?」
スズメが心底がっかりしたといわんばかりの口調で言っていた。
「所詮この程度か、さっき私たちの攻撃をかわしたのはまぐれだったようだな」
続いてツバメも嘲笑の声を上げる、なめやがって!
俺は足を一歩前に出し転倒するのを避ける。そしてそのまま二人との距離を開け、モンスターを召喚すべくカードを取り出す、しかし……
「遅いよ」
後ろから聞こえた声、俺はとっさに前へ転がるようにして攻撃を避ける、一瞬だけ視界に移ったツバメの姿、その爪が鋭く伸びていた。さっきまでは普通の手だったのに?
「アハハ、まだまだいくよ、お兄ちゃん♪」
前から聞こえるスズメの声、俺は必死に転がりながら攻撃を回避する。
スズメのバトンでたたかれた地面は深く陥没し、ひびまではいっている。
この膂力とスピード、そしてツバメの爪、間違いない、こいつらは。
「お前ら、モンスターとの融合実験をしたくちか」
俺は確信を持っていう。
「その通り、あのマッドサイエンティストの最澄もたまには役に立つ実験をするもんだね。こいつのおかげで私たちは更なる力を手に入れることができたのさ」
「あたしたちの前では、召喚士なんてただの人と同じなんだよ」
「召喚士なんて、モンスターさえ召喚させなければ怖くもなんともないからね」
いいたい放題言ってくれるな、だがやつらの言ったこともあながち間違ってはいない、確かに召還士の戦いはモンスターを召喚しての攻撃が主流だ。それが阻まれたとなると攻撃の手段はかなり限定される。
「くそったれ!」
俺は二人に背を向けて一目散に逃げ出した。屋外はやつらの移動速度が速すぎて動きを捉えることができない。何とか屋内に逃げ込まなくては
「逃がさないよ♪」
声のしたほうに俺は振り向きもせずに銃口を向けてそのまま引き金を引く、だが何の手ごたえも感じない。
「アハハハハ、だめだめ拳銃なんかじゃあたしに当てることはできないよ」
わかってんだよそんなこと!
俺は逃げながらどうにか入れる建物はないか探す。そして後ろから迫り来る気配を感じ取る。とっさに横に飛び二人の高速攻撃を回避する。そのまま近くの家の窓をぶち破って中へと侵入する。
その際に一枚のカードをセットしておく。
壁を背にして一息ついた。壁を背にしていれば後ろから襲われることはないだろう。
だが次の瞬間にその考えは甘い幻想だと思い知らされた。とっさに前に転がり壁後と切り刻まれるのだけは回避する。そしてさらに一枚のカードもセットした。
「室内に逃げたからといっても状況は何も変わらないよ!」
勝ち誇ったかのようなツバメの声。俺はすぐさま立ち上がり銃を発砲する。
銃弾はあっさりと交わされ二人の美しき暗殺者が俺に迫ってくる。
「死ねぇ!」
「ばいばい、お兄ちゃん♪」
俺は会心の笑みを浮かべる。
「リバースカードオープン!」
「なっ!?」
俺と二人の間を分かつかのように銀色に輝く壁が現れる。
「銀幕の鏡壁!」
鏡に移った自らの姿を攻撃したものにダメージを与える罠が発動しスズメとツバメに苦痛を与える。
「くぅ!」
「きゃっ!」
「油断したな、召還士の戦いは何もモンスターを使ったものだけじゃない、罠や魔法を使った戦い方もできるのさ」
「ふん、もう勝った気でいるのか?甘いやつだな、この程度の罠の効果、すぐに回復できる」
「わかってるよ、そんなことは、銀幕の鏡壁は一瞬だけお前らの動きを止められればそれでよかったんだからな」
「なんだと?」
その時、天から光の剣が降り注いだ。
「光の護封剣」
俺は発動したカードの名前を静かに紡いだ。
「お前らの敗因は召喚士の戦いを甘く見すぎたことだ。それと、自分たちの能力を過信しすぎたな」
言いながら俺は二人の首筋に手刀を打ち込む、達人が正確に計算して打ち込んでもたまに死ぬ急所だが、これで死んだとしても俺の知ったこっちゃない。
俺は静かに鬼神殿へと向かって歩き出した。


「やれやれ、どうやら皆さんバラバラになってしまったようですね」
心底困ったという声でクロノはいった。だが彼の表情はいつも余裕のようなものが表れている。その証拠に今も彼の顔に現れるのは笑顔だけだ。
「まああの人たちなら一人でも鬼神殿に向かうでしょうね。ならば僕も行くとしましょうか」
「そうはさせん」
不意に声が上がった、無論クロノのものではない。
「誰です?」
「私の名は水杷(すいは)、ありきたりな台詞だが言わせてもらおう、ここから先へはいかせん」
水杷と名乗った男がデッキを取り出す。
「どうやら、あなたを倒さなければ先へは進めないようですね」
「そういうことだ、いくぞ!」
「いいでしょう、相手になります!」
『デュエル!』
二人の声が、あたりに響き渡った。


今回あとがきはお休みです。
Date: 2004/04/26


ACT26時の狭間で
歓声が聞こえる、どうやら大会が終わったようだ。
「今この瞬間、優勝者が決定しました!最も強さと美しさを兼ね備えた召喚士は、リディア=ハーティー!」
俺が戻ってきたときにはもう決勝戦まで終わっていた。
どうやら準々決勝のときの勢いのまま優勝できたようだ。
「ようヒール、ずいぶん遅かったな、飲み物一つ選ぶのにずいぶんと時間かかったな」
戻ってきた俺にかけられたジンの声は、どこかからかいの色も混じっていた。
「ああ、なかなか品揃えがよくてな」
何も言い返せないのも悔しいので愚にもつかないことを言ってみる。なんだかむなしいな……
結局、手に入れたエルヴンドラゴネスは今回一番の功労者であるリディアが使うことで意見が一致した。まあ、当然といえば当然だな。
その後俺はみんなにクロノのことを紹介し月影衆の本拠地に簡単にいける方法をクロノ本人から聞くこととなった。
「月影衆の本拠地へと行く方法、それは僕がここへ来るために取った行動の逆です」
「?どういうことだ?」
クロノの言葉に俺は当然の疑問を口にする。
「時の最果てを通り空間転移をするんですよ」
「なっ!?」
クロノの言葉にそこにいた全員が驚愕の声を上げた。当然だ、空間転移なんて超上級魔法、並の召喚士はおろか、一流の召喚士でも一人で使うことは不可能だ。
もし無理にでもやろうとすれば魔力が枯渇しそれでもなお使用のための魔力を吸い取られ続け、ついには命まで吸い取られてしまうだろう。
それをこいつは一人で、しかも平然とやってのけたってのか?
「いきますよ」
クロノは手をかざしそしてかざした手が発光し始めた。
光はやがて剣の形をなし柄と思われる部分を掴み取る。
「はっ!」
気合とともに一閃、すると驚いたことに空間が切り裂かれたのだ。本当にやりやがった。
「さあ、行きましょう」
クロノが空間の裂け目に入り込んでいく。
俺たちは一瞬躊躇したがやつの後に続いていく。
裂け目を越えた先はなんとも不思議な空間だった。
そこは、まさに時の流れから隔離された世界。
周囲の色は、俺たちが普段見るような闇など軽く飲み込んでしまいそうなほどの深遠の闇、その中に奇妙に捻じ曲がった時計のようなものが多数浮いている。
それだけではない、所々にはいすや机のようなものも浮いていた。
「何だ‥…?この空間は?」
思わずつぶやいた一言はひどく大きく響き渡った。
「これが、時の最果てです。ここにあるものはすべて、時が止まっているんですよ」
「どういうことだ?」
ケルヴィンが当然の疑問を浮かべる。
「言葉通りです。ここにあるものたちの周りに、時は流れていません。永遠に不変の空間、それがここなんですよ」
「じゃあ、まさかあんたも?」
「ええ、僕も時が流れていません。もう、300年程僕は生きていません。ただ、死んでいないだけなんですよ」
「じゃあ、お前が空間転移を顔色ひとつ変えずにやってのけたのは………」
「はい、僕は魔力を消費することがないんですよ、この空間に身をおき、時の管理者になると決めたときから、僕は人間であることをやめたんです」
やや自嘲気味に語りクロノ、その姿がなぜかひどく悲しく思えた。
「なんか……かわいそう……」
リディアのつぶやきにクロノが彼女のほうを振り向く。そして微笑を浮かべる。
「そうでもありませんよ、これは、僕が決めたことですから。後悔はしていません」
5人の間に沈黙が流れる。
「さあ、そろそろ行きましょうか」
クロノが再び空間を切り裂く。
「それでは、ヴェルダンディ様奪還へと出発しましょう」
切り裂かれた空間からあふれる光へと向かって、俺たちは歩き出した。


あとがき
久しぶりに更新しました。やっぱり久しぶりに書くと書き方を忘れてしまいますね。
これから徐々に思い出すとしましょうか。
Date: 2004/04/26


ACT25:時の管理者
ゆっくりと柱の影から現れた男、闇よりも黒い髪と、吸い込まれそうな深淵を垣間見せるダークグリーンの双眸、こいつ、只者じゃねぇな。
「誰だお前は?月鬼衆の刺客か?」
「いいえ、違いますよ。ヒールさん」
俺の名を知ってやがる、こりゃますます刺客の線濃厚だな。
(あいつは・・・・・)
頭の中に声が流れる。この声はまさか・・・・・・
「ウルドか?」
(声を出さなくていい。心の中で思うだけでよい)
これは・・・・テレパシーというやつか?
もはや神は何でもありだな。
(知っているのか?)
(ああ、ヒール、我を召喚してくれ)
言われるままにウルドの召喚手順を踏んでいく。
淡い光が満ちて過去をつかさどる女神が現れた。
ウルドが現れると男はウルドの前に跪いた。
「お久しぶりですね。ウルド様」
ウルド様?一体何者だ?この男・・・・・・
「おいウルド、説明してくれ、こいつは一体誰なんだ?」
「僕から説明しますよ」
男が口をはさんだ。
「僕の名はクロノ=シュナイダー。時の管理者です」
男、クロノの話を要約するとこうなる。
この世界に流れる時間は、大きく分けて3つある。
過去、現在、未来だ。だがそのどれにも属さない空間がある。それが時の最果て。クロノは普段そこに住んでいて、時の流れに異常がないか管理しているのだそうだ。
クロノは時をつかさどる神である運命の三女神の僕で時の流れに異常が生じたとき、そのことを報告するためにこの世界へとやってくるのだという。
「それで?何用でここに来た?」
ウルドが口を開く。確かに、こいつが来るということは時の流れに異常が生じた証拠。一体何が起こったというんだ?
「はい、ウルド様、時喰いが目覚めました」
「な、なんだと!?」
驚愕の声を上げるウルド。時喰いってまさか・・・・・
「おいウルド、時喰いって確か・・・・」
「そう、我ら運命の三女神の宿敵、我がお前と共闘している理由だ」
そう、ウルドが俺に手を貸してくれるための条件、それはウルドたち運命の三女神の宿敵、すべての時を喰らい尽くす破滅の魔獣を倒すのに協力すること・・・・ついに目覚めやがったか・・・・・・・・
「それで?奴はどうなった?」
「はい、追跡を試みたのですが、こちらの時間の流れのどこかに入り込んでしまい、見失ってしまいました」
「そうか・・・・・」
「申し訳ありません」
「いや、かまわん。それにまだ時喰いは目覚めたばかり、おそらく奴はどこかの時代に行き自らのマスターを探すはずだ。まだ時間はある」
「はい、それであなた方運命の三女神の力が必要と思いこちらの世界に来たのですが・・・・・ヴェルダンディ様とスクルド様の行方がわかりません。まったく波動を感じないのです」
「なるほど・・・・・おそらくあの二人は捕まっているか封印されているのだろう。居場所が解らなければ打つ手がないということか・・・・・」
「ヴェルダンディの居場所なら見当はつくぜ」
「なんですって!?」
驚愕の声を上げるクロノ。
「どこですそこは!?」
いきなり肩をつかんで激しくゆする、おいおい、気持ち悪くなるからやめろって・・・・・
「おそらく月鬼衆の本拠地だ。ヴェルダンディを神殿から奪ったのは奴らだからな」
それで俺たちが今月鬼衆の本拠地へと行こうとしていることを伝える。すると・・・・・・・・・・
「解りました、僕もあなたたちの旅に同行しましょう」
なんとなく解ってたけどね・・・・・・・
「だがそこまで行く移動手段が見つからないんだ」
「それならば僕に考えがありますよ。任せてください」
それならば断る理由はないな・・・・・
「見つけたぜ!ヒール=ナイツ!」
そこに無粋な声が聞こえてきた。
声がしたほうを見てみるとそこにいたのはいやらしい笑みを顔に貼り付けた男だった・・・・・・
「だれだ?お前」
大体想像つくが・・・・・・
「ククク、おれは運がいいぜ、ここでお前を見つけられるなんてなぁ。お前を殺して、過去の女神ウルドをいただくぜ!」
やっぱり・・・・・・月鬼衆の刺客だ・・・・・・
仕方ない、相手をしてやろうとデッキを構える、が・・・・・
「待ってくださいヒールさん、ここは僕が・・・・・」
クロノが前へ進み出る。
「なんだぁ?お前は?」
「僕ですか?彼の仲間です」
「フン!じゃあてめぇから血祭りに上げてやるよ!」
「いいですねぇ、やって見せて下さい」
そして二人のデュエルが始まった。

クロノLP8000手札5枚
刺客LP8000手札5枚

「僕のターンからですね、ドロー。カードを1枚伏せ、モンスターを1体セットします。ターンエンドです」
正体不明のふたつのカード、さて相手はどう出るかな・・・・?
「俺のターンだな!ドロー!ギルガース召喚!攻撃!」
ギルガースが守備モンスターへと切りかかるだが・・・・・
「守備モンスターは墓守の偵察者です。破壊することはできません」
ギルガースの剣は偵察者の出した魔法障壁にあっさりと跳ね返された。
「さらに墓守の偵察者の効果を発動します。デッキから墓守の長槍兵を特殊召喚」
クロノの場に新たな墓守モンスターが現れる。
「チィ・・・・・・!俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」
1ターン目は完全にクロノが主導権を握ったな。

クロノLP8000手札4枚
刺客LP8000→7800手札4枚

「ではあなたのターンのエンドフェイズにリバースカードオープン、サイクロンを発動させます」
一陣の竜巻が巻き起こり刺客の伏せカード、万能地雷グレイモヤを破壊した。
「ぐぅ・・・・・・・ッ!」
「僕のターンですね、ドロー。覚悟はいいですか?いきますよ。墓守の偵察者を生贄に捧げ、墓守の長を召喚します。さらに墓守の長の特殊能力発動、墓地の墓守の偵察者を特殊召喚します」
クロノの場に墓守たちを束ねる長が召喚される。さらに召喚のための生贄にされた墓守の偵察者も特殊召喚される。
「墓守の長でギルガースに攻撃です」
長が繰り出す魔法攻撃をギルガースはまともに受け消滅した。
「さらに長槍兵と偵察者でダイレクトアタック」
「ぐぁぁぁぁぁぁ!」
完全に格が違うな。このままクロノが押し切って勝ちだな。

クロノLP8000手札4枚
刺客LP7800→5000手札4枚

「僕はカードを1枚伏せてターンエンドです」
「俺のターンだ!ドロー!フハハハハいいカードを引いたぜ!いくぜゴブリン突撃部隊!」
現れたのは大勢のゴブリンたちの集団、暑苦しい・・・・・
「墓守の長槍兵に攻撃!」
ゴブリンたちが一斉に向かってくる。
「残念ですね。リバースカードオープン、月の書発動」
光を影へと隠す夜の象徴である月の書が翻りゴブリンたちを裏側守備表示へとかえる。
「クソッ!ターンエンドだ」
「あれ?いいんですか?何も伏せなくても」
「しまっ・・・・・・・」
「もう遅いですよ、あなたはターンを明け渡してしまったんですから」
相手の動揺を誘いその隙に乗じて精神を乱す、あいつ、心理戦も心得てやがる・・・・・・
「それでは僕のターンですね、ドロー。いきますよ、マジシャンズ・ヴァルキュリアを召喚して墓守の長槍兵で攻撃します」
長槍兵の槍がゴブリンたちを貫く、さらに長槍兵は貫通能力も備わっている、突撃部隊の守備力はゼロだから実質ダイレクトを喰らったことになる。
「さらに残りの3体のモンスターでダイレクトアタック!」

クロノLP8000手札3枚
刺客LP5000→0

「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
断末魔の悲鳴を上げて男が崩れ落ちる。
パーフェクトゲーム、なんて奴だ・・・・・・・
「さようなら、名も無き刺客さん・・・・・・」
崩れ落ちた男の死体に向けて、クロノが冷たく言い放った。


あとがき
今回も短いですね。
Date: 2004/03/31


ACT24:起死回生、逆転
サヤカのビックバンガールとマリーのコンボでリディアの戦況はかなり不利になってしまった。
どうする?
「私はカードを1枚セットしてターン終了」

リディアLP6500手札5枚
サヤカLP8800手札3枚

「私のターン!ドロー!」
引いたカードをすぐさま発動させるリディア、不用意にカードを発動しては痛い目を見るだけだぞ・・・・・・・・
「大嵐発動!」
「そうはさせないわ、リバースカードオープン!マジック・ジャマー!」
「あっ!?」
やはり、不用意な発動は禁物だな、今みたいに生命線のカードを失ってしまう。とにかくこれでリディアは動きが取れなくなったな。
「私はモンスターをセットして、ターンエンドです・・・・」
「私のターンね、ドロー。私はビックバンガールを守備表示に変更するわ。さらに、ビックバンガールに明鏡止水の心を装備させて、ターン終了」
明鏡止水の心か・・・・・これでビックバンガールを破壊することがますます難しくなったな・・・・しかも回復とダメージはお互いしっかり受けてるし・・・・・・

リディアLP6500→5500手札4枚
サヤカLP8800→9500手札2枚

「私のターン、ドロー。私はカードとモンスターを1枚ずつセットして、ターン終了」

「私のターンね、ドロー。その身に受けなさい・・・・炎の祝福を」
繰り出される火球、だがリディアに防ぐ手立てはない。
「くぅ・・・・・ッ!」

リディアLP5500→4500手札3枚
サヤカLP9500→10200手札3枚

「ターンエンドよ」
その後、お互いに動きがなく、ターンだけが過ぎていった・・・・

リディアLP4500→2500手札5枚
サヤカLP10200→11600手札5枚

「私のターン、ドロー」
引いたカードを見てリディアの顔が輝く。
「このカードで、あなたのコンボを崩します」
「なんですって?」
突然の宣言にサヤカも多少なりとも動揺しているようだ。
「いきます!ヂェミナイ・エルフと2体の守備モンスターの3体を生贄に捧げて、モイスチャー星人召喚!」
「なっ!?」
現れたのは、なんとも形容しがたい不思議な形をしたモンスター。だがそれが現れたとき、光が荒れ狂いサヤカの魔法、罠カードはすべて破壊された。
「これは・・・・・」
「モイスチャー星人は、3体の生贄で生贄召喚されたとき、相手の場の魔法、罠カードをすべて破壊します。これであなたのコンボを打ち破りました」
「・・・・・・・」
サヤカの沈黙は何を意味するのかわからない。だがこれはリディアに訪れた初めてのチャンスだ。これはなんとしてもものにしたいな。
「それだけではありません。私が生贄に捧げた守備モンスターのうちの一体はエルフの斥候です。このカードは場から墓地に置かれたとき、自分のデッキの攻撃力1000以下のエルフと名のつくモンスターカードを1体特殊召喚できます!私はこれによってエルフの司令官を特殊召喚します!」
リディアの場にエルフたちに指令を伝える司令官が召喚された。

エルフの斥候 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1200 DEF700
このカードが場から墓地に送られたとき、自分のデッキの攻撃力1000以下のエルフと名のつくモンスターを1体特殊召喚できる。

エルフの司令官 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1000 DEF1500
このカードはフィールドに1体しか存在できない、このカードが表側表示で出ている限り自分の場のエルフと名のつくモンスターはすべて攻撃力が500ポイントアップする。

エルフの司令官の指令を受け、リディアの場のエルフたちは攻撃力が上昇した。

翻弄するエルフの剣士攻撃力1900→2400
エルフの司令官攻撃力1000→1500

「行きます!翻弄するエルフの剣士の攻撃!精剣斬!」
鎖つきブーメランを装備したエルフの剣士がビックバンガールを切り裂く、これでサヤカを護るものはなくなった。チャンスだ!
「そしてモイスチャー星人でダイレクトアタック!」
「きゃぁぁぁぁ!」
モイスチャー星人がはなったビームがサヤカを直撃する。
「さらにエルフの司令官でダイレクトアタック!」
「くっ!」
「まだです!リバースカードオープン!リビングデットの呼び声!このカードでヂェミナイ・エルフを特殊召喚します!攻撃!」
双子のエルフも司令官の効果で攻撃力を上昇させている、そして二人の見事なコンビネーションがサヤカを捕らえる。

ヂェミナイ・エルフ攻撃力1900→2400

リディアLP2500手札5枚
サヤカLP11600→4900手札5枚

「形勢逆転ですね。ターン終了です」
「フン、見事なものだな・・・・・・」
「ああ、まさか1ターンでここまで盛り返すとはね」
「・・・・・・・・」
俺とケルヴィンが話している間、ジンは黙ったままだった。
「ん?どうしたんだジン?せっかくリディアが逆転したのに、うれしくないのか?」
「あいつの切り札は、何もビックバンガールだけじゃねぇんだ」
「どういうことだ?」
「じきに解ると思うぜ・・・・・・」
別の切り札?なんにせよ、用心に越したことはないな。
「私のターンね、ドロー。とりあえず、マリーの効果で回復しておこうかしら」

リディアLP2500手札5枚
サヤカLP4900→5100手札6枚
「来なさい、お注射天使リリー!」
サヤカの場に巨大な注射器を持った看護婦のような天使が現れた。
「何だあのふざけたカードは」
同感・・・・・・・
「おいジン、まさかあれがサヤカの切り札ってんじゃないだろうな?」
「そうだ」
真顔で答えるジン、おいおい・・・・・・
「まあ見てろ、もうすぐあのカードの恐ろしさがわかる」
恐ろしさ?一体何があるというんだ?
「行くわよリディアちゃん、お注射天使リリーの攻撃!ライフ2000ポイントを支払って、リリーの攻撃力を3000ポイントアップ!」
「えっ!?」
なんだと!?そんな恐ろしい能力があったなんて、隣を見ると同じくケルヴィンも驚いているようだ。当たり前か・・・・コストがでかいとはいえブルーアイズ・ホワイトドラゴンでさえも倒せるのだからな。

お注射天使リリー攻撃力400→3400

「まずはその目触りは宇宙人にでも消えてもらおうかしら。リリー、モイスチャー星人に攻撃よ!」
リリーがその手にした巨大な注射器をモイスチャー星人に突き刺しそのまま注射器に入っていた緑色の謎の液体を注入する。途端モイスチャー星人が苦しみだしてやがて消滅してしまった。
「本当に天使族なのか?あれは・・・・」
横でケルヴィンがあきれたように言っている、俺もそう思う。
「私はこれでターンエンドよ」

リディアLP2500→1900手札5枚
サヤカLP5100→3100手札5枚

「私のターン、ドロー。私はカードを1枚セットして、すべてのモンスターを守備表示にします。ターンエンドです」
そう、それが正解だ・・・・・・リリーはその膨大な攻撃力を得るためにライフを2000ポイントも払わなければならない、つまりリリーは守備モンスターには攻撃しにくいのだ。ライフを無駄に払うことになるからな。
「私のターンね、ドロー。まずはサイクロンを発動させてその伏せカードを破壊するわ、その伏せカードはなに?」
「・・・・・・攻撃の無力化です」
「そう、なら安心ね、私はリリーにメテオストライクを装備させるわ」
メテオストライク!貫通能力を持つ装備カード!リリーとの愛称抜群のカードだ。しかも今リディアを護るものはない!やられる!
「リリーでヂェミナイ・エルフに攻撃!これで終わりよ!」

お注射天使リリー攻撃力400→3400

リリーの攻撃が双子のエルフを消滅させる。終わった・・・・やはりリディアにはまだサヤカ相手は荷が重かったか・・・・

リディアLP1900→750手札5枚
サヤカLP3100→1100手札5枚

「え・・・・・?」
どういうことだ?リディアのライフがまだ残っているだと?
「そんな、どうして?」
「私の墓地にあった、エルフの護り手の効果を使用したんです」
「なんですって?」
「このカードは墓地に存在するとき、1度だけ相手からの戦闘ダメージを半分にすることができるんです」
なるほど、モイスチャー星人の召喚のときに墓地に送ったのか。やられたぜ・・・・・

エルフの護り手 光属性 ☆3 魔法使い族:効果
ATK300 DEF2000
このカードが墓地に存在するとき、1度だけ戦闘ダメージを半分にすることができる。このカードが墓地に存在しなくなった場合、この効果はリセットされる。

「フフ、まさかここまでやるとわ思わなかったわ、今回は私の負けにしておいてあげる」
「ここでサヤカ選手、サレンダーを宣言!準々決勝第1試合、勝者、リディア=ハーティー!」
観客席から割れんばかりの歓声と拍手が鳴り響いた。
「さてと・・・・」
「ん?どこか行くのか?ヒール」
立ち上がった俺にジンが声をかけてきた。
「ああ、ちょっと飲み物を買いにな」
もちろん嘘だ。さっきから誰かの視線を感じる。
俺は観客席を後にした。
通路にでる、途端に人気がなくなる。俺はしばらく歩き周囲に人の気配がないことを確かめてから声をかけた。
「よお、人の後付回すのは趣味がいいとは言えないぞ」
俺の言葉に反応したのか後ろの柱から一人の男が出てきた。
闇を連想させるかのような黒い髪にダークグリーンの瞳、見たことのない奴だな、月鬼衆の刺客か?
「さすがですねぇ、気づかれましたか」
男は、ゆっくりと口を開いた。

あとがき
ツキ「ACT24終了〜」
リディア「わーい、勝ったー!」
ジン「よくやったぞ。リディア」
リディア「えへへ」
ツキ「今回は満足いくデキでしたね」
ジン「けどよ、ちょっと疑問に思ったんだけど」
ツキ「?なんですか?」
ジン「お注射天使リリーって、確か禁止カードだったんじゃ・・・・」
ツキ「ああ、そのことですか」
ジン「ああって・・・・・」
ツキ「この小説の世界観は現実世界のものではありません。ですから禁止カードなんてものは存在しないんです」
リディア「へー、そうだったんだ」
ツキ「もっとも、制限は守ってますのでゲームバランスは取れてますが、やはり禁止カードは小説を書くにあたってどうしても枷になってしまうんですよ」
ジン「ちゃんと考えてるんだな」
ツキ「ええ、まあ」
リディア「それじゃあ私もしつもーん」
ツキ「なんですか?」
リディア「最後にヒールの前に現れたのは誰?」
ツキ「それはネタばれなので言えません」
リディア「ケチ」
ツキ「ケチで結構です。それではそろそろ閉めますね」
ジン「ああ」
リディア「またねー」
Date: 2004/03/30


ACT23:焔の洗礼
「翻弄するエルフの剣士召喚!プレイヤーにダイレクトアタック!精剣斬!」
翻弄するエルフの剣士の斬撃が対戦相手に直撃した。それと同時に相手のライフもゼロとなる。
無難に勝利を収め準々決勝へと駒を進める。
「勝者!リディア=ハーティー!」
審判の勝利宣言とともに観客の歓声が巻き起こる。
「なかなか強いな、あの女」
ケルヴィンが先ほどのデュエルの感想をもらす。
「ああ、あいつのエルフデッキの完成度はかなり高い。並みの召喚士じゃ太刀打ちできないぜ」
自慢げに話すジン、別にお前をほめたわけではなかろうに・・・・・
「だが、並みじゃない召喚しないてはどうかな?」
「何?」
「リディアの次の対戦相手、サヤカ=ミナだ。そう簡単に勝たせてくれる相手ではなさそうだぞ」
俺の言葉に二人がうなずく。確かにリディアのデッキの完成度は高いが、いかんせん、実戦経験が少なすぎる。一騎当千の強者相手では厳しいかもしれない。
そうこうしている間に準々決勝が始まった。
「準々決勝第1試合、対戦カードはこの二人!炎の巫女の二つ名を持つ一流召喚士、サヤカ=ミナ!」
観客から歓声が巻き起こる。観客といいこの審判といい、無駄に暑い奴が多いな。
「対するは、エルフデッキを操り堅実な戦いで着実にその駒を進めた。リディア=ハーティー!さあ、今大会屈指の名カード!両選手の、入場だー!」
「ウオオオオオオオ!」
観客たちのテンションがさらに上がった。うるさすぎる。
二人が入場、ん?何か話してるな、うるさくてよく聞こえない。
「それでは!両選手の準備が終わったところで、デュエル開始!」

リディアLP8000手札5枚
サヤカLP8000手札5枚

デュエルが始まる、先攻はリディアからのようだな。
「私のターン!ドロー!私はカードを1枚セットして、翻弄するエルフの剣士召喚!ターンエンド!」
初手としてはありだな、翻弄するエルフの剣士は攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されない。相手にプレッシャーを与えるにはこれで十分だろう。
「そう、なら私のターンね、ドロー。翻弄するエルフの剣士は攻撃力1900以上のモンスター相手には戦闘で破壊されない。裏を返せば、攻撃力1900未満のモンスターならば戦闘で破壊できるということ、行くわよ、私はUFOタートルを召喚!翻弄するエルフの剣士に攻撃!」
UFOタートルが手足を引っ込め回転しながら飛んできた。攻撃力は互角、しかしUFOタートルには遺言効果がある、どうする?
「リバースカードオープン!鎖つきブーメラン!翻弄するエルフの剣士の攻撃力アップ!」

翻弄するエルフの剣士攻撃力1400→1900

エルフの剣士が鎖つきブーメランで、UFOタートルを絡みとり、そのまま剣を叩きつける!
「精剣斬!」
UFOタートルは真っ二つに切り裂かれた。
「クッ!」

リディアLP8000手札4枚
サヤカLP8000→7500手札5枚

「なかなかやるわね、リディアちゃん。でも、UFOタートルの効果を忘れてない?」
「え?」
「UFOタートルはね、戦闘で破壊されたとき、攻撃力1500以下の炎属性モンスターを1体特殊召喚できるの。私はビックバンガールを特殊召喚するわ」
サヤカの場に、癒しを痛みへと変える少女が現れた。あれが、炎の巫女と呼ばれる由縁となったカードか・・・・
「私はリバースカードを2枚セットして、ターン終了よ」
2枚のリバースカード、気になるな・・・・・
「私のターン、ドロー。手札から速攻魔法、サイクロンを発動させます!その右側の伏せカードを破壊します!」
一陣の竜巻がサヤカの右側のリバースカードを切り裂く。と思っていたのだが・・・・
「あまいわよ、チェーン、ホーリーエルフの祝福発動」
切り裂かれるはずだったリバースが翻り、効果の逆順序で発動される。サイクロンは事実上不発となった。
さらにこのチェーンはただサイクロンを無駄うちさせるためだけじゃない。
「ホーリーエルフの祝福はフィールドに存在するモンスター1体につき、私のライフを300ポイント回復してくれる通常罠、今、フィールドに存在するモンスターは2体、よって私のライフは600ポイント回復する。でもビックバンガールが場に出ているときはそれだけじゃない。受けなさい、炎の祝福を」
ビックバンガールの体から赤い光が立ち昇り、それは球体をなしてリディアへと放たれた。
「くぅ・・・・・・ッ!」

リディアLP8000→7500手札4枚
サヤカLP7500→8100手札3枚

「まだです!ヂェミナイ・エルフ召喚!ビックバンガールに攻撃!」
双子のエルフがコンビネーション攻撃でビックバンガールに迫る!しかし攻撃が当たる一瞬前にサヤカのリバースが翻った!
「永続罠カード、グラヴィティ・バインド―超重力の網―発動!」
ヂェミナイ・エルフ攻撃は今一歩届かずに双子のエルフと剣士は重力の網にとらわれ身動きができなくなってしまった。
「なっ!?」
「残念だったわね・・・・・」
「・・・・・ターン、終了です」
「私のターン、ドロー、魔法カード、天使の施し発動、カードを3枚ドローして2枚捨てるわ。さらにリバースカードを1枚セットしてターン終了」
「私のターン、ドロー。・・・・・・終了です」
リディアは意気消沈といった感じだ。無理もないか、ここまで追い込まれたのは初めてだろうからな
「そう、じゃあわたしはこの瞬間に、リバースカードを発動しておこうかしら」
「え?」
この上さらに追い討ちをかけようというのか・・・・・・容赦ないな。
「伏せていたのは神の恵みよ。これで私はドローするたびにライフポイントを500回復するわ」
最悪だ・・・・・これでリディアは毎ターン、500ポイントのダメージを受けることになる。
「それじゃあ私のターン、ドローするわね、さあ、ビックバンガール、炎の祝福を与えてあげなさい」
再びビックバンガールから赤い光があふれ赤き球を作り出す、なぜか今度はふたつだ。そしてそれがリディアへと向かって飛んでいく。
「ああ・・・・・・ッ!」
悲鳴を挙げるリディア、心なしかさっきよりもダメージが多いような気がする。

リディアLP7500→6500手札5枚
サヤカLP8100→8800手札3枚

「馬鹿な!?リディアのライフがさっきよりも多く減っているぞ!?」
横からジンが驚愕の声を上げている。よく見るとサヤカのライフも若干多く回復している、まさか・・・・・
「別に驚くことでもないでしょ?さっき、天使の施しの効果で堕天使マリーを捨てていたんですもの。結構便利よね、このカード」
やはり・・・・・・堕天使マリー、能力値のわりにレベルが5と高いので使う奴はあまりいない、だがビックバンガールとの相性は抜群にいい。やはりそのカードもデッキに入れていたか・・・・
だがこれでリディアはさらに不利な状況になったな・・・どうする?リディア・・・・

あとがき
ツキ「まあこんなもんですかね・・・・」
リディア「むぅ・・・・・私すっごいピンチ・・・・・」
ケルヴィン「このままじゃ敗北は確実だな・・・・」
リディア「どうするのよ、このままじゃ負けちゃうよ・・・・」
ツキ「まあ、実力考えてみると彼女はあなたよりも強いですからね・・・」
ケルヴィン「しかしここまで差が開くと、逆転は難しいんじゃないか?」
リディア「えー」
ツキ「そうとも限りませんよ、逆転はできなくても流れを引き寄せるくらいはできます」
ケルヴィン「なるほど、一理あるな・・・・とにかくリディア、絶対勝て。そしてエルヴンドラゴネスを手に入れるのだ」
ツキ「あっはっは、責任重大ですねぇ〜」
リディア「まだまだ!負けないもん!」
Date: 2004/03/30


ACT22:寄り道
ついに判明した月影衆の本拠地、俺達はそこを目指すためジパングへとやってきた。そして・・・・・・・


「黄泉が岳へはどうやって行けばいいんだ?」
「ふむ、カードで行くのは目立ちすぎるからな。やはり地道で徒歩に行くしかないか・・・・・」
「ちょっとまて、黄泉が岳までどれほどの距離があると思ってるんだ?そんなことじゃいつになってもつかないぞ」
ケルヴィンが真顔でとんでもない意見を言うがジンが切って捨てる。俺も徒歩は勘弁して欲しいな。
男三人、あーだこーだと言い合っていたら飲み物を買いに行っていたリディアが帰ってきた。
「なにやってるの?」
「ここからどうやって黄泉が岳に行こうか話し合っていたんだ」
二人がまだ話していたので俺が答えた。ついでにリディアが買ってきた飲み物も受け取る。お茶というものらしいが、うん、渋みがあって結構いけるな。
「ふーん、じゃあとりあえずこれでも飲んでさぁ、それからまたみんなで話し合おうよ」
話し合って答えが出るとは思えないがまあこのままここで言い合っているのもいやだしな、目立つし。
「そういえばさ、さっきこんなの見つけたよ」
お茶を飲み終えた後、リディアが一枚の張り紙を取り出した。いのか?勝手にはがしてきたりして・・・・・・
張り紙はこの近くで行われるデュエル大会の案内だった。優勝者には賞金とレアカード、深緑の賢龍―エルヴンドラゴネス―が与えられるという・・・・・ん!?
『エルヴンドラゴネスだとぉ!?』
俺とケルヴィンの声が見事にハモった。
エルヴンドラゴネス・・・・・エルフカードの中でも最強の能力を持つといわれている非常に強力なレアカードだ・・・・・・・
こいつは・・・・・手に入れることができればかなり強力は戦力アップになるかもしれないな・・・・・
だがこの参加資格は・・・・・・・
「出るぞ!この大会!」
「まて、ケルヴィン」
予期せぬレアカードの存在にケルヴィンがやや興奮気味になっている。こいつこんなキャラだったか?
「この大会にはお前は出れないぞ」
「あ、本当だ」
後ろから張り紙を除いたジンが言った。俺は黙ってケルヴィンに張り紙を見せた。
「ほらここ、よく見てみろ」
「なに?参加資格は女性決闘者のみ・・・・・どういうことだ?」
「なんでも強さと美しさを競う大会なんだと」
「つまり俺たちが出場するのは無理ってわけ」
「ぬぅ・・・・・・」
「じゃあ私なら出れるのよね?」
「ん、まあそうなるな」
「じゃあ私でよっかな」
確かに・・・・・リディアならば参加資格はクリアしてるな・・・・今後のことを考えると賞金はともかく、エルヴンドラゴネスは手に入れておきたいな・・・・
「いいんじゃないか?」
隣でジンが言った。そうだな・・・
「そうだな、どの道戦力アップのためにもこのカードは手に入れておきたいしな」
「うむ、やつらの力は強大だ、戦力は多ければ多いほどいい」
「決まりだな、リディア、がんばれよ」
「うん!絶対優勝してくるね!」
ジンの激励はリディアをかなり勇気付けたようだ。俺やケルヴィンじゃこうはいかないね・・・・

というわけで大会会場までやってきた俺たち、するとそこに一人の女が近づいてきた。黒い髪に黒い瞳・・・・ジンと同じジパングの人間だろうか?近づくにつれ女の容姿がはっきりしてくる。
腰まで伸びた長い髪、整った顔つき、だが何よりも印象的なのは知性の輝きを余すことなく感じさせるその黒い双眸。あれ?彼女、どこかで見たような・・・・・・
「久しぶりね、ジン」
女はジンに話しかける、ずいぶんとフレンドリーだな。
後ろでジンがゲッと小さく声を出したような気がするが・・・・・気のせいか?
「サヤカ・・・・・なんでここに?」
「サヤカ?もしかして、サヤカ=ミナ?」
思い出した。どこかで見たことがあると思ったら、ジパング出身の有名女性召喚士、ビックバンガールを主軸としたバーンデッキを使いこなし、炎の巫女の二つ名を持つ一流召喚士。まさかジンと知り合いだったとは・・・・・
「え・・・・・・と、ジン?この人は?」
リディアが遠慮がちに聞いてくる。まあそれも仕方ないわな。
「あら、あの子あなたの恋人?かわいいじゃない」
「こ、恋人・・・・・・」
リディアの顔が真っ赤になる、ジンもそれなりに赤い。見てるこっちとしては結構面白いな。
「初めまして、私はサヤカ=ミナ、よろしくね」
「わ、私はリディア=ハーティといいます。あの、サヤカさん?あなたもこの大会に参加するんですか?」
「ええ、そうよ。あなたも参加するの?」
「は、はい」
「ウフフ、それじゃああたったらお手柔らかにね」
優雅に笑いながら去っていった。一体何しに来たんだ?あの人は?
「しかし驚いたな、お前がサヤカ=ミナを知り合いだったとは」
「ああ、驚いたぜ、一体どこで知り合ったんだ?」
俺の質問の答えを待って、リディアが聞き耳を立てている。
「昔な、同じ師匠の下で召喚術の修行をしていたんだよ。その時からいろいろといやな目にあっていてな。どうもあの女は苦手だ」
「いやな目?一体どんな目にあったんだ?」
「・・・・・・・口にしたくない」
俺の質問はジンの精神にかなりの負担をかけたらしい、これ以上言及するのはやめておいたほうがいいな。
とそこへアナウンスが流れてきた。
「大会出場者の皆さん、ただいまより開会式を始めますので、決闘場までお越しください」
「お、リディア、行ったほうがいいんじゃないか?」
「うん、じゃあ行ってくるね」
「ん?」
不意に後ろから視線を感じた。後ろを振り向いてみるがそれらしい人影はいない。気のせいか?
「どうした?ヒール」
横からケルヴィンが声をかけてきた。
「いや、なんでもない」
「そうか、じゃあ観覧席に行くぞ」
「ああ」
俺達は観覧席へと歩き出した。

あとがき
うーん、なんか今回で気があまりよくありませんね。
もうちょっと文章力が欲しいと思う今日この頃・・・・・
Date: 2004/03/29


ACT21:掴み取った勝利
俺のフィールドにはカードが1枚もなく、ケルヴィンの場にはブルーアイズホワイトドラゴンが2体もいやがる。
絶体絶命、そんな言葉がお似合いの状況だ。だが、俺は負けない、負けられない!俺はこのドローにかける!
「俺のターン!ドロー!」

ヒールLP4600→2700手札3枚
ケルヴィンLP4600手札0枚

引いたカードは・・・・・・
「あ・・・・・」
俺は自然と笑みが浮かぶ、まだ確実に勝ったわけではない、だがこのカードを使えば今よりはずっとマシだ!
「墓地に眠りし狡賢い下級悪魔と雷帝ザボルクを除外して、いでよ!混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)−終焉の使者−!」
俺の場に、すべてに終焉をもたらす闇のドラゴンが現れた。
「な・・・・・・ッ!?」
「混沌帝龍の効果発動!1000ポイントのライフを支払い、お互いのフィールド、手札のカードを墓地に送る!」
黒い風がお互いのフィールドを蹂躙していく・・・・・・
「ぐわぁぁぁぁぁ!」
風に阻まれて姿は見えないがケルヴィンの絶叫が聞こえる。
風が収まったとき、お互いにすべてを失っていた。

ヒールLP2700→1700手札0枚
ケルヴィンLP4600→2800手札0枚

「ぐ・・・・・、ここにきて、そんなカードを引き当てるとは・・・・ッ!」
「俺はこれでターンエンドだ」
これでお互いのフィールドにカードはなくなった。ここからはお互いの引き運が勝負を分ける。
「俺のターン!ドロー!」
カードを引きそして舌打ち、どうやらモンスターは引けなかったようだな。助かった・・・・・
「俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー」
引いたカードは神の宣告、ここでは役に立たないな・・・・・
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー。よし!俺は死者蘇生を発動するぜ!」
「そうはさせねぇ!リバースカードオープン!神の宣告!使者蘇生を無効化する!」
「ぬぅ、小ざかしいマネを・・・・・ッ!ターンエンドだ!」
「俺のターン!ドロー!」
そろそろ何か引かないとやばい、頼むぜ!引いたカードを確認する・・・・
勝った・・・・・・この1枚で、このデュエルは終わる・・・・
「死者蘇生!」
「なんだと!?」
俺の場にブルーアイズ・ホワイトドラゴンが蘇生召喚される。
勝負は決したな。
「いくぞ!ブルーアイズ・ホワイトドラゴンでダイレクトアタック!滅びのバーストストリーム!」
至高龍のアギトから放たれた光弾が、ケルヴィンを直撃した。
「俺の、勝ちだ!」

ヒールLP1700→850手札0枚
ケルヴィンLP2800→0

終わった・・・・・しばらくして気絶したケルヴィンが目を覚ました。
「俺は・・・・負けたのか?」
おもむろにケルヴィンが口を開いた。
「ああ、俺の勝ちだ」
「・・・・・・何故だ?」
「ん?」
「何故お前は、昨日まではともに笑いあっていたものたちを、平気で傷つけられる?」
耳が痛い言葉だった。別に平気で傷つけていたわけではない。
ただ・・・・・・
「取り戻したいものが、ある・・・・・・」
「大切なものなのか?」
俺は黙ってうなずく。
「それを取り戻すためなら、どんなことでもする。そう、覚悟を決めた」
俺の声は、いつしか熱を帯びていた。
「それを邪魔するのならば、誰であろうと容赦しない。たとえ、神であろうとも」
「それは、業の道だぞ・・・・・」
「血をかぶる覚悟なら、とうにできている」
「だがその結果、お前が狂気にとらわれる可能性もある。大切なものを、見失ってしまうかもしれないんだぞ?」
「大丈夫だよ」
俺は顔に笑みを浮かべて続ける。
「俺には、一緒に歩いてくれる仲間がいるからな。たとえ血をかぶっても、そいつらが水でもぶっかけて洗い流してくれるさ」
「・・・・・なるほどな、負けるわけだな」
なにやら納得したふうに言うケルヴィン、どうかしたのか?
「いいだろう、約束通りお前たちに協力しよう、それから、資金面でも我々神官が援助しよう」
「マジか!?」
「ああ、だからいちいち仕事を探して街を歩き回る必要もなくなるぞ」
「ってそこからつけてたのかよ!」
その後、俺は二人にケルヴィンを紹介し、資金面での心配がなくなったことを告げた。うーん、まさに一石二鳥だな。
そしてケルヴィンはさらに有力は情報を与えてくれた。
「月鬼衆の本拠地の居場所がわかったぞ」
「なに!?」
ケルヴィンを除く全員が驚愕の声を上げる。
「どこだ!?」
ジンがケルヴィンの肩をつかんで問いただす、俺もおんなじ気持ちだ。
「ジパングの辺境の奥地、通称、黄泉が岳だ。この街からジパング行きの船が出ているから早速行くぞ」
こうして俺達は、やや急な展開ながらもジパングにある月影衆の本拠地へと向かうことになった・・・・・


あとがき
ツキ「ふぅー終了っと・・・・」
ジン「なんだか急な展開だな」
リディア「ホント」
ツキ「そうですね、しかしここで向かわないとずるずる行っちゃいそうなんで、多少強引でもここで行ってしまおうと思ったんです」
リディア「ふーん、ってことは次回からはいよいよ月鬼衆の本拠地に乗り込むって事?」
ツキ「さあ、それはどうでしょう?」
リディア「え、どういうこと?
ジン「どうせまた考えてないんだろ?」
リディア「まさか〜、そんなわけないでしょ?」
ツキ「さあそろそろ閉めましょうか・・・・・・」
ジン&リディア「この駄作者!」

キャラクタープロフィール
ケルヴィン=フィニー
23歳 B型 身長177cm 体重56kg
神官達の中でもその実力は神官長のクリア=リーゼにつぐ実力者。その容姿から女性ファン多し、だが本人はウィンリィ一筋なので女性たちの黄色い悲鳴には耳も貸さない。
身体的特徴はきらめく金髪にサファイアのような青い双眸。デッキは超重量級のドラゴンデッキ
Date: 2004/03/28


ACT20:俺は、負けない
ザボルクのダイレクトアタックによって戦況は俺に傾いてきている、このまま押し切ってやる!

ヒールLP6100手札4枚
ケルヴィンLP7800→5400手札3枚

「俺のターンだな、ドロー。俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ」
やけにあっさりターンを明け渡したな、あれは罠か?
「俺のターンだな、ドロー。俺はカードを1枚セットして、アギト召喚!ザボルクでダイレクトアタック!」
通るか!?
「そう何度も通すと思うのか!リバースカードオープン!賢者の戦略!」

賢者の戦略:通常罠
自分の場にモンスターが存在しないときのみ発動可能、このターンの相手モンスターの攻撃をすべて無効化する。その後、自分はカードを2枚ドローする。

「な!?」
攻撃の無効とドローを1度に繰り出すカードだと!?
「・・・・・・・俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターンだな、ドロー。ヒール、大方貴様は今、自分に流れがきている、このまま押し切れれば勝てるとでも思っているのだろう?」
図星だった・・・・・・何か来るのか?
「それが淡い幻想だということを教えてやる!魔法カード、天使の施し!カードを3枚ドローして2枚捨てる!そして、早すぎた埋葬発動!墓地に眠るカイザーシーホースを蘇生させる!」
カイザーシーホース、厄介なモンスターを出したもんだな、こいつは内包する魔力が他のレベル4モンスターとは桁違いだ。光属性のモンスターだったらこれ1枚でレベル7以上のモンスターも生贄召喚が可能となる。そいつをここで蘇生召喚、まさか・・・・・
「カイザーーシーホースを生贄に捧げ、見るがいい!誇り高き伝説の至高龍の姿を!」
現れたのは、白銀の体を持ち、人間などよりもはるかに思慮深い蒼い双眸を持った巨大なドラゴン、その威風堂々とした姿から人は尊敬と畏怖の念をこめてこう呼んだ・・・・・
ブルーアイズ・ホワイトドラゴンと・・・・・・・
「馬鹿な・・・・・」
俺は我知らずつぶやいていた。当たり前だ、俺の目の前にいるのは単体最強の能力を有するとまで言われている最強のドラゴン・・・・世界に3体しか存在しないといわれて伝説などにも度々登場する光龍族の王・・・・・・闇龍族の王であるレットアイズ・ブラックドラゴンと対の位置に存在する至高龍・・・・・・まさかケルヴィンが所有していたなんて。
「フン、ブルーアイズを目の当たりにして声も出んか、まあいい、ブルーアイズ・ホワイトドラゴンの攻撃!滅びのバーストストリーム!」
ブルーアイズのアギトに溜め込まれたエネルギーが解き放たれ、青白い光弾となって突き進む、その先にはアギトの姿が・・・・・
「くっ、リバースカードオープン!魔法の筒!ブルーアイズの攻撃を跳ね返す!」
どうだ!
「甘い!手札から速攻魔法発動!アンチマジックフィールド!」
ブルーアイズの体を蒼白い光が包み込み、次の瞬間、魔法の筒が砕け散った。
「な!?」
「アンチマジックフィールドは、相手の魔法、罠、モンスターの効果を発動ターンのみ無効化する!」
「なんだと!」
そして、護るもののなくなったアギトにバーストストリームが直撃した。
「ぐぅ・・・・・ッ!」
アギトの遺言能力が発動したが出た目は3、モンスターを特殊召喚することはできなかった。

ヒールLP6100→4600手札3枚
ケルヴィンLP5400→4600手札3枚

アイチマジックフィールド:速攻魔法
発動ターンのみ、自分の場にあるすべての表側表示モンスターは魔法、罠、モンスターの効果を受けない。

「俺はこれでターンエンドだ」
・・・・・・なんてこった。わずか1ターンで戦況を覆された。これが、こいつの実力・・・・・だが、俺は負けるわけにはいかない!
「俺のターン!ドロー!」
まだ負けたわけじゃない!俺のライフはまだ残っている!まだ逆転の可能性は残っている!
「ホウ、我ガ一撃ヲ見テ戦意ヲ失ワナイ者ガイルトハナ」
唐突にブルーアイズが口を開く、光や闇の龍族は総じて知能が高い、人語を解することなど朝飯前なのだろう。
だが奴が口を開いた途端、奴の体から放出される威圧感がさらに増しやがった。クソッ、奴の雰囲気に飲み込まれるな!
「あたりまえだ!俺は絶対にあきらめない!絶対に負けない!俺はモンスターをセットし、ザボルクを守備表示にしてターンエンドだ!」
「フン、威勢ヨク言ッタハイイガ、ソノ程度カ・・・・・」
ブルーアイズの嘲笑が聞こえるがそんなことはもう完全無視だ。
「俺のターン!行くぞブルーアイズ!」
ケルヴィンが1枚のカードを取り出す、よく見えないが色からして魔法カードなのだろうか?
「な!?」
俺は驚愕の声を上げる、ブルーアイズがそのアギトに溜め込んでいるエネルギーの量がさっきの倍はある。一体、何をする気だ?
「消し飛べ!滅びのバーストストリーム!」
はなたれた光弾が俺の場のモンスターをすべてなぎ払った。
「な・・・・・・ッ!」
なんじゃこりゃぁ!馬鹿な!ブルーアイズは単体攻撃しかできないはず!これは一体!?
「今しがた発動したカード、これは我らが開発したものでな、特定のモンスターの秘めたる力の一部を解き放つものだ。こいつは一度の魔力消費が激しいからな、一度つかったらそのターンのうちはブルーアイズは攻撃できないデメリットも持っている。だがそれは他のモンスターで攻撃すればすむこと、俺は手札より白竜降臨を発動させる、手札のブラットヴォルスを生贄にし、白竜の聖騎士(ナイトオブ・ホワイトドラゴン)を特殊召喚する!」
現れたのはちょうどブルーアイズを小さくしたような竜に乗った聖騎士の姿だった。
「白竜の聖騎士よ、プレイヤーにダイレクトアタック!」
聖騎士の剣の一撃が俺を切りつけた。
「ぐぅ・・・・・ッ!」
「さらに!白竜の霊騎士を生贄に捧げ・・・・・2枚目のブルーアイズ・ホワイトドラゴンを召喚する!」
「なんだと!?」
2枚目のブルーアイズ・ホワイトドラゴンだと!
聖騎士がその身を捧げ天空より光が満ちた。光が収まったとき、そこには2体目の白銀の龍王が立っていた。
「あ・・・・・・」
悪夢を見ているようだった・・・・・・・・
1体でも歯が立たないのに今、2体目のブルーアイズ・ホワイトドラゴンが召喚されるなんて・・・・・
「俺はこれでターンエンドだ」
俺は、負けるのか・・・・・?俺が負けたら、どうなる?ウルドを奪われる?ウルドを奪われたら、、どうなる?
脳裏に、ミリアの顔が横切る、俺が負けたら、あいつを取り戻せない?
いやだ・・・・・俺は・・・俺は負けない!負けてはいけないんだ!
「俺はあきらめない!ドロー!」
このドローカードが、俺の命運を分ける・・・・・・

あとがき
なんだか中途半端なところで終わってしまいましたね。
気を取り直して、今回はこの小説の世界におけるカードの説明をします。ちなみに今回ケルヴィンが発動したカードは滅びの爆裂疾風弾です。わかりますよね?

昆虫、爬虫類、獣、獣戦士、鳥獣、魚、恐竜族:自然の中に生きる種族たち、知能は低く本能のままに行動している。だがごくまれに非常に高い知能を持つものもおり人語を解することができるものもいる。

炎、雷、水、岩石、植物族:自然界の物質たちが神や精霊の影響を受けて命を宿した種族、知能は高く、正確も様々。

機械族:現在よりもはるかに優れた科学力と魔力を持った古代人たちが作り出した人口カード、誰の命令でも聞くので制御しやすい反面、召喚に必要とされる魔力の量は他のカードとは桁違いに多い。A.I搭載の機械族は言語を操り独自の考えで行動することができる。

アンデット族:死んだ人や動物を、邪悪な黒魔術でよみがえらせた姿。また、死してなお生への執着心からこの世にとどまり続ける邪悪な悪霊。中には生物にとり憑き、その体を意のままに操るものまで存在する。彼らに知能はなく、それどころか意識すらない、彼らにあるのは生者への恨みのみ。はっきりとした意識をもち、他界著脳と魔力を有するものもいる非常に危険な種族。

戦士、魔法使い族:最も人間に近い種族、そのすべてがある程度の知能と知識を持ち、言語を解することができる。姿かたちが人間と大差ないので中には人間にまぎれて生活しているものもいる。

天使、悪魔、ドラゴン族:他の種族とは一線を隔てる存在、そのほとんどが人間よりも高い知能と魔力を持ち、年を重ねるごとに力を増す種族。高レベルのものたちになれば神話や伝説にも登場しているものも多い。また、この3つの種族はさらに細かく内わけがされている。

ドラゴン族の内わけ
光龍族:聖なる光の力を行使するドラゴン。光属性のドラゴンがこれにあたる。非常に優れた戦闘力を持ちそのすべてが人間よりもはるかに高い知能を有しており異なる種族の言語をも解することができる。

闇龍族:邪なる闇の力を行使するドラゴン、闇属性のドラゴンがこれにあたる。光龍族とは違い、力よりも魔力に優れた種族、同じくちそのすべてが人間よりもはるかに高い知能を有しており異なる種族の言語をも解することができる。

その他のドラゴン:上の二つの龍族に属さない種族、高い知能を持つものも少なくないが、本能のままに行動するものも数多く存在し、統率がまったく取れていない。そのため人里を襲うこともある危険な種族。

天使族の内わけ
下級天使:主に戦闘の補助を担当する天使たち、能力は低いがライフ回復効果や遺言効果を持つものがこれにあたる。人間と同等の知能をもつ。

中級天使:戦闘面で優秀な天使たち、主に低レベルのアタッカーとされる天使族がこれに当たる。人間よりも高い知能と魔力を持ち、度々人間に力を貸している。

上級天使:上の二つの天使たちをまとめる存在、高レベルの天使族はおおむねこれに当たる。最も神に近い存在であり神の忠実なる僕として日夜戦い続ける結構苦労人な存在。すべてが例外なく高い知能を有しており地方によっては神として崇められているものもいる。

堕天使:神に背を向けて悪魔となった存在、それほど数は多くはないが皆が例外なくすさまじい力を宿している。

悪魔族の内わけ
下級悪魔:知能は低く、ほとんど本能に従っている危険な存在、ただ力はそれほど強くないのでアンデット族やその他のドラゴンほど脅威ではない。攻撃力の低い通常悪魔族がこれに当たる。

上級悪魔:高い知能と魔力を有する存在、デーモンソルジャーや地獄将軍・メフィストなどがこれにあたる。

魔王:膨大な魔力と非常に高い知能を持つ悪魔たちの司令官的存在、上級天使たちに匹敵する力を持ち、時には人間の前に現れ、その闇の力を与えたりし人間界を混乱させる。迅雷の魔王−スカルデーモンや冥界の魔王 ハ・デスなどがこれにあたる。

ベトレイヤー:正義に目覚め、悪魔たちを裏切り天使たちに味方する存在、堕天使以上に数が少ない。

こんなところですね。最後のほうなんだか説明がいい加減だなぁ・・・・
Date: 2004/03/28


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